「Nothing」と一致するもの

Mount Kimbie - ele-king

 前作『MK 3.5: Die Cuts | City』から早2年。カイ・カンポスのほうは同年末の来日公演で非常にかっこいいエレクトロニック・ダンス・ミュージックを楽しませてくれましたが、それぞれのソロ・アルバムのカップリングというその形式から「解散するんじゃないか?」とちょっぴりはらはらしていたのも事実だったり。そんなわれわれの不安をきっちり追い払ってくれるニュースの到着です。マウント・キンビー、通算4枚目のオリジナル・アルバム『The Sunset Violent』のリリースが4月5日に決定しています。アルバムごとに変化を遂げるかれら、今回はどんなサウンドに仕上がっているのでしょう。まずは新曲 “Fishbrain” をチェック。

MOUNT KIMBIE
待望のニュー・アルバム『THE SUNSET VIOLENT』を発表!
新曲「Fishbrain」のミュージックビデオを解禁
盟友キング・クルールも参加のアルバムは4月5日発売

UKのインディー・エレクトロニック・シーンで確固たる地位を築き、メンバーのドム・メイカー参加曲がグラミー賞にノミネートされたことも記憶に新しいマウント・キンビーが4枚目となるスタジオ・アルバム『The Sunset Violent』を〈Warp〉からリリースすることを発表した。アルバム発表に合わせ、新曲「Fishbrain」がミュージックビデオと共に解禁されている。

Mount Kimbie - Fishbrain
YouTube >>> https://youtu.be/-YDoLuPm6Qk

最新作『The Sunset Violent』は、前作のスタジオ・アルバムである『Love What Survives』(2017)の方向性を引き継ぎながら、現代のインディー・サウンド、シューゲイザー、エレクトロニカをシームレスに融合させ、今やロンドンのシーンを代表する存在となったマウント・キンビーの特異性と先進性の両方を見事に反映させている。

本作は、ロンドンでの仕上げ作業の前まで、カリフォルニアのユッカ・バレーという西部の田舎町で制作された。砂漠に囲まれた赤褐色の色調と寂れたアメリカーナの風景が、アルバム全体に漂い、一つ一つの楽曲の抽象的なストーリーテリングとモダンなソングライティングに完璧にマッチし、ここにマウント・キンビーの新たな名盤が誕生した。

ドム・メイカーとカイ・カンポスを中心に、長年のコラボレーターであるアンドレア・バレンシー・ベアーンとマーク・ペルが加わり4人体制となったマウント・キンビーは、ジェイムス・ブレイクとともにポスト・ダブステップという潮流を作り出し、シーンに影響を与える作品群を15年近くにわたって発表してきた。2010年のデビュー作『Crooks & Lovers』(Pitchfork、Mixmag、Resident Advisorを含む30以上のメディアで「Best Albums of the Decade」リストの上位にランクイン)以降、UKエレクトロニック・ミュージックの伝統を引き継ぎながら、現代のインディー・バンドの先駆的存在としての役割も果たしてきた。その評価をあらためて決定づけた前作『Love What Survives』にはキング・クルール、ミカチュー、ジェイムス・ブレイクらが参加、また2022年にはカイとドムそれぞれの才能を突き詰めた意欲作『Die Cuts | City Planning』をリリースしている。カイが、DJとしてのキャリアを成功させると同時に、ドムは、トラヴィス・スコットやシザ、メトロ・ブーミン、ジェイムス・ブレイクらのトラックを手がけるプロデューサーとしても活躍し、プロデュースしたジェイムス・ブレイクの「Loading」はグラミー賞にもノミネートされた。

マウント・キンビー待望の最新作アルバム『The Sunset Violent』は、4月5日(金)にCD、LP、デジタル/ストリーミング配信で世界同時リリース。国内盤CDにはボーナストラックが追加収録され、歌詞対訳と解説書が封入される。LPは通常盤(ブラック・ヴァイナル)のほか、限定盤(オレンジ・ヴァイナル)と初回生産限定日本語帯付き仕様盤(オレンジ・ヴァイナル)も発売される。

label: Warp Records
artist: Mount Kimbie
title: The Sunset Violent
release: 2024.04.05
CD 国内盤:解説・歌詞対訳/ボーナストラック ¥2,600+税
CD 輸入盤:¥2,000+税
LP 輸入盤:¥4,000+税
LP 限定盤:数量限定/オレンジ・ヴァイナル ¥4,000+税
LP 国内仕様版:数量限定/オレンジ・ヴァイナル/日本語帯付き/解説書封入 ¥4,300+税

https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=13900

TRACKLISTING:
01. Right This Way
02. Home Alone
03. Lucky
04. The Princess
05. ice (ft. They Hate Change)
06. Test It
07. ooh
08. Believe It
09. Anxious
10. Ex-Girlfriend (ft. Shygirl)
11. Toxic
12. My Day Off
13. Twice (ft. Blood Orange)
14. Someone

Micro Ambient Music Festival - ele-king

 企画は伊達伯欣。「マイクロ・アンビエント・ミュージック・フェスティヴァル」と題された催しが2/23~25の3日間にわたっておこなわれる。なかなか豪華な面子が集っている点も目を引くが、リスニング・スタイルにも趣向が凝らされているようで、通常のフェスとは異なる特別な体験を味わうことができそうだ。詳しくは下記よりご確認ください。

Micro Ambient Music Festival
2023年4月の坂本龍一の訃報から間もない、7月13日から期間限定でウェブ上に公開・販売された『Micro Ambient Music』。

自身がアーティストでもある伊達伯欣(ダテトモヨシ)によって集められた、晩年の坂本と関わりや影響のあった国内外の41アーティストによる39作品が、4時間にわたり収録された追悼コンピレーション・アルバムです。

現在進行形の音響/アンビエントミュージックシーンを概観できるこのアルバムは2023年、ドイツ国内の権威ある音楽批評家賞”German Music Critics Award” Electronic & Experimental部門を受賞しました。

今回、東京都新宿区のNTTインターコミュニケーション・センター[ICC]にて、企画展「坂本龍一トリビュート展 音楽/アート/メディア」に関連し、この「Micro Ambient Music」をライヴ・イヴェントとして体験するコンサートを3日間にわたって開催します。

◆開催概要◆

イベントタイトル:
Micro Ambient Music Festival

開催期間:2024年2月23日(金・祝),24日(土),25日(日)

各日とも3セッション(合計9演奏)開催
各セッションの公演時間はタイムテーブルにてご確認ください.

時間:開場11:00閉場20:00予定
会場:NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]内3会場
入場料:1セッション(3演奏)4,500円(※学生3,000円),
1日通し券(3セッション9演奏券)10,000円[各日20枚限定]
定員:各セッション100名

*第二会場のベッドは先着予約40名様になります。
 それ以降の方は座布団などになる予定です。
*学生料金の方は当日会場での受付時、学生証をご提示いただきます。

チケット購入方法や販売開始日時など、最新情報はICCのウェブサイトなどでお知らせします.

