「Nothing」と一致するもの

JUST ZINE 3 Book issue - ele-king

 「JUST ZINE」とは“ライブやパーティに遊びに行った時に、カッコいい人達に口頭で頼んでページを作って貰うというコンセプト”で制作されているオムニバス形式のZINEで、アンダーグラウンド・シーンのアーティストやレーベル、ショップオーナーなどがページを彩っている。
 昨年末にリリースされた第3号は「Book issue」と題して、本や読書をテーマに、今回も熱い面々がテキストやアートワークを提供。ハードコアやヒップホップのシーンには密かに熱心な読書家が多く、各人の思い入れが白黒コピーのページから溢れている。 ネット通販は各店すでにほぼ Sold Out 状態、下高井戸トラスムンドなど限られたショップでしか手に入らないが、運良く出会うことができたらぜひ手にとってみてほしい。

JUST ZINE 3 Book issue

A5サイズ、28p(表紙除く)。
1,000円(税込)

参加者(掲載順)
NEUDAZE
SADSUMMER/マスヤマ
noise
HATE(MOONSCAPE/BOOT DOWN THE DOOR)
Rakuya Katagiri
馬場 裕介
ippei matsui
TRASMUNDO浜崎
Joji Nakamura
KTYL
YURI
e
373
ikm
You Suzuki
DEATHRO
中野 賢太
SOILEDDOVE
COTTON DOPE
WACKWACK
今里(STRUGGLE FOR PRIDE)
柿沼実(BUSHBASH)
THE JOB LOT CLUB

※下高井戸トラスムンドなどで販売中

『バンドやめようぜ!』 - ele-king

 6月1日(土曜日)、新宿のロフト・カフェ〈ロフト〉にて、ele-kingでも活躍中のライター/レーベル主宰者のイアン・マーティンとライター/写真家の久保憲司によるトークがあります。テーマは「日本と欧米のインディ・シーンは完全に死んでしまったのか」。熱いトークになるのか、あるいは捻くれ英国文化と直球日本文化の大いなるすれ違いになるのか……、まあ、たぶんその両方でしょうな。お酒でも飲んでひやかしに行きましょう。

https://www.loft-prj.co.jp/schedule/rockcafe/116752

OPEN 18:00 / START 19:00
前売(web予約)¥1,500/当日¥2,000(+要1オーダー)
チケット予約
【ナビゲーター】イアン・F・マーティン vs 久保憲司
日本と欧米のインディ・シーンは完全に死んでしまったのか、ポップ・ミュージックに占領された
音楽シーンに未来はあるのか、こんな難しい話をしながらも今本当に面白い音楽を紹介しながら楽しくお酒でも飲みましょう。松田聖子から渋谷系、ナンバーガールからAKB48までを論じるイアン・F・マーティンに日本、欧米の音楽の問題点を聞きまくります。

Daniel Haaksman - ele-king

 もはや多様性は販促の道具である。ダイヴァーシティの称揚が「なんでもあり」の状況を誘発しかねないというのはだいぶまえから言われていた気がするけれど、いまやそれは完全に企業や資本にとってこそ有用な、使い勝手のいい概念に成り下がっている。多様性を褒めそやすことの何が問題かといえば、それが社会における異質なもの同士の敵対性や、そのような軋轢を生み出す構造それじたいを隠蔽してしまう点で、極論すれば「貧困だってひとつの個性でしょ」なんてことになりかねない。いや、「自己責任」が大人気のこの国ではすでにそうなってしまっているのかもしれないが、とまれ企業は多様な価値観を推奨しさえすれば善良なるイメージを獲得することができ、己が与し支えるシステムの歪みなんか気にせず、思う存分営利活動に邁進できるというわけだ。多様性は収益を生む。素晴らしい。

 ダニエル・ハークスマンはベルリンを拠点に活動するベテランのDJ/プロデューサーである。レーベル〈Man〉の運営などをとおしていわゆるワールド・ミュージックとベース・ミュージックとの境界を更新し続けてきた彼は、かつてコンピレイション『Rio Baile Funk』を編むことで世界じゅうにバイリ・ファンキを広めた陰の重要人物でもあるが、そのハークスマンにとって3枚目のスタジオ・アルバムとなるこの『With Love, From Berlin』は、国際都市としてのベルリンをテーマに掲げている。ベルリンという街がロンドンやパリと異なるのは、その国際性がグローバル企業や金融産業によってではなく、観光や外国人の(自然な)流入によって担保されている点である、とレーベルのインフォメイションは説明していて、ほんとうにそう言えるのかどうかは判断がつかないけれど、少なくともハークスマンはそのようにベルリンをレプリゼントしたいということだろう。ようするにベルリンは、資本主導ではないかたちで多様性が花開いた稀有な都市なんだよと、そういう話である。

