「Nothing」と一致するもの

Bon Iver - ele-king

 その声と歌は、森の奥から響いた――それが、男が「良き冬」と名づけた物語の始まりである。ノース・カロライナでやっていたバンドがダメになり、恋人と別れ、病気に罹った男は故郷ウィスコンシンに帰り、父親の狩り用のキャビンにたった一人で籠り、心身の傷を静かに撫でるようにして、いちど敗れた音楽の夢を噛み締めるようにして、雪に閉ざされた小屋でひとりで曲を作り、歌った。「愛だけが取り残されて」......。
 その男――ジャスティン・ヴァーノンの歌の背後にあった物語は、彼のボン・イヴェールとしてのデビュー・アルバム『フォー・エマ、フォーエヴァー・アゴー』のことを説明するとき、必ず触れられるものである。その痛切な、しかしある種の古風なエピソードは、その音楽の幽玄の美を説明するのに適っていたからである。それは基本的には、世の中から逃げるようにして孤独に浸った男が鳴らすには打ってつけの、弾き語りのフォーク・ソングだった。が、自身の声を何度もオーヴァーダブして重ねたコーラスと、アンビエントの音響を意識したような静謐なムードが彼の音楽にある種の神聖さを与えた。そして何よりも、ウィスコンシンの長すぎる冬の終わりをじっとひとりで待つような、孤独の温かさと穏やかさがそこにはあった。2007年にひっそりと自主制作として発表されたアルバムは、2008年の正規盤を経てやがてゼロ年代のクラシックの一枚になる。

 ジャスティン・ヴァーノンは一見アメリカのどこにでもいそうな、朴訥で気のいい、髭面で長身の木こりのような青年である。しかし僕は、彼と彼の音楽を知れば知るほど、彼が活動の幅を広げれば広げるほど、彼と彼の音楽に夢中になっていった。ジャスティンは自由な感性と才能に溢れたミュージシャンだった......もっと言えば、彼はいまのアメリカのインディ・ミュージックの豊かさを象徴するような存在である。フィメール・ソウル・シンガーに影響を受けたというそのエモーショナルなファルセット・ヴォイスはときにアントニー・ハガティと、ときにニック・ドレイクと、ときにロバート・ワイアットと比べられ、その歌声を様々なアーティストとの共演で披露した。ポスト・ロックとゴスペルとドローンを組み合わせた実験的な音のピースとしての声を聞かせたヴォルケーノ・クワイア、粘り気のあるギター・ソロを鳴らしたGayngsでの活躍。自身の"ウッズ"という曲ではジェームズ・ブレイクよりも早く声をオート・チューンで変調したゴスペルをア・カペラでやった。そしてその"ウッズ"がカニエ・ウエストの耳に止まり......そのヒップホップ・スターの最新作ではかなりの部分で(サンプリングではなく)ミュージシャンとして貢献することになる。ジャスティンの音楽家としての興味と敬意と愛情は多種多様な音楽へとつねに開かれていて、そして実際にそれはいくつもの成果を生んだ。

 セルフ・タイトルを冠したセカンド・アルバムは、ジャスティンが単なる素朴なフォーク・ミュージシャンではないことが存分に証明され、また、彼の出自となった物語も過去になった状況が整えられた上で、まさに「満を持して」放たれた一枚である。彼はいまはひとりではない。彼が信頼し、愛する音楽仲間と本作を作り上げた。インディ・ミュージック・ファンのあいだでは本作に対する期待はほとんど異様なものにまで膨れ上がっていたが、もちろん僕もそのひとりだ。
 1曲目、"パース"のイントロで叙情的なギターの音がコーラスと重なり、そして勇ましいドラムがそこに加われば、その期待が何ら的外れでなかったことが明らかになる。左右から聞こえてくるホーン、ノイズ、ストリングス、ギター、ドラムが情熱的に響くなか、それ以上にジャスティンがソウルフルに切ないメロディを歌う。「愛するひとはまだ生きている」......。
 もはやシンプルなフォーク・ソングはひとつもない。多くの曲ではジャスティンのポスト・ロック的な好みが反映されており、音響的な配慮が隅々まで行き渡ったものとなっているが、それだけでは説明できない多様さと複雑さが本作にはある。フォークが静かにジャズと手を取り合った"ホロシーン"、カントリーめいたギターがドラムと走り出す"タワーズ"、和音の変化と打楽器の清潔な響きで聞かせるワルツ"ミシカント"、アンビエント的な意匠のなかジャスティンの声の低音と高音の応酬となるもっとも実験的な"ヒノム、テキサス"、ピアノとストリングスが神秘的なムードを醸す"ウォッシュ."......。すべての曲でそれぞれ違う音の姿を見せながら、独特の甘さを持ったジャスティンの声の魅力で一本芯の通ったものになっている。シングルの"カルガリー"はノイジーなエレクトリック・ギターをかき鳴らしながら、ここでも情熱的に声を絞り出してメロディを何よりも主役にしてみせる。ラストの"ベス/レスト"は、なんと80年代の「アダルト・ポップ」を彷彿とさせるようなムーディなシンセ・ポップを皮肉ではなくロマンティックに鳴らした1曲だが、これもソングライティングによっぽど自信がなければ出来ないことだろう。どんなに音を拡張させようとも、ボン・イヴェールはエモーショナルな「歌」でなくてはならない――そんな揺るぎない決意を本作から感じる。

 このアルバムは、前作の物語がちょうど終わったところからはじめられているという。それはつまり、孤独の季節を後にしてゆっくりと、幾分躊躇いながらも世界に向けて歩を進め始めるドキュメントだということだ。歌詞は抽象的で謎めいているが前作同様詩的で、いくつかの都市の名前がつけられた曲名が示唆的だ。ここには痛みも傷もまだ感じられるが、それを抱えたままで歌の主人公は世界の様々な風景を見つめている。「......そしてすぐに気づいた/自分が特別でないことを/ハイウェイの通路のはるか上空/(氷に閉ざされたふらふらの休暇)/何マイルも先が見えた/何マイルも何マイルも」"ホロシーン"

 ボン・イヴェールは、なかば偶然にアメリカのいち地方から発掘された名もなき青年の歌だった。だが、それはゆっくりと人びとの歌となった。ジャスティン・ヴァーノンはかつて自分を傷つけた世界に再び心を開き、そのミュージシャンシップでもういちどそこを愛した。デビュー作に収録された"ザ・ウルヴス"という曲をライヴで演奏するとき、ジャスティンは観客にコール&レスポンスを要求する。「失ったかもしれないものは――」、かつての孤独の呟きは大合唱になって再現され、そしてこう続けられる。「僕を妨げたりはしない」
 その通りだった。『ボン・イヴェール』は新たな季節の訪れを告げるアルバムだ。『フォー・エマー』で抑えられていた感情と音がここでは堰を切ったように溢れ出し、そこから見える色鮮やかな風景の美しさに僕は震えずにはいられない。

