「Nothing」と一致するもの

Evade - ele-king

 マカオからダブステップ・ヴァージョンのコクトー・ツインズによるセカンド。ソニア・カ・イアン・ラオ(ヴォーカル)、ブランドン・L(ギター)、フェイ・チョイ(プログラム)からなる3人編成。クアラ・ルンプールのミュー・ネストやジャカルタのワハナと並んで注目されるシンガポールのキッチンから。デザイン・チームがはじめたレーベルだけあって折り紙式のジャケットもフェティッシュ係数が高い。

 都会と自然というのか、交通事故を思わせるようなクラッシュ音と人里離れた場所から聞こえる幽玄な響きがけっして溶け合うことなく、共存しながら互いを引き立て合っていく。なんだろう、これは。人種政策でいえばフランス式の同化政策ではなく、アメリカ式のサラダ・ボウルを思わせる見事なミックス・センス(......レコーディング技術の頂点とか最先端がポップ・ミュージックのかたちをとって表れたような気までしてきた)。ミュージック・コンクレートやダブもひとつの楽器のようにして扱われ、しかも、ポップ・ミュージックから大きく踏み出すこともない。『空中キャンプ』も『ファンタズマ』もすっかり過去のものになっていく。日本、終了。水戸藩の皆様、ご苦労様でした(ボーナス・トラックには日本からオカモトノリアキら3組がリミックスを提供)。

 試聴(ダイジェスト)→https://soundcloud.com/(詳しいバイオグラフィーも)

 オープニングは昔日のフォーテックを思わせる「忘」、ジョン・ケージも沈黙してはいられない「無題夢」、空中遊泳のようなレゲエを聞かせる「尋抜佛洛依徳的虚無瓢翔(フロイトを探して)」......と、日本でも人気のあるマレーシアのフリカやシンガポールのアスピディストラフリーとは次元がまったく違うし、もしかすると、そうやって日本のエレクトロニカなりを模倣し続けたアジアのミュージシャンから、そのような試行錯誤を踏み台にして、その上を行く才能が開花したということなのだろう。つまり、日本のミュージシャンにもこれをつくるだけの条件は同じように整っていたはずで、もっといえば、なんのために、日本は『空中キャンプ』や『ファンタズマ』を生み出してきたのかということでもある。

 10年前、世界で人気のあるゲームの人気投票をやれば100位中93本が日本のゲームだったという(いまはゼロに近い)。アジア中で放送されていた日本のTVドラマはもちろん韓流にとって代わられた。日本の映画が海外に売れることは皆無に近い。アニメもマンガもまるで人気がなくなり(トロントでは5年ぐらい前から大学で日本語の授業を取る学生が減り出したと聞いた)、ストリート・ファッションは少しがんばっているようだけど、〈アタ・タック〉や〈サブライム・フルクエンシーズ〉が沖縄民謡や演歌のコンピレイションをリリースすることはあっても、ボアダムズのように海を越えて影響を与える現在進行形の音楽も存在しない。責任の一端は政府にある。クール・ジャパンを持ち上げていたのに、その才能に投資することもなく、どこからか搾り出した予算を大企業の宣伝費に回していたことがすっぱ抜かれたのである。そのことを知ったのだろう。今年の1月、村上隆は以下のようなツイートをしている。「大手広告代理店の皆様! 行政の皆様! 告知です。村上に「クールジャパン」関連のイヴェントへの参加、インタヴュー、諸々のオファーはしないでください。村上は「クール・ジャパン」とはいっさい関係がありません」と。ル・モンドが「いまや日本文化は世界で1人勝ちだ」と書いたのも10年前。音楽だけでなく、あらゆるジャンルで日本にはクリエイターが育たず、せっかくの文化的蓄積を食いつぶしてしまったのである。そして、いまはガラパゴスを決め込み、J・ポップを聴いていれば洋楽を聴く必要はないと開き直っている。......動物化とはよく言ったかもしれない(いいものだってある。でも、それが日本で人気を集められないことはさらに深刻な事態を意味していないだろうか)。

 香港に続いてポルトガルから中国に返還されたマカオがどんな文化的背景を持っている国なのか不勉強でよくわかっていないので、ここで彼らがレゲエを巧みに引用したり、ノイズを混ぜてみたりするときに、どのような文化的意味が生じているのかということが僕にはまったく理解できていない。いわゆる無国籍サウンドとして響くだけだし、それが余計に日本との距離を縮めて感じさせる。イヴェイドとは「回避する」という意味である。何を? どうやって?