<第一会場 生音スペース>

秋山徹次・大城真・石川高・田中悠美子・Shuta Hasunuma・Minoru Sato・すずえり・池田陽子・Chihei Hatakeyama

<第二会場 ベッドスペース>

中村としまる・Christophe Charles・Christoper Willits・SUGAI KEN・Yui Onodera・Ken ikeda・Sawako・Tomotsugu Nakamura・小久保隆
PA:大城真

<第三会場 音響スペース>

Filament(Sachiko M、大友良英)、網守将平、角銅真実
ASUNA・Chappo・The Factors
ILLUHA・HAM・Opitope
PA:ZAK

主催:NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]、つゆくさ医院
企画:伊達伯欣
協賛:西川株式会社

◆イベント詳細◆

 日本初となる3日間の屋内型アンビエント・ミュージックのフェスティヴァルとして、総勢27組のアーティストが、下記の通りそれぞれ音響の異なるセッティングが用意された「3つのスペース」で演奏を行います。今回出演するアーティストの方々は、世界的な評価も高い日本を代表する錚々たる音楽家の方々です。

 来場者は3つのスペースをセッションごとに移動する形で、各会場の特性を活かしたアーティストによる演奏、音環境の変化を堪能していただけるイベントになっております。

第一会場(約50㎡)

生音や単一スピーカーによるアコースティックな響きを体感するスペース。笙や三味線、ギター、創作楽器などの独奏(ソロ)による40分

第二会場(約144㎡)

暗闇の中、ベッドに横たわりながら16chのスピーカーから立ち上がる音楽体験をする、アンビエントミュージックの本懐とも言えるスペース。

第三会場(約315㎡)

現代最高峰とも目されるドイツ「musik electronic geithain」のスピーカーによる音響と2009年より坂本龍一のPAを務めたZAKによる音づくり。テクノロジーによって増幅された「音」をバンドパフォーマンスで体感するスペース

タイムテーブル

downt - ele-king

 ポスト・パンデミックのライヴハウスから新しい風が吹いている。2021年結成、以後精力的にギグを重ね、リリースされるEPは次々と即完、徐々にその存在感を増しつつある東京の3ピース・バンド、downtがついにファースト・フル・アルバムを送り出す。題して『Underlight & Aftertime』、3月6日発売。今後新たなオルタナティヴ・ロックの道を切り拓いていくにちがいないかれら、その大いなる第一歩をしっかり頭に焼きつけておきたい。
 なお、昨年の紙エレ夏号には彼らのインタヴューを掲載しています。ぜひそちらもチェックをば。

downt 1stフルアルバム『Underlight & Aftertime』の発売が3/6に決定!
先行デジタル・シングルとして本日より「Whale」の配信もスタートいたしました。

オルタナ、エモ、インディーロック、もはやカテゴライズはいらない存在感でジャンルの境界線を風通しよく越えて拡がり続けるdownt。2024年遂に1stフルアルバムリリース決定! 精力的なライブ活動や海外アーティストとの共演を経て、大作『13月』で見せた新機軸をさらに深化・アップデートさせた、世界基準のバンド・サウンドが今ここに!

今新作には、終わりからの始まりを告げるような推進力を持った先行シングル曲「Whale」(ウェイル)、そして、儚さと揺るぎのない力を秘めたバンドとしてのあらたな新機軸と確かな予感を感じさせた8分を超える大作シングル『13月』に加え、その先に向かうバンドの新たなステージを見せつける新曲たち、さらに、処女作『downt』に収録の「111511」「mizu ni naru」「AM4:50」といった、ライヴでは既に定番となっている曲も新たに録音し収録。2023年を通じて行ってきた精力的なライヴ活動、そして数多くの海外アーティストとの共演を経て、シーンにおける存在感を急上昇させてきたdownt。バンド初となる待望のフルレングス・アルバムをもって、日本、そして世界の音楽シーンに殴り込みをかける!

2021年の結成以来東京のライブシーンを中心に活動し、一躍エモ、オルタナのライブハウスシーンにて注目を集める存在になったdownt。『SAKANA e.p.』のリリースやFUJI ROCK FESTIVAL ’22“ROOKIE A GO-GO”への出演、UKのレーベルDog Knightsからの編集盤レコード『Anthology』のワールドワイドでのリリース(即完売)等、その名を各所に響かせた2022年。そしてSYNCHRONICITYやMINAMI WHEELといった大型サーキットへの出演、ゲシュタルト乙女(台湾)、Grrrl Gang(Indonesia)、Pswingset(US)、deathcrash(UK)といった多くの海外アーティストとの共演、バンドとしての新機軸を見せた大作『13月』のリリースとその活動にさらに広がりを見せた2023年。年月と共に着実にステージを上げてきた彼らの待望となるフルアルバム『Underlight & Aftertime』が、ついに3月にリリース決定。

downt / Underlight & Aftertime
■1st Full Album:2024.03.06
Release 品番:PCD-25384 / 定価:¥2,750(税抜¥2,500)

[Track List]
01. underdrive
02. Whale
03. AM4:50
04. prank
05. Yda027
06. 煉獄ex
07. mizu ni naru
08. 8/31(Yda011)
09. 紆余
10. 111511
11. 13月

[LIVE INFO.]
〈ツアー〉
"downt Release Show"

03.22(金)東京・新代田LIVE HOUSE FEVER
03.30(土)名古屋・新栄シャングリラ
03.31(日)大阪・心斎橋LIVE HOUSE Pangea

〈フェス〉
SYNCRONICITY’24
4.13(土)& 4/14(日)渋谷(都市型フェス)
*downtの出演は4/13(土)

[Profile]
2021年結成。富樫ユイ(Gt&Vo)、河合崇晶(Ba)、Tener Ken Robert(Dr)の3人編成。 東京をベースに活動。
緊迫感のある繊細且つ大胆な演奏に、秀逸なメロディセンスと情緒的な言葉で綴られ、優しく爽やかな風のようで時に鋭く熱を帯びた歌声にて表現される世界観は、風通しよくジャンルの境界線を越えて拡がりはじめている。
同年10月1st「downt」をリリース(CD&CT共に完売)。 翌年6/22に新作EP「SAKANAe.p.」をリリース、そして7/21より東・名・阪のリリースツアーを開催し全公演SOLD OUTに。7/22には1stとEPの編集盤レコード「Anthology」をリリース(即完)。
2022年夏は、初の野外フェスとしてFUJI ROCK FESTIVAL ’22“ROOKIE A GO-GO”のステージをはじめ各所の野外フェスへも出演し、大勢の初見のオーディエンスを前に、強く印象づけるライブパフォーマンスにてそれぞれの会場を沸かし虜にさせた。
2023年1月より自主企画「Waste The Momonts」をスタート。第一回目は1/15(日)下北沢 SHELTERにて明日の叙景、第二回目は3/25(土)にSubway Daydream、そして6/7にバンドとしての新機軸となる8分半超の大作「13月」を含む、今年初の新作『III』をリリースし、リリースに併せ自主企画・第三回目は6/10(土)下北沢SHELTERにてDENIMSを迎え開催し3公演チケットは全てSOLD OUTに。
春より、IMAIKE GO NOW、SYNCHRONICITY、hoshiotoなど各地サーキット、野外フェスへも出演、夏に向けてもYATSUI FESTIVAL、そしてGFB‘23 つくばロックフェスほかへの出演。Pswingset(US)、Football, etc.(US)、soft pine(Thailand)、ゲシュタルト乙女(台湾)、Grrrl Gang(Indonesia)はじめ、deathcrash(UK)、motifs(singapore)など海外アーティストとの公演も精力的に行っている。

