「Nothing」と一致するもの

Expo 70 - ele-king

 ジャスティン・ライトによるスペース・ロック系ドローンの(Rを除けば)7作目(最近になって初期作『センター・オブ・ジー・アース』がアナログ化されているので8作目とも)。

 ダブ処理を施したように聴こえる瞑想的なドローンにギターを被せたスタイルで、いってみればサン・アローから明確なリズム・パターンを取り除いたクラウトロック・リヴァイヴァル。もしくはアシッドからハッパに乗り換えたソニック・ブームか。本人のサイトではアシュ・ラ・テンペルやサンO)))の影響下にあるといったようなことが書いてあり、いずれにしろ09年に〈ベータ-ラクタム・リング〉からリリースした『ソニック・メッセンジャー』がさまざまな意味で試行錯誤を感じさせるものだったので、それ以前の「静」を基調とした方法論に回帰したものだと思われる。ミステリアスでときにゴシック・ムード、あるいは優雅でどっしりとしたサウンド・トリップが4パターン。そう、間違っても最近のバリアリック傾向に与するものではない。

 このところ、クラウトロックが再受容されるプロセスには驚くべきものがあり、フジヤ&ミヤギやエンペラー・マシーン、あるいはタイム&スペース・マシーンにボディカクテル、マシアス・レイリングにフィル・マンリー......と、リヴァイヴァリストたちは後を絶たない。ヒップホップでも変り種といえるディムライトもサード・アルバム『プリズミック・トップス』では巧妙にクラウトロックを織り交ぜ、ステレオラブからレティシア・サディエのソロ・アルバムでもその片鱗は窺えた。これらはしかし、マーク・マッガイアー(エメラルズ)のギター・ワークに象徴される反重力的なセンスがほとんどで、タッセル~ジ・アルプスからアープのセカンド・ソロ『ザ・ソフト・ウェイヴ』などはその集大成ともいえる価値観に貫かれていた一方、70年代当時から指摘されていたジャーマン・プログレッシヴ・ロックに特有の「重さ」を受け継ぐミュージシャンはほとんど出て来ないともいえる。カンからPiLへと橋渡しされた「重さ」は80年代のアンダーグラウンドをほぼ支配したともいえるほど影響力があったにもかかわらず、この部分はカットしようというのが現在のリヴァイヴァルなのだろうか。
 あるいは、そのようなヘヴィネスはドゥーム・メタルによって、むしろ先行していたと考えることは可能だろうか。ナジャやサンO)))がアモン・デュールやカンの役割を果たし、バーニング・スター・コアやKTLをその発展形とするなら、ブラック・トゥ・コミュやマスター・ミュージシャン・オブ・ブッカケがフリー・フォークとの接点を探し当てていったのとは違う道筋を経て、ドゥーム・メタルから「重さ」を取り除き、重々しさだけをアピールするドローンへと辿り着いたのがエキスポ70だったと考えるのは。実際、『ブラック・オームズ』(復刊エレキングP70)でも『ウェア・ダズ・ユア・マインド・ゴー?』はムードが重々しいというだけで、いわゆる重量感はなく、ものものしいなトリップ・ミュージックとして完成度が高いといった方がいい。それこそノイ!『75』のように......(エレクトロクラッシュでいえばブラック・ストロボやリワークと同じか?)。

 ジャスティン・ライトにはこれまで固定的なサポート・メンバーにあたるミュージシャンは存在しなかったようだけれど、『ウェア・ダズ・ユア・マインド・ゴー?』には彼と同等の扱いでマット・ヒルの名がクレジットされている。ヒルも昨年末にノット・ノット・ファンからウンベルトの名義で初のソロ・アルバム『プロフェシー・オブ・ザ・ブラック・ウィドウ』をリリースし、ゴブリンを思わせるホラー・エレクトロがそこでは縦横に展開されている。ドゥーム・メタルが形骸化していけば、なるほど、このようなダンス・ミュージックに辿り着くのは必然かもしれない。

Chart by JAPONICA 2011.02.18 - ele-king

Shop Chart


1

HARVEY PRESENTS LOCUSSOLUS

HARVEY PRESENTS LOCUSSOLUS I WANT IT / NEXT TO YOU INTERNATIONAL FEEL / URY / 2011/2/12 »COMMENT GET MUSIC
鉄板<INTERNATIONAL FEEL>が誇る大看板プロジェクト=HARVEY PRESENTS LOCUSSOLUS第3弾シングル!フリーキーな男女の掛け合いにもっちりブギー・ベースとがファンキーに絡み合うエレクトロ・ディスコ・ファンク"I WANT IT"、そしてHARVEY自身のブルージーなヴォーカルがグッとハマるビートダウン感覚のスローモー・シンセ・ディスコ"NEXT TO YOU"とこれまた話題必至の一枚!

