Home > News > 『90年代ニューヨーク・ダンスフロア』——NYクラブ・カルチャーを駆け抜けた、時代の寵児「クラブ・キッズ」たちの物語が翻訳刊行
90年代初頭のニューヨークのクラブ・カルチャーといえば、それはもう、すごかったことだろう。東京もそれなりにすごかったし、そこにはいろんなスタイル/規模/年齢層が混じっていたので、ひとまとめにすることはできないが、各都市ごとの特徴があった。
「クラブ・キッズ(Club Kids)」とは、「なんでもあり」の時代のNYのクラブ・カルチャーにおいて、ひときわ異彩を放っていた集団の名称。〈ライムライト〉や〈トンネル〉といった伝説的クラブを拠点とし、過激なファッション(ドラァグクイーン文化とパンクを融合させたような、派手なメイク、派手なコスチュームで知られる)と過激な言動によって、文化的な影響力をほこった「夜遊び集団」である。人種やジェンダーを解放したその態度表明は、社会に馴染めない若者の受け皿にもなった。しかしその最後はあまりにも悲しく……クラブ・キッズの伝説は、映画『パーティ・モンスター』にもなっている。
今月、その軌跡を記録した本、『90年代ニューヨーク・ダンスフロア:ファッション・アート・ジェンダーを解放した「クラブ・キッズ」の物』(DU BOOKS)が刊行された。「クラブ・キッズ」のメンバーだった著者による、480ページにおよぶ膨大な写真と証言で構成された大著で、その当時のNYクラブ・カルチャーの栄枯と、この伝説的集団のはじまりから終焉までが詳細に描かれている。
70年代から続くNYゲイ・カルチャーの歴史、伝説的ヴェニュー、そして文化全盛時代のNYの夜、『RE/Search』などその時代のサブカルチャーの思想的背景にあるもの、ハウスからテクノへの展開……などなど、そして、なぜ彼らは、ドラッグや狂乱のなかに救いを見出していったのかが真摯に語られている。
NYのディープなアンダーグラウンドを知るには、メル シェレンの『パラダイス・ガラージの時代』やティム・ローレンス の『ラヴ・セイヴス・ザ・デイ 』と並ぶ好著。お薦めです。
『90年代ニューヨーク・ダンスフロア:ファッション・アート・ジェンダーを解放した「クラブ・キッズ」の物語』
ウォルトペーパー(著)
Jun Nakayama(訳)
DU BOOKS
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