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R.I.P. Mira Calix

R.I.P. Mira Calix

野田努 Mar 29,2022 UP

 こういう仕事をして、いろんな人と会って話したりするなかで、この人の性格はうらやましいなと思えるような人と会うことがある。ミラ・カリックスはそんなひとりだった。彼女のからっとした感じ、テキパキとした感じ、頭の回転の速さ、そしておそらくは、困難にぶち当たっても可能な限りに前向きに思考し、突破してしまいそうな明るさ——そうした彼女の属性は、彼女が南アフリカ生まれでロンドンに移住したコスモポリタンであるがゆえなのかどうかはわからないし、そもそもぼくが彼女と会ったのはわずか2回なので、まあ、365日そんな感じだったのかどうかもわからない。ただ、彼女にはどこか竹を割ったような、さっぱりした感じがあって、その感覚は彼女の音楽作品からもぼくは感じていた。どんなに彼女が実験的なことをやろうが、遊び心があって、ユーモアもあった。遺作となったアルバム『Absent Origin』のアートワークがそうであったように。
 ミラ・カリックス、本名、シャンタル・フランチェスカ・パッサモンテが亡くなったと所属元の〈Warp〉が3月28日発表した。死因は公表されていない。52歳だったという。まったく、なんて悲しいニュースだろう。
 彼女のキャリアは、90年代初頭のロンドンのアンビエント・ソーホーというアンビエントに特化したレコード店の店員としてはじまった。ぼくの、あまり頼りにならない記憶装置によれば、たしか彼女はDJシャンタルとして、1993年の「アンビエント・サマー」と呼ばれたあの夏、アンビエントDJとしてシーンの一部になった。
 懐かしい時代だ。奇跡的な時代だったと思う。シーンにいる誰もが自分個人のためではなくシーンのため、みんなのために動いた時代だった。「アンビエント・サマー」は、口もきけないくらいにぶっ飛んでダンスする第二期レイヴ・カルチャーから枝分かれしたシーンで、アンビエントでも実験音楽でもプログレでも、まあみんなでのんびりと、いろんな音楽を楽しんでチルアウトしましょうやというシーンだった。頭角を現した彼女は、シェフィールド時代の〈Warp〉の広報担当にフックアップされた。彼女のミッションは、それこそAIシリーズを売ることだったが、広報担当時代の彼女の最大の功績は、ハウス至上主義者からの「オウテカやAFXでは踊れない」といった批判に対して、『Blech』というDJフードによるミックス作品で反論したことだった。
  
 それから周知のように、シャンタルはミラ・カリックスとして多くの作品を発表した。2000年のデビュー・アルバム『One On One』、2003年のマスターピース『Skimskitta』。それから彼女はハイブローなアートの世界にも進出した。ロンドン・シンフォニエッタとの共作、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーのための作曲、あるいはオペラのための作曲やインスタレーションなど、それらのいくつかの楽曲は『3 Commissions』と『The Elephant In The Room: 3 Commissions』にまとめられている。
 ミラ・カリックスは2021年、2007年の『Eyes Set Against The Sun(太陽に目を向ける)』以来となる、久しぶりのアルバム『Absent Origin』をリリースした。このアルバムはレヴューでも書いたように彼女の集大成的な内容の作品で、おそらくはもっとも傑出した作品だった(年間ベスト・アルバムにも挙げた)。このアルバムに先駆けて2019年にリリースされている復帰作となったシングルのタイトルは「Utopia」だったが、シャンタル・フランチェスカ・パッサモンテは間違いなくユートピストだった。最後まであの時代の精神を忘れなかったことは、その遺作が充分に証明している。彼女の最後のツイートは「help the displaced….save Ukraine ……save democracy…. save the world」だった。
 