 まずはシベーリの起用に嬉しくなる。彼女は偉大なるブラジル音楽の遺産とエレクトロニカの音響的冒険とを両立させるサンパウロ出身のシンガーソングライターで、2006年に『The Shine Of Dried Electric Leaves』という良作を残しているが(日本盤にはハーバートによるリミックスも収録、『21世紀ブラジル音楽ガイド』をお持ちの方は34頁を参照)、彼女を迎えた冒頭の“Corpo Sujeito”や、それに続く“La Añoranza”(こちらのゲストはバルカン・ビート・ボックスのサックス奏者オリ・カプランとペルーのデング・デング・デングなるグループ、そしてジャイルス・ピーターソンの「ワールドワイドFM」でも番組を持つ中南米音楽セレクターのココ・マリア)がもっともよく体現しているように、ソカなどアフロ・カリビアンのリズムを流用して骨格を成形しながら、そこにダブステップ以降のベースを注入、上モノや言語で世界各地の要素を際立たせつつ、それらすべてをリズム&サウンド的なベルリン式ダブの音響で包み込む──というのがアルバム全体の基本路線なのだけれど、ストリングスとコーラスが印象的な3曲目“Overture”によく表れているように、どの曲も音と音のあいだの空隙がほんとうに豊かだ。この音の間合いは、それぞれのマテリアルが互いに異なるもの同士であることを確認させる役割を担っていると言える。そのおかげで、さまざまな素材が同居しているにもかかわらず、ごちゃごちゃした感じはいっさいない。

 取り合わせの妙もまたこのアルバムの醍醐味だ。ポール・セント・ヒレアーを招いた4曲目“City Life”やトリを飾る“Wolkenreise”のバンドネオンとダブ、ザップ・ママの娘だというK・ズィアとシカゴの大物ロバート・オーウェンズを同時に呼び寄せたシングル曲“24-7”のレゲトン・ハウスなど、どの曲も巧みなさじ加減によりサウンド相互の異質性がしっかりと保護されている。全体の鍵を握るのは8曲目の“Occupy Berlin”だろう。タイトルからして反金融・反資本の機運に同調するこの曲は、背後に敷かれたシンセの持続音とブラカ・ソム・システマのカラフによる言の葉が、随所で乱れ舞うパーカッションの独特な響きとリズムを引き立てていて、音同士の闘いとでも言おうか、われわれリスナーの耳を大いに楽しませてくれる。

 とまあそんなふうにこのアルバムにはなんとも多彩な要素がぎゅうぎゅうに詰め込まれているわけだけど、ぜんぜんこれ見よがしじゃないというか、エキゾ感を売りにするような側面は皆無で、かといって相対的な並列化に与するわけでもなく、すべての音がきわめてクールな佇まいで互いの特異性を示し合っている。多様性の称揚によって覆い隠される、個々の対立それじたいを救うこと──それはグローバル資本とはべつの角度からダイヴァーシティを捉え返そうとするハークスマンの、静かに燃えたぎるアティテュードの表れにほかなるまい。ベース・ミュージックのグローバルなあり方、ひいては安易な多様性の讃美それじたいを問い直す、刺戟に満ちたアルバムだ。

Panda Bear - ele-king

 リリースから3か月遅れのレヴュー。なので好きなひとはとっくに聴いておのおの感想を持っていることだろう。聴いてないひとは、パンダ・ベアが嫌いか,もう彼の表現に興味を持てないか、飽きたか、もしくは生活のなかに取るに足らない、役に立たない、無用な喜びを見出さないひとかもしれない。しかし彼のまったくぶれない夢想癖が好きなひとにとっては、じつはこの『Panda Bear Meets The Grim Reaper』以来、6枚目のソロ・アルバム『ブーイ』はけっこう良かったりする。評判の良かった『Panda Bear Meets The Grim Reaper』と『Tomboy』よりも、ぼくは新作のほうが良いと思っている。昨年、最初に“Dolphin”を聴いたときにそう思った。

 オートチューンを使って昨今のR&B/ヒップホップの影響を取り入れているからではない。パンダ・ベアの作品を特徴付ける音のがちゃがちゃした感じ、空間を埋めたがるやかましい感じが綺麗に整理されて、より奥行きのある音像になっているのがひとつ、で、もうひとつの長所はメロディラインが良い。音響工作にに関しては、思うに、前作でダブを意識したとはいえは、キング・タビーの最小限の音による広がる空間とはほど遠いダブをやったパンダ・ベアも、いやまてよ、ダブにはもっと空間(スペース)とミニマリズムが必要であると気がついたのかもしれない。
 アルバムは、“Dolphin”に続く“Cranked”と“Token”も良い流れになっている。

 この2曲にも魅力的なメロディがあるわけだが、本作のひとつのスタイルが明らかになっている。それはアコースティック・ギターと歌を基調にし、サンプル音か電子音が控え目にミックスされるというシンプルな構造だ。それはフリー・フォークと括られた時代の、在りし日のアニマル・コレクティヴを思い出させるかもしれないが、『ブーイ』に収録された9曲は1曲1曲が成熟している。
 なるべく良い音響再生装置で聴いて欲しいというのが〈ドミノ〉からのリクエストのようだが、それはたしかで、間違ってもPCやイヤフォンで満足しないように。なるべく大きな音量で、独立したスピーカーから音を出そう。わかっていると思うけど、パンダ・ベアの音楽に自己救済なんて求めても無駄。たとえあなたが窮していようとも、空想力で楽しいことや嬉しいことで頭を満たして、ただただ純粋に楽しめば良い。