2

V.A.

V.A. LITTLE LEAF 2 LITTLE LEAF / GER / 2011/2/12 »COMMENT GET MUSIC
新興リエディット・レーベル<LITTLE LEAF>第2弾!天才マルチ・アーティストSHUGGIE OTISのサンプル・ソースとしても知られる大名曲"AHT UH MI HED"の長尺でのリグルーヴ・エディット(ネタで買い!)をA面に、そしてB面にはARTHUR RUSSELL"ANOTHER THOUGHT"にキレのあるビート/グルーヴを加えブレイクビーツ~ディスコ感覚でリエディットを施した"ARTHUR"を収録!

3

TRUJILLO

TRUJILLO FRUIT PUNCH APERSONAL MUSIC / UK / 2011/2/13 »COMMENT GET MUSIC
レーベル買も余裕でオススメできるスペイン/バレンシアの激注目レーベル<APERSONAL MUSIC>第4弾!説明不要のアーバン・メロウ・ソウル大名曲MICHAEL WYCOFF"LOOKING UP TO YOU"のインスト・パート長尺でビートダウン・ブギー・テイストにてエディットしてしまった"LOOKING UP THROUGH YOU"が断トツでオススメ!

4

JD TWITCH

JD TWITCH CUMBIA LET'S GET LOST / UK / 2011/2/14 »COMMENT GET MUSIC
ご存知グラスゴーの人気ユニットOPTIMOの片割れとして、またUK屈指のレコード・コレクションを有することでも知られるJD TWITCHがKZA主宰<LET'S GET LOST>に登場!今回はタイトル通り今やすっかりクラブシーンにも定着した「クンビア」ネタの強烈ディスコ・エディット4発を搭載!

5

DEEP SPACE ORCHESTRA

DEEP SPACE ORCHESTRA RIDING IN MY IMAGINARY JEEP FOTO / UK / 2011/2/14 »COMMENT GET MUSIC
前2作も好評のCHRIS BARKER & SIMON MURRAYによるユニットDEEP SPACE ORCHESTRA新作はOOFT主宰<FOTO>より。エレクトリック・ブギー・ハウス"RIDING IN MY IMAGINARY JEEP"にOOFTによるコズミック・テイストでの同リミックスも勿論らしさがでた好トラックなのですが、中でもやはりアフロ・ネタを使用したビートダ ウン的アプローチでのハウス・エディット"SIR SHINA"がずば抜けて最高っ!

6

SHAWN LEE

SHAWN LEE WORLD OF FUNK UBIQUITY / US / 2011/2/12 »COMMENT GET MUSIC
超ハイペースでリリースを続ける<UBIQUITY>一最も謎多き才人=SHAWN LEE、2011年一発目は肉厚ファンク・ビートを軸に世界各地の辺境グルーヴ/サウンドをふんだん取り込んだタイトル通り「WORLD OF FUNK」な一枚!PING PONG ORCHESTRAで魅せたダブ/アフロ/ラテン/ジャズ・・といった括りでの世界観とはまた一味違う、独自のサイケデリック感覚が赴くままに紡ぎだす昨 今のトレンドとも言える南米/アジア臭強めのエキゾチックで妖艶な雰囲気が充満する特濃辺境サウンド満載!

7

REENO

REENO SO FUNKY / SUMMER MADNESS SPAZZOID / US / 2011/2/14 »COMMENT GET MUSIC
NYのアンダーグラウンド・レーベル<SPAZZOID>作品がこの度ワールドワイド・プレス&リリース!こちらは08年リリースの第3弾でレー ベル主宰REENOによる5トラックスEP。問答無用で"SUMMER MADNESS"で買いですっ!