Ford & Lopatin - ele-king

 まずはこのレトロフューチャーなアートワークをじーっと見て欲しい。青緑に発光するいかにも冷たそうなその部屋の壁には、TV、モニター、コンピュータ、サンプラーやシンセサイザー、MIDI機材、ヴィデオゲームのスティック......青年は機材に埋もれたベッドルームで寝そべりながらゲームをやって、そのまま寝てしまったのだろう、靴下すら脱いでいない......。快適そうだが牢屋のようでもある。アルバムの1曲目――「ようこそシステムIIへ。我々はあなたの夢を実現させることができます。チャンネル・プレッシャーを感じますか? あなたは永遠の生を望みますか?」
 これと似た曲がある。1984年にサイボトロンが発表した"テクノ・シティ"、ホアン・アトキンスとリチャード・デイヴィスによるデストピックなシンセ・ポップだ。「ようこそテクノ・シティへ。どうぞお楽しみあれ。ようこそテクノ・シティへ。あなたここを離れたくなくなるでしょう」
 『チャンネル・プレッシャー』を聴いていると、デトロイト・テクノの青写真ともなった未来都市への潜在的な恐怖が、いまではテクノロジーに囲まれた孤独な部屋へのそれにすり替わっているように思えてくる。リアルな会話をすることなく、ただヴァーチュアルな空間で結局はひとりで暮らしていることの恐怖。「眠るときに画面の残像が頭のなかでフラッシュするけれど、何も意味しやしない。僕たちはまだひとりぼっちなんかじゃないんだ。夜、僕たちがそこを立ち去ることができた夜......」"ブレイク・インサイド"

 フォード&ロパーティンはUSインディ・シーンにおける"スーパー・グループ"である......といってもデュオだが。メンバーのひとりは、2008年にロンドンのベン・ワットのレーベルからデビューしたブルックリンのグループ、タイガーシティのジョエル・フォード、もうひとりのほうは昨年オーストリアの〈エディション・メゴ〉からリリースされたアルバム『リターナル』が三田格と本サイトをはじめ欧米の音楽メディアで大絶賛を浴びたワンオートリックス・ポイント・ネヴァーのダニエル・ロパーティン。前者はトレイシー・ソーンの相方でもある老練たる耳を惹きつけた美しい歌声の持ち主、後者はノイズ/アンビエント/ドローンのいまもっとも勢いに乗っている実験主義者、そんなふたりによる最初のアルバムが『チャンネル・プレッシャー』だ。注目されてしかるべきだ。
 昨年、このふたりは最初はゲームスの名義で7インチのシングルを発表している。そのどろっとした感じはチルウェイヴそのもので、僕はOPNのチルウェイヴ・プロジェクトとしてその後を追うことにした。が、どろっとしたのは最初だけで、ふたりは潔いほど思い切りレトロスペクティヴな80年代スタイルを演じた。今年にはいると名義をゲームスからフォード&ロパーティンへと、よりシニカルな名義へと改名して、そしてウォッシュト・アウトのデビュー・アルバムのおよそ1ヶ月前にウォッシュト・アウトをデビューさせたレーベル(のサブレーベル)から自らのデビュー・アルバムを発表した。これは偶然なのか......それとも仕組まれた計画なのかはわからないが、このスーパー・デュオにはトロ・イ・モアやウォッシュト・アウトにはない黒いユーモア......さもなければペット・ショップ・ボーイズの皮肉屋めいた風刺のメロドラマがある。「部屋にひとり、TVを見ている。消すことなんかできやしない。アメリカ・ロックの力、毎度毎度お馴染みの歌......」"ヴォイシーズ"
 現代的なデジタル音楽への批評であろう"トゥ・マッチ・MIDI"という曲も"ヴォイシーズ"と同様にメランコリックなポップスで、我々はこれらにニュー・オーダーの(たとえば"ブルー・マンデー"の)幻影を見ることもできるが、しかし同時に、こいつら絶対にどこかでふざけているんだろうなとも思う。モードを弄んでいるというか、もちろんベタな80年代スタイルに終始しているわけではない。"スカムソフト"や"ニュー・プラネット"のような、おそらくは......OPNファンも納得するであろう実験的な曲もある。とにかく聴けば聴くほど猫を被ったアルバムだと思えてくる。何よりも示唆に富んでいるし、問題提起がある。

 クラブに出入りしているような人間の何割かは、要するに酒場好きというか、誰かとだらだら会っている感じが好きなのだろうから、ある意味では健康とも言える(それで癒されているのだから)。しかし、公共の場をヴァーチャルなところにだけ求めている人は危険かもね。誰か誘って飲みに出掛けたほうがいい。外に出れなくなる前に。「最初にこの異常事態を推測したのは誰。生きているようで鮮明な、クリアでダイレクトな、悔やまれる世界を予測したのは。MIDIを制御するんだ。心臓のテンポ、コミュニケーション、離れて破壊されている......」"ワールド・オブ・リグレット"

Ty Segall - ele-king

 ロックの「俺」問題というものを仮定してみよう。ロックは他ジャンルにくらべて、一人称との相性が非常によいのではないかと思う。他ならぬ「この俺」が表現の主体であることが大きく意味を持ったりする。それがなければ、少年がギターを手にする理由など10分の1くらいになるのではないだろうか。もちろん、そうでもない名盤だってたくさんある。ジョンとポールでラフに喩えれば、ジョンには「俺」問題が濃く、ポールには薄い。それはポールの表現にオリジナリティがないという意味ではけっしてなく(誰が聴いても「ポールっぽさ」は一発でわかる)、「俺」をめぐる存在論的な追求があるかないかといったようなことだ。ポールの曲はボカロに歌わせてもポールの曲だろう。また、彼なら超一級のボカロ・ソングをつくれるかもしれない。しかしジョンの曲はボカロでは成立しない。他の「俺」では代弁できない種類の「俺」を扱うからである。そういう差異を私はロックの「俺」問題と呼んでいる。