2024年3月1stフル・アルバム「Underlight & Aftertime」リリース決定。3月より東名阪をまわるツアー「downt Release Show」開催予定。

downt official:
https://twitter.com/downtband
https://www.instagram.com/downt_japan/

bar italia - ele-king

 当初は正体不明の謎めいたバンドとして登場してきたロンドンのバー・イタリア。ディーン・ブラントが自身のレーベルから送り出したという点でも注目しないわけにはいかない彼らだが、その後〈Matador〉からのリリースで徐々に顔を見せていくようになる。昨年は『Tracey Denim』『The Twits』と2枚もアルバムを発表、高評価を受けたことは記憶に新しい。さまざまなロックへのオマージュやパスティーシュによって織りなされるその魅力的なサウンドから、「いまいちばんイケてるバンド」なんて声もあったり。初来日公演は5月29日@渋谷WWWX。そなえましょう。

bar italia

伝説を目撃せよ!!!
ロンドンの最注目新人バンド、
バー・イタリアの初来日公演が
遂に決定!

噂のbar italiaがとうとう日本にやって来る!
奇才ディーン・ブラントのレーベル〈World Music〉から2枚のアルバムリリースを経て、ロンドンで最もエキサイティングなバンドとして大注目を浴びる中、昨年2023年3月に〈Matador Records〉と電撃契約を発表、その後は怒涛のように1年に2枚のアルバム『Tracey Denim』を5月に、『The Twits』を11月にリリース、英CRACK誌の表紙を飾り、異例とも言えるヴォリュームで大特集され、年末には多くの主要年間アルバムチャートに選出されるなど大きな注目を集めた。ここ日本でも、インディーズ音楽の発信源として世界中から支持を集め、多くの海外アーティスト達も訪れるBIG LOVE RECORDSの年間アルバムチャートの第1位を獲得した。

メンバーは、アート界隈でも活躍してきたイタリア人女性ニーナ・クリスタンテと、ヴィーガン(Vegyn)のレーベル〈PLZ Make It Ruins〉から作品をリリースしていたダブル・ヴァーゴとしての活動でも知られるサウス・ロンドン拠点のジェズミ・タリック・フェフミとサム・フェントンの3人、そしてベースとドラマーを加えた5ピースバンドでライブを行って来た。2022年以降、彼らは自身のヘッドライン公演に加え、ピッチフォーク・ミュージック・フェスティヴァル、コーチェラをはじめ多くのフェスからも引っ張りダコで、世界中のインディ・リスナーから大きな注目を集めている。そんな彼らの一夜限りの初来日公演! これは見逃し厳禁だ!

【bar italia 来日公演】
bar italia
SUPPORT ACT: TBC

2024.05.29 (WED)
渋谷 WWWX
OPEN:18:00 / START:19:00
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=13898

【TICKETS】
前売¥7,200(税込/オールスタンディング)
※別途1ドリンク代 ※未就学児童入場不可

先行販売
●BEATINK主催者先行:2/8 (thu) 10:00~
[https://beatink.zaiko.io/e/baritalia]
※先着/Eチケットのみ
●イープラス・プレイガイド最速先行受付:2/10 (sat) 10:00~2/14 (wed) 23:59
[https://eplus.jp/baritalia/]

一般発売:2/23 (fri) 10:00~
●イープラス [https://eplus.jp/baritalia/]
●ローソンチケット
●BEATINK [https://beatink.zaiko.io/e/baritalia]

企画・制作 BEATINK: http://www.beatink.com/
INFO BEATINK: http://www.beatink.com/ E-mail: info@beatink.com

label: Matador / Beat Records
artist: bar italia
title: The Twits
release date: Now On Sale

Beatink.com:
https://beatink.com/products/detail.php?product_id=13700

tracklist
01. my little tony
02. Real house wibes (desperate house vibes)
03. twist
04. worlds greatest emoter
05. calm down with me
06. Shoo
07. que suprise
08. Hi fiver
09. Brush w Faith
10. glory hunter
11. sounds like you had to be there
12. Jelsy
13. bibs

label: Matador / Beat Records
artist: bar italia
title: Tracey Denim
release date: Now On Sale

CD:
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=13377
LP:
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=13378

tracklist
01. guard
02. Nurse!
03. punkt
04. my kiss era
05. F.O.B
06. Missus Morality
07. yes i have eaten so many lemons yes i am so bitte
08. changer
09. Horsey Girl Rider
10. NOCD
11. best in show
12. Clark
13. harpee
14. Friends
15. maddington

ザ・ビートルズ vs ジェームズ・ボンド - ele-king

お決まりの美辞麗句に飽き飽きしている大人のための
読み応えたっぷりの、ビートルズ/ジェームズ・ボンドの物語

21世紀の現在も圧倒的な人気と影響力をほこる、
20世紀のイギリスが生んだ二大ポップ・カルチャーを挑発的に描き、
英各メディアから絶賛された、画期的なノンフィクション

1962年10月5日、まったく同じ日にビートルズのデビュー・シングルは店頭に並び、007シリーズの映画一作目『ドクター・ノオ』が封切られた。まったく同じ日に登場した英ポップ・カルチャーの二大巨頭は、かたや「愛」、かたや「殺しのライセンス」、かたや「労働者階級」、かたや「上流階級の作者によるフィクション」、かたや「モップヘアー」にかたや「七三分け」、何から何まで正反対だった……しかし意外なことに、この両者は交わってもいた。

ボンドとビートルズが、階級、特権、暴力、男らしさ、英国人らしさに対する異なる態度を体現していることは明らかだ。しかし、ヒッグスはさらに踏み込んで、彼らがある種の永続的な「(英国)文化の魂をめぐる闘争」に従事していると主張したいのだ。
──『ガーディアン』書評より

A5判/ソフトカバー/592頁

目次

第一部 秒読みを開始せよ
一九四五 雨の日には話し相手もいない
一九五二 自身のうちなる闇のすべて
一九五六 成長を見守ることができていたなら
一九六〇 悪名高き娼婦の聖地
一九六一 恥も外聞もなく快楽と金のため
一九六一 積載過剰