8

ZEPP001

ZEPP001 THE WARM DELUSIONS OF GRANDEUR / UK / 2011/2/13 »COMMENT GET MUSIC
US/シアトルの注目クリエイターZEPP001による<DELUSIONS OF GRANDEUR>からのセカンドEP!何と言っても注目はB面のDJ NATUREリミックス!ファットな四打ちキック/デトロイト的肉厚ハイハット・グルーヴにスタイリッシュな鍵盤リフ/ヴォーカル・ネタをコラージュさせ ビルドアップする流石の逸品に仕上げてきました!もちろん大推薦!

9

BLUNDETTO

BLUNDETTO FRIENDS VERSION EP HEAVENLY SWEETNESS / FRA / 2011/2/5 »COMMENT GET MUSIC
間もなく超限定でリリース予定のBLUNDETO周辺のクリエイター達によるリミックス・アルバム「BAD BAD VERSIONS」から、7inch化もされたエキゾチック・ダブ・ファンク"MUSTANG"のダビー・ブレイクビーツ・リミックス、そして LATEEF THE TRUTHSPEAKERをフィーチャーした"MY ONE GIRL"の二部構成的なエレクトリック・ダンスホール/ダウンテンポ・リミックスが先行7inchカット!

10

EUGENE HARRINGTON

EUGENE HARRINGTON THE LIFE OF EUGENE HARRINGTON NOECHO / UK / 2011/2/14 »COMMENT GET MUSIC
UK/ロンドンのインディペンデント・レーベル<NOECHO>から届いた実験精神旺盛なスモーキー・ジャズ/ダウンビート集!何ともいえない ドープなリズム・マシーン上をキーボードをはじめとしたエレクトリック機器による多重録音でサイケデリック感覚のもとアブストラクトな世界観を創 出!初期<MO'WAX>作品~NATURAL YOGURT BANDばりのドープ・サイケ/ジャズな感覚、そしてどこかSHAWN LEEにも通じるマルチな奇才っぷりはお見事!

[Electronic] - ele-king

 ゴールド・パンダのニュー・ヴィデオが完成しました。『ラッキー・シャイナー』収録曲「マリッジ」です。ロマンティックな映像です。
 デビュー・アルバム『ラッキー・シャイナー』ですが、先頃『ガーディアン』の、2010年デビューのアーティストへ送られる新人賞、"Guardian First Album award(ガーディアン・ファースト・アルバム・アウォード)"を獲得しました! 
 そして実は、〈TempleATS〉よりデビュー・アルバム『12シーズナル・ミュージック』を発表したばかりの日本人のアーティスト、Yamaanのリミックスも手掛けました。これがまた良いんです。近いうちに発表しますね!

icchie - ele-king

マイ・フェイヴァリット・アーティスト(EXOTIC編)


1
Yusef Lateef - Eastern Sounds - Prestige
西と東の絶妙なミックス感がたまりません。

2
Sun Ra - Lanquidity - Philly Jazz

3
Mocky - Saskamodie - Crammed Discs
独特の新しくて懐かしい質感が大好き。

4
Monty Alexander - Cobilimbo - MPS Records
ジャマイカのJAZZピアニスト、MONTY ALEXANDERのトロピカルなアルバム。
ピアノとアーネスト・ラングリンのギター、Steel Panがカリブのビートで踊る。

5
Joanna Newsom - Sprout and the Bean - Drag City
ハープの弾き語りが深い世界に連れてってくれます。

6
Senor Coconut - El Baile Aleman - Nacional Records
TECHNOとラテンは根っこが似てますね。

7
Carlos Nino - Carlos Nino's Ocean Swim Mix - Listen Up
LAのプロデューサー、DJ、Ammoncontactのメンバー、CARLOS NINOの物語的ミックス。気持ちええです。

8
Ku Bo - Kaggua - Man Records
STEROTYPの別プロジェクト。AFRO-ELECTRO。

9
Oorutaichi - Cosmic Coco, Singing for a Blllion lmu's Hearty Pi
今回の3/5のバンドのドラマー、千住宗臣くんはOORUTAICHI君のバンド「ウリチパン郡」のドラマーでもあります。

