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interview with Daphni

interview with Daphni

僕はクラブで汗をかいている男

──カリブーの名義で知られるダン・スナイス、インタヴュー

野田 努    通訳:Hikari Hakozaki   Oct 02,2012 UP

高校のときにDJのまねごとみたいなことをしていて、まだ自分の音楽をリリースしたりするようになる前、僕はトロントで〈ソーシャル・ワーク〉って名前のクラブナイトをやっていたんだ。じつはフォー・テットと本当に知り合ったのもそこでだよ。


Daphni - Jiaolong
Merge/ホステス

Amazon iTunes

■ここ数年で、mp3にうんざりした連中がまたアナログ盤にこだわりを見せていますが、〈ジャオロン〉がアナログ盤にこだわる理由を教えてください。

ダン:僕はちょっと矛盾しているんだ。レコード収集家としてレコードという媒体や、それが作り出すデジタル・ファイルにはない所有感が好きなんだけど、レコードのほうが音がいいっていう意見にはまったく賛成できないね。すごく高価なハイファイ・システムでなら少なくとも同じくらいいい音質になり得ることはあるけど、普通のクラブや家で聴くときの環境ならデジタルの24ビット・ファイルのほうがはるかにいい音がするよ。サーフェス・ノイズやクラブで発生しやすいフィードバック・ノイズ、平均的なカートリッジの性能の問題による信号の歪みといった、懐古主義者が忘れがちなごくあたりまえな理由からさ。
 だから、今回も自分の音楽がデジタルやCDでもリリースされてうれしいよ。どうしてもアナログ媒体では届かない層の人たちにも聴いてもらえるからね。

■DJでもターンテーブルを使うんですか?

ダン:いや、先に言ったような理由から、CDJとオーディオ・ファイルを使っているよ。

■あなたやフォー・テットのような人が作ったダンス・トラックで踊るのとスクリレックスのダンス・トラックで踊るのとでは、同じダンスという経験においては等価でしょうか? それとも違いがあると思いますか? あるとしたらどんな違いでしょうか?

ダン:たぶん違いがあるとすれば、踊っている人たちの平均年齢かな......いや、でもそれも必ずしも違わないな、僕はいつも僕のライヴやDJに来てくれる人たちの年齢の若さに驚いているんだ。もちろんなかには僕みたいに年金生活者みたいな年齢の人たちもいるけど、僕が思うほど多くはないね。

■クラブ・ミュージックには音楽的におもしろいものもありますが、実際のクラバーのなかには、もっとメトロノーミックなミニマルでも、あるいは馬鹿みたいなレイヴでも、楽しいひと晩を過ごせるなら何でもいいって人が少なくないと思いますが、そういうなかであなたの作るクラブ・ミュージックには、シーンに対する批評的な態度が含まれていると思いますか? それとも純粋な楽しみ、快楽として作ったものなのでしょうか?

ダン:音楽のどのジャンルにもつまらない音楽は存在しているし、むしろそれが大多数だと思うよ。だからつまらないダンス・ミュージックの存在は僕にとっては驚きでもないし興味もないね。興味があるのはその例外さ、新しくておもしろいレコードだよ。それが僕が音楽を作っている理由でもあるんだ、自分自身のためや、他の人たちとシェアするためにそういうおもしろい音楽を作ろうとしているんだ。

■マシュー・ハーバートがやっていることについてはどう思いますか?

ダン:彼のことは好きだよ、ただ僕があまりコンセプトを高く持っていないのに対して、彼はとてもはっきりしたコンセプトを持っているよね。

■エメラルズのリミックスは、アメリカのアンダーグラウンドのシーンとロンドンのクラブ・シーンが出会った新しい試みでしたが、他にこうした企画は控えているのでしょうか? あるいはいま〈ジャオロン〉から出してみたいアーティストがいたら教えてください。

ダン:何も計画はしていないよ。僕はエメラルズとツアーをしたことがあるから、彼らとは近い友人なんだ。彼らはすばらしい人間だし、エクスペリメンタル・ミュージックについてすごくよく知っている。僕らはカナダを横断するリムジンの後部座席で、 ニック・レイスヴィク(Nic Raicevik)やモートン・スボトニックについて語り合ったりしたね。



■〈ジャオロン〉からは、トロ・イ・モワの別プロジェクトも出してますが、クラブ・シーン以外へのアプローチにも気を遣っているんですか?

ダン:いや、彼もいっしょにツアーした近い友人のひとりなんだ。彼がそのトラックを送ってきて、僕がそれを気に入ったからリリースすることにした、ってだけのシンプルなことさ。

■このダフニ名義での活動はまだ続きそうですが、カリブーのほうは逆に言えば、ダンスにとらわれない作品になっていくということでしょうか?

ダン:必ずしもそうとは言えないな、次のカリブーのレコードがどんなサウンドになるかはまだはっきり分からないけど、恐らく『スイム』の後に続くようなものになると思うよ。

取材:野田 努(2012年10月02日)

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