 以下、これまでやった2回のインタヴューをここに掲載することで、彼女への供養としたい。


■エレキング、1997年8月/9月号

 ごきげんなヒップホップ野郎ジョージの取材を終えてから悪い知らせが届いた。スクエアプッシャーことトム・ジェキンソンが、列車に乗り遅れ、予定の時間よりも到着がだいぶ遅れそうとのことだ。
 ふーむ、仕方あるまいと思っている時に、〈Warp〉のオフィスにやって来たのはミラ・カリックスことシャンタル嬢だった。今年で28歳になる彼女は、もともとロンドンのアンビエント・ソーホーというレコード店で働きながらDJとして活動していて、メガドッグやメガトロポリスやフリー・パーティでまわしていた。パーティでオウテカと知り合い、その後オウテカのメンバーのショーン・ブースと結婚、住居をシェフィールドに移してからつい最近まで〈Warp〉のオフィスで働いていた。しかし今や彼女はミラ・カリックスという名のもと、〈Warp〉と契約したアーティストのひとりである。これからシーフィールのマーク・クリフォードの協力を得て、アルバムの制作に取りかかる予定だとも言う。
 ミラ・キャリックスの音は、まさしく〈Warp〉の“アーティフィシャル・インデリジェンス・シリーズ”的な展開で、それはブラッグ・ドッグやオウテカ、そして最近話題のボーズ・オブ・カナダと並んで古き良き〈Warp〉の伝統に基づくものである。スペースメン3の大ファンで、スペースメン3に関するものならすべて集めているという彼女と話してみることにした。

――〈Warp〉レコードにどういう印象を持っていましたか?
シャンタル:もともと〈Warp〉は大好きだった。とくにオウテカとブラック・ドッグの大ファンだった。初めて〈Warp〉のオフィスを訪れた時はあまりの小ささにショックを受けたことをよく覚えている。仕事はとても楽しかった。私が好きな3つのレーベルのひとつで働くことができたのはラッキーだったと思う。
――好きな他のふたつのレーベルは?
シャンタル:4ADとデディケイティッド。スピリチュアライズドの大ファンだからね(笑)。
――しかしミラ・カリックスやオウテカみたいな音は決して多くの人に聴かれる音じゃないですよね? 今後どうすればあなたがたのような音楽は残っていくと思いますか?
シャンタル:売れないといっても、そういったアーティストがささやかながら暮らしていける枚数が売れれば、それが彼らにとって売れたということになるのよ。たしかにオウテカみたいな音は私、すごくいい音楽と信じているけど、ラジオなんかでなかなかかけてもらえない。ラジオ局が最初から、この手の音楽は理解しづらいと思ってしまっているから。それはオーディエンスをみくびった態度だと思う。日本もきっとそうでしょうね。テクノでさえ、深夜のラジオでしかかからない。
――しかしオウテカみたいなアーティストも〈Warp〉は出し続けるじゃないですか。最近も5枚目のアルバム『LP5』を出したばかりですよね。そこは偉いなぁと思います。
シャンタル:まったくその通り。そしてリリースすれば買う人もがいることも事実。つまり、オウテカの音楽を好きな人が少なからずいるってこと。前はよくプラッドやオウテカのような音は踊れないからダメだって、ジャーナリストから叩かれたことがあったわ。だから私たちはDJフードに頼んでミックスCDの『ブレック』を企画したの。「どう? 私たちみたいな音でもDJの腕次第で充分に踊れるでしょ!」ってね。DJフードは素晴らしいDJだと思うわ。〈Warp〉の人たちはみんなDJフードのことが好きなの。だって彼らはジャンルで差別しないで、本当になんでもミックスできる人たちだから。
――そうだったんですかー。いやー、僕もあの『ブレック』には本当にぶっ飛ばされましたが、まさかその背景にあなたが関わっていたとは。
シャンタル:第2弾も考えていたんだけど、DJフードが忙しくなっちゃってねー。
――話は変わりますが、オウテカのショーンと結婚したんですよね?
シャンタル:ええ(笑)。一応オウテカのひとりと結婚したつもりなんだけど、家にスタジオがあるからオウテカのふたりとほとんど毎日顔を合わせていて、まるでオウテカのふたりと結婚したみたいになっちゃった(笑)。
――しかしあなたの家からはオウテカの音とミラ・カリックスの音が同時に鳴っているわけだから、近くを通る人は不思議に思うでしょうね。
シャンタル:しかも建物の一階はトルコ料理のレストランだから、トルコ音楽もミックスされている(笑)。


