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interview with Cameron Picton (My New Band Believe)

元ブラック・ミディのキャメロン・ピクトン、新バンドにかける想い

──初のアルバムを送り出したマイ・ニュー・バンド・ビリーヴ

interview with Cameron Picton (My New Band Believe)

ブラック・ミディのベーシストだったキャメロン・ピクトンが新たに自身のプロジェクトを始動。マイ・ニュー・バンド・ビリーヴと命名された彼ら、そのファースト・アルバムにはキャロラインのメンバーが大いに手を貸してもいる。

質問・序文:天野龍太郎 Ryutaro Amano    通訳:青木絵美 Emi Aoki
photo by Daisy Ayscough and Tomos Ayscough
Apr 17,2026 UP

主に1960年代後半のイングランドのフォーク・リヴァイヴァルの作品だね。ペンタングル、ジョン・レンボーン、バート・ヤンシュ、フェアポート・コンヴェンション、スティーライ・スパン、その辺だね。

続いてアルバムの参加メンバーについてですが、キャロラインのメンバーが多数参加しています。その理由は? キャロラインの音楽についてどう思っていますか?

C:彼らの音楽は素晴らしいと思うし、人としてもすごく好き。すごくオープンでフレンドリーな人たちなんだ。ブラック・ミディが終わったあと、そういう存在を求めていたところもあったと思う。それに、もう少し一緒に時間を過ごしてみたいと思えるような、すごく魅力的な人たちに感じたんだよね。少しだけ会ったことはあったし、音楽も好きだったけど、どこか距離がある存在でもあった。共通の友人もたくさんいたんだけど、まだそこまで親しいわけではない、でももっと近づきたい、と思えるグループだった。それが惹かれた理由のひとつだね。
 その時点ではセカンド・アルバムはまだ聴いていなかったから、すべてファースト・アルバム(『caroline』)の印象に基づいていたんだけど、その後の『caroline 2』の展開を見て、本当に素晴らしい作品だと思っているよ。多くのアルバムって、リリースされた直後に大きな話題になって、1、2週間くらいで忘れられてしまうことも多いと思う。でもこの作品は、時間が経つにつれてどんどん評価が高まっていって、聴く人も増えている。そういう点もすごくいいと思う。それに、自分が好きなタイプのポップ・ミュージックでもあるんだよね。表面的には少し難しい要素もあるけど、それでもちゃんと開かれていて、多くの人に届くような音楽だと思う。

それと“Numerology”には、日本を拠点に活躍しているサクソフォニスト松丸契が参加しています。彼とはDos Monosとのツアーを介して出会ったのでしょうか?

C:彼とはDos Monosを通じて何度か会ったんだ。彼らがブラック・ミディのヨーロッパ・ツアーでサポートをしてくれたことがあって、そのときに契も一緒に演奏していた。それで知り合った。その後、契が石橋英子と一緒に演奏するためにロンドンに来ていて、数日オフがあったんだ。それで彼から「会わない?」って連絡が来て、「いいね。じゃあ、曲を一緒に演奏してみない?」って僕が言ったのがきっかけだよ。

歌詞や曲名など、言葉の面についても聞かせてください。“Opposite Teacher”の曲名は、Dos Monosの没 a.k.a NGSに「人が成長する過程で親とは反対の性質を持つようになること」を表す日本語の英訳だと教えてもらったそうですね。「実際の日本語の言葉は見つからず、彼自身も思い出せないらしい」とあなたはセルフライナーノーツで書いていましたが、これは日本語の「反面教師」の訳だと思います。この曲での没とのエピソードについて教えてください。

C:2022年のクリスマスの時期に、没と一緒に日本にいたんだ。そのときは、ただ一緒に遊んでいて、ギャラリーや本屋に行ったりして、街を歩きながらお互いの言語のイディオムについて話していた。僕がどんな英語のイディオムを話したかは覚えていないんだけど、“Opposite Teacher”という言葉だけはすごく印象に残っていて、面白いなと思ったんだよね。それで、あとになってそのまま曲のタイトルにした、という感じ。

歌詞にはどんなメッセージが込められているのでしょう?

C:さっき“Heart of Darkness”の話でも言ったけど、この曲にとっての“鍵”はタイトルなんだよね。このアルバムのほかの曲と同じで。

あるふたりの人間の関係を歌ったものだと思ったのですが。

C:誰にでも当てはまるような、すごく普遍的なものにしたかったんだ。ポップ・ソングの作詞スタイルに興味があって、すごく具体的とも捉えられるのに、実際にはいろんなことを指していて、ひとつの意味に限定されないようなもの。誰でも自分なりに解釈できるような、そういうものにしたかったんだ。

なるほど。“Target Practice”について、あなたは「テツヤ・ヤマガミ(山上徹也)、ルイージ・マンジョーネ、ガイ・フォークス(中略)ほかにも多くの人物が、この曲の中に登場する」と書いています。つまりこれは、マーダー・バラッドのような暗殺犯についての曲なのでしょうか?

C:そうだね、ある意味ではマーダー・バラッド的な要素もあると思う。なんというか、情けない復讐のファンタジーという感じ。何か大それた計画を立てて、すごいことをやろうとしている人物がいるんだけど、それがうまくいかないのは明らかで……というような。悲劇的でもあり、どこか滑稽でもあるような感じだね。

“In The Blink of an Eye”の説明で、あなたはロンドンと東京の監視カメラの数に触れています。これは現代の監視社会についての歌?

C:必ずしもそういうテーマとして書いたわけではないんだ。レコーディングしたあとに考えたことではあるんだけど、ロンドンってすごく監視されている街ではあると思う。ただそれは、政府が個人を直接監視しているというよりは、人と人とのあいだでの“相互監視”みたいなものなんだよね。みんながお互いを見ている、というか。そういう感覚に近いんだ。

法泉寺颯(ベガーズ・ジャパン):東京も同じですよ。

C:そうだね。CCTVカメラは、ロンドンほどは多くないと思うけどね(笑)。

質問・序文:天野龍太郎 Ryutaro Amano(2026年4月17日)

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Profile

天野龍太郎天野龍太郎
1989年生まれ。東京都出身。音楽についての編集、ライティング。

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