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UKクラブ・カルチャーの最前線に躍り出る、 <br>注目レーベル〈ハウンズトゥース〉とは?
信頼のキュレーションによる、「クラブ・ナイト」最新モード!

UKクラブ・カルチャーの最前線に躍り出る、
注目レーベル〈ハウンズトゥース〉とは?

文:飯島直樹(DISC SHOP ZERO) Jun 17,2014 UP

 2013年にリリースを開始、瞬く間に多面的なリリースを展開してきた〈ハウンズトゥース(Houndstooth)〉を説明するには、その母体であるナイト・クラブと、レーベルのA&Rについて触れないわけにはいかない。


印象的な〈Fabric〉のロゴ

 〈ハウンズトゥース〉の母体は、ロンドンの大型ナイト・クラブ〈ファブリック(Fabric)〉。1999年10月にオープンし、2007年、2008年には『DJマガジン』の「Top 100 Clubs in the World」の1位に輝いた、イギリスを代表するクラブのひとつだ。メインは土曜の、「fabric」というハウスやテクノを中心にした夜。金曜は「FABRICLIVE」というサウンドクラッシュ的な夜で、ヒップホップ、ダブステップ、ドラム&ベース、インディ・ミュージック、エレクトロなど、折衷主義というキーワードのもと、意欲的なキュレーションのプログラムが繰り広げられている。日曜は「WETYOURSELF」というイヴェントが2009年から開かれている。2001年には〈ファブリック・レコーズ〉を設立し、「fabric」「FABRICLIVE」という、クラブ・ナイトのコンセプトを反映させたDJミックスのシリーズを毎月交互にリリース。2012年に、ロブ・バターワース(Rob Butterworth、ディレクター)とレオ・ベルチェッツ(Leo Belchetz、マネージャー)がレーベルの担当に着任し、ミックスだけでないアーティスト主体の新レーベルを立ち上げる構想が生まれる。そこで抜擢されたのが、〈ハウンズトゥース〉のA&Rを務めるロブ・ブース(Rob Booth)だった。


2012年リリースの〈Electronic Explorations〉コンピレーション。
MP3のほうは61トラックを収録

 ロブ・ブースはダブステップを中心にしたエレクトロニック・ミュージックのシーンではすでに知られた存在だった。2007年から「エレクトロニック・エクスプロレーションズ(Electronic Explorations)」というポッドキャストを運営してきた彼の経歴は、90年代前半に遡る。デトロイトとバーミンガムのテクノに魅せられ音楽にハマった彼は、1997年、メアリー・アン・ホブス(Mary Anne Hobbs)のラジオ番組「ブリーズブロック(Breezeblock)」に出会い、さまざまなスタイルのエレクトロニック・ミュージックに愛情を抱く。その後、音楽ビジネスを学び、LTJブケム(LTJ Bukem)の〈グッド・ルッキング・レコーズ(Good Looking records)〉での経験を経て、ロブはメアリー・アン・ホブスの番組を制作していたサムシン・エルス・プロダクションズ(Somethin' Else Productions)で働くことになる。アンダーグラウンドなエレクトロニック・ミュージックを、彼が愛したラジオのようなスタイルで紹介するかたちでスタートした「エレクトロニック・エクスプロレーションズ」は、あっという間に人気のポッドキャストとなった。そして、ジェイムス・ブレイク(James Blake)、ピアソン・サウンド(Pearson Sound)、2562などの新しい才能をいち早く紹介したロブのキュレーターとしての手腕は、多くの音楽ファンや関係者から信頼を集めることになった。「エレクトロニック・エクスプロレーションズ」は、2012年からレーベルとして作品のリリースも開始。第1弾の12インチにはアコード(Akkord)、ミラニーズ(Milanese)、カーン(Kahn)、ラックスピン(Ruckspin)の楽曲が収録されている。


〈Houndstooth〉のロゴはジャケット・デザインにも多用されるモチーフだ

 2013年、〈ハウンズトゥース〉はベルリンのコール・スーパー(Call Super)の作品をレーベル1番としてリリース。以降、キング・カニバル(King Cannibal)として知られるディラン・リチャーズ(Dylan Richards)のハウス・オブ・ブラック・ランタンズ(House Of Black Lanterns)、デイヴ・クラーク(Dave Clarke)のユニット、アンサブスクライブ(Unsubscribe)、シンクロ(Synkro)とインディゴ(Indigo)によるアコード、スノウ・ゴースツ(Snow Ghosts/Hannah Cartwright+Alight)、アル・トゥレッテ(Al'Tourettes)のセカンド・ストーリー(Second Storey)、ポール・ウールフォード(Paul Woolford)のスペシャル・リクエスト(Special Request)、スローイング・スノー(Throwing Snow/Alight)など、新しい才能もしくは、すでに著名なアーティストの別名義に焦点を絞ってリリースを続けている。


Call Super / The Present Tense(HTH001)


Akkord ‎/ Navigate EP
(HTH005)


Snow Ghosts ‎/ And The World Was Gone(HTH011)

 筆者の私見だが、これには、たとえばラジオで流れてふと気になった曲について探っていくような感覚を、同レーベルのリリース作品にも持ってもらいたいという運営側の思惑があるのではないかと考える。『レジデント・アドヴァイザー』のインタビヴューで、ディレクターのロブ・バターワースは「すでに実績を持っている人たちではなくて、フレッシュな人選で我々独自のアイデンティティを見出したかった」と述べている。いまのところ〈ハウンズトゥース〉からは、まったくの新人のリリースはない。しかし、まるで「FABRICLIVE」のクラブ・ナイトをオーガナイズするようにキュレートされた面々によるリリースが、今後どのように広がっていくのか、その動向が楽しみなレーベルのひとつであることは疑いようがない。

http://www.fabriclondon.com/

http://www.houndstoothlabel.com/

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