YUTA KIMURA - ele-king

Current Top 10


1
Scuba - Tracers (Deadbeat Remix) -Hotflush Recordings

2
Soul Center - Dyr Bul Scyl -Shitkatapult)

3
Clement Meyer - Piece By Piece (Maetrik Remix) - (Family N.A.M.E)

4
Tim Xavier, Par Grindvik - Subtle Paradise (Original) - LIMITED 400

5
Steve Rachmad present's Ignacio - Virton Upgraded (Ben Klock Remix A) -Music Man Records

6
Tbd - Okay, Cool - DFA

7
Terence Fixmer - Phantoms (Niederflur Remix) - Electric Deluxe

8
Juju & Jordash - Killing Raul With Acid -Uzuri

9
Social Disco Club - Peaceful Warrior (Soft Rocks Jesus Convention Remix) - Is It Balearic?

10
Aerea Negrot - Hair (tobias. Remix) - BPitch Control.

 昨年シングル「Wile Out」をUK TOP40に送り込み、ドラム&ベースのみならず、最先鋭のハイブリッドサウンド、クラック・ハウスでUKベース・ミュージック・シーンを揺るがせたDJ ZINC(昨年はDOMMUNEでもプレイしました)。そんなキング・オブ・ベースローラーが2011年3月、DBS15周年カウントダウンに帰ってくる! 
 対するはオリジナルUKダブステップ/グライム・シーンの重鎮、トップDJとして世界を席巻するPLASTICIAN。200%マッシヴのBIG BASS SESSIONSです!!!!
(当日は、お馴染みの田中哲司君やエクシーもまわします!)

2011. 03. 19 (SAT) @ UNIT

feat. DJ ZINC & PLASTICIAN

with: Eccy, DJ MASSIVE
mc: LUCID (from Toronto)
vj/laser: SO IN THE HOUSE
B3/SALOON: TETSUJI TANAKA, KOO1, DJ MIYU, ENDLESS

open/start 23:30
adv.¥3500 door ¥4000

info. 03.5459.8630 UNIT
https://www.unit-tokyo.com

DJ ZINC (BINGO BEATS, BINGO BASS, UK)
ハウス、ブレイクビーツの影響を受け、89年からDJ活動を開始。海賊放送やレイヴで活躍しつつハードコア~ジャングル/ドラム&ベースの制作を始める。95年にGanjaから"Super Sharp Shooter"、Frontlineから"6 Million Ways"の大ヒットを放ち、96年にはDJ HYPE、PASCALと共にレーベル、True Playazを設立、ファンキー・ビーツとバウンシーかつディープなベースラインで独自のスタイルを築く。00年の"138 Trek"は自己のレーベル、Bingo Beatsに発展、ブレイク・ステップの新領域を開き、2ステップ~グライムやブレイクス・シーンに多大な影響を与える。03年にはPolydor UKからブレイクビーツを自在に遊泳する1st.アルバム『FASTER』を発表し、絶賛を浴びる。Bingo BeatsからはDYNAMITE MCをフィーチャーした"Creeper"を含む『DROP BEATS NOT BOMBS EP』を始め、数々のマッシヴ・チューンで衝撃を与え続け、07年には『IN BASS WE TRUST EP』、MIX CD『WATCH THE RIDE』(Harmless)を発表。ここ最近は"Crack House"と銘打ったZINC自身が提唱する新型サウンドを布教。"Crack House"はBasslineサウンドを主体として、エレクトロ、ダブステップ、フィジェットハウス、ブレイクス、ジャングル等をミクスチャーした最新鋭のエレクトロ・ダンスミュージック。まさにその集大成ともいえるオリジナルアルバム『Crack House E.P.』、『Crack House Vol.2』をこれまでに発表。またMS DYNAMITEをフィーチャーしたシングル、"Wile Out"はUK TOP40にチャートインする等、UKのベースミュージックの最前線を驀進中!
https://djzinc.com/
https://www.myspace.com/bingozinc
https://twitter.com/djzinc