 アニマル・コレクティヴ以降は、時代の追い風を受けているとはいいがたくなってしまった「俺」問題型アーティストだが、タイ・セガールは最近めずらしい「俺」型ベッドルーム・ポッパーだ。単純に1曲中の「俺」使用率も高い。「ハロー、俺のこと見たことあるだろう/おまえにとって、俺は秋、俺は春/きらきら輝いて/草は伸びるのさ、俺のせいで」"マイ・ヘッド・エクスプローズ"
 この曲にも顕著だが、ヴァインズのいらだったディストーションを思い出させる重めの音に、ザ・フーやソニックスのようなヴィンテージな風合いのリヴァーブをめいっぱい効かせ、2分強で歌い上げる短いガレージ・ポップ。これがタイの代名詞的スタイルだ。もともとやっていたバンド、ザ・エプシロンズもヴァインズやホワイト・ストライプスなど2000年代ガレージといった佇まいのバンドだが、ソロの活動ではよりオールド・スクールなガレージ・マナーを身につけていて、2008年から現在までにじつに夥しい量のカセットや7"シングル、アルバムをリリースしている。しかしもちろん特筆すべきはその歌。ジョン・レノンのソロを、あるいはショーン・レノンのデビュー作を思わせる。とてもポップなフックを持ってはいるが、ひろく口ずさまれるためではなく、ごくパーソナルな感覚を掘り下げた結果生まれてきたメロディだ。「そのうち、俺はメロディになる」"マイ・ヘッド・エクスプローズ"
 ああ、そうだろうなと納得する。

 今作がとくによい。"コンフォタブル・ホーム"や終盤の曲のいくつかは、オブスキュアな雰囲気のガレージ・ナンバーだが、こうした傾向は彼の初期作に顕著なものだ。前作『メルティッド』では、そうしたレトロスペクティヴな音を通過してタイ自身のオリジナルなリヴァーブ・ポップが完成した印象である。そして本作は、より内省的に、より思索的に、2ミニット・ポップの単純さから一歩も二歩も踏み込んだ音になっている。ここでは歌やメロディがとても大切なものとして機能している。それが、よく比較されはするものの、ジー・オー・シーズや〈イン・ザ・レッド〉周辺のガレージ・サイケ、ブランク・ドッグスと〈キャプチャード・トラックス〉勢、ウェイヴスら西海岸ビーチ・ポップと彼とを分節する点である。
 しかし彼がとらえている「俺」は、けっして安定した「俺」ではない。彼の写真には、頭を振って顔を不鮮明にしているものが多い。アートワークも同様で、『レモンズ』は頭を振った自身の顔、『メルティッド』は自分とおぼしき怪物の顔、本作はくしゃくしゃの犬の顔だ。顔をめぐる表現がそのまま自己認識であるとはいわないが、そこに歪みや屈折があることはみてとれる。「お前の頭の重さを感じろ」。ヴァイオレントなドラムとファズのきいたギター・リフが印象的な、その名も"ホエア・ユア・ヘッド・ゴーズ"はそのように歌いはじめられる。少しネジがゆるんだようなサイケデリック・チューン。「頭の重さ」とは存在の重さのことだろうか。この曲のラストは「俺がいなくなっても覚えていてくれるかい?」で締めくくられる。キース・ムーンのような騒々しいドラミングと少しアイリッシュで軽快なイントロを持つ"ザ・フロア"では、「床の下」で眠るなにものかのおとずれが描写される。それが何であるのかは暗示されるに止まるが、「俺の脳みそのなかの指」。「俺」のなかのまだ活動していない何かを呼び覚まそうというようなことが歌われているようである。その何かと呼応するようにドラムはバタバタと、ギターはブルージーかつ饒舌に、歌い、跳ねる。若い人間のごくまっとうな葛藤だといえばそのとおりだが、それをこのように太く鮮やかな筆致で描く才能を軽んじる法はない。あとは彼が5分以上の曲を書いたらどうなるのか。そうしたアルバムにも挑戦してもらいたいものである。

 最後に付け加えになるが、彼は孤独な引きこもりというわけではなく、ノー・エイジが立ち上げに関わり、ミランダ・ジュライやエイブ・ヴィゴダ、ベスト・コーストらが活動することでも注目されているロサンゼルスのホットなアート・スペース、スメルへも出入りしているようだ。ローファイでD.I.Y.という彼らの気風を、なるほどタイ・セガールにも感じる。

ele-king vol.2  - ele-king

〈特別企画〉ルポルタージュ31
〈コラム〉浜岡、80年のアトミック・カフェ、そして現在へ
〈インタビュー〉ハドソン・モホーク1     他

Chart by Underground Gallery 2011.06.28 - ele-king

Shop Chart


1

RICARDO VILLALOBOS / MAX LODERBAUER

RICARDO VILLALOBOS / MAX LODERBAUER Re:ECM ECM »COMMENT GET MUSIC
ダンスミュージック・ファンの間でも支持者の多い、名門中の名門[ECM]が、設立 40年にして、初の試みとなるリミックス作品をリリース!自身も[ECM]の大ファン であり、マンフレッド・アイヒャーが提示するサウンド哲学の影響を公言する、 RICARDO VILLALOBOSとMAX LODERBAUERが、[ECM]の名作たちを再構築!

2

BURNT FRIEDMAN

BURNT FRIEDMAN Zen'Aku Nonplace »COMMENT GET MUSIC
この夏にリリースが予定されているソロ・フルアルバムからの先行12インチ! CRAMMEDのCONGOTRONICSのリミックスでも、SHACKLETONやBASIC CHANNELのMARK ERNESTUSと共に参加し、その才能を改めて証明して魅せた、BURNT FRIEDMANの新作! CANのドラマーJAKI LIEBEZEITとのコラボでもお馴染み、ケルン出身、ベルリン在住のプロデューサーBURNT FRIEDMAN新作!彼がここ数年入れ込んでいる、フロア・プリミティブなトライバル・パーカッションと、生ベースのアンサンブルは、JON HASSELLの名作「Fourth World, Vol. 1: Possible Musics」をも彷彿とさせます!アルバムも期待大!!ベルリンのアーティストTHEO ALTENBERGがアートワークを手掛けた限定盤でのリリースです!

3

CHRIS MITCHELL

CHRIS MITCHELL 84 Plan B »COMMENT GET MUSIC
耳の早いコアなテクノ/ハウス・ファンの間で話題の、NY発アングラ・ネオ・ハウス・レーベル、DJ SPIDER主宰[Plan B]から新鋭CHRIS MITCHELLによるアナーキック・ドープ・ハウス! 底に流れるデトロイティッシュなシンセ・ワークに、スペイシーな世界観と作り込まれたグルーヴが印象的なA1「Lonely Nights」、レーベル・メイトでもある才女DAKINI9による、よりシンプルなグルーヴを前面に押し出したリミックスのA2。ラフにうねる電子音と、こちらも宇宙的なSEが縦横無尽に行き来するコズミック・ハウスへと仕上げたB1「Worker Ants」とレーベル・カラーをしっかりと映し出す今のUSシーンの面白さをしっかりと味わえる一枚!お勧めです!

