「Nothing」と一致するもの

Vainio & Vigroux - ele-king

 アーカイヴ音源からラスト・レコーディング、さらにはコラボレーション音源まで2017年4月13日に亡くなったミカ・ヴァイニオのリリースが相次いでいる。彼のアーティストとしての存在感は消えることなく増しているように思える。むろん、音源を聴いた結果、彼の不在も「痛感」してしまうわけだが……。

 まず1月に、カールステン・ニコライ主宰の〈ノートン〉からミカ・ヴァイニオ+池田亮司+アルヴァ・ノト『Live 2002』がリリースされた。2002年という電子音響/エレクトロニカ、最良の時代におけるレジェンドたちのライヴ音源を収録したアーカイヴ・アルバムである。
 続いてこの夏、モーグ社所有のスペース「モーグ・サウンド・ラボ UK」におけるモーグのアナログ・モジュラーシンセサイザー・セッションを収録するレーベル〈モーグ・レコーディング・ライブラリー〉のリリース作品として、ミカ・ヴァイニオのソロ・ラスト・レコーディング作品という『Lydspor One & Two』が発表された。アナログ・モジュラーシンセサイザー「システム55」を用いて制作されたというこのアルバムにはミカ・ヴァイニオらしいノイズと律動感覚が横溢しており、「電子音楽作曲家・ミカ・ヴァイニオ」の高いスキルを実感できる作品といえよう。ちなみに〈モーグ・レコーディング・ライブラリー〉は、パンソニックのアルバムをリリースしてきた〈ブラスト・ファースト・プチ〉のポール・スミスによって運営されており、クリス・ワトソンやシャルルマーニュ・パレスタインなどもラインナップされている。

 『Lydspor One & Two』とほぼ同時期にドイツ・ベルリンの〈コスモ・リズマティック〉からミカ・ヴァイニオ&フランク・ヴィグルーの『Ignis』もリリースされた。コラボレーション作品であっても全編に横溢するミカ・ヴァイニオ的な音響から、その電子音生成力を実感できる作品だ。
 むろんフランク・ヴィグルーも注目すべきフランスの即興演奏家・電子音楽家である。彼は00年代初頭からフランスの実験音楽レーベル〈D'Autres Cordes〉からアルバムなどをリリースし続けており、ミカ・ヴァイニオとは、2015年に〈コスモ・リズマティック〉から「鹿ジャケ」の『Peau Froide, Léger Soleil』を発表している。このフランク・ヴィグルー特有のエレクトロ・アコースティックなノイズと、ミカ・ヴァイニオ的なメタリックなノイズは思いのほか相性が良い。ソロ作以上にパンソニックを彷彿させるマシン・ドローン/ハード・ミニマル・ビートを基調とするインダストリアル・サウンドを全面的に展開していたのだ。マスタリングは、エイフェックス・ツインなどを手掛けるマット・コルトンが担当しており、サウンドのクオリティをさらに高いものとしている。

 新作『Ignis』もまたシネマティックなインダストリアル・ミュージックであった。ヴィグルーの『Rapport Sur Le Désordre』(2016)や『Barricades』(2017)に漂っている壮大なムードに近いのだが、そこにミカ・ヴァイニオの攻撃的なノイズ/ビートが交錯することで、聴き手を覚醒させるような暴風ノイズと爆音ビートが生まれている。ちなみにディストピアSFを思わせる印象的なアートワークは映像作家 Kurt D'Haeseleer の作品である。彼はヴィグルーのヴィデオも制作している。
 レーベルは本作を「込み合った複雑なレコードであり、大音質で鍛えられた音響彫刻のコレクション」、「スタジオ・セッションとライヴ・パフォーマンスを通じて表現された長年の創造的なプロセスの産物」とアナウンスしている。
 じじつ、ミニマルな電子音のループという意外な始まりを告げる“Brume”、透明な電子ドローンが麗しい“Ne te retourne pas”、電子ノイズと爆裂ビートが交錯するインダストリアル・ノイズの“Luxure”、ノイズから静寂へと変化を遂げる“Un peu après le soleil”、“Luceat lux”、“Feux”など、どのトラックも複雑で、強烈で、かつ精密な、まさに「音響彫刻」とでもいうべき出来栄えだ。
 ドローン作品の『Lydspor One & Two』やシネマティック・インダストリアルな『Ignis』というふたつのアルバムを連続して聴くと、アルヴィン・ルシエやポーリン・オリヴェロスなどの電子音楽家の系譜に連なるミカ・ヴァイニオという側面が改めて浮かび上がってくる。
 もともとIDMやエレクトロニカには現代音楽・電子音楽からの影響がみられるものだが、ミカの場合、アカデミックな領域からの研究などがおこなわれてもおかしくないほどに電子音楽作曲家としての個性と力量を感じさせる。ノイズ、ビート、持続、切断、反復、非連続。電子音のコンポジション……。今後、電子音楽作曲家としてのミカ・ヴァイニオという切り口での考察はさらに深まっていくのではないかと思いたい。

 いずれにせよミカ・ヴァイニオという異才が遺したサウンドは、これからも聴き継がれ、さまざまな側面で分析されていくだろう。そもそもミカ自身もまたインダスリアル・ミュージックの(異端的)継承者であった。90年代から00年代を電子ノイズと共に駆け抜けたエクスペリメンタル・ミュージックのレジェンドは、その肉体を消失してもなお現在進行形の影響と刺激を生み出し続けている。

80年代 日本のポップス・クロニクル - ele-king

厳選12枚+72枚のレコード・レヴューで綴るターニング・ポイント。
バブル前夜、日本のポップスほどクリエイティヴなものはなかった!

