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interview with 食品まつり a.k.a foodman

interview with 食品まつり a.k.a foodman

食品まつり、〈ハイパーダブ〉からの初の作品について早口で喋る

取材・文:三田格    写真:河西遼   Jul 20,2021 UP

「休んで下さい」という感じですね。座敷とかで寝転んでお茶でも飲んで……みたいな。

■タイトルが「やすらぎ」じゃないですか。いま、脳内物質はドーパミンじゃなくてオキシトシン志向だというトレンドというか、傾向がありますけど……

食まつ:いや、なんか、「やすらぎランド」とかありそうじゃないですか。地方には。

■東京以外の雰囲気は僕はぜんぜんわからないんだけど、そうなんだ?

食まつ:ありそうなんですよ。「やすらぎランド」って響きもいいし、あとまあ、ゆったりした曲もあるし。だったら『YASURAGI LAND』かなあって。

■実際に「やすらぎランド」を建てちゃったらいいんじゃない?

食まつ:そうすね(笑)。

■僕の印象だと東京の中心よりも、その周辺の方がシャレた名前を店につける気もするんだけど。「シャトレーゼ」とか。

食まつ:ああ、地方とか田舎の方ががんばっちゃうのかもしれないですね。

■東京の方がダサい名前が多いような……名古屋だとなんのイメージもないんだけど。

食まつ:ああ。わけのわかんない名前の店もいっぱいありますよ(笑)。

■まあ、でも、そのタイトルにするということは、「ここに来て安らいで下さい」ということなんですよね。

食まつ:「休んで下さい」という感じですね。座敷とかで寝転んでお茶でも飲んで……みたいな。

■最初、タイトルだけ見たときに、『ARU OTOKO』からシンセが醸し出す雰囲気が受け継がれてるのかなと予想したんですよ。アンビエントっぽいような。でも、実際にはリズムがチャカポコ来たなっていう(笑)。

食まつ:確かにそうすね(笑)。

■まあ、でも、それが和風のリズムに聞こえたところで、まったく違うアルバムだなと思って。それこそYMOが出てきたときに「テクノお神楽」と評されたことがあったんですよ。それに倣うと「ジュークお神楽」みたいだなあというか。実際にはどこもお神楽じゃないんだけど。

食まつ:ああ、なるほどー。

■まあ、日本っぽいニュアンスがあるということですよ。でも、それで「ジューク感」があるのがスゴいというか。

食まつ:今回は割にあるかもしれないですね。

■意識しなくても「和風が滲み出るのはいい」と、コムアイさんも理想のように言ってたけど。

食まつ:そうですね、意識的に出すんじゃなくて、やっているうちに自然に出るみたいなものはあるのかもしれないですね。そこの部分のコントロールは自分でも意識してるところで、無理に出そうとするとよくないから。

■無理に出さないということは、日本の伝統的なリズムの音楽も聞いたりはしてるということ?

食まつ:詳しくはないですけど、割と好きで聴いたりはしてます。津軽三味線とか。

■ああ、聞くんですね。“Michi No Eki” でフィーチャーされている Taigen Kawabe(ボー・ニンゲン)のヴォーカルも祝詞っぽく聞こえたりね。あれも偶然?

食まつ:歌い方はこちらから少し指示させてもらったりしたんですけど、メロディとかは自由にやってもらいました。あれは、歌が入ってからトラックはつくりかえたんですよ。

■あ、そうなんだ。

食まつ:毎回、そうなんですよ。歌もの系は、歌に合わせてトラックは変えちゃうんです。

■へー、そういうもんなんだ。

食まつ:毎回、そうすね。

■細かいんですね。ちなみに物足りない面があるとすれば、全体にダイナミズムがもうちょっとあってもよかったかなというのはありますね。

食まつ:あー、海外のレヴューでは「ライト」とか「フュージョン」という風に書かれていたので、そういう風に聞こえるのかなとは思いました。「ジャズ・フュージョン」に聞こえるとか。

■YMOに近づきましたね。

食まつ:(笑)確かに。最初にコード9にデモを送った段階で坂本龍一の『エスペラント』の雰囲気があると言われて。

■ああ、それは素晴らしい。坂本龍一がやりきったと言ってたアルバムですね。あれはいい。

食まつ:それと、映画のサントラで、なんちゃらスカイ……

■『リキッド・スカイ』?

食まつ:あ、そう、そう。そのふたつのフィーリングがあると彼は言っていて。

■『リキッド・スカイ』ねー。なるほどね。

食まつ:『エスペラント』も聴いてみたらなるほどと思ったし、『リキッド・スカイ』もめちゃくちゃシンパシーを感じる音でしたね。ヘンな音がずっと鳴っていて。

■わかる、わかる。映画は観ました?

食まつ:いや、観てないです。

■映画も面白いよー。ロードショーで観たんだけど、監督が音楽もやっていて、これはヘンと思ってサントラを探したんですよ。コード9も面白い聞き方しているなあ。そもそも〈ハイパーダブ〉から出ることになった経緯は?