第二部 爆轟させよ
一九六二 ビートルズよりすごいんじゃね?
一九六二 ショーン・コネリー(一九三〇~二〇二〇)
一九六三 真理があの叫びにひそんでいた
一九六四 イアン・フレミング(一九〇八~一九六四)
一九六四 四人の長髪の間抜け野郎どもの映画
一九六五 ほかのすべてをもろとも吹き飛ばして
一九六五 ジェームズ・ボンドほどすごくはない
一九六五 部分の総和以上のもの
一九六五 すべてはイングランドのため
一九六七 ではなにを伝えればいいか
一九六七 現実よりもさらなる広がり
一九六七 007(シャンティ・タウン)
一九六七 呪術でこっちを支配しようと
一九六八 ガンジス河のほとり
一九六八 ヨーコとビリー
一九六九 ジョンとポールとジェームズの結婚
一九六九 ジョージ・レーゼンビーの髪型
一九六九 ポールはもう死んでいる

第三部 余波
一九七〇 答え:ノーだ
一九七〇 「マザー」か「ラヴ」か
一九七〇 最高
一九七〇 フィルとアラン
一九七〇 愛が素敵だなんてたわごとは否定しなければ
一九七三 クリストファー・リー(一九二二~二〇一五)
一九七三 問題はボンド
一九七四 イン・ザ・マテリアル・ワールド
一九七七 娯楽のため命の危険さえ顧みなかった
一九八〇 無印
一九八〇 ジョン・レノン(一九四〇~一九八〇)
一九八一 真の芸術家にとっては生き様こそが作品

第四部 成長せよ、007
一九八三 自由主義世界の本物の価値の象徴
一九八四 真っ赤なお顔でグッジョブサイン
一九九五 いい時間があまりにも続き過ぎ
一九九九 デスモンド・リュウェリン(一九一四~一九九九)
二〇〇一 ジョージ・ハリスン(一九四三~二〇〇一)
二〇〇二 画素たちがそれからどうなろうと
二〇〇三 ほらプーチンさんも御一緒に
二〇〇八 ストロベリー・フィールズの死に様
二〇一二 一つの目的を目指す共通テーマ
二〇一五 世界の新たなる巨悪とは
二〇二一 死んでいる暇
二〇二一 リンゴとポール
二〇二二 次回作でお会いしましょう

著者 ジョン・ヒッグス/John Higgs
イギリスの作家、小説家、ジャーナリスト、文化史家。1971年ラグビー生まれ。テレビ番組のディレクターを経て作家になる。とくに有名なのは、2013年の『The KLF ハウス・ミュージック伝説のユニットはなぜ100万ポンドを燃やすにいたったのか』(中島由華訳/河出書房新社)、2016年の『人類の意識を変えた20世紀:アインシュタインからスーパーマリオ、ポストモダンまで』(梶山あゆみ訳/インターシフト刊行)。未訳だが、詩人ウィリアム・ブレイクを論じた2019年の『William Blake Now: Why He Matters More Than Ever』も賞賛されている。『ガーディアン』『インディペンデント』『デイリー・ミラー』といった新聞、音楽誌では『モジョ』にも寄稿。本書『ザ・ビートルズvsジェームズ・ボンド(原題:Love and Let Die: Bond, The Beatles and the British Psyche)』は、2022年にWeidenfeld & Nicolson社から刊行され、大いに絶賛された。現在ヒッグスは、ブライトンで家族と暮らしている。

訳者 浅倉卓弥/Takuya Asakura
作家・翻訳家。東京大学文学部卒。レコード会社洋楽部ディレクター等を経て作家に。著書に『四日間の奇蹟』、『君の名残を』(以上宝島社)、『黄蝶舞う』(PHP研究所)ほか、訳書に『安アパートのディスコクイーン――トレイシー・ソーン自伝』、『フェイス・イット――デボラ・ハリー自伝』(以上ele-king books)、マット・ヘイグ『ミッドナイト・ライブラリー』(ハーパーコリンズジャパン)、テイラー・ジェンキンス・リード『デイジー・ジョーンズ・アンド・ザ・シックスがマジで最高だった頃』(左右社)など多数。

オンラインにてお買い求めいただける店舗一覧
amazon
TSUTAYAオンライン
Rakuten ブックス
7net(セブンネットショッピング)
ヨドバシ・ドット・コム
Yahoo!ショッピング
HMV
TOWER RECORDS
disk union
紀伊國屋書店
honto
e-hon
Honya Club

P-VINE OFFICIAL SHOP
SPECIAL DELIVERY

全国実店舗の在庫状況
紀伊國屋書店
三省堂書店
丸善/ジュンク堂書店/文教堂/戸田書店/啓林堂書店/ブックスモア
旭屋書店
有隣堂
くまざわ書店
TSUTAYA
大垣書店
未来屋書店/アシーネ

♯2:誰がために音楽は鳴る - ele-king

 平日の朝の9時台の渋谷行きの電車のなかといえば、そりゃあもう、その1時間前よりは空いているため多少はマシだが、それでもまだ混んだ車内は最悪な雰囲気で、ゲームやメルカリやYouTubeやなんかで時間を潰す勤め人や学生、座席に隙間なくそれでも眉間に皺を寄せた人たちは居心地悪そうに座り、たまにいびきをかいている輩もいると。まあ早い話、幸せとは思えないような人たちでいっぱいだ。だからそんななか、音楽を聴きながらステップを踏んでかすかとはいえ歌まで歌っているうら若き女性がいたら、周囲が視線を寄せるのも無理はない。ただし、そう、怪訝な目で。
 たまたま偶然、彼女はぼくのすぐ前にいた。電車が動いているうちはまだいいが、停車し、ほんの数十秒の静けさが車内に訪れると彼女が歌っているのがはっきりとわかる。聞こえた人はそこで「ん?」と思う。ドアが閉まり、電車ががーっと音を立ててまた走りだすと人びとは手元のスマホの画面に視線を戻す。そして次の駅で停まり、やかましいアナウンスが消えた瞬間、ふたたび彼女の歌が聞こえる。よく見ればその身体はリズミックに動いている、いや、踊っている。目は遠くを見つめ、輝いている。その両耳に突っ込まれたイヤフォンのコードは、彼女の首からぶら下がっているiPhoneに繋がっている。
 ぼくは視線を下方に移動し、目を細め、画面を見ようとする。どんな音楽が地獄行きの車内で、かようにもひとりの女性をキラキラさせるのか、音楽メディアに携わる身として興味があった。ところがしかし、彼女の腰のあたりで揺れている小さなコンピュータは、ぼくの位置からはちょうど垂直に傾いている。そうこうしているうちに電車は終点の渋谷に近づいていく。

