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interview with Songhoy Blues

interview with Songhoy Blues

マリの夜街を照らすブルース

──ソンゴイ・ブルース、インタヴュー

質問・文:森本英人    通訳:山田蓉子   Jul 21,2017 UP

マリの国民としてこれは不正な統治に対する抵抗であり、軍、権威などに対する抵抗の音楽なんだ。それぞれの曲がマリの状況に関する明確な意図があって書いてる。


Songhoy Blues
Résistance

Transgressive / ホステス

AfricanBluesRock

Amazon Tower HMV iTunes

■セカンド・アルバムの構想はいつくらいから練りはじめましたか? 今回のアルバムのテーマ、あるいは制作のモチベーションになったことなどがあれば教えてください。

AT:『Résistance』は『Music In Exile』を巡る冒険の延長線上にあるんだ。『Music In Exile』というとても特別なコンセプトのもとに作ったアルバムのツアー中にも曲を書いたんだけど、マリの国民としてこれは不正な統治に対する抵抗であり、軍、権威などに対する抵抗の音楽なんだ。それぞれの曲がマリの状況に関する明確な意図があって書いてる。それらの歌詞はツアー中に書いた。空港やホテルや車の中でね。でも何曲かは『Music In Exile』が出る前にすでに書かれていたものもあるんだ。

■今回のアルバムはロンドンでレコーディングされていますが、アルバムの制作のためにメンバー全員で一度故郷であるガオやトンブクトゥに帰っていましたよね。アルバムを制作するにあたって、やはり故郷に戻る必要があったんでしょうか?

AT:ソンゴイ・ブルースを始めてから、それぞれが1週間か2週間のブレイクをツアー前にとるようにしてたんだ。家族に会って英気を養うためにね。マリの状況は変わりつつあるから新しいアルバムへのインスピレーションにもなったよ。

■先行シングルである“Bamako”や“Mali Nord”には、前作にはなかったホーン・セクションやキーボードのサウンドが聴こえてきます。

AT:いろいろな音楽を聴くうちにホーン・セクションやキーボードのサウンドにも魅力を感じるようになってね。それにヨーロッパでの方が僕たちの故郷よりソンゴイ・ブルースが聴かれていることがわかって、ヨーロッパのオーディエンスにも合うようなサウンドを作りたかったんだ。

■“Bamako”という印象的な、ある意味であなたがたの出発点になった街のタイトルを持つこの曲の歌詞を解説してください。

AT:“Bamako”からすべてが始まったから、オマージュを捧げたかったんだ。僕たちのバックグラウンドを理解するのに役立つ歌詞なんだよ。バマコは夜が本当に生き生きした街なんだ。ここ最近のバマコにまつわる暗いイメージを払拭したくてね。旅行に行ったり、働いたりすることをためらうような状況があるけど、バマコに行ったら面白いバンドが見られる、楽しい夜が過ごせるということを言いたかった。パリでテロがあったって、パリの街の魅力が損なわれたわけじゃないだろ? それはバマコも同じなんだ。

■“Mali Nord”には(前作収録曲の)“Irganda”をサンプリングしていたグライムMCのエルフ・キッド(Elf Kid)が参加していますね。彼はどのような経緯で参加することになったのでしょう?

AT:(エルフ・キッドが)“Irganda”を使いたいということで、でき上がった曲を聴いたら僕たちの曲より素晴らしくて「OMG!」ってなったんだ。それでエルフ・キッドに会って、いい仕事をするだけじゃなくて良いヤツだってわかって、いつか一緒にできればとレーベルに話してたんだ。それでアルバムの制作時にこの曲にはラッパーが必要だってなって、すぐにエルフ・キッドに提案したっていうわけ。曲のテーマは難民。そして難民が亡命したければ受け入れるべきだということ。エルフ・キッドも同じ思いなんだ。

バマコは夜が本当に生き生きした街なんだ。ここ最近のバマコにまつわる暗いイメージを払拭したくてね。〔……〕パリでテロがあったって、パリの街の魅力が損なわれたわけじゃないだろ? それはバマコも同じなんだ。

■“Ici Bas”の美しいコラの音とヘヴィなギター・サウンド、軽快なリズムのフュージョンにシビレました。あのコラを演奏しているのは誰ですか? マンディングのグリオの楽器であるコラをフィーチャーした理由はなんでしょう?