第5回 反誕生日会主義 - ele-king

 ハッピバースデートゥーユーハッピバースデートゥーユーハッピバースデーディーーーーーア/あああああああああああああああああああ!/●ーーーーーーーーーーちゃーーーーーーーーーん。
 逃げ出したい/暗がり/ロウソクの火/コマンドが見える/「吹き消せ!」/逆らわない=吹き消す/おめでと~~う/ああああああああああああああああああああああああああああああああ!/逃げ出したい。
 電気がつく。ケーキ=好きではない食べ物=祝福のアイコン/切り分ける/皿に盛る/横倒しになる/食べる。
 ちゃぶ台を囲む=父/母/姉/私。
 家族。「誕生日に」・「ケーキを食べる」・「家族」=ドラマで見た/優しい父/優しい母/優しい子/みんなが仲良し/実情と合致しない。
 誕生日会が不愉快だと気がついたのは小学生のころだった。それ以前は記憶にないので素直に喜んでいたのだと思う。不意に「ハッピーバースデー」の歌を歌う自分の身体が、喉を残して全部消えているような気になっているのを自覚した。喉は単独で震えている。声だけが浮いている。自分の声ではないみたいだ。歌いたくない/ここにいたくない/すぐに立ち上がって外へ逃げ出したい。

 儀礼が耐え難いほど嫌いだ。誕生日に限らず、私は成人式も卒業式も、形式化された祝福は全て嫌いである。
 空間を以て「祝福」を示すという「意向」が発生したとき、空間に参与する(させられる)人たちは、儀礼空間という大きな機械を動かすための歯車として所定の役割を果たすよう強いられる。さっきまで意志を持つ人間だった私は、急に物言わぬ歯車に変えられる。「誕生日会」なんだからここに座れ、歌を歌え、拍手しろ、ろうそく吹き消せ、ケーキを食え……これらの行動1つ1つに切実な意味はあるのか? 多くの場合ない。少なくとも私の場合はなかった。個人から個人へ祝福を伝える方法はこれ以外にも大量にあるはずなのだから、こんな決まり切った形式を真似させられるいわれはない。それでも別に歌いたくない歌を歌い、叩きたくないのに拍手し、興味のないろうそくを吹き消し、好きでもないケーキを食べるのは、「場の空気」に流されるからである。
「あるべき姿」「普通はこう」……特段説明もされない、ただそういう風に「ある」。笑みを浮かべた相手から無言で手渡されたものをつい受け取ってしまうように、儀礼は基本的に「善意」で運営されている。悪意由来のものを断るより善意由来のものを断る方がはるかに難しい。善意で生きている人間のエネルギーを前に拒絶で立ち向かうには、相手の数倍のエネルギーが必要になる。そして儀礼を切実に必要としている人もいるのだろうし、悪いと言いたいわけではない。でも私は嫌いだ。本当に嫌いだ。編まれたくない。パーツにされたくない。ロールプレイングなんてやりたくない。私は己の切実な意志を尊重し、表明の方法はその都度その都度考えたい。全てを私の関係ないところでやってほしい。全てを任意に。全てを自由参加に。

 しかし世間は「儀礼への不参加」に意味を見出す。強い意味である。たとえ「任意」「自由参加」という建前があったとしても、それは1つの異常事態として認識される(「●●ちゃん、どうしちゃったんだろうね」)。求められる行動を拒絶すると「めんどうなやつ」認定がすぐさま下される。わかっている。祝福がミーム化されていることによって、特に祝福する気持ちのない相手に対しても祝っているかのように見せかける行為がある程度可能で、それが社会の非常に面倒な人間関係を取り持っている側面は、確実にある。見せかけの祝福で救われる人がたくさんいるのもわかる。それでも「そういうのを全部やめる」選択が許される世の中でなければ、やはりおかしい。明文化されぬまま存在する同調圧力を抜け出すとき、そこに特別な意味を感じないでほしい。

 この同調圧力が最大限強くなるのは、やはり家族関係の儀礼である。私はかつて姉の結婚相手との顔合わせを強く拒絶したことがあった(今も気まずいのでなるべく避けている)。会ったことも私の意志で関わりを持ったわけでもない相手から「配偶者〈の〉妹」として従属的存在へ記号化される状況に、私は耐えられなかった。本当に耐えられなかった。「姉の結婚相手が来るなら行かない」を繰り返していた私の逃げについて父はこう言った。「お前さあ、いいかげん大人になれよ」。
 ……そういうことじゃないんだぜ、本当にそういうことじゃない。もちろん意味はわかる、「大人になれ」とは「子どもじゃないんだから」とも言い換えが可能だ。私の不参加の意志が「わがまま」であり、「子ども」のものであるから改めよということだ。儀礼空間の潤滑な運営に与するのが「大人」であり、人はもれなくこの「大人」の道に入り前に進むべきなのだと本気で思っているのだろう。そんなわけない。自ら利用されるための存在に成り下がることが成熟なら、許されなくても一生赤ちゃんでいる方がはるかにいい。この世自体、もはや途方もなく巨大な儀礼空間である。クソ息苦しい。

 つまるところ私は、あらゆるものに対して「それ本気で思ってんの?」と感じているのだと思う。本気じゃないものが嫌いなのだ。やるなと言っているわけじゃない。誕生日を祝うなら真剣に相手にとってよいと思うことをやりたいし、形式的な「祝福」を無理やりやらされるような状況を作る社会はクソだと思っているのだ。突き詰めて突き詰めて突き詰めて突き詰めて、やっと見える何かが、私にとっては何よりも重要である。雑な気持ちで臨みたくない。全額ベット、これに尽きる。
 この文章を書いているのは2019年4月下旬で、ちょうどちまたに横溢する改元の話題にとてもいらだっているところだ。三島由紀夫ばりに天皇を愛している人が改元を全力で祝っているならそれはそれで個人の自由じゃねと思うのみだが(ただ友達になれる気はしない)、そういうわけでもなさそうなのになんとなく「平成最後の●●」「令和初めての●●」を連呼しているやつらにはヘドが出るのだ。本気で考えろ、お前にとって元号って何なんだよ! 天皇制と元号について本気で考えたうえで祝福してるのか? 天皇家の人間に人権がないのを承知した上で代替わりを祝ってるのか? いまだに社会に「支配者」の係累を「象徴」として戴いている状況に何も思うところはないのか? 本気で祝うならこういう質問をちゃんと胸を張って回答するなり最低限自信を持ってはねのけるなりした上で祝え!