■remix 2003年5月号

 前回〈Warp〉を訪ねたのは6年くらい前のことで、レーベルはまだシェフィールドにあった。当時〈Warp〉は冴えない地方都市のしかしもっとも成功しているインディ・レーベルだった。それがいまではロンドンの原宿ともえいるカムデンタウンだ。大きなドアを開けると広いフロアを囲むように円陣にデスクが並べられ、10人以上のスタッフが机のうえのコンピュータに向かってかちゃかちゃ音を立てている。フロアの中央にはスピーカーがあり、最先端のアンビエントが流れている。なんだか変な光景だ。
 ミラ・カリックスを名乗るシャンタル・パッサモンテと最初に会ったのも6年前のシェフィールド時代の〈Warp〉を訪ねたときだった。オウテカのショーン・ブースと結婚して間もない頃で、彼女が〈Warp〉を退職し、ミラ・カリックスとしてアーティスト契約したばかりの頃だった。最初のアルバム『One On One』がリリースされるおよそ2年前のことでもあった。
 シャンタル・パッサモンテは6年前と変わらずよく喋りよく笑う。とても楽しそうだ。彼女のキューリアスな音楽からもそんな彼女の振る舞いが聴こえる。日々の生活の微妙な変化に驚きと喜びを感じ、雨の音を聞き分け、風の匂いを音に置き換え、暗い夜の窓の外の化け物たち、遠い森の動物たちの内緒話に耳を澄ましているような、想像力を楽しむ人間がそこにいる。「音楽を作るときはいつも楽しんでやっているわ。遊び、そう、むしろ遊んでいるといった感じね」
 彼女はこの2年半のあいだに90曲を作り、それを1枚のアルバムにまとめたばかりだ。彼女の2枚目のアルバム『Skimskitta』は悪戯っぽいノイズのあとに美しいピアノが流れ、そして魔法の時間ははじまる。「音楽を作るのは主に昼間の時間帯。部屋に東の窓と西の窓があって、だから早朝から黄昏時まで太陽の光が入ってくる。こんな賢沢ないよね(笑)。だって朝の光から夕刻の光まで満喫しながら音楽を作れるんだから!」
 彼女の人生のパートナーでもあるショーン・ブースのいるオウテカはつねに最新のソフトウェアに目を光らせているが、彼女は彼らとは正反対の態度を取るかのようにアナログ機材や役に立たない楽器を好んでいる。オウテカとの比較でもうひとつ言うなら、オウテカの音の粒子の塊のようなビートに対して、彼女のドラムは石を鳴らしたときの音で構成されたりしている。そんなアイデアを捻り出すことが彼女の創作への情熱なのだ。
 3年前に引っ越した彼女の住むサフォークは、彼女の音楽に大きな影響を与えている。「シェフィールドに住んでいた頃はとんでもない場所で、部屋の窓の外が大通りだったからもういつでも騒がしいし、しかも部屋の下がトルコ料理屋でしょう(笑)。引っ越した場所はもっと田舎の、そうねー、私たち以外の住人といえば鳥ぐらい(笑)。どこに住んでようと変わらないと思っていたけど、だってスタジオの中身は変わらないわけだしね、でもね、環境の変化は……、やっぱ大きいわ(笑)!」
 ミラ・カリックスの音楽は数々の奇妙な物音で成り立つ一編のメルヘンのようだ。“狼と羊と扉”という曲では彼女だけが知る真っ暗な洞窟を探検しているような気分にさせられる。美しいピアノの音とざわめくパーカッションと遠くで聞こえる声。“I May Be Over There”のたどたどしいピアノの鍵盤の動きと宇宙のように広がるストリングスと奇妙なノイズ。
 「ロマンティックなものに惹かれるんだけど……」彼女はそう断ったあとで、ミラ・カリックスの音楽の秘密を教えてくれた。「それは具体的な人間関係のロマンスというよりも世界のロマンスみたいようので、私はその美しさを肯定したい。うまく言えなんだけど、もっと大きな美しさ、ボーズ・オブ・カナダは郷愁のなかの美だけど、私が表現したい美は過去のものではなく、だからといって遠い未来のことでもない、身近にあって尊い美、そんなものを見つけたいと思うわ。とても甘く美しい、そのロマンス、とても重要なことよ(笑)。音を選ぶときもそのことにはすごく神経を使う」
 「それは“喜び”という言葉で置き換えられるかもしれないね」彼女は次の質問を遮ってさらに説明を続ける。「変な話だけど、悲しみのなかにもそれはあるんじゃないかと思っている。メランコリーという言葉があるわよね、メランコリーというのは不思議な言葉で、淋しさと美とが共存している。メランコリックな眼差しというのは美にはつねに淋しさがつきまとうとういことで、私の感覚はたぶん正確な意味でのメランコリックではないと思っているけど、ちょっと近いところもあるわ。何故ならロマンスについて思いを巡らせているときやはり淋しさを100%拭いきれない自分がいるんだから。この感覚は説明しずらいわ、私が言いたいことが伝わればいいんだけど、でも考えてみればそれをうまく伝えること自体もひとつのロマンスよね (笑)」