食まつ:デモを送ったっていう。ジュークをつくりはじめたきっかけが〈ハイパーダブ〉のDJラシャドだったし、ジェシー・ランザのリミックスをやったりして多少の交流もあったので。で、メールで送ったら、これいいじゃんていうことになったという。返事が早かったんですよ。

■なるほど。どこにもない音をつくったという感じもあるし。

食まつ:いや、いや。

■そういう野心はあるわけでしょ。

食まつ:毎回、それはそのつもりです。「これが自分です」という感じでつくろうと思ってて。

■仲間がいない感じって、どんな気分?

食まつ:ほかにないものをつくりたいという気持ちは最初からずっとあるので……ずっと同じことをやっているというか。

■アルバムはそうしようということですよね?

食まつ:そうです、そうです。

■「ODOODO」や「DOKUTSU」といったEPはそこまでじゃないというか。

食まつ:そうですね。あの辺はライヴでやって反応が良かった曲を録音してる感じですね。ライヴでやる曲はあんまりアルバムに入れなかったりして。リズムがバシバシというか、ライヴとアルバムの印象は変えてるかもしれないです。

■それだけアルバムは特別視してるということですよね。

食まつ:めちゃくちゃしてますね。洋服のブランドみたいに、コレクションというか、何年から何年までの方向性をアルバムが決めるという意味で自分のなかではいちばん重要ですね。

やっぱり陽気な要素もありつつ気持ち悪いというのがけっこう好きというか。ユーモアがあって、シリアスになりすぎないのが好きですね。

■もう次に考えてることはあるんですか?

食まつ:やっぱりアフリカですかね。〈ニゲ・ニゲ〉の人たちも聴いてくれてるみたいなので。シンゲリのセットをやったこともあるんですよ。やっぱり陽気な要素もありつつ気持ち悪いというのがけっこう好きというか。ユーモアがあって、シリアスになりすぎないのが好きですね。

■『YASURAGI LAND』を誰かにリミックスしてもらうとしたらどの辺が?

食まつ:ああー。考えてなかったなあ。誰だろう? 今まで自分の曲をリミックスしてもらうという経験が……

■ない?

食まつ:1回だけありますかね。2012年に広島の CRZKNY(クレイジーケニー)さんていうジュークをやっている方が1曲だけやってくれたことがあって。

■それだけですか? じゃあ、コード9にやってもらおう!

食まつ:そうですね。踊れる感じにしてもらうとか。

■ぜんぜん違う感じの人がいいですよね。昨日の夜、それを考えていてオールタイチとか名前が浮かんじゃって、それじゃ同じになっちゃうなって。

食まつ:(笑)ちょっといま、思ったんですけど、ベースとかキックが入っているのを想像して聴いてもらうのもいいかなって。

■頭で音を足す?

食まつ:そういう聞き方もできるかなって。そうすればいくらでも頭のなかでヴァリエーションがつくれるというか。やっぱり想像の余地を残したいなっていうのがあるんですよ。

■70年代に、数寄屋橋に日立ローディープラザというライヴハウスというか、音楽教室みたいなハコがあって。

食まつ:ええ。

■バンドが目の前で演奏するんですけど、聴いている人には全員、卓があって、自分の好きなミックスでそのライヴを録音してカセットで持って帰れたんですよ。ベースをカットしたい人はベースのメモリはゼロにしてしまうみたいな。

食まつ:へえー。

■パンタ&HALの演奏を録音した覚えがあるんだけど、最初にひとりずつ楽器の音を鳴らしてくれるので、ギターとかドラムを自分の好きな音量に調節してね。誰も真剣にバンドを見ないから、演奏している人たちはやりにくかったらしいんだけど。オーディエンスはずっと卓と格闘してて。

食まつ:(笑)。

■そういう感じで好きな感じで聴いて欲しいと。ちょっと違うか。

食まつ:すごいですね、それ。自分で揚げれる揚げ物屋さんみたい。

■“Aji Fly” に繋げたな。

食まつ:それぐらい自由に聴いて欲しいのはありますね。こんだけスカスカなんで、ベースとキックを入れるだけですべての曲の印象が変わると思うんですよ。

■そうですよね。最後に、課外活動が多くてぜんぜん追いきれてないんですけど、課外活動でやった自信作はなんですか?

食まつ:いろいろあるんですけど、アイドルで金子理江さんの、2017年に出た trolleattroll 名義のやつなんですけど、相対性理論の真部(脩一、現・集団行動)さんと一緒にやった “lost”(https://www.youtube.com/watch?v=qcTBIw8ux00 )ですかね。パーカッシヴな曲で、いま聴くと『YASURAGI LAND』に繋がるなって。メロディは真部さんなんですけど。あと、去年、釜山ビエンナーレっていう芸術祭があって、コロナの時期でもなんとか開催されて、10人のミュージシャンが曲を提供したんですけど、僕も参加して、それはけっこう好きですね。

■そこでしか聴けない曲?

食まつ:レコードにもなってるんですけど、韓国語なんですよ。

■調べてみます(……と言ったものの、さっぱりわからず)。

〈Hyperdub〉からの最新作『Yasuragi Land』発売を記念したリリース・パーティー
“Local World x Foodman - Yasuragi Land - Tokyo 2021”の開催が決定!