 ……。
 わかってはいる、この気持ちが深く考えていることが偉いとか考えないやつはバカだとか、そういう思想に転化してしまったら元も子もないし、現時点でも偉そうなことを言っていると思われる場合はあるだろうし、実際人によって「本気」の尺度が違うことも重々理解している。私のものの考え方が「重い」ことも自覚している。今まで何度も「楽しんでいるんだから水をさすな」と言われた経験がある。抗っても抗いきれないときはいくらでもある。
 それでも「これが嫌いなんだよ!」と一人称ではっきり書いているのは、意思表示する野良犬はいればいるほどよいという考えを前提として、絶対にこの儀礼社会にムカついている人がいるはずだと考えているからだ。これを読んで共感してくれた人がいたら、ぜひ最低限1年に1回ぐらいは儀礼への参与をさりげなく拒否してほしい。
 アナキスト人類学者のジェームズ・C・スコットは、著書『実践 日々のアナキズム──世界に抗う土着の秩序の作り方』(岩波書店)の中で、「アナキスト柔軟体操」なる仕草を提唱している。いわく、いつか自らの信条のために重大なルール違反をする日がくる。そのXデイにスムーズに法を犯すためには、常日頃からささいな法律違反をして身体を柔軟にほぐしておくべきだろうというのだ。スコットが具体的にやっているのは信号無視である。車がいないのに赤信号が灯っているとき、あえて待たずにさっさと渡ってしまうとか、そういうちょっとした行為でいい。それを意識的にやる。この柔軟体操の積み重ねが、少しずつトップダウンのクソな秩序に風穴を開けるきっかけになり得る。儀礼空間の歯車を積極的に辞任していくことが、いつか大きな自由に向けた崩壊を招く可能性は大いにある。
 式典への参加拒否だけでなくてもいい。巨大な儀礼空間としての社会に抗うためには、例えば突然意味不明な言葉を叫ぶとか、帰り道で突然靴を脱ぐとか、社会のなかで想定されている行為の外へ逸脱していく行為が重要だと私は思っている。結局会話でも移動でも生活のなかには「普通こうする」という明文化されていないルールが潜んでいて、それらがどこかで誰かを追い詰める。あらゆるものがミーム化された社会とは、結局「普通」しか許さない社会、「異常」をつまはじきにする社会なんじゃないかと思う。殺意、怒り、イラつきは、自分の首を絞めるためだけではなく、柔軟体操に使うべきだ。誰もしない話をし、嫌いなものを大いに指摘し、式典をフケて、何の前触れもなく走り出す。秩序だって古アパートの壁紙みたいに端っこから毎日爪でちまちまめくっていけば、いつかべろっと全部剥がれる日が来るはずだ。

Actress × Stockhausen - ele-king

 昨年ロンドン・コンテンポラリー・オーケストラとの素晴らしいコラボ作をリリースしたアクトレスことダレン・カニンガム、その次なる野望が明らかとなった。このたび彼が取り組むのはなんと、シュトックハウゼン。かの巨匠については松村正人による『前衛音楽入門』をご一読いただきたいが、どうやらダレンにとってシュトックハウゼンはとびきり特別な作曲家だったらしく、現在かなり気合いの入ったプロジェクトが進行中のようだ。
 “Actress x Stockhausen Sin {x} II”と題された新たな作品は、合唱とピアノとエレクトロニクス、それにカーリーンのアルバムでも使用されていた A.I. のヤング・ペイントのために書き下ろされたもので、シュトックハウゼンが1995年に手がけた“世界議会 (Welt-Parlament)”の「リ・ヴァージョン」となる(“世界議会”は、1977年から2003年にかけて作曲された全7部構成の長大なオペラ『光 (Licht)』のなかの1部、「光からの水曜日 (Mittwoch aus Licht)」の第一場で、ちなみに第三場はかの名高き“ヘリコプター弦楽四重奏曲 (Helikopter-Streichquartett)”である)。同曲には、ロンドン・コンテンポラリー・オーケストラの指揮者ロバート・エイムズやオランダ室内合唱団に加え、晩年のシュトックハウゼンのもとで学んだイタリアのピアニスト、ヴァネッサ・ベネッリ・モーゼル(Vanessa Benelli Mosell)も参加しているとのこと。
 ダレン自身の弁によれば今回のプロジェクトの動機はふたつあり、ひとつはシュトックハウゼンに馴染みのない人びとに彼の音楽を知ってもらうこと、そしてもうひとつは彼の音楽を最近の政治情勢に結びつけることだという。労働党や保守党の現職議員たちによるディベート──テーマは“世界議会”と同じく「愛」──までフィーチャーされているそうだから、熱のこもったハーバートの新作同様、EU離脱問題で揺れるイギリスの現状が念頭に置かれていることはほぼ間違いないだろう。
 “Actress x Stockhausen Sin {x} II”は5月14日、ロンドンのサウスバンク・センター内にあるロイヤル・フェスティヴァル・ホールにて初演される。もし渡英のご予定のある方はこちらをば。