4

ZOOVOX

ZOOVOX Zoovox Theme Lectric Sands »COMMENT GET MUSIC
[Golf Channel]、RUB'n TUG周辺との繋がりを持つ、[Bumrocks]のBEN GABHARDT、[Tropical Computer]のJEREMY CAMPBELLのカルト・ディーガー・ユニット ZOOVOX第1弾!LOGIC SYSTEM辺りのエレクトロサウンドを彷彿とさせた、力強く、ドープなミッドグルーブにコズミックなシンセを響かせ、じわじわとサイケデリックに展開していった、70's風なスペースエレクトロディスコを披露。RUB'n TUG周辺との繋がりを噂される1枚なだけに「分かった」感じの仕上がりですよね~。今回は、リリースからしばらくたってからの当店入荷となってしまったのですが、限定プレスのリリースのため既に買えなくなってきているようですので、買い逃していた方はこの機会を絶対にお見逃しなく!!

5

THE AUTOMATS

THE AUTOMATS Pass Me By Plimsoll »COMMENT GET MUSIC
早くもIDJUT BOYS、TODD TERJEがプレイ中!シカゴのSHOESクルーが手掛けるリエディット・レーベル[Plimsoll]新作!TAL M.KLEINもリミックスで参加。 ダビーなエフェクト/ディレイを交えたトロピカル・ムードなパーカッシブ・ディスコ・ブギーなA1オリジナル、アシッディーなフレーズを交えたエレクトロ・ブギーにリミックスした、[Aniligital Music]などで活躍をするTAL M.KLEINによるA2、SHOESの一員、EARWIGがよりサイケ感の増したドープ・アフロトラックへリミックスしたB1、DEL GAZEEBO & OMERONのコンビが、オリジナルの空間性を巧く引き出したB2と、いずれも◎! オススメ!

6

PATTI LABELLE

PATTI LABELLE Music Is My Way Of Life White »COMMENT GET MUSIC
LABELLE名義での活動も人気のPATTI LABELLEによる79年ソロ作品。力強いグルーブに楽曲を通して盛り上げてくるフォーンや鍵盤などによる鮮やかなサウンド、そして突き抜けるように歌い上げるソウルフルなヴォーカルが見事に絡みあい、グルーヴィーに、そしてダンサブルに展開していく傑作ディスコ・ナンバー!DAVID MANCUSO氏も、"Loft"のパーティーの際には、ほぼ毎回のようにプレイしていますね~。オリジナル盤はいまだ5000円を超えて取引されている、リリース以来普遍的な人気を集める70'sディスコ・クラシック!

7

JOHN BELTRAN

JOHN BELTRAN Ambient Selections Delsin »COMMENT GET MUSIC
1991年に、CARL CRAIGが運営していた伝説のレーベル[Retroactive]からPlacid Angles名義でデビューを果たし、その後が[R & S]、[Peacrfrog]、[Transmat]等から、 デトロイト・テクノをベースにしながらも、アンビエント、ジャズ、ラテンなどの要 素を取り入れた豊潤でエモーショナルな作品を生み出し、コアなデトロイト・ファン の間ではカルトな人気を誇っているデトロイトの重要人物JOHN BELTRANの、アンビエ ント・サイドの楽曲をコンパイルしたベスト盤が、オランダ[Delsin]から登場! 水彩画のような淡い色彩とタッチで描かれた、純粋で感情的なメロディーと、空間を 包みこむようなアンビエンス・シンセを効かせた、極上のピュア・テクノ集!これは本 当に素晴らしいです!

8

SANTORINI VS BUCK

SANTORINI VS BUCK Rvrb Shelter Alphahouse »COMMENT GET MUSIC
US発ディープ・テック優良レーベル[Alphahouse]新作!イタリアの気鋭トラック・メイカーSANTORINIとBUCKによるスプリット・シングル!!ぬけの良いディープなトライバル・ビートにエフェクティブに伸び縮みするボイス・サンプルがドラッギーに絡むSANTORINIによるA-1「RVRB」、BUCKによる更に粘着度を増したアシッド・ミニマルB-2「Shelter」とスキル・フルなプロダクションと構成でハメていく好作!!お勧めです。

9

V.A

V.A Music Institute Pt.3 NDATL Muzik »COMMENT GET MUSIC
デトロイト・ファンには説明不要の存在でもある、伝説のパーティー"Music Institute"の20周年記念シリーズ最終章!DERRICK MAYの未発表トラックをはじめ、沢山のレア作品を収録してきたこのシリーズ、今回も最終章に相応しい、貴重な作品達が収録されています!デトロイト・ローカルでは、古くからプレイされ続けている、イタロ古典Alexander Robotnick「Problemes D'Amour」を、MOODYMANNことKENNY DIXION Jr.が、セミ・インスト・ヴァージョンへリミックス、JUAN ATKINSの最高傑作と呼び声の高い名作アルバム「Deep Space」のラストに収録されたいた「Light Speed」の未発表ヴァージョン、さらには、デトロイト・ハウス界の大ベテランALTON MILLER、古くからデトロイト勢とも交流が深く、[Transmat]のサブレーベル[Fragile]からのリリースでも知られる、カナダの重要人物ABACUSなど、全4トラックを収録!

10

V.A

V.A Split Personalities Ep Proper Trax »COMMENT GET MUSIC
限定300枚プレス!!今密かに熱い視線を集めるNYネオ・ハウス・シーンからまたもニュー・レーベルが!!ざっくりとした質感ながら、フレッシュなプロダクションから生み出されるシーケンスは、ヨーロッパ物にはない鮮烈なグルーヴ感で新たなハウス観を聴かせてくれます!中心アーティストのWILL AZADA、THE FUNNEL、GREY PEOPLEなど詳細不明なアーティストばかりですが、これからの動きからも目が離せません!!