Dum Dum Party 2012 - ele-king

 7月1日、〈河口湖ステラシアター〉で開かれた「Dum Dum Party 2012」は、ビッグ・フェスティヴァルが当たり前のこのご時世で、原点回帰をうながすような内容だった。

 Dum Dum Llpがヴァセリンズを呼んだ理由は、好きだからだ。2009年に設立されたこのイヴェント会社の名前は、ヴァセリンズの代表曲"Dum Dum"から取られている。「当初からいくつかバンドを呼びたいと思っていたけれど、まさかこんなに早く彼らを呼べると思っていなくて、早い段階で最終地点に着いてしまったような感じがしているね(笑)」と、今回の招聘について、Dum Dum Llp代表の富樫陸氏は話してくれた。
 今回のイヴェントのプロモーターでもあるOffice Glasgowの安永和俊氏はこう語る。「もちろん商業的に成功しなくてはいけない部分もあるけれど、まず企画する側が好きなバンドを呼んで、バンドを好きな人たちが会場に集まる。そして日本のことが好きなアーティストがライヴをする。ハッピーでしかないからね。当たり前のようだけど、それがいちばんでしょ」
 Corneliusの小山田圭吾氏は今回のイヴェントについて、富樫氏に向かいこう言ったそうだ。「これ、完全に富樫君のイヴェントだよね(笑)」

 日本の大きなイヴェント(フェスティヴァルなど)は、このようなシンプルなモチヴェーションを失ってはいないだろうか。ミュージック・フェスティヴァルとはそれを好きな人たちが好きな文化のためにはじめたもので、その主役は"音楽"と"リスナー"だったはずだ。
 僕も自分でイヴェントを開催したことがある。現在もいくつかのイヴェントのお手伝いをする機会があるので、企画する側の苦労などは(その規模によってかなり違うが)、ある程度は理解はしているつもりだ。自分が思っているようにアーティストは集まらないし、集客などはとても不安だった。経済的なリスクがつねにある。
 しかし、「イヴェントをなぜ企画するのか」というもっとも大切な命題にぶつかったとき、意外と答えは簡単に見つかる。好きだからやる。イヴェントは、その音楽を輝かせる手段、ルーティーンでは決して味わえない自由な空間を創造することなんだと僕は思う。
 ここ5年くらい、僕も毎年のようにいろいろなフェスティヴァルに出かけている。近年はそのイヴェントに「参加している/共有している」というよりも、「普段見れないアーティストを見に行っている」という感覚のほうがどうしても強い。いわゆるショーケースとして受け止めている。そういう意味で7月1日の「Dum Dum Party 2012」は、自分も忘れていたフェス的なものへの初期衝動を喚起させてくれたのだった。

 当日は、ヴァセリンズの"Dum Dum"と相対性理論の"Qkmac"が収録された、限定のスプリット 7インチ・シングルが発売されていた(もちろん即ゲット)。そうそう、この日出演者はスティーヴィー・ジャクソン、ヴァセリンズ、相対性理論、ゲストに小山田圭吾。流行やビッグネームに頼らない、企画側の愛情がわかる、面白い組み合わせだったと思う。だいたい平日の月曜を翌日に控えた日曜日の夕方から山中湖でやるイヴェントには、本気で好きな人しか来ないだろう(笑)。

 スティーヴィー・ジャクソンはベル・アンド・セバスチャンよりも内省的で、もの哀しくも、やさしく包み込むような歌声が良かった。山地特有の天候が独特の雰囲気を醸し出し、ちょっとグラスゴーの風景を空想してしまった。

 スティーヴィー・ジャクソンがリード・ギターとして入ったヴァセリンズは、フランシス・マーキーのチャーミングな赤いスカートが華々しかった。ところ"Oliver Twisted"で演奏がはじまると、そんな可愛い印象は一転。ファズのかかった挑発的なギター・サウンド、ユージン・ケリーとフランシス・マーキーによる男女ツイン・ヴォーカルに乗せられながら、ステージは矢継ぎ早に展開。"Molly's Lips"では小山田圭吾と安永和俊が登場、ホーンを演奏した。"Son of A Gun"あたりから座っていたリスナーも立ち上がり、踊りはじめた。"Dum Dum"を演奏する前のMCで、Dum Dum Llp関係者などに感謝の言葉を述べた。会場は拍手に包まれ、"Dying For It"がはじまった。

 相対性理論は、リヴァーヴのなかで溶け合うふたつのドラムが躍動的だった。ボサノヴァ風のアレンジや、やくしまるえつこのヴォーカリゼーションは魅惑的だった。小山田圭吾をギターに迎えたその日最後の曲、"ムーンライト銀河"は白眉だった。甘いノイズ・ギターは、どこまでも遠くへ続くようだった......。それは企画側の愛情のこもった気持ちの良いフェスティヴァルに相応しい幕引きだった......。

