ele-king Powerd by DOMMUNE

MOST READ

  1. interview with Actress UKテクノ界の奇才が語るみずからの哲学 | ──アクトレス、インタヴュー
  2. 細野晴臣 - Yours Sincerely | Haruomi Hosono
  3. Brian Eno ──ブライアン・イーノがレーベル〈Opal〉を再始動、あわせて00年代の2作品がリイシュー
  4. Arca - XXXXX
  5. Loraine James ——ロレイン・ジェイムズの新作、突如のリリース(しかも無料DL)
  6. Klara Lewis - Opening | クララ・ルイス
  7. R.I.P. 鷲巣功
  8. 別冊ele-king パンク50周年記念号──それは何だったのか、何でありえるのか
  9. ele-king vol.37 ボーズ・オブ・カナダ大研究/サイケ&ドリーミー特集
  10. RYUICHI SAKAMOTO + SHIRO TAKATANI AMBIENT KYOTO - TOKYO -
  11. Dusty - Dusty & Friends / Commodo - Deep Harbour ft. Alfa Mist / Untold - False Vacuum
  12. Future Sound of Jazz ——蘇る「フューチャー・ジャズ」、ドイツの〈Compost〉の人気シリーズが16作目
  13. Tohji - angel
  14. interview with Wendell Harrison 音楽の楽園=デトロイトから、ウェンデル・ハリソンがファラオ・サンダースとサン・ラーの思い出を語る
  15. Kim Doeon - SLAPSTICK | キム・ドオン
  16. This Is Lorelei - The Singer in My Band | ディス・イズ・ローレライ
  17. 異次元の常識──パンク/ハードコアの思想とメッセージ
  18. interview with caroline いま、これほどロマンティックに聞こえる音楽はほかにない | キャロライン、インタヴュー
  19. Cornelius - Refractions | コーネリアス
  20. Haruomi Hosono ──細野晴臣のドキュメンタリー映画が公開

Home >  Regulars >  Random Access N.Y. > vol. 104:Ava Lunaはブルックリンを代表する注目株- Ava Luna @ Music hall of Williamsburg

Random Access N.Y.

Random Access N.Y.

vol. 104:Ava Lunaはブルックリンを代表する注目株

Ava Luna @ Music hall of Williamsburg

Sep 11,2018 UP




Ava Luna @Music hall of Williamsburg


 以前コーネリアスをNYで見たときのオープニング・バンドがAva Lunaだった。そのときはコーネリアスに気を取られて気にしなかったのだが、昨日、彼らの新アルバム『Moon 2』のリリース・ショーに行ったら、キレキレ最高のパフォーマンスに圧倒された。
 2007年結成のブルックリン・バンドは、男女人種混合のソウル、ファンク、R&B、クラウトロック、ポストパンクなどのジャンルをミックスした5人組。メインのヴォーカルが3人(白人女子、ヒスパニック系女子、ラテン系男子)いて、楽器も曲毎に変わり、一曲一曲が全く別の構成になる。3重ハーモニーの美しさは、ダーティ・プロジェクターズを思わせるが、メンバーのフェリシア(ヒスパニック系女子)は、新ダーティ・プロジェクターズのツアー・メンバーでもある。彼らはそれぞれ別のプロジェクトを持ちつつ(Gemma、Jennifer Vanilla、NADINEなど)、ミスター・ツインシスター、スピーディ・オーティズ、フランキー・コスモスなどのプロダクションやアレンジを手伝ったりもしながら、この個性ある彼らが集まると、Ava Lunaになるところが自然なアウトプットなのだろう。
 彼らの良いところは、やり過ぎになりがちをギリギリに抑えている点にある。ハーモニーも良い塩梅を保ち、バランスを大切にしているし、突き出たシアトリカルなパフォーマンスでも、それぞれの役割を徹底して、お互いに出しゃばらない。だから全体を見たときに、きちんと纏まって見える(スタイリッシュな女子2人と、さえない文化系男子3人)。
 ことに歌のうまさとハーモニーには、目を見張るものがある。その風貌からは想像できない(失礼)、メインガイ、カルロスの甘いR&B声を聴いたときは、神様からの贈り物かと思った。昔は、彼が前面に出ていたのだが、現在は女子2人が前に出ていて、彼はあくまでバックを固めている。フェリシアの磁石のような息遣いのする声とグルーヴィな動き、レベッカのエキセントリックな声とコレオグラフィー的な動きが回転し、見ていて全く飽きないのだ。最後にはドラマーがギターを持ち(ドラムは打ち込み)、全員が前に出て演奏する一面もあった。可能性は無限に、アメーバの様な動きをするAva Lunaは、ブルックリンを代表する注目株だ。

 ちなみに、ペンシルベニアのファームキャンプでプレイしていたFleabiteのJadeが、Ava Lunaのサウンドを担当していた。彼女はBowery presentsのショーのサウンドを担当しているので、偶然ではないが(ファームキャンプでもサウンドを担当していた)、こうやって、ブルックリン・コミュニティが築かれていくのだろうと思い、ひと目でAva Lunaの物販だとわからないグッズたち(歌詞のタイトル “Steve Polyester!” のスウェットや、“do you moon?” のタイダイTシャツなど)を見ながら会場を後にした。

https://avaluna.bandcamp.com

https://en.wikipedia.org/wiki/Ava_Luna

https://fleabite69.bandcamp.com

Yoko Sawai
9/8/2018

Random Access N.Y. - Back Number

Profile

沢井陽子沢井陽子/Yoko Sawai
ニューヨーク在住20年の音楽ライター/ コーディネーター。レコード・レーベル〈Contact Records〉経営他、音楽イヴェント等を企画。ブルックリン・ベースのロック・バンド、Hard Nips (hardnipsbrooklyn.com) でも活躍。

COLUMNS