Cults - ele-king

 M.I.A.が彼女のレーベルからブルックリンの男女をデビューさせたように、リリー・アレンも自分のレーベルの第一弾として、サンディエゴ出身の男女のデビュー・アルバムをリリースした。こうしてレーベル運営にも女性が進出しているというか、逆に言えばインディ・レーベル・シーンがいかに男に偏っているのかがわかる。
 またこれは、M.I.A.やリリー・アレン世代がポスト・フェミニズムにおける前向きさをあらためて印象づける事態とも言えるかもしれない。M.I.A.のスライ・ベルズは、僕は苦手な音楽だったけれど、好みを抜きにして言えば、新しいことに貪欲なM.I.A.らしい過剰なエレクトロ・サウンドだった。が、リリー・アレンのレーベルからおでましのカルツは、いわばザ・シャングリラス、すなわちティーン・ポップ、またはガール・ポップ、要するに懐メロだ。フィル・スペクター・リヴァイヴァル印の付いた、リヴァーヴ・サウンドで、いずれにしても......ベスト・コーストザ・モーニング・ベンダーズザ・ドラムスとか、ここ数年流行の懐メロ・リヴァイヴァルのひとつとも言える。
 もっとも、ここまで来ると本当に「リヴァイヴァル」なのかとも思えてくる。過去40年、ポップ・ミュージックは前に進むために過去を参照してきた。ザ・ビートルズは50年代のロックンロールを演奏し、ブロンディーはオールディーズを、セックス・ピストルズはストゥージズやクラウトロックを、ストーン・ローゼズやプライマル・スクリームはザ・バーズを、デトロイト・テクノはクラフトワークを......といった具合に過去をつまんで前に進んできたと言える。が、ここ数年のポップ・ミュージックにおけるノスタルジーは、もう本当に決定的に過去に戻りたいという欲望の表れではないかと思えてくる。最近セカンド・アルバムを発表したキティー・デイジー&ルイスのように、ジャズではザ・グレッグ・フォート・グループが徹底したアナログ録音にこだわっているが、彼らは過去を参照するなんて生やさしいものではなく、過去を現在に戻したいかのように思える。そして、欧米のこうした若者文化による引き戻し運動を見ていると、本当に心の底から現在がイヤなんだなーと思えてくる。それだけ大人が築いた"現在"が味気なく、面白くないのだ。そもそも彼らは......自分から「懐メロ」と書いておいて我ながら矛盾しているが、60年代前半のガール・ポップを懐かしむような40代/50代/60代ではなく、その頃は生まれてもいない20代の若者なのだ。

 カルツは、昨今のティーン・ポップのなかではかなり優秀だと僕には思える。単純な話、曲が良い。徹底的にドリーミーなところがまず良いし、ポップだし、10年代のロマンスがいっぱい詰まっていそうだ。また、アルバムのなかでもベストだと思われる"ゴー・アウトサイド(外に出よう)"――なんだかソーシャル・ネットワーク依存型社会への批評みたいな曲名だが――、この曲の冒頭のヴォイス・サンプリングは、明らかにこれがモダンなポップ・ミュージックであることを明かしてもいる。
 "ユー・ホワット・アイ・ミーン"のようなバラードもよく出来ているし、彼らの音楽に嫌な感情を持つ人はあまりいないのではないだろうか......と思っていたら『タイニー・ミックステープス』がなかなか面白い酷評をしていたので紹介しておこう。いわく「たとえばヴィヴィアン・ガールズなど、最近のUSのローファイ・ガレージには60年代スタイルが散見される。が、彼らの60年代にチャールズ・マンソンは出てこない。60年代のガール・ポップにはいっしょに踊りたくなるような側面ばかりではなく、ザ・クリスタルズの悪名高き"ヒー・ヒット・ミー(イット・フェルト・ライク・ア・キッス)"(彼は私を殴った、キスみたく)、あるいはザ・シャングリラスの"リーダー・オブ・ザ・パック"やトウィンクルの"テリー"のような(2曲とも命知らずの彼氏の死を悼む)絶望的なトラウマ・ソングもある。カルツはそのどちらにも達していない」
 カルツの音楽は好きな人といっしょに踊りたくなるようなパワーはあると思うので、僕はこの意見には同意しないけれど、いま振り返ると華やかに見える60年代やガール・ポップには死の影があるという指摘は鋭い。いくら現在がつまらないとしても、過去を美化し過ぎるのも危険だ。この手のヴィンテージ志向の底の浅さを露呈することにもなる。ただし、レイヴ・カルチャーのように悪いこともあったけれど、良いことのほうが多かったというのもある。アルバム最後の曲"レイヴ・オン"も面白い。

 元あふりらんぽのピカチュウが、6/11~6/19までニューヨークで4本ライヴを敢行した。5月に光宙★魔呼斗(ピカチュウ&マコト)でアメリカをツアー、その後にニューヨークにやってきた。
 今回は共演バンドにあわせて、ドラム・ソロやフォーク・ソロを披露。Gals Forever、Man Forever、Soft Circle、Pika ☆Yuka と、全部で4バンドと共演した。一緒にプレイしたバンドは、みんなピカに共通するヴァイブを持っているバンド。

6/11 @Gutter
 初日は、ボーリング場でもあるGutterでドラム・ナイト。女の子のドラマーが集まったギャルズ・フォーエヴァー、オネイダのキッド・ミリオンがやっているマン・フォーエヴァーがピカとコラボレートした。
 ギャルズ・フォーエヴァーはピカと3人の女の子ドラマー(トム・トム・マガジンのミンディ、ハード・ニップスのエミ、シンダーズのケリー)からなる。基本、他の3人がビートを刻み、ピカが所々で、びっくりするようなおかずを入れる構成だ。ピカと女子ドラマーのコラボレートは、華やかで動きがあって面白かった。
 マン・フォーエヴァーは対照的に、かなりインテンス。ピカとマン・フォーエヴァー(オネイダのキッド、ヤーヤーヤーズのブライアン、トール・ファーのライアン)の4人が、静かにスネア・ドラムに向かい合って座り、ただただ延々とスティックで音を刻み続ける。途中ベースが入り、少し変化をつける。ギャルズ・フォーエヴァーとは対照的なマス的ドラム演奏で、違う面でのドラムの可能性を見せた。




6/11(sat) @ Gutter: Drum Night
オープニングのドラムナイトは、ピカがNYのガールズ・ドラマーとコラボレートした今回の特別企画、ギャルズ・フォーエヴァー。NYのサイケ・バンドの重臣、オネイダのキッドのドラム・アンサンブル、マン・フォーエヴァーは、今回はカルテットとして,ヤーヤーヤーズのブライアン、トールファーのライアンなど,凄腕ドラマーを起用。そして、NYのガールズ・メタル・ロック・バンド、ハード・ニップスが出演。

● Man Forever Quartet (With Brian Chase, Ryan Sawyer)
www.myspace.com/manforeverusa
● PIKA☆ & GALS Forever
www.myspace.com/moonmama2013
● Hard Nips
www.hardnipsbrooklyn

■Gutter: 200 N 14th street, Brooklyn, NY 11211 9pm $7
www.facebook.com/event.php?eid=132388193503159
www.thegutterbrooklyn.com/

6/16 @ pianos
 聖なる少女の夜、と命名された夜。ピカはフォーク・ソロのムーン・ママ(Moon♀mama)名義。共演は湯川潮音と元ライツで〈ドラッグ・シティ〉のアーティストでもあるソフィア・カナップ。大阪、東京、ニューヨークを代表するフォーク・ソング、しかも女の子という共通点の彼女たち。この夜は、『ピッチフォーク』の兄弟サイト「Altered zone」からエミリー・フライドランダーがDJとして出演した。
 湯川潮音は、ニューヨーク初ライヴで、天使のような透き通る歌声で観客を魅了した。小さい体から、驚くべきパワーを放ち、いちど歌に入ると最後まで止まらない。ソフィアはお似合いのサンドレスで、エフェクターを多用し愛らしいヴォイスを披露。とてもスウィートだった。
 Moon♀mamaは、ギター・フォーク・ソロで、ピカの歌声には心に強く感じるものを残した。日本語もあったがどの曲も観客をつかんで話さないパフォーマンスはさすが。