 音楽が「私たち(we)」の音楽であることは素晴らしいとされている。「私たち」「コミュニティ」、あー、またか、またその話か。音楽の価値を主張するうえで、この手の社会学的な論調はなんども繰り返されている。まあ、ほんの一時期のレイヴ・カルチャーにはその美しさがあったのかもしれないけれど、だからといって、音楽が「私」の音楽であることが、すなわち個人的な体験であることが悪いということなど……まったくない。
 ことにイヤフォンやヘッドフォンで聴くことのほうが当たり前のこんにちでは、それを取り巻く環境からいっても音楽はおうおうにして「私」の音楽だ。この場合の主語たる「音楽」は、自分のセンスに合う折々の音楽であろう。が、そうではなく、否応なしにそれが「私」の音楽である場合がある。たとえばひとが「悲しみ」に打ちのめされたとき、「私」の音楽はよすがになりうるだろう。
 「悲しみ」、これもまたよく使う言葉だ。シニカルになるひとがいたとしても、ぼくは責めない。ぼく自身も長いあいだそういうところがあった。だが、もう心をあらためた。ニック・ケイヴは昨年の『ニューヨーク・タイムス』のインタヴューでこう話している。「人生とは安定したものでも頼りになるものでもない」
 「悲しみ」は誰の身にも降りかかるだろうし、人生において逃れることのできない経験のひとつだ。地震災害のようなこともあれば、ニック・ケイヴのように家族の急死ということもある。「悲しみ」は、人生を生きていけばいくほど経験する確率が上がるのはたしかだ。スリーター・キニーという、90年代のライオット・ガール時代の最後のほうに登場した女性パンク・バンドが近頃出したアルバム『Little Rope』は、メンバーのひとりが、自動車事故で母親と継父を亡くすという悲劇を経て制作された最初のアルバムで、作中には「悲しみと喪失感」が貫かれている。ぼくは、シリアスな「悲しみ」の音楽があることに感謝する。こうした音楽を心底必要とするときが、おそらく、人は生きていれば訪れる可能性が高い。
 ぼくには、ニック・ケイヴ&ザ・バッド・シーズの2019年のアルバム『Ghosteen』の良さがさっぱりわからなかった。ケイヴが、ウォーレン・エリスという唯一無二の天才的な音楽家といっしょに、15歳の息子を亡くしたことの悲しみと救済を言葉とサウンドで表現したスピリチュアルな作品、それ以上の言葉はなかった。が、いまは事情があって、ひょっとしたらその核心に少しは近づけるかもしれない、と思ったりもしている。先に紹介した『ニューヨーク・タイムス』の記事は、取材者もまた不慮の事故によって夫を亡くしているためケイヴの心に寄り添いながらの取材となり、ふたりは「悲しみ」という感情についてとことん掘り下げている。(英語には「悲しみ」がよく使われる言葉だけでも「grief、sadness、sorrow」と3種類あり、日本語変換するとすべてが「悲しみ」になるが、それぞれ微妙に意味が違う)
 「悲しみ(grief)はほとんど原子レヴェルで私たちを完全に変えてしまうという点で、並外れた能力を持っている」と記事のなかでケイヴはいう。「grief」とは激しい苦痛をともなう「悲しみ」を意味するが、ケイヴはその「感情」を正視し、悲しみについて書く方法を学んでいった。「私は悲しみのどん底にいた。その空間では、ありとあらゆることが可能だと思えた。私はそうした感情をまったく否定していない。私はそれを不可能領域と呼んでいるが、それは想像力ではなく、想像力に隣接し、死にも近接している」
 「悲しみ(grief)」のどん底にいる人間にとって音楽はほとんど無力だ。とはいえ、弱った心をふたたび立たせるためにはなにか杖のようなものが必要で、音楽はその杖になりうる。ぼくには心の杖が必要だった。ぼくにとっての杖は歌だった。自分のなかから聞こえてくる歌。曲名は明かさないが、日本に住んでいたら誰もが知っているような、それは超有名なポップ・ソングだった。

 NHKの朝ドラ『ブギウギ』に出てくる菊地凛子が格好いいと、年明けに三田(格)さんに教えてもらってからずっと見ている。はからずともぼくは、昨年は松山晋也さんに教えてもらったアイルランドのフォーク・バンド、ランクムに心酔したあまり、自分なりに歌を研究していたのである。歌は、政治的にも歴史的にも文化的にもいろいろあるが、少なくともロックあるいはブルースやソウルに親しんできている我々にとっての歌とは、おおよそにおいて、たとえば賛美歌(hymn)や歌劇、雅楽の歌物のように制度のなかで保存されてこなかった、名も無き民衆たち(正確な意味においてのfolks)の口承文化すなわち民謡の派生系としてある。歌はこれまでも気が遠くなるほどの長い年月のなかで、気が遠くなるほどのたくさんの人たちの心を癒やしてきたのだろう。

 その日もぼくは『ブギウギ』を見てから家を出た。いま自分の目の前では、黒やグレーの疲れた東京人のなかでカラフルな服をまとった若者がひとり、ウキウキしている。そして、もうすぐ渋谷に到着しようとするとき、電車が揺れ、彼女のスマホも揺れ、そしてぼくはついにその画面を見ることができたのである。いっしゅんのことで曲名はわからなかったが、アーティスト名ははっきりと認識できた。Coldplay。
 だからといってぼくがColdplayを聴くことはないだろう。バンドのファンのみんなが、あるいはその多くの人たちが朝の通勤電車のなかで歌って踊っているとは考えにくいからだ。それでも、Coldplayの曲がもっともオルタナティヴな行為の触媒となっていたことは隠しようのない事実だ。あるいは「悲しみのどん底にいた」自分のなかに、ニック・ケイヴがいう「原子レヴェル」での変化がおきてしまっていたと、そういうことなのだろうか。とにかくぼくは、芥川龍之介の「蜜柑」とはまったく別種と思われる晴れ晴れしさを、そのときの彼女から感じ取ったのである。ありがとうColdplay、いや、それは違うな、お礼をいうのは彼女に対してだ。

R.I.P. Wayne Kramer(1948 - 2024) - ele-king

 ぼくの世代でMC5といえば、たとえばザ・KLFの大ヒット曲 “What Time is Love” でサンプリングされた “Kick Out the Jams” の冒頭のMCだったりする。「キック・アウト・ザ・ジャムス、マザーフ**カー!」。もっともこれは、ザ・KLFの前身ザ・JAMsにひっかけた洒落でもあるわけだが、それはそれとて、このフレーズが60年代カウンター・カルチャーのもっとも威勢が良く、もっともぶっ飛んで、もっとも有名な掛け声であることは間違いない。だいたいこれは、音楽史上最初に録音された「マザーフ**カー」であり 「フ**ク」であるという名誉から、リリースからしばらくして問題の部分は「ブラザーズ&シスターズ」に差し替えられている。いまspotifyでアルバムを聴いたらそっくりそこがカットされていた。「キック・アウト・ザ・ジャムス、マザーフ★★カー!」、もともとは「いつまでもジャムってんじゃねぇよ」という意味だったが、当時のオーディエンスがこれを「邪魔物を蹴散らせようぜ、クソ野郎ども」と解釈し、転じて「好き勝手やったるぜい」という革命の合言葉になったのだ。