Fang Island - ele-king

容赦ない打鍵でメロディを叩きだす"ヴィクトリニアン"は、彼らのハイ・ファイヴがその場限りな朋友意識から自由であると物語る。

 ともかくもファング・アイランドはギターがおもしろい。昨今は90年代風のR&Bがインディ・ミュージックの細部へと浸透し、一種のリヴァイヴァル状況を生み出しているが、それらの隙間の多い音に比して、ファング・アイランドは真逆ともいえる暑苦しさをまき散らしている。「ハイ・ファイヴ・コア」などと呼ばれるゆえんだ。同じナインティーズでも彼らはディストーティッドな音を好む。しかしそれは、ロック界隈ではすでに2009年ごろより起こっていた90年代リヴァイヴァリストたちの、コスプレのようなグランジ・ポップとはまるでちがう。それはほんとうに、一聴でわかるだろう。今作冒頭はいきなりピアノからはじまるからディスクを間違えたと思ったのだが、すぐに1本の光線のように、追って複数本並行するようにギター――「あの」ギターだ――が入ってくると、間違いなくそれがファング・アイランドであることがわかった。心がそよぐ!

 隙間こそないが、彼らの少しメタリックなギターは、とても透明度が高い。それは大半の曲においてグランジっぽい歪み系の音と2層をなして進行するが、双方とも氷づけされたようにざらつきがない。技術的なからくりはわからないが、シーンの主流がテープ録音のようなにごりやあいまいさを持った音色にあるなかで、異様にうつるほどの個性を宿している。

 "キンダーガーテン"はピアノからはじまる。ファング・アイランドはバンドとしてのアイデンティティもギターにあって、ライヴなどは5人くらいのギターがずらっと横1列になったりする。先に述べたように、ピアノの使用などおよそ想像の範疇をこえていて、はじめは我と耳とを疑ったくらいである。だが終曲もおもいきりピアノによって展開されていくのを聴いて、両者は彼らにとって等質なものなのだなと思い至った。透明でつよく、線的にのびてゆくもの。ピアノもまた弦楽器であったこと、彼らのギターが鍵盤楽器的であったことがここで交差し、筆者はようやく納得した。また、そのピアノ自体にも次第につよく胸を打たれるようになった。アップライトで子どもがバイエルを弾くように、容赦ない打鍵でメロディを叩きだす"ヴィクトリニアン"は、彼らのハイ・ファイヴが粗雑でその場限りな朋友意識・パーティ感覚といったものから自由な、心の祝福をたくし込んだものであることを暗示する。

 握手よりもハイ・ファイヴが大事だ、と結成メンバーのクリス・ジョージズは言う。小さな地球でちがう国の人間同士が手をあげてタッチしあうイメージ、そのパワフルさを彼は好む。筆者は見ず知らずの人間とのハイ・ファイヴなどもっとも苦手な部類の行為だが、彼らのパーティでならやってもよいという気がする。ノリだけでここまで力づよく執拗に鍵盤を打ちつづけることはできない。奏法で音に陰影や表情がつくなどという発想のまるで埒外で、エネルギーが尽きるまで弾きつづけようというような駆動力。その裏側には、なにかほんとうにその行為を支える確信があるのだと感じる。タッチしあうことでそれが見えるというのならば、見てみたいなと思う。『ピッチフォーク』などがかつて「人生肯定的」と評したのは肯定の意味をとり違えなければそのとおりである。

 ファング・アイランドはニューヨークを拠点に、現在はトリオを中心として活動している。リトグラフィよりも音楽を作ったほうがいいんじゃない? というアートスクールの学生たちで結成されたバンドだ。2010年にリリースされたはじめのフル・アルバムもすばらしく、高い評価を受けた。今作に根本的な変化はないが、"アサンダー"や"レガリア"など耳なじみのよいメロコア風の楽曲を聴くと、正直なところそこまでリスナーに歩み寄らなくてもよいのではないかという気持ちにはなる。かといって"チョンパーズ"などが平凡かというと、結局はここでもギターが彼らの音楽を非凡ならしめていることに気づく。「人びとに喜ばれる音楽を作りたい」という彼らの思いが、そのように微妙なバランスで表れた作品である。『メジャー』というタイトルの意図はわからないが、メジャーという言葉の意味するところが両義的に浮かび上がっている。次作はより純粋に表現自体を追求・進化させてほしいというのが希望だが、筆者は彼らの音には一貫してエールを送りたい。