PLASTICIAN (TERRORHYTHM, Rinse FM, UK)
ダブステップ/グライム・シーンのトップ・プロデューサー/DJの一人、PLASTICiAN。かつてDJ DARKSTARの名前でガラージをスピンしていた彼は、03年にDJ SLIMZEEのレーベル、SlimzosからPLASTICMAN名義で"Venom/Shock Wave"をリリース以来、"Pump Up The Jam" (Soulja)、"Hard Graft"(Contagious)等がアンダーグラウンドでヒット、またRINSE FMでレギュラーを務め、初期ダブステップの礎となる。04年には"Pump up the jam"を含む4曲がRephlexにライセンスされ、コンピレーション『GRIME』でセンセーションを巻き起こす。また自己のレーベル、Terrorhythmを立ち上げ、"Cha"、"Value Beats EP"を発表、またLUKE VIBERTの"Moog Acid"、M.I.A.の"U.R.A.Q.T"等のリミックスを手掛ける。その後、PLASTICIANと改名し、08年には1st.アルバム『BEG TO DIFFER』をリリース、SKEPTAをフィーチャーした"Intensive Snare"はSoul Jazzにライセンスされる。またMIX CD『Rinse:06』(Rinse)のリリースでDJとしても世界的な人気を集める。
https://royalartistclub.com/plastician
https://www.myspace.com/plastician
https://twitter.com/djplastician

Ticket outlets:
PIA (0570-02-9999/P-code: 130-543)、LAWSON (L-code: 75191)
e+ (UNIT携帯サイトから購入できます)
渋谷/disk union CLUB MUSIC SHOP (3476-2627)、
TECHNIQUE(5458-4143)、GANBAN(3477-5701)
代官山/Bonjour Records (5458-6020)
恵比寿/WE NOD(5458-6232)
下北沢/DISC SHOP ZERO (5432-6129)、JET SET TOKYO (5452-2262)、
warszawa(3467-1997)、disk union CLUB MUSIC SHOP(5738-2971)
新宿/disk union CLUB MUSIC SHOP (5919-2422)、
Dub Store Record Mart(3364-5251)
吉祥寺/Jar-Beat Record (0422-42-4877)、disk union (0422-20-8062)
町田/disk union (042-720-7240)
千葉/disk union (043-224-6372)

UNIT
Za HOUSE BLD. 1-34-17 EBISU-NISHI, SHIBUYA-KU, TOKYO
tel.03-5459-8630
www.unit-tokyo.com

前野健太 - ele-king

 前野健太の歌は、現代のこの国に生きる、時間を無駄にして過ごすすべての若者たちに捧げられている。......というのは、僕の願望に過ぎないのかもしれない。ただ彼の歌の主人公たち――そのなかで生きる若い男女は、とにかく金がなく、しかし時間だけは有り余っていて、しかもその時間をただ浪費している。そのラヴ・ソングではぐずぐずとしたすれ違いばかりが綴られ、何の確信もないまま日々は過ぎ去っていく。
 僕にも思い当たるフシはある。物心ついたころから不況だと呪詛のように聞かされ続けた僕たちは、時間を有意義に使うことの重要さを徹底して教え込まれ、将来への不安を煽られてある時期に一斉に就職活動に駆り立てられる。そしてその後は......資格を取って、キャリアアップして、老後のためにひたすら貯金をするのだ。これは皮肉でも冗談でもない。人気のJロック・バンドが就職活動サイトの広告にタイアップされ白々しい応援歌を歌う、そんな時代に僕たちは大人になった。「そんなものはクソだ」と言っても、それはただの落ちこぼれの戯言にすぎない。基本的に僕は楽天的な性格だと思うが、しかし自分はたったいまも貴重な時間を無駄にしているのではないか......という後ろめたさが、心のどこかで日々蓄積されていくのを感じる。それは息苦しく、しかしだからといって何も変わらないまま、金も将来への確信もなく毎日は過ぎていく。