 1948年、デトロイトの労働者階級(電気技師の父と美容師の母のあいだ)に生まれたウェイン・クレイマーが10代で友人となったギタリスト仲間のフレッド・"ソニック"・スミスといっしょに、ロックンロールとブルースとフリー・ジャズの影響を受けたバンド、モーターシティ5すなわちMC5を結成したのは1965年のことだった。マネージャーはホワイト・パンサー党の党首にして反体制の申し子、大麻解禁論の先駆者ジョン・シンクレア、ウェイン州立大学でのMC5とサン・ラーのジョイント・コンサートを企画したあの男である。
 いまとなってはMC5は、作品よりもバンドを取り巻く物語のほうが有名なバンドのひとつになっているのかもしれない。同じ時代のデトロイトの、史上もっとも素晴らしいロック・バンドのひとつに数えられるザ・ストゥージズと違って彼らは政治的だったし、売れなかったし、リアルタイムではあまり評価もされなかったようだし、クレイマーにいたってはドラッグの売買に手を染め5年ほど刑務所のお世話になったりとか、とてもじゃないが順風満帆な生涯とはいえなかった。だが、庶民の怒りに火を付けるような扇動的なそのギター・サウンドには、ザ・ストゥージズとは違った魅力があったのもたしかだ。それに「キック・アウト・ザ・ジャムス、マザーフ**カー!」、これこそ本来のアナキズム宣言である。ようするに、「俺たちは支配されない権利を主張する」とこのバンドは高々と言ったのだ。そして、こんな連中が愛されないほど世界はまだ冷めていない。プライマル・スクリームがセカンド・アルバムでエミュレートさせたMC5、2008年にはメルトダウン・フェスティヴァルで共演し、そのライヴ盤(『Black To Comm』)も出しているのだからほんとうに好きだったのだろう。他にもある。デイヴィッド・ボウイの “Cygnet Committee” で「キック・アウト・ザ・ジャムス」が歌われていることや、ザ・クラッシュの “Jail Guitar Doors” (シングル「Clash City Rockers」のB面曲)がウェイン・クレイマーのことを歌っていることをぼくが知ったのは、もう、ずっとずっと後のことだった。

 ロック通のなかには1970年のセカンド・アルバム『Back in the USA』のほうが良いという意見もあるが(ニック・ロウ、モーターヘッドはこのアルバムを賞賛している)、ぼくはMC5の傑作は1968年のデビュー・アルバム『Kick Out the Jams』だと思っている多数派のひとりだ。アルバムを聴いていると燃えてくるし、安ウィスキーの力も加われれば暴動を起こそうという気持ちにだってなるかもしれない。MC5にとってのサイケデリックとはひとりで夢想することではなく、書を捨て街に出ることで、羽目を外し、生きたいように生きることことだった。あの轟音ノイズ・ギターは、やったるぞぉぉ、うぉぉぉという雄叫びだったし、しかも、うぉぉぉ、くそったれ、好きなようにやったるぜい、というだけのアルバムでもなかった。ここにはデトロイト出身のブルースマン、ジョン・リー・フッカーも歌った(60年代デトロイトの暴動に関する)戦闘的なブルース曲 “Motor City is Burning” もあれば、アルバムの最後にはサン・ラーのカヴァー曲 “Starship”もある。ロックにおける極めて初期形態の雑食性が萌芽しているのだ。ファンカデリックがその初期において影響を受けないわけがない。デトロイト・テクノ繋がりをいえば、ポール・ランドルフ(いちおうデビュー・シングルは〈プラネットE〉、デビュー・アルバムはムーディーマンの〈マホガニー〉というベーシスト)が、デトロイトが生んだもうひとりのロックの最重要人物、アリス・クーパーの2021年のアルバム『Detroit Stories』にてウェイン・クレイマーとほとんどの曲で共演している。またクレイマーは、収監中の人びとに楽器と指導を提供する非営利団体〈ジェイル・ギター・ドアーズUSA〉のエグゼクティヴ・プロデューサーとしても活動していた。彼が故郷デトロイトへの愛情を忘れたことはなく、2002年にエミネムの半自伝的映画『8 Mile』を観たときには、 「これは俺の息子だ!」と反応したという。
 まったく聴いたことのない人は、まずは“Kick Out the Jams”のオリジナル・ヴァージョンを大・大・大音量で聴くこと(できればスピーカーで、近所迷惑になるくらいの音量で)。もう1曲選ぶとしたら、ぼくはプライマル・スクリームとの共演でも演奏している、アルバム未収録のガレージ・ブルース・ロック “Black To Comm” (ベスト盤に収録)を挙げたい。

 偉大なるウェイン・クレイマー、2月2日に膵臓癌のため逝去。文字通りの激動の75年の生涯、ほんとうにお疲れ様でしたと言いたい。

Turn On The Sunlight - ele-king

 LAのマルチ楽器奏者/プロデューサー、ジェシー・ピーターソンがカルロス・ニーニョとともに始動したプロジェクト、ターン・オン・ザ・サンライト。かつてレイ・ハラカミともツアーをまわったことのある彼らは、2010年代をとおしてすでに5枚のアルバムを送り出している。
 3月20日にリリースされる新作『Ocean Garden』にはララージはじめ注目すべきゲストたちが多く参加しているが、とくに目を引くのは70年代スピリチュアル・ジャズの重要レーベル〈Tribe〉創設者のひとり、フィル・ラネリンだろう。これまでもビルド・アン・アークなどで若い世代とコラボし、最近は「Jazz Is Dead」シリーズにも登場している彼をフィーチャーしたシングル曲 “Tune Up” は、2月28日にデジタルにて先行配信。楽しみです。

Turn On The Sunlight『Ocean Garden』
2024.3.20 CD / LP / Digital Release

LA音楽シーンで多くのミュージシャンに愛されるジェシー・ピーターソン。彼の呼びかけによって豪華メンバーが集まったオーガニックコレクティヴ、Turn On The Sunlight(ターン・オン・ザ・サンライト)の新作『Ocean Garden(オーシャン・ガーデン)』が、CD/LP/Digitalにて全世界同時リリース!! CDにはジャメル・ディーンらが参加したボーナストラックも収録。

Carlos Niño / Phil Ranelin / 金延幸子 / Josh Johnson / Photay / Fabiano do Nascimento / Randal Fisher / Dwight Trible / Laraaji / Mia Doi Todd / Sam Gendel他、豪華アーティスト参加!!

