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倉本諒   Nov 14,2013 UP
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 ひさびさにライヴで完全にブッ飛ばされた。

 スイスの歴史的情緒溢れる美しき町ロザーン、創業100年の由緒あるシネマ・アートスペース、ル・ボーグ(Le Bourg)にて感無量なライヴ・セットを終えたばかりで興奮冷めやらぬ僕とローブドア(Robedoor)のブリット(〈NNF〉主宰)とアレックス、サンド・サークルズ(Sand Circles)のマーティンは、同じ晩に近所で行われていた〈LUFFフェスティヴァル2013〉に、ともにUK出身のハクサン・クロークとこのエンプティセット目当てで向かった。それによって僕らがこの晩にやってのけたショウがちっぽけにすら感じた(が、しかしそれでも僕らはこの晩のショウに満足している)。
 入場して間もなく、ただごとでない事態がステージ上に出来したことに目と耳を疑った。見覚えのある連中が発狂した光と音を放っている。ん? あれ? エンドン(ENDON)じゃね?
彼らを初めて知ったであろうブリット等を含むその日のオーディエンスは、強烈なトラウマを覚えたであろう。
 楽屋でジェロ・ビアフラがエンドンを絶賛するのを横目に偶然の再会の挨拶を交わし、数時間後のフライトで帰国する彼等に名残は尽きなかったが、エンプティセットのステージを観にフロアへと舞い戻った。

 有りえない程の爆音でフロアを振動させていたエンプティセット(眼球が振動するほど)に僕は少量の尿を漏らしていたかもしれぬ。
〈サブテキスト(Subtext)〉からの前作『マテリアル』はスノードニアの原発廃炉、ロンドン中心部深層部の広大なコンクリート試験燃料庫、ケントの地下22マイルにある中世の坑道などイギリス国内のカルト・スポットに赴き、コンタクト・マイクで採集したフィードバッグを“素材”にした極上のドキュメンタリー・サウンドトラックだ。
 彼らの完成度の高い世界観に僕はしばしばカネイト(Khanate)が奏でていた“間”を想起させられる。しかしもちろんこれはドゥーム・メタルではない。フロアで彼等が放出する超暴力的な光と音のフィードバックは(言わずもがな彼等のショウはリアルタイムでおこなわれる)は確実にオーディエンスを狂気のヘッドバンギングとダンスへと誘う。
 万を持して〈ラスタノートン〉からリリースされた4枚めのスタジオ・アルバム(※)となる『リカー(Recur)』はそのタイトルが指し示すようにいままでの彼等の軌跡を包括する秀作だ。根源的衝動を掻き立てるノイズとフィードバックの応酬。

 ライヴも込みなら確実に今年度最大の衝撃。

 ※本レヴュー掲載当初は「サード・スタジオ・アルバム」とご紹介しておりましたが、4枚めの誤りでした。お詫び申し上げます。(2013年11月14日/編集部)

倉本諒

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