快速東京 - ele-king

 僕のすぐ後ろから「外タレみたいだ!」という声がステージに向かって跳んだ。さっきからスイセイノボアーズ(SuiseiNoboAz)がなかなかいい演奏を繰り広げていた。昨年あたりから評判になっているバンドだという。凶暴なフィードバック・ノイズにはじまり、曲が進むにつれて、だんだん単純なロックン・ロールになっていく。ここは渋谷・宮益坂にあるラッシュというライヴハウスで、PAがとにかく素晴らしい。入場制限がかけられるほど内部はギュー込みで、このところ足を運んだライヴ・スペースでは圧倒的に年齢層が低い。こういうところにひとりでいると間が持たないし、ほとんど身動きもできないから不快指数が上昇するかと思いきや、なぜか非常に居心地がいい。高円寺の練習スタジオでスカートを観ていたときは足が攣りそうになって、さすがにギブ・アップしてしまったけれど、スイセイノボアーズから、そして、快速東京へとステージは進んでいく。快速東京が、そして......とんでもなかった。

 「外タレみたいだ!」と叫んでいたやつがヴォーカルだった。歌っていないときはフニャフニャしていて、重力との関係がどこか間違っているような背筋の伸ばし方。見てしまう。いや、人の目を否応もなく引き付ける。演奏がはじまると、音楽性は100%パンクである。しかも曲が短い。いまの曲は短かったなーと思っていたら、それは1曲じゃなくて2曲だったりするし、快速というのは、そういうことだったかと。しかも、歌詞がナンセンスで、演奏自体はシリアスに徹し(ある種、バカテクかも)、ヴォーカルの福田哲丸が体を振動させるスピードはニュー・オリンズ・バウンスよりもケイレン度が高い。なんというか、毒の持たせ方が電気グルーヴのようなスターリンというか......そう、スターリンが「ガリガリ君」とか歌ってる感じ。歌い終わると、またフニャ~。

 ライヴを観てからCDを聴くと、もはやCDとしての完成度がどうなのか、それを冷静に見極めることは難しい。ステージの模様を思い出して笑いがとまらなくなってしまうから。全16曲で18分。短い。ショート・パンク・ロックといういうらしい。パンク・ロック界の星新一とでもいうか。ロックンロールは人間じゃない、メタルマン髪の毛長いぜ、ヒマだから戦争しようぜ......もしかして「外タレみたいだ!」というのは日本の文化に馴染んでないぜという意味を含んでいたのかなと思えるほど、歌詞のセンスは日本語のそれでしかない。野田努先生のテーマ曲にすべき"ラブソング"は♪テレビをつければラブソング 街をあるいてもラブソング 聴きたくねーのにラブソング~と、Jポップ全体を一瞬にして敵にまわし、"パピプペパンク"では♪ロックもパンクもどうでもいいじゃん ロックもパンクもめんどくさいじゃん~と自分たちのやっていることも否定。"ゾンビ"はちょっと文学的で、♪最低な世界サヨナラできない~と、ある種の闇を覗かせる。エンディングはやけのはらをラップでフィーチャーした"敏感 ペットボトル PART 2"で、これがまたサイコーに自暴自棄。

 ......このまま行っちゃうのだろうか。それとも次のアルバムでは、長い曲か、遅い曲をやってみるのだろうか。そうだとしたら、その直前の瞬間は絶対にライヴを目撃しておきたいし、さらにいえば、つかみどころがないにもかかわらずポロっと毒がこぼれることもあるMCを聞いている限り、一度躓いてからが面白いバンドになるような......(短いですが、終わりにしましょう)。

MOVEMENTS Oneness Camp 2012"縄文と再生" - ele-king

 いや~、暑いっす。おまけにオリンピックのおかげで寝不足です。

 さて、DVD作品『Beyond』によって、彼なりの哲学で原発問題や沖縄の基地問題に切り込んだDJ/プロデューサーのムーチーが、8月の終わりに野外フェスティヴァルを主催する。題して......MOVEMENTS Oneness Camp 2012"縄文と再生"。
 出演者に関しては彼らのサイトをチェックしてもらういましょう。ムーチーの考えを租借すれば、取り返しがつかないほど混乱した日本の再生のヒントのひとつとして、そして共感できる自分たちの国の文化のひとつとしての「縄文」というもので、これはUKのアナーコ・パンクがストーンヘンジを抵抗のシンボルにしたり、あるいはUKのロックやテクノが何かとケルト文化を持ち出したりすることの日本ヴァージョンとも言える。8月末、FREE DOMMUNEが終わったら、君も縄文へのトリップを準備しようじゃないか!




長野、縄文、キャンプイン!
満月の夜からはじまる2泊3日の音楽フェスティヴァル!