● Moon♀mama(Osaka...PIKA guitar folk solo)
● Sophia Knapp (NY) 
www.dragcity.com/artists/sophia-knapp
● Shione Yukawa (Tokyo)
www.yukawashione.com
www.myspace.com/yukawashione
● DJ:Emilie Friedlander (La Big Vic, Altered Zones)
www.myspace.com/labigvic
alteredzones.com

■Pianos: 158 Ludlow Street, New york, NY 10 pm $8
www.facebook.com/event.php?eid=147681128637541
www.pianosnyc.com/

6/17@ union pool
 ノースサイド・フェスティヴァル(ハイライトはガイデッド・バイ・ヴォイス)の一部のショーで、共演は、スター・スクリーム、ハード・ニップス、ソフト・サークル。
 スター・スクリームは、19歳(!?)のゲーム音楽にインスパイアされた、男の子たち。音的にオーディオ・ドレッグスのE*rockを彷彿させる。ハード・ニップスは、ブルックリン発の日本人女子へヴィー・メタル(!?)・ロック・バンド。このふたつで会場を盛り上げ、元ブラック・ダイスのヒシャムのソロ、ソフト・サークルへ続く。最近はふたり体制らしいが、今回はまったくのソロで、ヒシャムはキーボードをプレイ。その後、ピカのドラム・ソロ、続いて、ふたりのコラボレート。ヒシャムがギターで、ピカがドラム。お互い長く知っているふたりだが、今回初のコラボレートで、ふたりとも、何か新しい面がみえた。





6/17(fri) @ Union pool: NORTHSIDE FESTIVAL #1
ノースサイド・フェスティバルの一部。バッジホルダーを優先。
共演は、元ブラック・ダイスのヒシャム率いるソフト・サークル(1)、ゲーム音楽に深い影響を受けたスター・スクリーム(2)、NYのガールズ・メタル・ロックバンド、ハード・ニップス(3)で,ノースサイド・フェスティヴァルを盛り上げる。

● PIKA ☆( ex. afrirampo)
● Soft circle
www.myspace.com/softcircle
● Hard Nips
● Starscream
starscreamband.com

■Union pool : 484 Union Avenue. Brooklyn, NY 11211 8 pm $8
www.facebook.com/event.php?eid=166462670081394
unionpool.blogspot.com

6/19@ coco 66
 最後の日もノースサイド・フェスティヴァルの一部。ブラウン・ウィング・オーヴァー・ドライブ、フェアリーヴィジョン、SLZRD WZRD(ライトニング・ボルトのブライアンのベース・ソロ)とチボ・マットの本田ゆかさんとのコラボレートのPIKA☆YUKA(ピカ☆ユカ)。ブラウン・ウィング・オーヴァー・ドライヴは〈Tzadik〉などから作品もリリースしている、アヴァンギャルドでエクスペリメンタルなトリオ。
 フェアリー・ビジョンは、窓ごしに化粧する女子、望遠鏡でのぞく男の子がステージにずっといて、後で聞いたら歌詞の内容だった。SLZRD WZRDはライトニング・ボルトのベースのブライアンのソロ・プロジェクトで、女の子がヴォイス担当。ディヴィッド・ボウイを彷彿する衣装、蛍光電波を目と口から発し、シルヴァーの大きな紙を広げ、その上に乗って回り続けたり、クレイジーなパフォーマンスを繰り広げる。光のバランスが恐美しい。
 ピカ☆ユカは去年もやっているコラボレート。チボ・マットの再結成もあって、忙しい中参加してくれたゆかさんはキーボードとエフェクター、ピカはドラムとエフェクターを操る。このふたりがコラボレートすると音の遊びもしっくり収まるから面白い。






6/19 (sun) @ Coco 66: NORTHSIDE FESTIVAL #2
ノースサイド・フェスティヴァルの一部。バッジホルダーを優先。ピカは,チボ・マットの本田ゆかとのコラボレート、PIKA☆YUKA(1)として登場。共演は、ライトニング・ボルトのブライアン・ギブソンのベース・ソロ、SLZRD WZRD(2)と、エクスペリメンタル・ユニット、ブラウン・ウィング・オーヴァードライヴ(3)、そして、カート・ヴァイル、アメージング・ベイビーなどのメンバーが結成した、フェアリー・ヴィジョン(4)。

● PIKA ☆ Yuka ( ex. afrirampo, Cibo Matto)
www.wbr.com/cibomatto/
chimeramusic.com/ifbyyes.html
● SLZRD WZRD (member of Lightning bolt)
laserbeast.com
● Brown Wing Overdrive
www.myspace.com/brownwingoverdrive
● Fairy vision

■Coco 66: 66 Greenpoint Ave Brooklyn, NY 11222 8 pm $8
www.facebook.com/event.php?eid=213054528716003
www.coco66.com/
www.thelmagazine.com/newyork/NFSchedule2011/Page#sunday

Chart by JET SET 2011.06.27 - ele-king

Shop Chart


1

DOC SEVERINSEN

DOC SEVERINSEN BE WITH YOU / YOU PUT THE SHINE ON ME (DJ HARVEY 12" CUTS) »COMMENT GET MUSIC
オレゴンのトランペット奏者Doc Severinsenが'76年にEpicからリリースしたジャズ/フュージョン名盤"Night Journey"の収録2作品を、DJ Harveyがリエディットした話題の一枚が遂に入荷。Harvey自身も勿論プレイ!!

2

COS/MES

COS/MES SADISTIC SKATEPARK - 2011 RE-MASTER VER. »COMMENT GET MUSIC
2007年にリリースされ、既に廃盤となった現在、某サイトでは1万円を越える高騰を見せている幻の1st.アルバム『Sadistic Skatepark』が、JVCマスタリングセンターの重鎮、小鐵徹氏によるリマスタリングを施されて遂に再発。

3

MANKIND

MANKIND METRO CITY BLUES EP »COMMENT GET MUSIC
Vakulaのリリースで御馴染みの"3rd Strike"から新作が到着です!!良質なビートダウン作品のリリースが相次ぐ"3rd Strike"から、"Late Night Audio"コンビのToby TobiasとDanny Clarkによる匿名ユニットと思われる"Mankind"による大推薦ソロ・デビュー作が登場!!

4

BULLION

BULLION MAGIC WAS RULER »COMMENT GET MUSIC
リリース即廃盤となったミニ・アルバム"You Drive..."収録曲のフル・ヴァージョン3曲に、新曲"Good News on Her"を加えた4曲入り12インチ!!今回も完全限定です。お急ぎ下さい!!

