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interview with Joker

interview with Joker

俺はおまえたちの思うブリストルではない

――ジョーカー、インタヴュー

野田 努    写真:小原泰広   Oct 17,2011 UP

俺は、自分の音楽をブリストル・サウンドだと思っていない。正直言って、レジェンドとされているマッシヴ・アタック、トリッキー、ポーティスヘッドのことはよく知らない。それよりも〈フル・サイクル〉やロニ・サイズのほうが俺にとっては身近だった。

■ところでブリストルという町は、日本のリスナーからも音楽の町として知られています。

ジョーカー:その通り。

■そういうブリストルの歴史や背景は知ってましたか?

ジョーカー:ああ、ある程度は認識していたよ。

■そのあなたの地元で、とくに好きな音楽家はいましたか?

ジョーカー:それを言うのは難しいな。正直言って、レジェンドとされているマッシヴ・アタック、トリッキー、ポーティスヘッドのことはあんまよく知らない。名前は知ってるよ。でも、彼らの音楽は聴いていない。それよりも〈フル・サイクル〉やロニ・サイズのほうが、俺にとっては身近だったな。あのあたりは友だちも多いし、知り合いもいるしさ。


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■なるほど。でも、あなたの『ザ・ヴィジョン』、あるいは昨晩のDJプレイにも、ブリストルらしさと言われているメランコリーを感じたんですよね。

ジョーカー:俺は、自分の音楽をブリストル・サウンドだと思っていない。だいたい、昨晩のDJではブリストルの音は使ってないよ。

■わかりました。あなたのなかでアルバムというのは、どういう風に考えている?

ジョーカー:うーん。いまのところ『ザ・ヴィジョン』には何と言って良いかわからない。

■曲のコレクション?

ジョーカー:違う。それ以上のものだ。でも、いまは何と言って良いかわからないんだ......。

■シングルとは別に考えていたわけですよね?

ジョーカー:作っているときにはまったく別物だと考えていたね。それで、結果的にできた......そういう感じなんだ。

■『ザ・ヴィジョン』というタイトルにしたのは?

ジョーカー:その言葉はいまとなっては半々かな。最初は、自分のなかの「ヴィジョン」を目指して作っていった。でも、そのヴィジョンを果たせたわけではない。そういう意味で半々だよな。ただ、結果には満足しているよ。当初考えていたものとは違ったものになったけど、それもまた「ヴィジョン」だからさ。

■あなたのなかには理想のアルバム像のようなものはありましたか?

ジョーカー:ない。

■フライング・ロータスには共感がありますか?

ジョーカー:うーん、何と答えたらいいかわらないな......ふたりとも黒人だからそう言うの?

■ヒップホップに影響された音楽でありながら、コズミックなところが似ているかなと。

ジョーカー:ああ、たしかにそこは共通するね。彼とは友だちだし。

■あなたはフライング・ロータス以外にもたくさんの人たちとの交流がありますよね。同郷のグイードやジェミー以外にも、ラスティとか。みんなそれぞれのバックボーンを持っていると思いますが、もっともあなたが共感しているのは誰になるのでしょう?

ジョーカー:それはものすごい数のリストになってしまうな......。たとえその人が俺の好みの音楽でなくても、でもその人が何をやりたいのかわかっているから、俺には共感があるし、だからすごい長いリストになってしまうんだよ。

■ここ数年で、ダブステップやベース・ミュージックのシーンはずいぶんと大きくなったように思います。あなたはいまの状況をどう思っていますか?

ジョーカー:大きくなったことをハッピーに思っていない連中がいることも知っているけど、俺は良いと思っているし、実はシーンのことは気にしてないんだ。やっぱ、そのジャンルの人間だとカテゴライズされるのが嫌だし、自分はこれからもただ自分の好きな音楽をやっていこうと思っているから。(ダブステップのような)ひとつのジャンルで括られるのは本当に嫌なんだ。そうするとそこから外へ出て行けない。それ以上のものをやっていても、そのカテゴリーのなかでしか語られないっていうのがね。......まあ、呼びたいように呼んでくれればいいんだけどさ。

■なるほど。もし自由に使える時間があれば、四六時中音楽のことばっか考えているようなタイプなんですか?

ジョーカー:ガキの頃、ホントに他にやることがなかったんだ。他にやることと言えば、チャリンコ乗って、盗みやってっていう、音楽以外にまともなことをやっていないんだよ。まあ、もし1日自由に使えるとしたら、半分は音楽制作、もう半分はコンピュータ・ゲームか自転車に乗ってるか、あるいは友だちと遊んでいるかだね。

■なるほど(笑)。今日はどうもありがとうございました。

 ......それにしてもジェームス・ブレイクの"リミット・トゥ・ユア・ラヴ"は、あんな風にベースラインを活かして、ダンス・ミュージックとしてミックスするんだな。まったくあれは......グライムじゃないか。いやー、震えるほど格好いいと思った。

special thanks to E-Jima @ Disc Shop ZERO

取材:野田 努(2011年10月17日)

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