もしブライアン・イーノとジョン・フェイヒーが出会ったら──そんな妄想を抱いて、ジェシー・ピーターソンがカルロス・ニーニョとスタートさせたターン・オン・ザ・サンライトの長い旅は、このアルバムで素晴らしい場所に到達した。LAの信頼すべき才能ある仲間と築き上げたコレクティヴの軌跡が美しく刻み込まれている。かつてビルド・アン・アークという奇蹟のグループが成し得たことを、ジェシーは継承して前へ進めてもいる。素晴らしいミュージシャンたちが奏でる音と自然音が織り成す有機的な音の広がりは、深く驚異的だ。(原 雅明 ringsプロデューサー)

暖かくて、魅惑的な音に祝福される感覚。心地よい音のテクスチャーと快適なリズム。常に喜びと高揚感を与えてくれる作品です。(ララージ)
このアルバムは、暖かい日差しが頬に触れる感覚と、私たちを想像の世界へと導いてくれる。素晴らしいアルバムです。(金延幸子)

ターン・オン・ザ・サンライト
マルチインストゥルメンタリスト、作曲家、プロデューサーのジェシー・ピーターソンは、ターン・オン・ザ・サンライトの中心人物であり、絶えず続く糸である。5枚のアルバムとその他のさまざまなコラボレーションを通じて進化し続けるグループのサウンドは、結成時から変わることなく高揚への希望に根差している。友人のカルロス・ニーニョとともに、ジェシーは妻のミア・ドイ・トッドをはじめ、ララージ、ルイス・ペレス・イクソネストリ、カバーナ・リー、パブロ・カロジェロ、SKカクラバ、サム・ゲンデル、ファビアーノ・ド・ナシメント、ヒロ・マキノ、リカルド・ディアス・ゴメス、デクスター・ストーリー、アンドレス・レンテリアなど、長年にわたって音楽仲間である彼らに、彼らの魔法で力を貸してくれるよう呼びかけてきた。

【リリース情報】
アーティスト名:Turn On The Sunlight(ターン・オン・ザ・サンライト)
アルバム名:Ocean Garden(オーシャン・ガーデン)
リリース日:2024年3月20日
フォーマット:CD / LP / Digital
レーベル:rings / plant bass
オフィシャルURL:https://www.ringstokyo.com/turn-on-the-sunlight-ocean-garden/

[CD]
品番:RINC118
JAN:4988044097605
価格:¥2,860(tax in)
販売リンク:https://diskunion.net/portal/ct/detail/1008787482
[LP]
品番:RINR16
JAN:4988044097636
価格:¥4,400(tax in)
販売リンク:https://diskunion.net/portal/ct/detail/1008787495

21世紀の視点からその思想と生涯を解説する

オーネット・コールマンが共演し、スクリッティ・ポリッティが曲名で共感を表明し、坂本龍一がドキュメンタリー映画のサウンドトラックを制作したフランスの哲学者。

サイモン・レイノルズやマーク・フィッシャーが音楽を論じる際に用いた概念「憑在論」の本家本元にして「脱構築」の発明者。

ポップ・カルチャーにおいてもひときわ大きな存在感を放つ20世紀最高の知性のひとり、ジャック・デリダの生涯と思想を、21世紀の視点から新たに解説しなおす。

★用語解説つき

四六判/ソフトカバー/464頁

目次

イントロダクション
第1章 キッド
第2章 フッサール、ほか
第3章 起源の問題
第4章 ジャック・デリダ
第5章 出来事、ひょっとすると
第6章 『グラマトロジーについて』
第7章 真理が女だとすれば、どうだろうか
第8章 万人ここに来たれり
第9章 掟の前で
第10章 について
第11章 出来事が起こった
謝辞

訳者あとがき
用語解説
索引

ピーター・サモン(Peter Salmon)
1955年生。オーストラリア出身、UK在住の作家。テレビやラジオのショート・ストーリーを多数手がけつつ、『ガーディアン』や『シドニー・レヴュー・オブ・ブックス』などさまざまな新聞や雑誌に寄稿。小説『コーヒー・ストーリー』(2011年)で『ニュー・ステーツマン』のブック・オブ・ザ・イヤーを受賞。UKの『ピッチフォーク』的存在たる音楽メディア『クワイエタス』では、デリダと音楽の関係についての文章も執筆している。

伊藤潤一郎(いとう・じゅんいちろう)
1989年生。新潟県立大学国際地域学部講師。著書に『ジャン=リュック・ナンシーと不定の二人称』(人文書院、2022年)、『「誰でもよいあなた」へ──投壜通信』(講談社、2023年)。訳書にナンシー『アイデンティティ──断片、率直さ』(水声社、2021年)、同『あまりに人間的なウイルス──COVID-19の哲学』(勁草書房、2021年)など。

松田智裕(まつだ・ともひろ)
1986年生。立命館大学衣笠総合研究機構専門研究員。著書に『弁証法、戦争、解読──前期デリダ思想の展開史』(法政大学出版局、2020年)、訳書にジャック・デリダ『思考すること、それはノンと言うことである──初期ソルボンヌ講義』(青土社、2023年)など。

桐谷慧(きりたに・けい)
1986年生。東京大学大学院教務補佐員。論文に「「『幾何学の起源』序説」におけるデリダの「生き生きした現在」の解釈について」(『フランス哲学・思想研究』第28号、2023年)、共訳書にパトリック・ロレッド『ジャック・デリダ──動物性の政治と倫理』(勁草書房、2017年)など。

横田祐美子(よこた・ゆみこ)
1987年生。立命館大学衣笠総合研究機構助教。著書に『脱ぎ去りの思考──バタイユにおける思考のエロティシズム』(人文書院、2020年)、共訳書にボヤン・マンチェフ『世界の他化──ラディカルな美学のために』(法政大学出版局、2020年)、カトリーヌ・マラブー『抹消された快楽──クリトリスと思考』(同前、2021年)など。

吉松覚(よしまつ・さとる)
1987年生。帝京大学外国語学部特別任用講師。著書に『生の力を別の仕方で思考すること』(法政大学出版局、2021年)。共訳書にマルタン・ジュベール『自閉症者たちは何を考えているのか?』(人文書院、2021年)、ジャック・デリダ『講義録 『生死』』(白水社、2022年)、ジャック・デリダ『メモワール』(水声社、2022年)ほか。


オンラインにてお買い求めいただける店舗一覧
amazon
TSUTAYAオンライン
Rakuten ブックス
7net(セブンネットショッピング)
ヨドバシ・ドット・コム
Yahoo!ショッピング
HMV
TOWER RECORDS
disk union
紀伊國屋書店
honto
e-hon
Honya Club

P-VINE OFFICIAL SHOP
SPECIAL DELIVERY

全国実店舗の在庫状況
紀伊國屋書店
三省堂書店
丸善/ジュンク堂書店/文教堂/戸田書店/啓林堂書店/ブックスモア
旭屋書店
有隣堂
くまざわ書店
TSUTAYA
大垣書店
未来屋書店/アシーネ

Angry Blackmen - ele-king

 オルタナティヴ志向に磨きをかけるクリッピングやPhewとのコラボレートで知られるワシントンのモデル・ホームなどを追い、不穏なインダストリアル・ビートで押し通すクエンティン・ブランチとブライアン・ワレンのデビュー・アルバム。シカゴ出身で、16歳ぐらいで活動を始めたらしく、2人ともケンドリック・ラマーとアール・スウェットシャートに強く影響を受けたという。さらにブランチはMFドゥーム、ワレンはチャンス・ザ・ラッパーやリル・ウェインの名前もフェイヴァリットに挙げている。マンブル・ラップが出てきた頃にリル・ヨッティーだったかがノトーリアス・B.I.G.なんか聴いたことがないと言い放ち、並み居る古参たちから不興を買っていたけれど(それはそれで僕はいいと思うけれど)、ワレン&ブランチはヒップホップの歴史に精通しているようで、メンタル・ヘルスを初めてラップで扱ったのはグランドマスター・フラッシュ “The Message” だと考え、それこそノトーリアス・B.I.G. “Suicidal Thoughts” へのオマージュとして “Suicidal Tendenciess” でアルコール依存についてラップするなど全11曲を『The Legend of ABM』に詰め込んだ。