日 程 2012月8月31日(金)満月 / 9月1日(土) / 9月2日(日)
開 場 8月31日(金) 11:00
閉 場 9月2日(日) 17:00
会 場 長門牧場(特設広場) 長野県小県郡長和町大門 3539-2

【チケット】
通し券 前売り 7,000 円 / 当日 8,000 円
*18歳未満入場無料(要保護者同伴 / 年齢のわかるものをご持参ください)
グループ券 前売りのみ 30,000 円 (5 名分の通し券 / イープラス限定)
一日券 当日のみ 5,000 円
テント券 前売り 1,000 円 / 当日 2,000 円
ファミリーキャンプ券 オートキャンプ券
*6歳未満のお子様連れの方のみ購入可能。限定枚数にて販売予定。
駐車券 当日 1,000 円 *出入り自由
*駐車場はありますが、数に限りがあります。乗り合いでのご来場をお願いします。

https://onenesscamp.org

Chart JET SET - ele-king

Shop Chart


1

Missing Linkx - So Happy (Philpot) /
SoulphictionとMkによるプロジェクトMissing Linkxによる最新作!Moodymannの作風に通ずるブラックネスを放つ"You Ain't Hip"が脳髄直撃!

2

Michel Cleis - Mir A Nero (Pampa) /
2012年サマーアンセム、最有力候補!Cadenza等から数々の傑作をリリースした事でもお馴染みスイスの気鋭プロデューサーMichel Cleisによる最新作!

3

Sunlightsquare - Heart's Desire (Sunlightsquare) /
超人気ラテン・バンドSunlightsquare、今回は、フリーソウルとしても再評価されたのあの曲です。B面はスピリチュアル・ジャズ・ファンク名曲カヴァー!!

4

Ondatropica - S.t. (Soundway) /
Flowering Inferno、Combo Barbaroでのアルバムや数々の過去音源発掘等でコロンビア~ラテン音楽の再評価を盛り上げてきたQuanticによる最終到達地点。

5

Large Professor - Professor @ Large (Fat Beats) /
Large Professorの新作が遂に全貌を現しました! 客演にはBusta, Lil Fame, Tragedy, Mic Geroinoのベテラン勢から、Action Bronson, Saigon, Roc Marcianoまで豪華メンツが参加!

6

Karriem Riggins - Alone (Stones Throw) /
プロデューサーとしてSlum VillageやErykah Baduの作品でも手腕を振るった氏のオール・インストゥルメンタル・アルバム!

7

Hazel - Lost Tapes (The Beat Down) /
Onra主宰レーベルからのデビュー12"が話題騒然となったクリエイターの新作アルバム!客演には若手筆頭株のDrakeや、Bbeからのリリースで知られるSlakah The Beatchildをフィーチャー!

8

J Rocc - Minimal Wave Edits Vol.1 (Stones Throw) /
ミニマル・シンセ・リイシューレーベルMinimal WaveとStones Throwが強力タッグ!プロデューサーとしての資質も一級の彼が、90'sカルト・シンセサウンドを再構築。

9

Moody - Why Do U Feel Ep (Kdj) /
Kenny Dixon Jr. A.k.a. Moodymann手掛けるセルフ・レーベル"Kdj"からの話題新作が遂に解禁。Pv公開と共に話題を集めた昨年リリースの傑作「I Got Werk」も収録されています!!

10

Oddisee - People Hear What They See (Mello Music Group) /
客演には旧知のDiamond Districtの面々や、同郷ワシントンD.c.のソウルスター・Olivier Daysoul、Bullionとのスプリット盤でも話題を呼んだTranqill等が参加した全12曲。

Kindness - ele-king

 サファイア・スロウズは、彼女のLAツアーの記録において、アマンダ・ブラウン(LAヴァンパイアズ)の家に行って、「将来こんなふうに生活したいよね.....(略)。かっこいいことしてるかっこいい人たちがかっこいい家に住んでてよかった」と、素直な感想を述べているが、日本に住んでいる限り彼らと同じような生活はほまず無理だろう。
 これはインディ・シーンや音楽文化の質の問題ではない。より大きな問題だ。そもそも日本の建築物、こと住居に関する建築物の考え方そのものが欧米と日本とでは違う。欧米では、たとえば集合住宅の部屋を買う場合、土地ではなく、その建築物に金を払う。ニューヨークやロンドンなどの場合、必ずしもそうとは言えないだろうけれど、伝統的にはそう考えている。つまり、日本とは逆。だから、建築物がしっかりしていないと売れない。デトロイトでもベルリンでも、緯度が高いところに位置する都市部では、だから保温はその建物全体でおこなう。遮音や配管に関してもしっかりしている。ところが日本は、土地が資産となっている。ゆえに地価が高く、ゆえにその上に建てる建造物へのコストはカットされ、ゆえに世界のスタンダードで言えば、先進国でありながら平均的な人たちはスラム街並みの狭い空間で暮らしている。国土が狭いからそうなったわけではない。国のシステムや考え方に依拠している。
 このように、日本の外から日本を見ると悲しくなることが多々ある。今日の民主党+元民主党の無責任ぶりを見れば外に出なくてもそのとんでもなさはわかるだろうが......。