 ロマンスという言葉は誤解を受けやすい言葉だが、面白いことに彼女はそれを積極的に使おうとする。もっとも彼女のロマンスは一次元的なものではなく、いま日本で流行のファンシー・ショップのようにすべてが人工的にかわいらしく整っているわけでもない。無邪気に音と戯れているかと思えば突然暗闇に包まれたりもする。ダークな曲もある。だからと言ってミラ・カリックスの音楽から、彼女が思春期に夢中になった〈4AD〉やスペースメン3などという過去を引き出しにくいのも事実なのだ。「そうは言ってもスペースメン3のことはいまでも愛しているわ」彼女は笑いながら自分の音楽的影響のいち部を明かす。「ま、思い出だけどね (笑)。マイ・ブラッディ・ヴァレンタインを思い出にするにはまだ早いけど、だけどこの5年だけでも素敵な音楽はたくさん出てきていると思っているのよ。たとえばドレクシア、素晴らしいわ。ダークな音楽だけど、とても創造的でドライヴ感がとにかくダイナミックでしょ。ここ数年ではダントツね!」
 シャンタル・パッサモンテはDJとしてもここ数年はいろいろなイヴェントに呼ばれている。学生時代に彼女はDJフードなどとつるんでDJをしていたほどなのだ。最近ではリー・ペリー、スティーヴ・ライヒ、フィリップ・グラスなどの大物とイヴェントで一緒になっているが、とくにフランスのフェスティヴァルでリー・ペリーと会ったことは彼女にとって興味深い経験だったようだ。「リー・ペリーと会ったとき私はDJバッグを持っていて、彼は私に 『あなたはどんな音楽をプレイするのかね?』と訊いてきたわ。だから私は『そうね、エクスペリメンタルなエレクトロニック・ミュージックかな』と答えたのよ。そうしたらリー・ペリーが何て言ったと思う? 『ほほう、それではきみもダブをやっているわけだ』と彼は言うのよ。私は一瞬『え?』と思ったけど、すぐにあとで『言われてみれば、私はダブよね』と思ったの (笑)。だってたしかに私の音楽は、リー・ペリーのように考えればダブなんだから!」
 「気がつくということはすごいことだと思わない?」彼女はさまざまな人たちとの出会いを振り返りながら、興味深い話を続ける。「いままで気がつかなかったことに気づくって世界が広がることでしょ? 自分が知らなかった考え方や解釈と出会うことはだから最高なのよ。音楽によって自分が変化するわけじゃないわ。変化するんじゃなくて広がるのよ。自分の興味のない音楽に対して人は耳を塞いでしまうけど、私からすればもったいない話よね。音楽に新しい発見があるのは、発見はその音楽ではなくそれを発見した人間の側の発見なのよ。それって素晴らしいことだと思うわ」
 ミラ・カリックスの『Skimskitta』はそういう意味で音楽解釈の冒険でもある。風の音や木々のざわめきが音楽であるように、『Skimskitta』は想像力にどこまでもこだわっている。「少なくともファッショナブルな音楽ではないわよね (笑)」 彼女はそう言うと、アルバムのタイトルの意味とその狙いを次のように説明してくれた。「“動き”のあるタイトルが欲しかった。アルバム全体のテーマでもあったし。“スキムスキッタ”という言葉を発語するとき、なんか“動き”を感じない? 実際“スキッタ”という言葉には“動き”を予感させるニュアンスがあるし、“スキム”という言葉は、あの一、よく子供が川の水面に石を投げて石が水のうえを何度か跳ねたりするじゃない? あれを英語で“スキム・ストーン“と言うんだけど、他にもねー、実はスペルはちょっと違うけど“スキッタ”にも石を投げるというニュアンスもあるの (笑)。いろんな意味があるんだけど、最終的には“動き”というイメージからそれをアルバム・タイトルにしたわ」
 最後に彼女は現在の嘆くべき政治状況に関しても意見を述べてくれた。「私は毎日欠かさずニュースと新聞をチェックしているのよ。いまの状況は、ひょっとしたら多くの人にとって気にはなるけどよく知らないということだと思うの。マッシヴ・アタックはああいう風に自分たちの意見を言ったけど、それは大切なことよ。こういうときはアーティストでもジャーナリストでもなるべく意見を言ったほうがいいと思うわ。意見をシェアすることで理解を深めることができるわけだし、もっともシンプルなレヴェルでは友だちとカフェで話すだけでも違うと思っている。もっとみんなの意見を言い合うことでそれが動きに繋がるかもしれないし、戦争をくい止めることになるかもしれない。で、私の意見は、ブッシュとブレアをイラクに送って、フセインと3人で部屋に閉じこめて彼らだけで喧嘩してくれってことね。これなら兵隊も武器も使わずに済むわ。彼らのアイデアよりはいいんじゃない(笑)?」
 さて、この暗い時代に『Skimskitta』は美というロマンスを掲げているわけだが、その考え方に僕は共感する。僕も願わくは音楽を聴くときはロマンスを感じながら聴きたいと思っている。それはつまり身近にあって尊い美、それを肯定すること、これで決まり。