 全体のテーマは資本主義、アフロ・フューチャリズム、マスキュリニティ(男らしさ)とインテリ寄りで(クリッピングの歌詞はギャングスタ系)、映画『アイ・アム・リジェンド』の原作『地球最後の男』を骨組みとして採用しているらしい。サウンドがあまりに攻撃的なので、そうは思えなかったけれど、英語のニュアンスがちゃんと聞き取れるリスナーには哀愁がにじみ出ている歌詞がとてもいいらしく(そういうことがわかる人は羨ましい)、声の響きはどこかエミネムに通じるものがある。ジャケットに写っている女性はタイトル曲 “The Legend of ABM” で「業界に旋風を巻き越すためにブライアンとクエンティンが戻ってきました」と日本語のナレーションを入れているユキ・フジナミ。これまでに5枚しかシングルをリリースしていないのに、自らを伝説と称して「帰ってきた」と表現するのだから、その自信はなかなかのもの。

 先行シングルは “Stanley Kubrick” 。出来上がった曲が映画みたいだったからという理由でこのタイトルにしたらしい。ブリープ強めで最初から個性が際立ち、続く “FNA” で畳み掛けるラップと金属音の軋みも切迫感が滲み出る。自己愛を意味する “Amor Propio” や “Magnum Opus” はまさしくモデル・ホームばりで、ハーシュ・ノイズを敷きつめた “Dead Men Tell No Lies” はナイン・インチ・ネイルズが孤独を訴えた “The Day the World Went Away” に強く影響を受けた曲だという。 “FUCKOFF” はもう怒り狂ってるだけ。 “Outsiders” はマシンガンのようなビートで、 “GRIND” だけがカチャカチャと金属音が鳴る小気味のいいアクセントになっている。タイトルからしてスロッビン・グリッスルみたいな “Sabotage” は映画『テルマ&ルイーズ』のモデルとなり、シャーリーズ・セロンが映画『モンスター』(03)で演じたシリアル・キラー、アイリーン・ウォーノスのインタビューを元にしているという。普通とは異なるものの見方を提示したかったのだとか。サウンドだけでもそれは充分だけど。

 ワレン&ブランチはまだ若い。細部がまだ拙いというか、彼らが持っているヴィジョンにスキルが追いついているとはさすがに言いがたいところもある。とはいえ、パッションは充分で、すぐにも飛躍的な伸びが期待できるだろう。セカンド・シングルが “Riot” (17)というタイトルだったりと、重いものが弾けているような存在感はどうしてもURを思い出してしまうし、ブラックライヴスマターを時代背景として育った世代がどうなっていくかという興味は抑えられない。

 ちなみにアングリー・ブラックメンと契約したのはこれまでにデス・グリップス、クリッピング、J・ペグマフィア、USガールズなどを送り出してきた〈Deathbomb Arc〉で、荘子itらのドス・モノスやBBBBBBBなども同レーベルと契約している。

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263 264 265 266 267 268 269 270 271 272 273 274 275 276 277 278 279 280 281 282 283 284 285 286 287 288 289 290 291 292 293 294 295 296 297 298 299 300 301 302 303 304 305 306 307 308 309 310 311 312 313 314 315 316 317 318 319 320 321 322 323 324 325 326 327 328 329 330 331 332 333 334 335 336 337 338 339 340 341 342 343 344 345 346 347 348 349 350 351 352 353 354 355 356 357 358 359 360 361 362 363 364 365 366 367 368 369 370 371 372 373 374 375 376 377 378 379 380 381 382 383 384 385 386 387 388 389 390 391 392 393 394 395 396 397 398 399 400 401 402 403 404 405 406 407 408 409 410 411 412 413 414 415 416 417 418 419 420 421 422 423 424 425 426 427 428 429 430 431 432 433 434 435 436 437 438 439 440 441 442 443 444 445 446 447 448 449 450 451 452 453 454 455 456 457 458 459 460 461 462 463 464 465 466 467 468 469 470 471 472 473 474 475 476 477 478 479 480 481 482 483 484 485 486 487 488 489 490 491 492 493 494 495 496 497 498 499 500 501 502 503 504 505 506 507 508 509 510 511 512 513 514 515 516 517 518 519 520 521 522 523 524 525 526 527 528 529 530 531 532 533 534 535 536 537 538 539 540 541 542 543 544 545 546 547 548 549 550 551 552 553 554 555 556 557 558 559 560 561 562 563 564 565 566 567 568 569 570 571 572 573 574 575 576 577 578 579 580 581 582 583 584 585 586 587 588 589 590 591 592 593 594 595 596 597 598 599 600 601 602 603 604 605 606 607 608 609 610 611 612 613 614 615 616 617 618 619 620 621 622 623 624 625 626 627 628 629 630 631 632 633 634 635 636 637 638 639 640 641 642 643 644 645 646 647 648 649 650 651 652 653 654 655 656 657 658 659 660 661 662 663 664 665 666 667 668 669 670 671 672 673 674 675 676 677 678 679 680 681 682 683 684 685 686 687 688 689 690 691 692 693 694 695 696 697 698 699 700 701 702 703 704 705 706 707 708 709 710 711 712 713 714 715 716 717 718 719 720 721 722 723 724 725 726 727 728 729 730 731 732 733 734 735 736 737 738 739 740 741 742 743 744 745 746 747 748 749 750 751 752 753 754 755 756 757 758 759 760 761 762 763 764 765 766 767 768 769 770 771 772 773 774 775 776 777 778 779 780 781 782 783 784 785 786 787 788 789 790 791 792 793 794 795 796 797 798 799 800 801 802 803 804 805 806 807 808 809 810 811 812 813 814 815 816 817 818 819 820 821 822 823 824 825 826 827 828 829 830 831 832 833 834 835 836 837 838 839 840 841 842 843 844 845 846 847 848 849 850 851 852 853 854 855 856 857 858 859 860 861 862 863 864 865 866 867 868 869 870 871 872 873 874 875 876 877 878 879 880 881 882 883 884 885 886 887 888 889 890 891 892 893 894 895 896 897 898 899 900 901 902 903 904 905 906 907 908 909 910 911 912 913 914 915 916 917 918 919 920 921 922 923 924 925 926 927 928 929 930 931 932 933 934 935 936 937 938 939 940 941 942 943 944 945 946 947 948 949 950 951 952 953 954 955 956 957 958 959 960 961 962 963 964 965 966 967 968 969 970 971 972