5

DJ KENSEI

DJ KENSEI ULTIMATE BACK INTO TIME VOL.2 »COMMENT GET MUSIC
記念すべき第1弾をを飾ったDJ Doc.Holidayからバトンを受けるのは今も現役バリバリの求道者、DJ Kensei。お題は、90'SにKenseiくんがプレーしていたアブストラク・ヒップホップ。By DJ Doc.Holiday

6

V.A.

V.A. BROWNSWOOD ELECTR*C 2.1 »COMMENT GET MUSIC
超新星Gang Coloursを発掘するなど、最前線UKベース方面へと舵をきったGiles Peterson率いる名門Brownswood。ジュークや新型D'n'B新鋭も参加したコンピからのカット第2弾です!!

7

LUCKY PAUL

LUCKY PAUL SLOW GROUND EP »COMMENT GET MUSIC
名門Brownswoodからデビューを飾ったポストJoy O最有力候補新鋭Eliphinoのリリースで幕開けた当店直撃レーベルから、またしても強力過ぎる新星がデビューです!!

8

RADIO SLAVE (YOUANDME & RHAUDER EDIT) - K-MAZE

RADIO SLAVE (YOUANDME & RHAUDER EDIT) - K-MAZE »COMMENT GET MUSIC
OrnamentsからPaul St. HilaireことTikimanをフィーチャーしたシングル「No News」で注目された新鋭Rhauderをパートナーに迎えたyouANDmeによるエディット・シリーズ第4弾!!

9

BEAT BROKER

BEAT BROKER PACIFIC BREAK »COMMENT GET MUSIC
Harveyも絶賛のGhost Town発Jerry Williams"Easy on Yourself"リエディットも当店大ヒット、西海岸バレアリック重鎮Ryan Bishopの新曲が、DJ Ritesh(American Standard)とTony Watson(ex. Wax Records)主宰新レーベルの第1弾として登場!!

10

JOOLS HOLLAND AND HIS RHYTHM & BLUES ORCHESTRA

JOOLS HOLLAND AND HIS RHYTHM & BLUES ORCHESTRA DANCE THE SKA VOL 2 EP »COMMENT GET MUSIC
クボタタケシ・ファンもれなく直撃の激キャッチー・ビッグバンド・スカ!!爆発人気500枚限定7"シリーズ第2弾は、今回も超豪華ゲスト・シンガーを迎えての名曲カヴァー4曲収録です。

The Middle East - ele-king

 日本に住んで生活していながら、どうしてこんなにも海外の音楽に思い入れるようになってしまったかは、いまだに理由はよくわからない。が、ゼロ年代のいわゆるアメリカーナと呼ばれた音楽を自分が気にしていたのは、アメリカに住みながらそのことにどこかで居心地の悪さを覚えているアメリカ人たちが、過去の音楽を発掘しながら「アメリカ」の物語を再編し自分たちのものに取り戻そうとしている様がスリリングだったからだと思う。フォーク、カントリー、ブルーズがエレクトロニカやポスト・ロックと邂逅し、モダンなものとして生まれ直していくその過程にはどこか切迫感があって、シリアスなものだった。その、ある種の重さに僕は惹かれてきたのだと思う。それを聴くとき日本にいる自分はぼやけて、普通に生活していたら知りようもないアメリカで生きることの過酷さに思いを巡らせることができる。

 ザ・ミドル・イーストはオーストラリアのインディ・バンドで、国内盤の帯にはフリート・フォクシーズスフィアン・スティーヴンスアーケイド・ファイアの名前が比較対象に挙げられているが、そうした現在の北米のインディ・ミュージックの反響で......というか、それらに対する憧れで出来ているバンドだと感じる。正直、オーストラリアの現在のインディ・ミュージック・シーンがどのようなものであるかの知識はないが、ここ数年のUSインディの系譜に置くとしっくりくる。ウィルコのような(既に懐かしい言葉だが)「オルタナ・カントリー」調の曲もあり、ゼロ年代のアメリカーナからの影響が基本にある。2005年結成、2009年に本格始動、本作がデビュー作である。さらにバイオ的なことを続けると、スモッグのビル・キャラハン、オッカーヴィル・リヴァーの前座を務め、2010年にはイギリスのマムフォード&サンズとツアーを回っている。ブリティッシュ・フォークのテイストとアメリカーナの要素をブレンドしてポップ・ソングに仕上げたマムフォード&サンズの大ブレイク(と、案の定ピッチフォークに酷評されている様)なんかを見ると、大きく言ってフォーク・ロックのいまの人気ぶりを思い知るが、そういう意味ではザ・ミドル・イーストも旬の音である。
 はじめ3曲がかなり重々しく、陰影が濃いので少しぎょっとするが、やがて素朴で切ないメロディがカントリー調のギターやストリングスの演奏に乗れば、心地良いレイドバック感が漂ってくる。デビュー作らしくやや肩に力が入っていて、13曲のボリュームで自分たちの様々な側面を見せようとしているのが微笑ましくもあるが、音響の実験を演出したいくつかの曲よりも、柔らかいメロディとまろやかなアンサンブルを生かしたシンプルなナンバーたち、例えばストリングスがドラマティックに盛り上げて静かに退場していく"マンツ"や、軽快なカントリー・ソングの"ダンズ・シルヴァーリーフ"に彼らの良さが出ていると思う。決定的な個性にはやや欠けるが、その分、涼しげな風が吹き抜けるような、奥ゆかしくすらある朴訥な味わいはなかなか爽快だ。時折軽く乗せられる女性ヴォーカルも効果的だ。
 歌詞は幾分抽象的で、はっきりと何を歌っているか特定しにくいのだが、メイン・ソングライターのふたりの解説を読むと、基本的に個人的な心情や周りで起こったことをモチーフとしているようだ。当然と言えば当然だが、ウィルコのように「アメリカ国旗の灰」について歌うような文脈はザ・ミドル・イーストにはなく、アメリカの音楽からの影響を自分たちのものに置き換えようとしている。ラストの2曲、"ナインス・アヴェニュー・リヴァリエ"、"ディープ・ウォーター"へと続くゆったりと流れる時間、それがこのバンドの持ち味だろう。
 野外が似合う音だと思うので、フジロックへの出演は打ってつけだ。出番は初日の昼間、奥地オレンジ・コート。僕も前夜祭で飲み過ぎないようにして、できればザ・ミドル・イーストの涼風を味わいに行こうと思っている。

