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interview with Mitsuru Tabata

interview with Mitsuru Tabata

アウトサイダーの履歴書――田畑満

大久保潤    photos by Yasuhiro Ohara   Oct 20,2010 UP

裸のラリーズですかね。ちょっと後なんですけど、高校3年の頃に。7時開場・開演とかだったんですけど、終わったのが夜中の3時頃だったと思います。お客さんは少なかったんですけど、アンコールもあって同じ曲を3回くらいやって。僕もよくわかってないんですけど、そのくらい衝撃を受けたんでしょうね。

■音源が出た後もある程度は活動されてたんですか?

田畑:すぐ終わっちゃいましたね。ベースの細井くんが辞めて、ドラムの子が進学するって言って。それで解散しました。

■高校生バンドっぽい終わり方ですね。それが82、3年。その後はのいづんずりですが、誘われて入った感じですか?

田畑:いや、その前にSSでベースを弾いていた竹野さんがやっていた「アイ・ラヴ・マリー」というバンドでギターを弾いていました。あれは一発でクビになったんかな? そして「セッティング一発」。ニプリッツでギターをやってるジンさんがいまでもやってるダストってバンドがあって、そこのヴォーカルのタチメさんがやっていたバンド。そこにちょっと入ってて、その後のいづんずりに入った理由はわからないですね。志願したのかな。

■音楽性は田畑さんが入る前からある程度固まってたんでしょうか。

田畑:もともとまあ、ニューウェイヴですよね。不気味な(笑)。その前にいたのが東京でカメラマンをやっている方で、わざわざ京都まで来てやってたから、その方と交代というか......最初はふたりともいたのかな、録音には。ライヴ活動は僕がひとりでギター弾いてたんですけど。

■アルバムには戸川純さんも参加されてるじゃないですか。割とポップ・シーンに近いバンドだったわけですよね。

田畑:あれは何ででしょうね。リーダーの福田研さんの知り合いだったみたいですけど。ライヴもやったりしましたね、ライヴ・インとかで。レコ発だったのかな。そのときに限ってお客さんがいっぱい来て(笑)。ギャラも結構な額がもらえたから、そんなの若いもんに与えたらねえ。帰る頃にはもう一銭もなくなってましたけど。六本木とかで無茶苦茶やって(笑)。レッドシューズってお店に行ったり。

■ヴォーカルのインドリ・イガミさんは結構強烈なキャラの方だったそうですが、結局クビみたいな形になるんですかね。

田畑:そうですね、最後は京都芸術大学で少年ナイフとかの出たコンサートがあって、その日にクビになりました。学祭って模擬店というかお店がいっぱい出るじゃないですか。それで早い時間から飲みすぎでほとんど歌が歌えないような状態やったんで、みんな怒って。

■当時の関西ってEP-4がいたりINUがいたりして、ニューウェイヴで個性的で魅力的なバンドが多かったですよね。やっぱりそういう環境みたいなものには影響されてましたか?

田畑:そうでしょうね。聴いてる音楽は違いましたけど。高校生のときに京都にDee Beesっていうお店があったけど、あんま行かなかったですね。

■当時は京大とか、大学でも東京のニューウェイヴバンドを招聘してやったりしてましたけど、あんまりそういうのは行ってないですか?

田畑:いや、それは行ってますね。お店系に行かなかっただけで。あの頃の京都ってだいたい3つの大きいグループに分かれてたんですよ。EP-4とかのスタック・オリエンテーション。あとは西部講堂のビートクレイジーですよね。コンチネンタル・キッズとか。それと僕らは「服屋系」って呼んでた人たちがいたんですけど。ノンカテリアンズっていう、ノーコメンツにいた人たちが作ったバンドで。あとHIP-SEE-KID(ハープシコード)って、モンド・グロッソの大沢伸一さんがいたバンド。それはお洒落な人たちで、だいたい服屋でバイトしてたから「服屋系」(笑)。だいたい大きくその3つの流れがありました。

■のいづずりというか、田畑さんはそのなかではどちらに?

田畑:のいづんずりのファーストLPは〈テレグラフ〉からリリースされたんですけど、EP-4の佐藤薫さんがプロデュースする話もあったりしたから、その周辺ということになるんでしょうね。個人的に良く遊びに行ってたのはビートクレイジーでしたけど。

■当時もっともよく覚えてるライヴってありますか? 衝撃を受けたライヴとか。

田畑:裸のラリーズですかね。ちょっと後なんですけど、高校3年の頃に。7時開場・開演とかだったんですけど、終わったのが夜中の3時頃だったと思います。お客さんは少なかったんですけど、アンコールもあって同じ曲を3回くらいやって。僕もよくわかってないんですけど、そのくらい衝撃を受けたんでしょうね。終わった後に駐車場のところに水谷孝さんが立ってて、駆け寄って「おつかれさまです!」とか言ったら「煙草持ってる?」って言われて、ピースを差し出して。「何かバンドやってるの?」って言われたんだけど、そのときなぜかボブ・マーリーか何かのTシャツを着てて(笑)。で、「レゲエ・バンドやってるんですわ」って言ったら「あ、そう」みたいな、それはよく覚えてます(笑)。あの頃でいちばん印象に残ったライヴっていったらそれですねえ。わけわからんかったですけど。事前情報も何もなくて、謎のバンドが来るみたいな。

■7時から3時までって言ったら8時間ですよね。

田畑:それも何か曖昧な......あっと言う間に過ぎたのか。途中で1回寝てるんですけど(笑)。他にはINUの町田さんがアーント・サリーのビッケさんとやりだした「ふな」ってバンドがいて。あれはすごく印象に残ってます。

■キャプテン・ビーフハートみたいなことやってましたよね。

田畑:ちょっとレゲエも入ったりしてて。

■あれはすぐ終わっちゃいましたよね。音源とかも出さないで。

田畑:最後のライヴはメンバーが全員いなくなって、ひとりで出たっていうのがありました。経緯を覚えてないんですけど、そのあとで大阪の町田町蔵さんの家まで遊びに行ったことがありますね。停電になったか何かでアルコール・ランプで火をつけようって言って、でもアルコールがなかったからライターのガス入れたらどうやって。やってみたら爆発して眉毛が焦げたっていう(笑)。その後はもう全然会ってないですね。うちの実家に来たこともあったんですけど。何かサンマの頭も食べたはったのは覚えてますね。たんについて回ってただけなんでしょうけどね。子供が兄貴分みたいなのについていくっていう。僕がそのとき17とかだから、向こうも21とかじゃないですか。

文:大久保潤(2010年10月20日)

Profile

大久保潤大久保潤/Jun Okubo
1975年東京生まれ。書籍編集者として菊地成孔・大谷能生『東京大学のアルバート・アイラー』、佐々木敦『「批評」とは何か』、『アメリカン・ハードコア』『ブラック・メタルの血塗られた歴史』、ミック・ファレン『アナキストに煙草を』などを担当。ポストパンクバンド「大甲子園」、即興ドゥームロックバンド「Filth」、即興ハードロックバンド「Filth Iconoclast 666」等のギター。
ブログ:http://www.noiznoiznoiz.com

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