● the Royal Festival Hall
https://www.southbankcentre.co.uk/venues/royal-festival-hall
● Actress x Stockhausen Sin (x) II
https://www.southbankcentre.co.uk/whats-on/136892-creating-actress-x-stockhausen-sin-x-ii-2019

Visible Cloaks, Yoshio Ojima & Satsuki Shibano - ele-king

 これは嬉しいニュースです。先日〈RVNG〉の手がける優良シリーズ最新作『FRKWYS Vol. 15: serenitatem』にてコラボを果たしたヴィジブル・クロークス、尾島由郎、柴野さつきの三者ですが、なんとこの6月彼らが一堂に会し、東京と大阪でワールド・プレミア公演をおこないます。題して《VISIBLE CLOAKS, YOSHIO OJIMA & SATSUKI SHIBANO - serenitatem - World Premiere Live in Japan 2019》。東京公演では、日本のアンビエントにフォーカスすることで話題を集めたコンピレイション『Kankyō Ongaku』の監修者たるスペンサー・ドーラン(ヴィジブル・クロークスの片割れ)がオープニングDJを務めるとのこと。この貴重な機会を見逃すなかれ。

VISIBLE CLOAKS, YOSHIO OJIMA & SATSUKI SHIBANO - serenitatem - World Premiere Live in Japan 2019

ニューエイジ再興から呼び起こされる環境音楽の和。NYの名門〈RVNG Intl.〉のコラボレーション・シリーズ「FRKWYS」にて実現した現代アンビエントの最高峰 Visible Cloaks、日本の環境音楽/アンビエントを牽引して来たサウンド・アーティスト 尾島由郎 とピアニスト 柴野さつき による共同作品『serenitatem』のワールド・プレミア公演が東京(全席座り)と大阪で開催。また東京公演では日本の「環境音楽」にフォーカスを当てたコンピレーションで話題の Spencer Doran (Visible Cloaks) がオープニングDJを務める。

Daniel Lopatin、Laurel Halo、James Ferraro、Julianna Barwick、Ikue Mori、Laraaji、Sun Araw、Steve Hunn、Mike Cooper、Robert Aiki Aubery Lowe、Suzanne Ciani、Tashi Wada 等、錚々たる音楽作家/ミュージシャンが招かれたNYの〈RVNG Intl.〉によるコレボレーション・シリーズ「FRKWYS」に現代アンビエントの最高峰 Visible Cloaks、日本の環境音楽/アンビエントを牽引して来たサウンド・アーティスト 尾島由郎 とピアニスト 柴野さつき が『serenitatem』と題した共同作品をリリース。生成的なソフトウェアとアコースティックの境界線を超え、オーガニックかつデザインされた音と空間に、エリック・サティやドビュッシーの楽曲をかねてより演奏してきたピアニスト 柴野さつき の端正なピアノが寄り添う、人工の美を強く打ち出したモダンなニューエイジ・アンビエント作品が完成、本イベントにてそのライブが世界初となるワールド・プレミアとして実現される。またシアトルの名門〈Light In The Attic〉からリリースされた、吉村弘、尾島由郎、久石譲、土取利行、清水靖晃、イノヤマランド、YMO、細野晴臣、LP盤には高橋鮎生、坂本龍一を収録し、日本の「環境音楽」にフォーカスを当てた話題のコンピレーション・アルバム『Kankyō Ongaku Kankyō Ongaku: Japanese Ambient, Environmental & New Age Music 1980-1990』を監修した Visible Cloaks の片割れ Spencer Doran が「環境音楽 set」としてこれまでに、Gigi Masin、Andras、Suzanne Kraft、〈RVNG Intl.〉のショーケース(Visible Cloaks、SUGAI KEN、Matt Werth)、Laraaji 等を招いて開催されて来た都市型アンビエント・イベント《Balearic Park》の東京公演でオープニングDJを務める。インターネットの文脈から端を発したエレクトロニック・ミュージックにおける本ディケイドの一大潮流ニューエイジの頂点とも言える貴重な公演をお見逃しなく!

6/5 wed at WWW Tokyo
Balearic Park -Visible Cloaks, Yoshio Ojima & Satsuki Shibano-

OPEN / START 19:30
ADV ¥5,000+1D *150席限定・全席座り / Limited to 150 seats
Ticket Outlet: Resident Advisor / e+
LIVE: Visible Cloaks, Yoshio Ojima & Satsuki Shibano - serenitatem - World Premiere Live
Opening DJ: Spencer Doran - 環境音楽 set -
more info: https://www-shibuya.jp/schedule/011077.php

6/8 sat at Conpass Osaka
VISIBLE CLOAKS, YOSHIO OJIMA & SATSUKI SHIBANO -serenitatem- World Premiere Live in Osaka 2019