 しかし「思い込み」というのは恐ろしいもので、80年代まで、日本人の多くは自分たちは経済大国に住んでいるんだし、欧米人並みの暮らしをしているんだと錯覚していた。信じられない話だが、自分たちは白人だと勘違いしていた人も少なくない。
 土地を株券のように売り、価値を与えたのは日本政府だ。税収が増えるし、資産として運用できる。それがゆえにバブル経済が起きたわけだが、結局のところ間違った「思い込み」に気づかされたのが80年代の日本だった。
 だいたい平均的な大学生の暮らしは、地方から上京してきた場合など、男も女も風呂なしの木造アパートが当たり前だった。しかし、80年代の生まれの橋元優歩は、あの時代の日本では多くの若者がYMOに表象される「トーキョー」に酔っていたと思い込んでいる。ある種ヴァーチュアルなノスタルジーに支配されているのだ。

 今年の3月に店頭に並んだカインドネスのデビュー・アルバムをいまさらレヴューしたのはふたつの理由がある。ひとつは三田格によるピュリティ・リングのレヴュー。彼は「チルウェイヴもいい加減、ディスコ・リズムからは離れて16ビートを意識したようなものになっていくか」と書いているが、僕が知っているだけでもチルウェイヴは1年以上前から16ビートを意識している。トロ・イ・モアが昨年の2月に発表した『アンダーミース・ザ・パイン』の、たとえば"Go With You"を聴いてもらえればわかる。トロ・イ・モアはその年の12インチ「フリーキング・アウト」でもブラコン的な16ビート路線を追求している。また、〈4AD〉のインクにもそのあたりのセンスがプリンス・リヴァイヴァルのなかで受け継がれている。

 カインドネスの『ワールド、ユー・ニード・ア・チェンジ・オブ・マインド』という、もっともらしい題名のアルバムは、アートワークが物語っているように、何のことはない、スタイリッシュなトロ・イ・モアといったところである。
 ラ・ファンク・モブもモーターベースも聴いていない世代がカインドネスにいち目置くのは無理もない、ラ・ファンク・モブが出てきたとき、君たちはまだ小学生だったかもしれないのだ。僕がこのアルバムを手にした理由は、プロデューサーがフィリップ・ズダールだったからだけれど、カシアス以降のズダールは中途半端にビジネスを意識していて、いまひとつ冴えがない。それでもまあ、経験豊富なフランス人がチルウェイヴをどういう風に料理するのか興味があったし、彼はトロ・イ・モア以降の流れをそれなりにうまくまとめてはいる。16ビートを基調としながら、ディスコ(80年代)からハウス(90年代)へと、じょじょにだが移りゆくモードも捉えている。80年代風のテクスチャー(ディスコ、ブルーアイド・ソウル、AOR......等々)も残しつつ、新しい衣装を同時に見せている。

 80年代からはじまった「スタイル文化」の背後では、アーバン・ルネッサンス計画に沿って、この都市の殺伐とした景観がかたち作られている。そんな80年代の日本において、たとえばルインズ(廃墟)やボアダムス(倦怠)を名乗った音楽が、その後のブルックリン(ブラック・ダイスやアニマル・コレクティヴ)へと伝播されている。それなのに橋元優歩ときたら......。
 たしかに言われてみれば、いまよりもお花畑の若者は多かったかもしれない......けれど、80年代とは「日本ってやっぱダメだったんだな」と気づかされた時代だった。不思議国でも何でもない。
 周知のように、新自由主義がはじまったのも80年代だ。百歩譲ってそれにはそれなりの良さがあったとしよう。だが、日本で公営が民営化されたと言っても、結局そのトップは官僚のままだったりする。そのことと「チルウェイヴは16ビートですよ」という実に些細なことを言いたかっただけなのに、こんなにも書いてしまった。風呂に入ろう。stay loose, play funk and write reviews...

 洋楽聴くと売れなくなるぞ、売れたきゃバンプだけ聴いてろぉと業界では言われているとかいないとか......、そんな話がまとこしやかに囁かれている今日の邦楽で、たとえ無意識であろうとシーンのガラパゴス化に抵抗し、音楽という想像力に意識的なアーティストたちのリリースが相次ぐ。
とはいえ、ほんとうにつまらない音楽ばかりなのかといえばそうでもない。無名の才能たちを拾い上げることができなくなってしまった痩せて力ない音楽業界を、彼ら先達者たちやわれわれリスナーが揺さぶらなければならない。投票だと仮想してみようではないか。あなたはどの票でもって意思を表明するだろう? 全部買ってもいい。しかしどれもそれに値しないかもしれない。あなたの期待の作品を、どうぞコメントしてください!