昼のコンサート(8月8日開催)とサウナと水風呂の2フロアに別れた夜のクラブ・ナイト(9月11日開催)の2部構成

名古屋在住のエレクトロニック・ミュージック・プロデューサー、食品まつり a.k.a foodman。〈Hyperdub〉より最新作『Yasuragi Land』を発売したことを記念し、リリース・パーティーの開催が決定! 今回のイベントはクラブ&モードなアドベンチャー・パーティ Local World と SPREAD での共同開催となる。土着、素朴、憂いをテーマに南は長崎、北は北海道、Foodman に纏わるアーティスト含む全国各地からフレッシュな全20組が集まる昼のコンサート(8月8日開催)とサウナと水風呂の2フロアに別れた夜のクラブ・ナイト(9月11日開催)の2部構成、2021年の湿度と共に夏のボルテージを上げるサマー・イベント。

Local World x Foodman - Yasuragi Land - Tokyo 2021

SUN 8 AUG Day Concert 16:00 at SPREAD
ADV ¥3,300+1D@RA *LTD70 / Club Night DOOR ¥1,000 OFF

LIVE:

7FO
cotto center
Foodman
machìna
NTsKi
Taigen Kawabe - Acoustic set -

DJ: noripi - Yasuragi set -

SAT 11 SEP Club Night 22:00 at SPREAD + Hanare
ADV ¥2,500+1D@RA *LTD150 / DOOR ¥3,000+1D / U23 ¥2,000+1D

- 70人限定 / Limited to 70 people
- 再入場可 ※再入場毎にドリンク・チケット代として¥600頂きます / 1 drink ticket ¥600 charged at every re-enter

・サウナフロア@SPREAD

LIVE:
Foodman
JUMADIBA & ykah
NEXTMAN
Power DNA
ued

DJ:
Baby Loci [ether]
D.J.Fulltono
HARETSU
Midori (the hatch)

・水風呂フロア@Hanare*

LIVE:
hakobune [Tobira Records]
Yamaan
徳利

DJ:
Akie
Takao
荒井優作

artwork: ssaliva

- Hanare *東京都世田谷区北沢2-18-5 NeビルB1F / B1F Ne BLDG 2-18-5 Kitazawa Setagaya-ku Tokyo
- 150人限定 / Limited to 150 people
- 再入場可 ※再入場毎にドリンク・チケット代として¥600頂きます / 1 drink ticket ¥600 charged at every re-enter

食品まつり a.k.a foodman

名古屋出身の電子音楽家。2012年にNYの〈Orange Milk〉よりリリースしたデビュー作『Shokuhin』を皮切りに、〈Mad decent〉や〈Palto Flats〉など国内外の様々なレーベルからリリースを重ね、2016年の『Ez Minzoku』は、海外は Pitchfork のエクスペリメンタル部門、FACT Magazine、Tiny Mix Tapes などの年間ベスト、国内では Music Magazine のダンス部門の年間ベストにも選出された。その後 Unsound、Boiler Room、Low End Theory に出演。2021年7月にUKのレーベル〈Hyperdub〉から最新アルバム『Yasuragi land』をリリース。Bo Ningen の Taigen Kawabe とのユニット「KISEKI」、中原昌也とのユニット「食中毒センター」としても活動。独自の土着性を下地にジューク/フットワーク、エレクトロニクス、アンビエント、ノイズ、ハウスにまで及ぶ多様の作品を発表している。

Local World

2016年より渋谷WWWをホームに世界各地のコンテンポラリーなエレクトロニック/ダンス・ミュージックのローカルとグローバルな潮流が交わる地点を世界観としながら、多様なリズムとテキスチャやクラブにおける最新のモードにフォーカスし、これまでに25回を開催。

Local 1 World EQUIKNOXX
Local 2 World Chino Amobi
Local 3 World RP Boo
Local 4 World Elysia Crampton
Local 5 World 南蛮渡来 w/ DJ Nigga Fox
Local 6 World Klein
Local 7 World Radd Lounge w/ M.E.S.H.
Local 8 World Pan Daijing
Local 9 World TRAXMAN
Local X World ERRORSMITH & Total Freedom
Local DX World Nídia & Howie Lee
Local X1 World DJ Marfox
Local X2 World 南蛮渡来 w/ coucou chloe & shygirl
Local X3 World Lee Gamble
Local X4 World 南蛮渡来 -外伝- w/ Machine Girl
Local X5 World Tzusing & Nkisi
Local X6 World Lotic - halloween nuts -
Local X7 World Discwoman
Local X8 World Rian Treanor VS TYO GQOM
Local X9 World Hyperdub 15th
Local XX World Neoplasia3 w/ Yves Tumor
Local XX0 World - Reload -
Local XXMAS World - UK Club Cheers -
Local World x ether

https://localworld.tokyo

イベント詳細はこちら
Day Concert: https://jp.ra.co/events/1452674
Club Night: https://jp.ra.co/events/1452675

取材・文:三田格(2021年7月20日)

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