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interview with Clark

interview with Clark

冬のための電子音楽

──クラーク、インタヴュー

木津 毅    通訳:原口美穂   Nov 06,2014 UP

グリーンランドみたいな寒い気候の場所にも行きたいね。冗談じゃなくて本気だよ。すごく美しいはずだよ。イヌイットとかと生活するような場所に行きたいね。3ヶ月くらいいられたらベストかもね。俺は太陽が嫌いなんだ。脳が溶かされて、決断力が鈍ってしまうからね。だから北極に行きたい。外は寒くて、家のなかで何枚かブランケットを着て……っていうのがいい(笑)。


Clark
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Warp/ビート

TechnoElectronica

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本作『クラーク』は、1曲のなかに入っている要素も多く、かなり多様なサウンドや音楽性が聴くことのできるアルバムとなっています。これは意図的なものだったのでしょうか。それとも、結果的にこうなったのでしょうか。

クラーク:自分ではまったく考えてなかったね。多様なサウンドや音楽性を聴くことができるアルバムという認識もない。さっきも言ったように、俺にとってはすべてが一直線に繋がっていて、いろんなジャンルを詰め込んでいるという意識がないんだよ。このアルバムの多くの曲のテンポは同じだし、この箇所はちょっとハウスっぽくしようとか、ここにちょっとダブステップを入れて……とか、俺の頭はそういうふうには機能してないんだ。どんなジャンルが取り込まれているかは、俺じゃなくてジャーナリストが決める。俺は全然ジャンルを意識したり選んだりはしていないからね。ただ音楽を作っているだけなんだ(笑)。

アートワークはセルフ・ポートレイトですよね。しかし顔が真っ黒に塗られている、このアイディアはどこから出てきたものなんでしょうか?

クラーク:『フィースト/ビースト』のアートワークを担当してくれた女性がこのアイディアを思いついたんだ。そのナチュラルなイメージが、このテクノ・レコードに逆に合うと思った。最近のテクノ・レコードの、いかにもテクノっぽい、未来的で人工的なお決まりのアートワークに飽きていたしね。でもこのアートワークはナチュラルでタイムレス。現代だけじゃなくて、どの時代も表現できるイメージだと思ったんだ。

■(通訳)なぜ真っ黒に塗ったんですか?

クラーク:顔を変えたかったら変えられるから(笑)。みんな、自分の好きなものをそこに持ってこれるだろ? 電話番号を乗せたっていいんだよ(笑)。

エイフェックス・ツインが13年ぶりに新作を出したことが大きな話題になっています。あなたは何度も彼と比較されてきたと思うんですが、結果的に〈ワープ〉における彼の不在を埋めてきました。しかしながら実際のところ、エイフェックス・ツインと比較されることはフェアではないと思いますか?

クラーク:俺だけじゃなくて、エイフェックス・ツインと比べられてるアーティストはたくさんいるし、フェアじゃないとまでは思わない。彼は影響力のあるアーティストだしね。俺だけが特別彼と比べられているわけじゃなく、音楽を作らないひとたちだって彼と比べられるんだと思うよ。俺の母親だって(笑)。でも俺はあまり気にしない。みんなが俺と彼を比べても、へえーって思うだけなんだ。

■(通訳)うんざりしたこともないですか?

クラーク:そんなに。本当に、ただ気にしないだけ。俺にとっては意味のない比較だからね。雑音みたいなもので、そういう比較は俺の耳には残らないんだ。

ひとつあなたと彼との違いでわたしが思うのは、あなたはワーカホリックと言えるほど、作曲だけでなくライヴも数多くこなしてますよね。あなたにとってその多忙さ、勤勉さは自然なことなのでしょうか?

クラーク:さっきも少し話したけど、ライヴでいろいろな場所を回ったりっていうのは、俺にとっては普通のこと。たくさんライヴをやることを楽しんでる。アルバムをリリースしてツアーをやらなかったら、作品が完成したと思えないんだよね。ツアーをやることで、みんなのフィードバックや評価を得ることが出来る。ジャーナリストだけじゃなく、全員の反応を知ることができるんだ。泣くひともいれば俺を嫌ってるひともいるし、笑って楽しんでいるひともいる。みんなが前にいるから直接それを見ることができるわけで、インターネットやメディアからそれは得られない。そういった反応を見て、はじめて新しい曲を書きたくなるんだよ。

最近では映像を使ったライヴ・ショウ【phosphor】がありましたが、そこから何かフィードバックはありましたか?

クラーク:みんな気に入ってくれているみたいだし、俺もハマってるんだ。でも、今回のアルバムがどんなショウになるかはわからない。シンプルなライトからだんだん広げていこうとは思ってるんだけどね。

あなたの頭のなかは膨大なアイディアでつねに渦巻いていると思うのですが、その一部をこっそり教えていただけないでしょうか? 「クラーク」として、いま一番やりたいことは何ですか?

クラーク:そうだな……火星に行きたい。あとはグリーンランドみたいな寒い気候の場所にも行きたいね。冗談じゃなくて本気だよ。すごく美しいはずだよ。イヌイットとかと生活するような場所に行きたいね。3ヶ月くらいいられたらベストかもね。俺は太陽が嫌いなんだ。脳が溶かされて、決断力が鈍ってしまうからね。だから北極に行きたい。外は寒くて、家のなかで何枚かブランケットを着て……っていうのがいい(笑)。

■(通訳)何か音楽的なものだとどうですか?(笑)

クラーク:聞きたいのはそれだろうね(笑)。音楽的には、北極で爆発音をレコーディングしたい。最近の機械でもそういうのは作れるのかもしれないけど、本物のサウンドを録音したいんだ。ビルの崩壊とか。そういうデッカいサウンドを一回レコーディングしてみたいんだよね。

今日はありがとうございました!

クラーク:ありがとう! 日本にも行けるといいんだけど。またね。

質問作成:木津 毅(2014年11月06日)

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Profile

木津 毅木津 毅/Tsuyoshi Kizu
ライター。1984年大阪生まれ。2011年web版ele-kingで執筆活動を始め、以降、各メディアに音楽、映画、ゲイ・カルチャーを中心に寄稿している。著書に『ニュー・ダッド あたらしい時代のあたらしいおっさん』(筑摩書房)、編書に田亀源五郎『ゲイ・カルチャーの未来へ』(ele-king books)がある。

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