 8月8日の七尾旅人『リトルメロディ』は、前作『ビリオン・ヴォイシズ』発表以降全国を行脚し、とりわけ震災以降の福島へいち早く赴くなかで受けた大きなインスピレーションが止められている。ツイッター上のコミュニケーションを制作に援用したり、多くの個性的な奏者たちを交えるレコーディング・スタイルをとったりと、七尾らしい取り組みも健在だ。また、昨今のSSWブームの火付け役でもある。
詳細 https://tavito.net/

 9月5日のコーネリアスは、これまでに手がけたリミックスやミックス作品のコンピレーション「CMシリーズ」の第4弾。1995年から2012年まで、国の内外を問わずオファーを受けた作品を一挙収録している。こちらは残念ながらオリジナル・アルバムではないが、定評ある小山田圭吾のリミックス作品をまとめて聴けるのは嬉しい。MGMT、相対性理論、アート、リンゼイ、小野洋子、布袋寅泰、三波春夫......などなどの曲のコーネリアス・リミックスが収録される。"赤とんぼ"のリミックスは必聴。

 同日のトクマルシューゴは約2年半ぶりのリリースとなる。予定されているフル・アルバムに先駆けたシングルだ。タイトルは『デコレート』。CDやデジタル・フォーマットのほかにソノシートも予定されているところにインディ・シーンの時流がとらえられているようにもみえる。ご存知バグルスの名曲"ヴィデオ・キルド・レディオ・スター"カヴァーなどはアルバムへは収録されない注目トラックだ。
詳細 https://blog.shugotokumaru.com/?eid=1030256

 9月19日はオウガ・ユー・アスホール。演奏力もさることながら、若いバンドのなかではダントツに多種多様なレコードを買い、探求をつづける志高きバンドでもある。物事が移りかわったり終わったりしていくことは、悪いことではない......『ホームリー』とは真逆のチルな境地を目指しつつ、ポップ・センスも注がれている『100年後』には、そうした意味もこめられているようだ。
詳細 https://www.ogreyouasshole.com/news.html

 1992年のバルセロナ・オリンピック開会式で、歌うはずだったフレディ・マーキュリーがエイズで死去したために歌えなかった悲しい話は有名です。しかし、1999年にマンチェスターのIDMプロジェクト、モスリムガーゼの「イラン女子卓球チームのテーマ(Iranian Female Olympic Table Tennis Team Theme)」のリリースはあまり知られていません。彼らはイランの女子卓球チームが国の服装規制で出場できないことに抗議したのです。

 というわけで、ロンドン・オリンピックがはじまりました。男子日本サッカーは、大方の予想を覆して、必ずしも強い者が勝つわけではないことを証明しました。土曜日には柔道もはじまります。寝不足の日々が続きそうです。
 そして、ご存じのように、今回の開会式は、ダニー・ボイルとアンダーワールドがタッグを組んで、ポール・マッカートニーが"ヘイ・ジュード"を歌います。少し危険なコンビです。どうか失望させないことを祈るばかりです。セックス・ピストルズ(あるいはアークティック・モンキーズやローリング・ストーンズ)などの噂もありますが、どうなんでしょうね? さすがに女王を前に「ファシスト体制(fascist regime)」とは歌えないだろうと大方は予想していますが......。
 オリンピック開幕前の26日のハイドパークではディジー・ラスカルをトリにしたフェスティヴァルが開かれて、6万5千人が集まったと言います。閉会式には、ニュー・オーダーやスペシャルズ、ブラーが出てくるとも言われています。オリンピックと音楽はつねにセットです。ヴァンゲリスやクインシー・ジョーンズやジョルジオ・モロダーもオリンピックのために曲を作っています。今回のどこかの会場でウォッシュト・アウトやボン・イヴェールが流れても不思議ではないと『ガーディアン』は言います(あんな音楽が流れたら、まず記録は更新されないでしょう)。

 ジョン・ウィリアムスはロサンジェルス・オリンピックやアトランタ・オリンピックに楽曲を提供しました。フィリップ・グラスもロサンジェルス・オリンピックのテーマ曲を書いています。バルセロナ・オリンピックでは坂本龍一が登場しました。8年前のアテネ・オリンピック開会式ではビョークが歌いました。4年前の北京オリンピック閉会式ではジミー・ペイジがギターを弾きました。果たして今回の音楽はどうでしょう? 音楽にも注目しつつ、世界のスポーツを楽しみましょう(そしてイラン女性卓球にも注目しましょう)。