その後のシティ・ポップ、80年代の展開。
好評『70年代シティ・ポップ・クロニクル』の続編いよいよ刊行!

もともと異端であった、はっぴいえんど、山下達郎、サザンオールスターズらが80年代にいかにしてメインストリームとなっていったか──。佐野元春『Back To The Street』、沢田研二『G.S.I LOVE YOU』、オフコース『over』、RCサクセション『EPLP』、そして大滝詠一『A LONG VACATION』、山下達郎『FOR YOU』へ。
シティ・ポップの流れが松田聖子とYMOへと向かうなかリリースされた名盤たちを追いつつ物語る、80年代のJ-POP。

CONTENTS

まえがき
BACK TO THE STREET / 佐野元春
カメレオン / ザ・べンチャーズ
G.S.I LOVE YOU / 沢田研二
A LONG VACATION / 大滝詠一
EPLP / RCサクセション
over / オフコース
FOR YOU / 山下達郎
Pineapple / 松田聖子
虜―TORIKO― / 甲斐バンド
浮気なぼくら / イエロー・マジック・オーケストラ
9.5カラット / 井上陽水
KAMAKURA / サザン・オールスターズ
あとがき

”DBS 22ND x BUTTERZ 8TH” Birthday Bash!!! - ele-king

 最近都内で盛り上がっているパーティってなんだろうって訊くと、グライムやジャングルっていうんですよ。若い世代がそっちいってるんですって。若い連中は気が付いたら吸収するのが早いからね。とくにSWINDLEの人気はすごいっていうんですけど、まさに良いタイミングで来日することになりました。今年で22周年目を迎えるDBSは、UKのストリートの生のヴァイブがそのまま詰め込まれたかのようなレーベル、〈BUTTERZ〉との合同パーティです。
 SWINDLEをはじめ、レーベル主宰者のELIJAH & SKILLIAM、ベース・ミュージックの女王と呼ばれるFLAVA D、UKガラージのベテランののDJ QやグライムのトップDJとして活躍するROYAL-T……という豪華メンツに加えて、日本からもいま勢いに乗っている連中から成熟したベテランまでが集結。ダブル・クラッパーズもDBS初登場? いずれにせよ、これは熱い夜になること必至。

UNIT
SWINDLE
FLAVA D
DJ Q
ROYAL-T
ELIJAH & SKILLIAM
TQD

Host MC: ONJUICY
Vj: SO IN THE HOUSE

SALOON
ANDREW
DJ DON
DJ MIYU
DOUBLE CLAPPERZ
HALU
HARA (HYPERJUICE)
NATURAL VYBZ ft. MANISH-T
PART2STYLE SOUND
PRETTYBWOY
SHINTARO
TETSUJI TANAKA

Live Paint: THE SPILT INK

【会場】:東京: 代官山 UNIT & SALOON
【日時】:11/10 (土)open/start: 23:30
【料金】:前売: 3,000yen 当日: 3,500yen

【チケット】
▼PIA (0570-02-9999/P-code:128-077)
 https://t.pia.jp
▼ LAWSON (L-code:72435)
 https://l-tike.com
▼e+
 https://eplus.jp/sys/main.jsp
 ※(UNIT携帯サイトから購入できます)
▼RA
 https://jp.residentadvisor.net/events/1154526
▼iFLYER
 https://admin.iflyer.tv/apex/eticket/?id=306445
▼clubberia
 https://clubberia.com/ja/events/280981-DBS22ND-x-BUTTERZ8TH-Birthday-Bash/

▼下北沢/DISC SHOP ZERO (5432-6129)
▼渋谷/TECHNIQUE(5458-4143)
…………………………………………………………………………………………………
info.
▼UNIT
info. 03.5459.8630
UNIT >>> www.unit-tokyo.com
Za HOUSE BLD. 1-34-17 EBISU-NISHI, SHIBUYA-KU, TOKYO

※再入場不可/No re-entry
※20歳未満入場不可。要写真付身分証/Must be 20 or over with Photo ID to enter.

