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巻紗葉インタヴュー・マラソン ロールシャッハ・ノート

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#4 eastern youth 吉野寿 前編

文:巻紗葉 Jun 19,2014 UP

スティッフ・リトル・フィンガーズ(Stiff Little Fingers)を聴くように中原中也を読んでいて。


eastern youth
『口笛夜更けに響く』
(1995年)


Stiff Little Fingers
『Inflammable Material』
(1979年)

──吉野さんが東京に出てきたのはいつ頃ですか?

吉野:eastern youthを結成したのがちょうど20歳の頃で、『EASTERN YOUTH』(廃盤)というアルバムを出したくらいの頃に田森とふたりで東京に来ました。この頃はいわゆる右翼期で(笑)、『口笛夜更けに響く』から考え方や歌詞、音楽性もすごく変わったんです。

──『EASTERN YOUTH』ではどんなことを歌っていたんですか?

吉野:下手の考え休むに似たりじゃないけど、まあかぶれちゃってる感じですよね(笑)。ただ自分の生まれ育った環境だとか日本っていう国に愛着持っちゃいけないの?っていう思いはありましたね。当時は、日本語はロックやパンクに乗らねえだなんだって論争があったりして、フル英語詞でやるやつらも増えてきたような時期だったんです。でも俺はそういう意見に「(日本語がロックやパンクに)乗らないんじゃなくて、自分たちが乗せようとしてないだけじゃないの?」って感じていて。

──なるほど。

吉野:それで俺もバカなりに考えて、歌詞を文語体にすることを思いついたんです。文語体にすると言葉が記号化するでしょ。その記号を曲の中にはめ込んでいくような感覚。言葉を形として扱うというか。そうすると意味も普通の言葉みたいにダイレクトに入ってこない。

──初期eastern youth作品の文語体の歌詞はそんな状況で生まれたんですね。

吉野:もともと詩を読むのが好きだったんですよ。スティッフ・リトル・フィンガーズ(Stiff Little Fingers)を聴くように中原中也を読んでいて。どっちもカッコいいなと思っていたから、自分の聴いてきたパンクと詩をくっつけちゃダメなのかなって思ったんです。最初はそんな感覚でしたね。

──吉野さんは先ほどアルバム『口笛、夜更けに響く』から歌う内容が変わったとおっしゃいましたが、具体的に『EASTERN YOUTH』からどのように変化したんですか?

吉野:『EASTERN YOUTH』の頃はスキンズ・コミュニティの中で“愛国”とか“日本の心を大事にしようぜ”とか言ってたから、それを軸に歌詞を書いていたわけです。でも徐々に「自分のことで精一杯で“愛国”とか言ってらんねえな」って感じになってきたんですよ。

生身で戦わないと自分の人生にならんのですよ。だからどんどん自分の中のハッタリは却下になるわけです。

──右翼的思想よりも他に、自分にはもっと歌うべきことがある、と。

吉野:そう。こっちは生きていくのに精一杯でぶっつぶされそうになってたわけです。暮らしこそが、俺の戦いだったんですよ。仕事! メシ! ツラい! 死にたい!っていう(笑)。「でも、負けねえぞ」ってなってて。そしたら日本がどうとか、日の丸がどうとかはなんだっていいというか。なんだっていいものは、俺にとって歌うべきことではない。だからは俺はその「負けねえぞ」っていう思いを形にせにゃいかんぞと思ったんですね。

──eastern youthの歌詞は年々シンプルになっていると思うのですが、それはなぜですか?

吉野:それは本当のことだけを歌いたいからです。パンクに文語体をぶっこむっていうのは仕掛けなんですね。ハッタリ。頭悪いくせに頭よく見せようとしてもしょうがない。頭悪いなら頭悪いままでいい。変なメッキのようなもので実際より自分を2倍にも3倍にも大きく見せてもしょうがない。むしろ漢字バリバリ間違ったまま歌詞にしたいくらい(笑)。

──本質的なことを歌いたいという欲求が、結果的に歌詞をどんどんシンプルにしていった、と。

吉野:俺は自分が本当に大事だと思うことだけを歌っていきたい。そのためにはハッタリをどんどんとっていかないと。生身で戦わないと自分の人生にならんのですよ。だからどんどん自分の中のハッタリは却下になるわけです。そうやってカッコつけたものを取っていくと、ひょろひょろの芯みたいなもんだけが残って。それがどんなにみすぼらしい針金みたいなもんでも、それで勝負したい。「どうにか頑張れよ」「死にたくないんだろ」って。大事なことっていうのはシンプルなんだと思います。


■ライヴ情報
極東最前線巡業 ~Oi Oi 地球ストンプ!~
2014年8月30日(土) 渋谷クラブクアトロ
open 17:00 / start 18:00  ¥3,500(前売り/ドリンク代別)
出演:Oi-SKALL MATES / eastern youth

ticket
ぴあ(P:230-946)
ローソン(L:77597)
e+(QUATTRO web :5/17-19・pre-order:5/24-26)
岩盤
CLUB QUATTRO

(問い合わせ)
SMASH : 03-3444-6751
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巻紗葉 a.k.a. KEY巻紗葉 a.k.a. KEY
常にビビりながら、イリーガルな活動を続ける挙動不審な人間。誰も知らない知られちゃいけない。彼が懐に忍ばせている日記には全ての真実が記されているとかいないとか。

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