石野卓球 - ele-king

 YMOとクラフトワークとアンディ・ウェザオールとパレ・シャンブルグを聴いた後、という非常にヘヴィな状況で、もう帰ろうと思っていたんだけど、石野卓球がDJをはじめた途端にどんどんひとがフロアから出て行くという滅多にない光景を見てしまったものだから、それまでのすし詰め状態から自由に踊るくらいの余裕ができたダンス・フロアのど真んなかにわざわざおりていったら、卓球の繰り出す魔術的なビートに絡めとられて、しばらく踊り念仏と化してしまった。以前はほんとにしょっちゅう聴いていた彼のDJだけど、最近は本当にごぶさたしていて、それでなのか懐かしいようなとてもフレッシュなような、いろんな感覚がぐるぐると渦巻いた。

 初回から昨年まで、13年分の〈WIRE〉コンピに収録された卓球の曲を古い順に並べた今回の企画盤は、たぶん初回からずっと〈WIRE〉に通い詰めているようなオールド・ファンに同じような感覚をもたらすんじゃないかと思う。本作に関連したインタヴューでもアルバム収録の本人解説でも語っているように、初期の頃にはこのフェスの顔になるような、アンセム的な曲をオーガナイザー自ら提供している感じで、実際会場でも何度も耳にしてすごく記憶に残っているトラックが多い。途中からそういう意識が変わって、〈WIRE〉でのプレイ中に使うわけでもない、コンピの中の一曲というものになったという。当然、後半にいくに従っていわゆるオオバコ映えする派手なトラックからBPMも下がって、地味で実験的な曲が増えていくんだが、だからといって卓球らしさというか、「味」みたいな部分が減退しているかというとそんなこともなくて、むしろ歳を取るにつれてそのひとの本性が顕わになるみたいなところもある。
 去年のコンピからの収録曲"Five Fingers"は5拍子で、イントロからしばらくは普通の4/4のストレートな曲からは感じえない妙なきもちわるさがある。だんだんと音数が増えるとその異物感も緩和されて、卓球の持ち味のひとつであるトランシーな上物が輝き出すと、あっという間にその世界に引き込まれる。去年、WIREコンピを入手した後すぐループで聴いていて、この曲がすごく耳に残ったのを覚えている。そのときは5拍子だからっていうのはパッとわからなかったけど、いっぽうで彼が昔Mijk Van Dijkと作ってヨーロッパ中でヒットしたUltra-Takkyu vs Mijk-O-Zilla名義のトラックとよく似たハマリ系のトランシーさを持っていて、ずっと変わらない本質的な快楽原則を追求した部分と、そのチャレンジングな冒険とがこんな具合にブレンドされるのはすげえなと思ったのだ。しかも、それ1回では飽きたらず、今年のWIREコンピでも、今度は7/4拍子というまたも「変」なリズムを探求するという筋金入りの変態っぷりを披露している。
 毎年欠かさず〈WIRE〉に遊びに行っているロートルとしては、当時小学生だったリアル・キッズがいまや成人して堂々とオールナイトで酒飲んで大暴れできる年齢になってると改めて考えると衝撃を受けるが、そういう人たちがこのアルバムで石野卓球の〈WIRE〉における変遷をはじめて振り返るとどういう風に聞こえるのかは結構興味がある。おじさんは、懐かしさもあるから初期の曲にはもちろんかなり思い入れもあるし、いまでも全然かっこいいと思うんだけど、いまの耳で聴くならこっちかなというのは07年の"St. Petersburg"とか09年の"Slaughter & Dog"とか、もしくはボーナス・ディスクに入ってる10年の"Carrie"あたり。でも、こないだShin Nishimuraくんと、若いクラバーは、パンチの効いた往年の"ザ・テクノ"みたいなノリはあまり体験してないから、そういうのが逆に新鮮なんじゃないかと話していて、実際彼が自分のパーティに石野をゲストに呼んで「クラシック」をテーマにオーガナイズした晩も、どう見ても20代前半の若いお客さんが、10~20年前の曲でガンガンに盛りあがっていた。たぶん、90年代に一般化した編集/DJ的な聴き方や、00年代のiPod的シャッフル感すら遠くの過去のものにする感性を、彼らはもっているに違いない。

 歌謡曲でもロックでも、購買力があって思い入れが強いのは中高年のファンだから、そういう人たちに向けて再結成や懐メロ的な展開して一稼ぎっていうのはもうどこでもあたりまえの光景になってしまったけど、年代的にもキャリア的にもそろそろそういう部類に入りそうな卓球が、こういう「思い出を振り返る1枚」みたいな装いの企画をこなしながらも実際はまったく明後日の方向へひょいひょいと走ってることは感動的ですらある。

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