野田努

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kiq“ミラ・カリックス、本名、シャンタル・フランチェスカ・パッサモンテが亡くなったと所属元の〈Warp〉が3月28日発表した。死因は公表されていない。52歳だったという”この野田努が書いた記事で知った。合掌 / “R.I.P. Mir… https://t.co/X5GJwB5g0Q@kiq 03.29 13:27

ph_minimalマジかR.I.P. Mira Calix | ele-king https://t.co/Gpp0iZTsqb@ph_minimal 03.29 13:59

TIger_VelvetoraR.I.P. Mira Calix | ele-king https://t.co/GbfdZkGvej@TIger_Velvetora 03.29 14:41

showgunnR.I.P. Mira Calix | ele-king https://t.co/wPCnyoX4Qv @___ele_king___から@showgunn 03.29 16:17

_dj_nowえー。もう勘弁してよ…。R.I.P. Mira Calix | ele-king https://t.co/Je09T1moYb @___ele_king___から@_dj_now 03.29 18:45

TPnotTPR.I.P. Mira Calix | ele-king https://t.co/cXNWFEQ43z @___ele_king___より@TPnotTP 03.29 19:16

ken_go僕は彼女と直接の面識はなく彼女の音楽の熱心なファンだったとは言えないですが、90年代からのUKアンビエント~テクノ~エレクトロニカシーンのひとたちが大きなショックを受けているのはとてもよくわかります。野田さんの追悼文が沁みます…… https://t.co/HYdlTu5RjA@ken_go 03.29 19:40

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naooo0oo0良いインタビュー。彼女の人柄の良さがよくわかる。個人的にも前向きでカラッとした性格の人は憧れるし好き。まあ嫌いって人いないでしょうけど。それだけに残念。ご冥福をお祈りします。R.I.P. Mira Calix | ele-k… https://t.co/2VqAUt0NSM@naooo0oo0 03.31 00:48

yamagiwa2000R.I.P. Mira Calix | ele-king https://t.co/RoSClYnkB4 @___ele_king___より@yamagiwa2000 03.31 14:03

suzukiiiiiiiiiiMira Calix亡くなってたの…若いのに、まだまじかー。R.I.P. Mira Calix | ele-king https://t.co/fknS3Pa319 @___ele_king___から@suzukiiiiiiiiii 03.31 17:19

AkaTetsu意外と皆んなこの件、語らないの何故?Warp好きなんでしょ?彼女は本当に才能あるアーティストだったと改めて再認識。R.I.P. Mira Calix | ele-king https://t.co/y8lKbkKljN@AkaTetsu 03.31 22:42

h0z8RT @yamagiwa2000: R.I.P. Mira Calix | ele-king https://t.co/RoSClYnkB4 @___ele_king___より@h0z8 04.2 16:12

tukrum_tkrumR.I.P. Mira Calix | ele-king https://t.co/SXVjWAeXxI @___ele_king___より@tukrum_tkrum 04.2 22:12

kusogameR.I.P. Mira Calix | ele-king https://t.co/ev2xrDbB6i @___ele_king___より@kusogame 04.7 21:15

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