河内音頭三音会オールスターズ - ele-king

 河内音頭は、その音楽の豊かさとは裏腹に僕にとって「自分とは何か」というハードな問いかけでもある。僕が育った静岡市という町は、愚かなことに、歴史のどこかで盆踊りを捨てた町である。中心からはずれた近所の小学校で細々とはやっている。が、日本で最古の精霊との踊りの名残としてのより大がかりな盆踊りというものはない。あるのは、まったく伝統的ではないのに伝統的と謳っている欺瞞に満ちた春の静岡まつり、そして川で焼かれた大量の戦死者の供養に端を発した安倍川の花火大会で、どちらも近代以降のものだ。ひょっとしたら、モダニズムを迎えた静岡は、浮世絵を焼き払い、着物を脱ぎ捨てたように、盆踊りなどという前近代的なならわしを捨てたかったのかもしれないし、そういう町は他にもあるだろう。ゆえに、僕のように、盆踊りという、遡ろうと思えば古代から綿々と続く精霊との踊りが発展した大衆のダンス・ミュージックが、むしろエキゾティックに聴こえてしまった日本人も少なくないと思う。それは歴史学の門外漢の自分のような人間でも、日本という国が近代によってぶった切られているということに理由があることは察しがつく。我々はあるときに服装や生活様式を変えたばかりか、暦まで変えている。
 あるいは、明治維新とともに浮世絵が下等な文化だと捨てられながら、欧米の知識人によって評価されたことで逆輸入されたように、日本の近代の知性にはそれ以前の大衆文化を蔑んでいたという事実がある。たとえば江戸時代でも遠山の金さんが山東京伝や蔦屋重三郎といった大衆文化の発信者を手鎖にしているというけれど、明治においては庶民的な日本をさらに過剰に排除するスノビズムが働いたのだろう。そうした歴史的な権力の縛りから解放されるという意味でも、1970年代後半に朝倉喬司、藤田正、平岡正明、そして我が高校の先輩である鷲巣功らが『ニュー・ミュージック・マガジン』を通じて展開した河内音頭の再発見と再評価は重要だったと言える。これはちょうどポップ・ジャーナリズムが中南米の音楽を発見したことと時期的に重なっている。キューバ音楽やサウンドシステム文化のように、西欧的近代に蔑視されながらも、庶民のなかで研磨された音楽文化が日本にもあった。ハナバやキングストンのように、実にユニークな音楽形式とともにあったのだ。

 本作『完全盤』は、1982年7月渋谷ライヴ・インにおけるライヴ録音で(司会は平岡正明)、昨年逝去したこの音楽の再評価運動の先駆者、朝倉喬司に捧げられた再発盤である。大阪府下河内で発展したこの音頭の魅力を、ありがちな文化遺産としてではなく、ポップ・カルチャーの文脈のなかで楽しもうとした先駆者たちの情熱によって企画されたその日の河内音頭三音会の東京初ライヴの模様は、鷲巣功の言葉によっても興味深い詳細が記されている。
 気の効いたその解説によれば、主宰者たちの努力によって人が集まった会場内は、最初はまったくスウィングしなかったとある。さすがに戸惑っていたようだ。東京人には不慣れな三味線、太鼓、エレキギターという編成を目の当たりに凍り付いたオーディエンスは、が、しかし最初に演奏された"赤城の子守歌"の進行とともに解凍され、やがて沸点を迎えた――と記されている。実際にこのドキュメントはその盛り上がりも伝えている。
 江戸時代という封建社会をアウトロー(侠客)として生きた国定忠治を讃えたその曲"赤城の子守歌"は、リリックの素晴らしさもさることながら(ある意味ギャングスタ・ラップとも言えるかもしれないが、侠客にはたとえ自分が損をしても強きに刃向かうことを最大に評価するという美学がある)、ビートやリズムに敏感なリスナーにとっては最高のダンス・ミュージックに聴こえるだろう。その当時、黒い音楽に親しんだ耳を虜にしただけあって、河内音頭三音会による反復するパーカッシヴな響きを聴いていると、この国の大衆音楽にはこんなにもリズミカルな躍動感があったのかと驚きもする。
 また、節回しに関しても、ワールド・ミュージックのリスナーはもちろんのこと、へたらしたボアダムスやギャング・ギャング・ダンスを面白がっているような拡張された耳を持つインディ・ロックのリスナーにとっても、もはや違和感などないんじゃないだろうか。先日レヴューしたリトルテンポの『太陽の花嫁』と連続で聴いても不自然さを感じない。もっとも、こうした「いまや普通に聴ける」という表現は誤解を招くこともある。「いまや普通に聴ける」から良いのではなく、本当にこの音楽は、そしてこの演奏は、抜群に面白いのだ。独創的で、パワフルで、痛快で、そう、素晴らしいことに笑いもある、しかも感動的なまでに反抗的だ。拡張された耳を持つリスナー諸君は、偏見を抜きにしてぜひ聴いて欲しいと思う。けっこう本気でハマってくる。
 この文化にひとつ弱点があったとすれば、(島唄もそうだが)基本的にはライヴ演奏の文化であるがゆえに、長いあいだポップ・ミュージックとしての録音の文化を持たなかった点にある。ジャズやブルースももともとはライヴ演奏の文化だが、周知のように早くから西欧文化に発見(評価)されたために、途中から録音文化(レコード)のなかに組まれている。『完全盤』は、そうしたジャズやブルース(もしくはキューバ音楽やレゲエに)おくれを取ったとはいえ、世界的にみてそれを最初に試みた歴史的なアルバムでもある。

 上京して、東京で盆踊りを知ることができて本当に良かったと思っている。まあ、たいていの場合そのPAがあまりにもチャラ過ぎるのだが、お陰で音頭という形式に慣れたわけだし、いまはもうエキゾティズムを感じることはない。夏になると必ず盆踊りが恋しくなるようになった。古代人には、夏になると現れる精霊たちを見る能力があった。それが円を描く踊りとなって、長い年月のなかでいつしか庶民のソウル・ミュージックとして発展した。その魅力をいま自然に楽しめるようになったことが嬉しいし、そのなかでもっとも突出したスタイルを獲得した河内音頭の、名高き三音会(みつねかい。大雑把に言えば60年代のジャマイカにおけるスカタライツのようなもの)の演奏を堪能できることは幸せだ。そして、それは山東京伝よりもルイス・キャロル(とかシェイクスピア)のほうを教え込まれてしまった「自分」とは「何か」について考える契機でもある。
 まあ結局のところ僕も、浮世絵のように、欧米をぐるっとまわってきた耳でもってこの音楽に接しているのだ。浮世絵の再発見と決定的に違うのは、これが日本内部の耳によって再発見されたという事実だ。あらためて先駆者たちに敬意を示したい。彼らは最初にブルースを発見した白人のように、コカコーラとサンタクロースに支配された日本に埋もれてしまった、おそろしく重要な価値を見出したのだ。

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