OPEN / START 19:00
ADV ¥4,200+1D / DOOR ¥4,900+1D
Ticket Outlet: TBA
LIVE: VISIBLE CLOAKS, YOSHIO OJIMA & SATSUKI SHIBANO - serenitatem - World Premiere Live
Opening DJ: 江村幸紀 [EM RECORDS]
more info: https://www.newtone-records.com/event.php?eid=845

主催・企画制作:WWW, newtone
協力:Inpartmaint

■ VISIBLE CLOAKS

ポートランドを拠点に活動する Spencer Doran と Eternal Tapestry の Ryan Carlile によるユニット。2014年に Sun Araw のレーベルから作品を発表し、2017年に〈RVNG Intl.〉よりフィジカルの作品として3作目になる『Reassemblage』を発表し Pitchfork で「BEST NEW MUSIC」に選出されるなど大きな注目を集める。2017年12月に初の日本ツアーを成功させる。

https://soundcloud.com/visiblecloaks

■ YOSHIO OJIMA / 尾島由郎

一貫してアンビエント・ミュージック/環境音楽の世界を追求している音楽家。スパイラル(ワコール/アート・センター)やリビング・デザイン・センター OZON、東京オペラシティ・ガレリアを始めとする集客施設の環境音楽を多数制作し、サウンド・デザインやサウンド・システムの開発にも関わる。一方、定村史朗、芳垣安洋、中島ノブユキ、フェビアン・レザ・パネ、大儀見元らとのノンジャンルな即興音楽のライブも多数行う。

https://www.yoshioojima.com

■ SATSUKI SHIBANO / 柴野さつき

エリック・サティをはじめとする近代/現代ピアノ音楽のスペシャリスト。渡仏し、サティの研究家であり詩人でもあるピアニスト、J.J. バルビエに師事。多数のアルバム制作やコンサートを通じ、枠にとらわれない自由な演奏活動を展開している。今まで前奏曲しか演奏されることのなかった未発表の大曲エリック・サティ『星たちの息子・全曲版』日本初のスタジオ・レコーディング盤をリリース。

https://www.hf.rim.or.jp/~satsuki/index_j.html

[最新作リリース情報]

4/19発売
VISIBLE CLOAKS, YOSHIO OJIMA & SATSUKI SHIBANO
FRKWYS Vol.15: serenitatem
RVNG Intl. / Inpartmaint

坂本龍一と Oneohtrix Point Never の心を持つ現代アンビエントの最高峰 Visible Cloaks と、日本の環境音楽/アンビエントを牽引して来た尾島由郎/柴野さつきによる夢のコラボレーション作が完成!

尾島由郎の大ファンだった Visible Cloaks が連絡を取り、事前にレコーディングしたサウンドの概要を尾島がヨーロッパツアーの期間に渡し、そこから音源交換しながら準備を進め、2017年12月の Visible Cloaks 初来日公演の際に Sounduno Studios でレコーディングを行いました。アンビエントや環境音楽を制作する事自体が目的ではなく、完成までに深く掘り下げた過程の記録を音源化した本作。人間とコンピューターの違いを感じさせる部分を聴き手は見つける事はできない程に精巧に作られ、アルバムを通して柴野のサティーを思わせるピアノはゆっくりと変化しながら最終曲で見事なアンビエンスを響かせる、90年代の環境音楽を再構築し、芸術的で美しい現代のアンビエントを提案した作品。

Track listing:
1. Toi
2. Anata
3. You
4. Atelier
5. S'Amours ne fait par sa grace adoucir (Ballade 1)
6. Lapis Lazuli
7. Stratum
8. Canzona per sonare no.4
9. Toi (Tokyo Mix) *bonus track

https://www.inpartmaint.com/site/26074/

Lee Gamble × Renick Bell - ele-king

 さまざまなスタイルを解体しながら折衷し、独創的な音楽を創造するプロデューサーのリー・ギャンブル、この2月に〈Hyperdub〉より最新EP「In A Paraventral Scale」を発表したばかりの彼が、3年ぶりとなる東京公演を実施する。会場は渋谷 WWW X で、WWW のレジデント・パーティ《Local World》の一環としての開催だ。ズリキシにと、最近ノりにノっているギャンブル主宰の〈UIQ〉だけど、同レーベルからリリース経験のあるレニック・ベルが今回の共演相手を務めるとのことで、彼の「アルゴレイヴ」がいかなるものなのか確認する絶好の機会でもある。5月最終日は WWW X へゴー。

Local X3 World Lee Gamble

超越のハイパー・レイヴ! UKエレクトロニックの鬼才 Lee Gamble (UIQ) が〈Hyperdub〉移籍後、初の東京単独公演を WWW X にて開催。共演に自身のレーベル〈UIQ〉からリリースした Renick Bell が登場。追加ラインナップは後日発表。

ジャングル、レイヴ、テクノ、アンビエントを超越したハイパー・コンクレートな作風でサウンド・デザイナー、ジャングリスト、コンポーザー、DJとして活動、エレクトロニックの名門〈PAN〉や〈Hyperdub〉からのリリースを軸にアートとクラブ・シーンをまたぎながら着実なキャリアを重ね、また近年のエレクトロニック・ミュージックにおいて大きな潮流へと発展した“脱構築”のパイオニアとしても名高いロンドンの鬼才 Lee Gamble がコンテンポラリーなエレクトロニック/ダンス・ミュージックを探求する WWW のレジデント・パーティ Local World に登場。ローカルからプログラムをリアルタイムに書き換えながらアルゴリズミック・パフォーマンスを行うコンピューター・プログラマー/電子音楽家、日本在中の Renick Bell が出演し、アルゴリズムとレイヴの混合語「アルゴレイヴ」と自ら名付ける、アルゴリズムによって作られたリズミックな即興音楽を披露。90年代クラブ・ミュージックの解体と合成から生成されるハイパー・レイヴなクラブ・ナイトが実現する。追加ラインナップは後日発表。