 貧乏で、もちろん将来性など欠片もない若者の歌を常に歌ってきた前野健太の3枚目のアルバム『ファックミー』は、その感覚を1曲目からまったくもって正確に言葉にしている。「眼鏡は汚れていく」、彼はそう囁くように歌ってアルバムの幕を開ける。そして続く"石"で軽やかなフォーク・ロックへとドライヴするが、そこでも「ぼくは畳の海を泳いでいた/世界がごろりと転がっていった」と自分がゴロゴロしている間に世間が通り過ぎていく様が歌われる。「女との友情 かわしたい/女との友情 かわせない」("女と")、「雨のふる街を ぼくら傘をさして/何を話すでもなく ぼくら歩いている」("雨のふる街")、「窮屈な身体 窮屈な心/服はユニクロ 明日は今日と同じ顔」("コーヒーブルース")......大した進歩もしない関係、代わり映えのしない日常。それらは、前野独特の生活臭を醸し出す描写とともに浮かび上がってくる。「僕が聴きたいのは 僕が歌いたいのは 僕が欲しいのは 一杯120円のコーヒーブルース」というのは彼のステートメントに他ならない。そしてアルバムは......牛が「モー」と鳴いて、締まりのないエンディングを迎える。
 しかし前野健太の歌は、聴き手を惨めな気持ちには決してさせない。まさに"ヒマだから"というタイトルがつけられたミドル・テンポの穏やかな曲では、6月の何てことないある1日について歌われるが、そこでは「猫しか友達のいない おっさん 裏通り遊ぶ」と落ちこぼれの他人を眺めて、恐らくそこに自分を投影させている。だがそこで安易に自分を哀れむのではなく、すぐに視点を切り替えて「おっさんしか友達のいない ふりをする やさしい猫」と、さらなる他人にこそ思いやりを発見していく。そして"あたらしい朝"。まるで「みんなのうた」がはじまるような素朴な口笛をイントロにしたこの曲はしかし、「『うしろからして 動物みたいに』/AH なんてきみは素晴らしいんだろう」とセックス描写からはじまり、突然それは壮大な妄想へと突入していく。僕のこどものこどものそのこどものこどもの......とまくし立てたところでそれはただの他人にすぎないが、そこではただの一晩のセックスが、果てしない他者への繋がりと、そのことに対する想いへと昇華されているのだ。
 アルバムのハイライトは間違いなくタイトル・トラックのバラッド"ファックミー"だろう。そこでは、無為に過ぎていく日々も将来への不安もどうでもいいと言わんばかりに、「お前」とすべてをぶつけ合うことを祈る。タイトルが冗談でも何でもないことは、その歌声を聴けば誰しもが理解するだろう。苦しそうな高音部分は、しかし構わず感情に任せて振り絞られる。「ファックミー もう何にもいらない/ファックミー もう何にもいらないよ/今 言葉消えて 身体熱くうねる/ファックミー」

 僕は音楽に共感を求めるようなことをあまりしなかったほうだと思う。だから馴れ馴れしく同意を求めてくるようなこの国の多くのロックを鬱陶しく思い、気がつけば外国の音楽ばかりを聴くようになってしまっ た。しかし前野健太の歌にはふとした瞬間に自分が日々見ているような風景や感覚が入り込んでいて、僕はそのことに共感ではなくて動揺を覚える。なぜなら彼の歌には、その先にある他者への欲望がこめられているからだ。それはあの懸命な声で絞り出されるとき、無為な日常を過ごす僕たちにとってのありったけのロマンになっていく。
 そう言えば、歌詞ではだらだらした日常のなかに時折「歌」や「音楽」がふと現れる。恋人たちはその歌をきっかけとして、その距離を埋めようとほんの少しだけ前進する――それこそが、前野健太の歌なのだと思う。「ねえ 歌は聴こえているの?」("石")

Minks - ele-king

 ドーピングされた音楽。それがこのアルバムについて抱いた印象だ。麻薬やドラッグの影響があると言うのではない。一般にサイケデリックと呼びならわしているような幻覚的な音だと言うのでもない。それらは人の身体や脳に引き起こされる作用のことだ。そうではなくて、音楽そのものの細胞や機能を異常に膨らませたり麻痺させたりする何か、ミンクスの場合はメロディを用いて音楽をドーピングする。「ワーグナーは音楽を病気にした」とはニーチェの言葉だ。その十全な理解にいたるには筆者はあまりにも無知だが、「音楽を病気にするもの」というアイディアには刺激を受ける。ミンクスのメロディはやがて彼らの音自体を病にしてしまうだろう。あるいは過度のドーピングによってぼろぼろに疲弊してしまうに違いない。ファースト・シングルである"フューネラル・ソング"には、そうした危険さがある。

 ブランク・ドッグス主宰にしてダム・ダム・ガールズやビーチ・フォッシルズ、またワイルド・ナッシングなどをリリースする新世代ローファイの震源地ブルックリンの〈キャプチャード・トラックス〉の新人、ミンクス。レーベル・カラーとも言えるリヴァービーなガレージ・ポップとは異なる傾向の男女デュオだ。ジョイ・ディヴィジョンやキュアーと比較され、また初期〈クリエイション〉のギター・ポップ色や〈4AD〉的な耽美性も感じさせるあたりはワイルド・ナッシング、そしてペインズ・オブ・ビーイング・ピュア・アット・ハートを思わせる。とくに後者と対で考えたい。