AT:トゥマニ・ジャバテ(Toumani Diabaté)の弟だよ。別のプロジェクトで一緒になってマリのスタジオで出会って、コラの演奏が素晴らしかったから「今度一緒にやらないか」と声をかけたんだ。演奏スタイルもマンディングだけど、そうやって別のスタイルや民族性を混ぜていくことが、美しいと思う。歌詞もマンディング語で歌ってる。モラルや人間同士の関係性についてだ。夫婦や親子、雇い主と雇われる側などいろいろな人間関係のそうあるべきあり方について歌っている。

■他にアフリカ・サイドから参加しているアーティストがいれば教えてください。また彼らはどういう経緯で参加することになったのでしょうか?

AT:バッキング・ヴォーカルとンゴニくらいかな。ンゴニはマリの南から来てもらったバカラという友だちだよ。このアルバムではパーカッション、メロディ、歌詞、楽器などマリのあらゆる民族の音楽を取り入れているんだ。

■イギー・ポップの参加には驚きました。どういった経緯で参加することになったのでしょう?

AT:“Sahara”をレコーディングした時、この曲のメッセージを伝えるには高みにあるアーティストに頼まないといけないね、と皆で話し合って、スタッフがイギーに頼んだんだ。曲を聴いてイギーは特に質問するでもなくすぐに引き受けてくれた。イギーは新人バンドをとても良くサポートしているけど、アフリカの砂漠から来た若いバンドとやるのは初めてだったようだよ。

■“Hometown”は、タイトルとはうらはらにとてもハイブリッドな曲ですね。フィドルを弾いているのは誰ですか? またフィドルを加えた理由はなんでしょう?

AT:ロンドンの友だち。ロンドンのコンサートの後に楽屋に会いにきてくれて、ビールを飲んだりして話しているうちに意気投合して、レコーディングで声をかけるよ、ということになったんだ。

■ニール・コンバーとのコラボレーションはいかがでしたか?

AT:ニールは最も人の言葉に耳を傾ける忍耐深いプロデューサーだよ。彼はものすごく経験が豊富なのに指図をしてくるのではなく、アーティストの意見をまず尊重してくれる。それはアーティストにとって理想だよね。僕たちには経験がないから、僕たちが欲しいと思っている音がなんなのかよくわからなくて口で「こういう音」と真似ることが多かったけど、そういうことにもいちいち付き合ってくれたよ。そしていつでも笑顔で熱心で僕たちを励ましてくれた。

■今回のアルバムにテーマのようなものはありますか? バンドが目指したサウンドやメッセージがあれば教えてください。

AT:最後の曲“One Colour”の歌詞で歌っていることだね。皆が一緒になればこの世界は素晴らしいものになる。ギター、ドラム、ベースが一緒になったようにね。

■あなたたちはマリという国の出身であるにもかかわらず、マリと同時に欧州のフランス語圏ではなくUKやアメリカなど英語圏を中心に活動し人気を博しています。あなたがたの故郷であるガオやトンブクトゥはニジェール川のほとりにあり、イスラム世界とアフリカの交易の中心地として栄えた大都市で、ひょっとしてオープンな、進取の気風があったりするのかなと思うんですが……どうでしょう?

AT:僕たちが欧米で受け入れられた大きな理由は、この世界情勢が僕たちの活動に与えた影響、そして僕たちの物語にオリジナリティをもたらしたと思う、そして僕たちの戦いに世界の人びと、欧米の人たちが共感してくれたんだと思う。

質問・文:森本英人(2017年7月21日)

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森本英人/HIDE MORIMOTO森本英人/HIDE MORIMOTO
〈SOUL BONANZA〉主宰。東京No.1トロピカル・ミュージック・パーティ「TOKYO SABROSO」、「TAMBU」、「VOODOO FUNK in JAPAN」等でレジデントDJ。

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