Local X3 World Lee Gamble
2019/05/31 fri at WWW X

OPEN / START 24:00
ADV ¥1,800@RA | DOOR ¥2,500 | U23 ¥1,500

Lee Gamble [UIQ / Hyperdub / London]
Renick Bell [UIQ / Halcyon Veil / US/JP] - LIVE
+ more

詳細:https://www-shibuya.jp/schedule/011107.php
前売:https://jp.residentadvisor.net/events/1258078


Lee Gamble [UIQ / Hyperdub / London]

英バーミンガム出身、現在はロンドンを拠点に活動する Lee Gamble。ジャングル、テクノ、レイヴ、アンビエントを超越し、サウンド・デザイナー、ジャングリスト、コンポーザー、DJとして抽象的で近未来的な作風で鬼才の名を恣にしている。ベルリン〈PAN〉からジャングルを解体した話題作『Diversions 1994-1996』や名作『KOTCH』含む3作を発表し、2017年に Kode9 の〈Hyperdub〉から『Mnestic Pressure』をリリース。複雑で抽象的な電子音楽プロデューサーとしてのみでなく、常に新鮮な楽曲をダンス・フロアに提供する傑出したDJとしてカルト的な地位を築いた。その後もビジュアル・コラボレーターの Dave Gaskarth とA/Vショー「Foldings」を行い、またロンドン現代オーケストラとの共演、これまでに ICA London,、Southbank Centre、MoMa PS1、Tate Modern、Sonar Festival、Berghain, WWW in Tokyo, MMCA Seoul、Fabric、Ministry of Sound、Sonar Festival、Unsound Festival、Oval Space、Village Underground、Mutek Festival、Old Granada Studios、Dimensions Festival and The Empty Gallery in Hong Kong 等様々な場所で活動の幅を広げている。近年、新しい才能を発掘すべく自身のレーベル〈UIQ〉をスタート。日本在中の Renick Bell、N1L、Lanark Artfax、Zuli、Nkisi 等、実験作品をリリース。最近では〈Hyperdub〉より3部作となるアルバム『In A Paraventral Scale』の第1部がリリースされる等、旺盛な活動が続いている。

https://soundcloud.com/leegamble

Renick Bell [UIQ / Halcyon Veil / US/JP]

アメリカ出身日本在住のプログラマー/電子音楽家。オープンソースのソフトウェアを使用してライブコーディング、即興演奏、およびアルゴリズムの合成を研究。Cask、Haskell やプログラミング言語を用いたライブコーディングによって演奏した作品やパフォーマンスを行い、これまでに〈UIQ〉、〈Halcyon Veil〉、〈Seagrave〉から実験的な作品をリリースしている。

https://soundcloud.com/renick

THE STALIN - ele-king

 日本のパンク・ロックにおいて、ラディカルであることを追求したザ・スターリンがもっとも過激な異分子としてシーンをはげしく揺さぶったのは、1980年前後だった。1981年に7インチシングルとしてリリースされた「スターリニズム」はまさにその燃え上がる時代の産物で、1987年にリリースされたコンピレーション『スターリニズム』にも収録されている。が、しかしそれはオリジナルをかなりエフェクトした音であって、いちぶ歌詞もカットされていた。
 このたびオリジナル・マスターからの復刻により、本来の音に忠実な『スターリニズム』が『STALINISM NAKED』としてCDリリースされた。歌詞もそのまま。さらにラジオで一度だけO.Aされた。“仰げば尊し”の別ヴァージョンを追加収録し、曲順も年代順にして再編集。ジャケのイラストは宮西計三。
 なお、『STALINISM NAKED』は闘病中の遠藤ミチロウさんを支援するために緊急発売したもので、下記サイトでの売上は、全額ミチロウさんへのお見舞金としている。https://inundow.thebase.in/
 

アーティスト:THE STALIN
タイトル:STALINISM NAKED
4月20日発売
CD:WC-093
¥2000+税
JAN:4571285920933
発売元:いぬん堂


1. 電動コケシ
2. 肉
3. 豚に真珠
4. サル
5. コルホーズの玉ネギ畑
6. 猟奇ハンター
7. アーチスト
8. Chicken Farm Chicken
9. 仰げば尊し(FMフレッシュ・ウェーブ・ヴァージョン)
10. バキューム
11. 解剖室

Track 1,2 from FLEXI「電動コケシ/肉」(MIG-2501)1980
MICHIRO ENDO(Vo,B)、JUN INUI(Ds)、ATSUSHI KANEKO(G)
Track 3 to 7 from EP「スターリニズム」(MIG-2504)1981
MICHIRO ENDO(Vo)、JUN INUI(Ds)、ATSUSHI KANEKO(G)、SHINTARO SUGIYAMA(B)
Track 8 from LP「V.A/WELCOME to 1984」(MRR-001)1984
MICHIRO ENDO(Vo)、SHINTARO SUGIYAMA(B)、TAM(G)、TEIYU NAKAMURA(Ds)、JUNE-BLEED(G)
Track 9 from FM TOKYO「FM FLESH WAVE」1983.11.30 O.A
MICHIRO ENDO(Vo)、JUN INUI(Ds)、TERUYA OGATA(B)、JUNE-BLEED(G)
Track 10,11 from FLEXI「バキューム/解剖室」(BQS-1S)1984
MICHIRO ENDO(Vo)、JUN INUI(Ds)、HIROSHI HIGO(B)、MASAYUKI ONO(G)