 メロディに、非常に強いインパクトがある。良いメロディを持ったロック・バンドは数いるが、ふつうはリズムや音色との調和がとれているものだ。ロックには自分対世界(/社会)というモチーフがあり、いまを生きているということ、他ならぬこの自分がその音を鳴らしているということへの感動が表現の根本にある。それをめぐって音色がありリズムがあり、メロディがある。しかしミンクスやペインズはそうしたバランスを欠いているように思われる。「良いメロディ」と言うときにイメージされる音全体の有機性よりは、気持ちいいツボをピンポイントで刺激するマシンのようだ。ツマミを上げたところだけ突出する。そしてメロディのツマミだけが異常に上がっている。ポップ職人という言い方もはまらないだろう。職人としての意地や目的意識をとくに感じない。曲調はペインズが陽、ミンクスが陰だ。しかし同じひとつのものの両面である。

 こうしたいびつな性質の音楽が支持を受けるのは、前回ダックテイルズのレヴューで述べたように、シーン全体に音の意味性ではなく音の機能性へのフォーカス・シフトがあることを象徴している。大きくとらえれば、2000年代後半を象徴する柔らかなサイケデリック・ムードやグローファイ的な潮流もそれに数えられるだろう。それが良いことか悪いかということは別の議論であるが、ペインズやミンクスはその流れの中で生まれてきた一種の異形、あるいはバイプロダクトであるというのが筆者の見解である。
 とはいえ、サウンドにもそれなりのヴァリエーションがある。"フューネラル・ソング"のコーラスのたっぷりかかったギターや時代のついたペラペラのシンセ・リフは大きな特徴だが、この曲自体はアルバム中盤でやっとの登場となる。冒頭の"クスミ"など王道的な疾走シューゲイズや、続く"アウト・オブ・チューン"のピクシーズを思わせるオッドなドリーム・ポップ、リアル・エステイトやギャングリアンズのようなトロトロのギター・インスト・ナンバー"インディアン・オーシャン"などをはさみながら、ポスト・パンクに出会ったベル・アンド・セバスチャンといった雰囲気のギター・ポップ・チューン"セメタリー・レイン"などに突き抜ける。いずれも心地よく、適度に翳りがあって、うざくない程度にメランコリック。「聴きたかった音」が詰まっている。

 整った顔立ちのふたりでもあり、やや厭世的に佇むヴィジュアル・イメージも申し分ない。ではマーケティングと資本の力で生み出された操り人形かといえばまったくそうではない。〈キャプチャード・トラックス〉周りのまったくのインディ・バンドだ。黒幕など存在せず、ふたりはやりたいことをやっているだけなのだろう。まるで擦りガラスのように、細かな傷でくもってしまったナイーヴなシューゲイズ・サウンドだが、ハードな現実に心が擦り切れてしまったというわけでもなさそうだ。ハードな現実にヴァーチャルに擦り切れるという感覚。わざとでも天然でもない。嘘でもほんとでもない。なるほど、こうした意味での不透明さが現代のシューゲイズ要素だと考えれば、非常に納得がいく。あるインタヴューで、取材者がミンクスについてこう表現している。「あなたの曲は過去と現在のあいだ、そして暗闇から明るみへの移り変わりのあいだに生まれる揺らぎを感じさせる。」(「デリシャス・スコーピトン」)
 筆者が指摘したいのもこうした曖昧さに近い。インタヴューの締めとして訊ねられた「ミンクスを色か香りで例えると何になる?」という問いに、彼らはこう答えている。「ミンクスはいつも黒と白のコントラストだよ」
 二元的なものの狭間で、メロディ要素を暴発させる危ういデュオ。この筆者の解釈をどのように思われるだろうか?

Mutron - ele-king

 そう、たとえば、初期のLFOと石野卓球がいっしょにフランクフルトのスタジオに入ってヴィデオゲームに興じている姿を想像してみよう。そのロボティックなミニマリズムから察するにエレクトロニクスに対するフェティシュな感性をもった音楽のようだが、曲によってはジャーマン・トランスめいた哀愁も感じる。関東在住のミュートロンによるデビュー・アルバム『Stratum』は、恐ろしく一途な、言うなれば現代解釈されたオールドスクールなテクノ"トランス"アルバムである。

 ミュートロンの活動は2001年にはじまっている。peechboy、CMT、KEIHINらと結成したDOEL SOUND FORCEがその最初だというが、DOELが解散する直前の2002年にはゾンビ・ネーションが主宰する〈デカスロン〉からデビューEP「Hsart ep」をリリースしている。2004年には〈デカスロン〉から2枚目のシングル「Hologramized Memories」もリリース。2006年には〈20001 IN SOUND〉のコンピレーション『ELECTRO DYNAMIC VOL.2』に収録されると、翌年は石野卓球による『Gathering Traxx Vol. 1』にも収録されている。そして2008年には自身のレーベル〈Codona〉を立ち上げている。また、ベロシマのリミックスを手掛けてそれがフランク・ムラーの〈ムラー〉からも出ていて、つまり、こうした彼の経歴からも、そしてもちろんサウンドからもジャーマン・トランス直系というか......1曲目の"Gate to The Gloom"のサンプリングはフィンガーズ・インクの"スターズ"かと思ってしまったけれど、2曲目"DISCOnect"の4/4キックドラムとキュートなミニマルが僕の頭を20年前のフランクフルトやアントワープに飛ばす。"Pulse Matrix"も〈WIRE〉そのものだが、DAFを思わせるリズム感とレトロでバウンシーな電子音との組み合わせに彼のセンスが出ている。昔ながらのビルドアップするスタイルのディープなトランス"Cold/Hot"があるいっぽうで、クワフトワーキッシュなシンセ・ポップ"iCasio"もある。ジェフ・ミルズ風のループに卓球風のリズムトラックがブレンドされたような"Insecr2010 RE-EDIT"、あるいはダークな"Crooked"などアルバムにはいろいろあるけれど、おおよそそのセンスはジャーマン・トランス的だ。たとえば声がループする"Meccha And Flying Saucer"を聴いていると、おじさんは90年代なかばのベルリンで聴いたマイティ・ダブ・キャッツ(ノーマン・クックのトランス・プロジェクト)を思い出してしまうわけです。

 そういえば、昨年は〈トレゾア〉の音源が再発されたり、プラスティックマンのベスト盤がリリースされたり、今年に入ってからもアリル・ブリカのアルバムがイエスパー・ダールバックのマスタリングで再発されたりと、テクノ再評価の機運が地味ながらにある。ダブステップ世代が昔のアシッド・ハウスやデトロイト・テクノを再発見している真っ直中だという事情もあるのだろうけれど、が、しかしミュートロンの音は電気グルーヴに代表される日本の土着的なテクノ・シーンと強く結ばれているようだ。ま、まさか......いよいよジャーマン・トランス・リヴァイヴァルか!? まあ、もう20年経つのだからそれが起きても不思議ではない。だいたい20年前の東京のテクノ・シーンの起爆剤となったのは、デトロイトでもシカゴでもなく、ドイツのトランスだったのだ。
 「テクノはいま盛りあがっている」とミュートロンは主張する。「DOMMUNEを見てもわかるとおり、多くのビューワーがいますし、インターネットを使って積極的に海外とやり取りをして、自分の音楽を広めている人が多く存在すると思います。クラブへ行けば、普段はテクノを聴かないような人たちまでが、大箱でテクノを聴いて踊っています。私がよく訪れる青山OATHでは、長いときは昼前くらいまでテクノに限らずですが、そういった趣向の音楽で盛り上がっています」

池田正典 / Masanori Ikeda - ele-king

My Home Listening Pleasure 10
(最近の自分の家聴き盤10。もしくは朝7時以降のMy DJ Set 10)


1
Gummihz - Toba le le theme - Claap

2
3 Generations Walking - Slavery Dub - Spiritual Life Music

3
Thomas Fehlmann - DFM - Kompakt

4
The C90's - Shine alight(Flight Facilities Remix) - Unknown

5
Summer Of Love Edit - Everywhere - Psychemagik

6
Soft Meets Pan - Lunar - Cross Point

7
Cantoma - Gambarra(Lexx Remix) - Lang

8
Jephte Guillaune - The Prayer(Acroostic Ver) - Spiritual Life Music

9
John Gazoo - What Happened(Vocal) - Compost Disco

10
Clymax - Musicland - Double Disco
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