FKA Twigs - ele-king

 すでに街中で写真を目撃した方もおられることでしょう。FKAツイッグスが3年ぶりとなる新曲“Cellophane”を公開しました。例によってまたMVがなかなかに奇妙かつ刺激的な仕上がりでございます。これはもしや、アルバムも近い?? 今度こそ出る……のか????

FKA Twigs

あなたのためにしなかったかしら? どうして私はあなたのためにしないの?

音楽やファッション、アート……芸術の垣根を超えたネクスト・レベル・アーティスト、FKAツイッグスが3年ぶりに新曲“Cellophane”を公開。


(Photo by Matthew Stone)

これまでの人生を通じて、可能な限りベストであることを私なりに追求していたけれど、今回ばかりは上手くいかなかったの。これまで頼ってきた全ての歩みを突き崩さなくてはならなかった。もっと深いところへ。再び築き上げよう。そして再スタートへ。 ──FKAツイッグス

イギリス・グロスタシャー出身でジャマイカとスペインにルーツを持つシンガー・ソングライターのFKAツイッグスは、3年ぶりとなる新曲“Cellophane”をMVと共に公開した。数日前に突如、本人のSNSからアーティスト写真が拡散されたほか、日本をはじめとした世界各国で彼女の写真が町中に張り出されるというプロモーションがスタートし、話題を呼んでいた最中の新曲公開となる。

ファッションアイコンとしても世界中から注目を集め、音楽とファッション、アート、テクノロジーと様々なジャンルの架け橋となるFKAツイッグスは、2012年にセルフリリースEP「EP1」を発表。2013年にはザ・エックス・エックスやカマシ・ワシントンらを擁するロンドンの先鋭レーベル〈Young Turks〉から「EP2」をリリースし、米音楽メディアPitchforkなどのメディアから絶賛されたほか、英BBCの Sound of 2014 にも選出された。その後デビュー・アルバム『LP1』を2014年に発表し、同年の英マーキュリー賞やブリット・アワードにもノミネートされている。FKAツイッグスは2015年に初来日し、その後フジロックにも出演している。

FKA twigs - Cellophane
https://www.youtube.com/watch?v=YkLjqFpBh84

“Cellophane”はFKAツイッグス本人が制作・プロデュースし、フランク・オーシャンやアンダーソン・パークらを手掛けたレコーディング・エンジニアのジェフ・クラインマンと、同じくフランク・オーシャン、ヴィンス・ステイプルズ、アール・スウェットシャツらを手掛けたマイケル・ウゾウルが制作に携わっている。新曲は、FKAツイッグスのキャリア史上最も“自身の内面をさらけ出した”楽曲となっているほか、2ndアルバムへの布石を感じさせるシングルとなっている。

今回公開された“Cellophane”のMVは、ビョークの“Mutual Core”のMVなどを手掛けたLAの映像作家アンドリュー・トーマス・ホワンが監督を務めた。同曲の歌詞「Didn't I do it for you? Why don't I do It for you?(あなたのためにしなかったかしら? どうして私はあなたのためにしないの?)」からも分かるような弱々しさとは対照的に、非常に力強い映像作品となっている。また、FKAツイッグスはこのMVのために数カ月も訓練を重ねたというポールダンスも見どころの一つ。ダンサーとしても活躍している彼女ならではの多才さにさらに磨きがかかっていることがうかがえる。

今から1年以上前に“Cellophane”を書いている時、すぐに映像の構想が思い浮かんだわ。このアイデアを形にするためにはポールダンスを習得しなきゃならないってわかっていた。だからそれを実行したのよ。 ──FKAツイッグス

日本をはじめとした世界各国でFKAツイッグスの写真が町中に張り出されるというプロモーションで話題の、FKAツイッグスのポスターを以下の店舗で明日より先着でプレゼント致します。*ポスターは先着で数に限りがございます。

タワーレコード札幌ピヴォ
タワーレコード仙台
タワーレコード渋谷 6Fインフォカウンター
タワーレコード新宿 9F洋楽カウンター
タワーレコード吉祥寺
タワーレコード秋葉原
タワーレコード横浜ビブレ
タワーレコード名古屋パルコ
タワーレコード梅田大阪丸ビル
タワーレコード難波
タワーレコード梅田NU茶屋町
HMV record shop 渋谷
HMV record shop 新宿ALTA
HMV record shop コピス吉祥寺
ディスクユニオン 新宿インディー・オルタナティヴロック館(6F)
テクニーク
(有)珍屋立川2号店
BEAMS RECORDS
BIG LOVE RECORDS Harajuku Tokyo
FLAKE RECORDS
RECORD SHOP FILE-UNDER
代官山蔦屋書店
Alffo Records
more records

label: Young Turks
artist: FKA twigs
title: Cellophane

Spotify : https://spoti.fi/2XJvdtp
iTunes : https://apple.co/2L1KXXv

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