★SWINDLE
グライム/ダブステップ・シーンの若きマエストロ、SWINDLEは幼少からピアノ等を習得、レゲエ、ジャズ、ソウルから影響を受ける。16才でスタジオワークに着手し、インストのMIX CDを制作。07年にグライムMCをフィーチャーした『THE 140 MIXTAPE』がラジオDJから支持され、注目を集める。09年には自己のSwindle Productionsからインストアルバム『CURRICULUM VITAE』を発表。その後はPlanet Mu、Butterz等からUKG、グライム、ダブステップ、エレクトロニカ等を自在に行き交う個性的なトラックを連発、12年にはMALAのDeep Mediから"Do The Jazz"、"Forest Funk"を連発、ジャジー、ディープ&ファンキーなサウンドで評価を決定づける。13年のDeep Mediからのアルバム『LONG LIVE THE JAZZ』は話題を独占し、初来日も果たす。またフュージョン界の巨匠、LONNIE LISTON SMITHとの共演、自身のライヴパフォーマンスも大反響を呼ぶ。14年、GILLES PETERSONのレーベル、Brownswoodから発表されたシングル"Walter's Call"ではジャズ/ファンク/ダブベースの真骨頂を発揮。15年には過去2年間にツアーした世界各地に触発されたアルバム『PEACE,LOVE & MUSIC』をButterzから発表、新世代のブラック・ミュージックを提示する。そして17年にはブラジリアン、Pファンク~本家のドープなグライムまで、ボーダーレスなサウンドとデザインが描く一大絵巻『TRILOGY IN FUNK』をリリース。そして18年も新作のリリースが予定されている。"Mr.Music"と呼ぶべきSWINDLEの快進撃は止まらない!
https://www.youtube.com/watch?v=D1JxUYNw7fI

★FLAVA D
UKガラージ、グライムを始めとする現在のUKベースミュージックシーンの最重要プロデューサー/女王DJ FLAVA D。幼少からカシオキーボードで遊び、14才からレコード店で働き、16才から独学でプロデュースを開始。当時在住の英国南部ボーンマスでは地元の海賊放送Fire FMやUKガラージの大御所、DJ EZの『PURE GARAGE』を愛聴、NASやPETE ROCKにも傾倒した。09年以降、彼女の作ったリディムはWILEYを始め、多くのグライムMCに使用され、数々のコンピに名を残す。12年には重鎮DJ、SUR SPYROのPitch Controllerから自己名義初の"Strawberry EP"を発表、13年からは自身のBandcampから精力的なリリースを開始。やがてDJ EZがプレイした彼女の"Hold On"を聴いたELIJAがアプローチし、Butterzと契約。"Hold On/Home"のリリースを皮切りにROYAL-Tとのコラボ"On My Mind"、またROYAL-T、DJ Qとのトリオユニット、TQDによる"Day & Night"等のリリースで評価を高め、UKハウス、ガラージ、グライム、ベースライン等を自在に行き交うプロダクションと独創的なDJプレイで一気にブレイク。16年のMIX CD『FABRICLIVE88』を経て17年5月にTQDのデビューアルバム『UKG』をリリース、そして18年にはTQDでBBC Radio 1のレジデントDJに抜擢れた他、ロンドンの人気クラブ”XOYO”で13週に渡りレジデンシーを務める等、UKベースクイーンとして世界に君臨している。16年から3年連続の来日!

★DJ Q
2000年代前半にシェフィールドのクラブ"Nicheから胎動した"BASSLINE"は英国北部を中心にしたアンダーグラウンドな"ゲットー・ダンスミュージック"から現在、ベースミュージックの最前線として世界各地に広まっている。そんなベースライン界の中心的存在がDJ Qである。85年北部のハダースフィールドに生まれた彼は12歳でUKガラージシーンに参入、15歳で地元パーティーでプレイを始める。着実にスキルアップし、04年にはBBCラジオ 1Xtraに抜擢され、"UKG Mix Show"を開始、また第1作"Love Like This"を発表し、台頭するベースラインにフォーカスする。その後も数々のインディーレーベルからコンスタントにリリースを重ね、07年に自己のQ Recordingsから発表したMC BONESと共作曲"You Wot"は名門Ministry Of Soundのサブレーベルから再発され、08年にUK TOP50に入る大ヒットとなる。12年に8年間務めた1Xtraを勇退、制作は加速し、初のMIX CD『ENTERS THE UNKNOWN』、ダブプレート集大成『THE ARCHIVE』で飽くなき創造力を示し、2ステップ回帰の"Brandy & Coke"、ルーツレゲエの新解釈となる"Dibby Dibby Sound"がヒット。100作以上のプロデュースワークと平行してDJ活動も多忙を極め、17年の"All Night, All Week"と題するUKの9都市を巡るツアーはトータル50時間を超すロングセットとなる。そして18年1月、同ツアーのショーケースアルバム『ALL NIGHT』を発表、高揚するソウルフルなグルーヴで圧倒的なDJ Qの世界を創っている。そして満を持して『FABRICLIVE99』に登場、今ノリに乗る中、待望の初来日を果たす!

★ROYAL-T
次世代のグライム/UKガラージDJ、プロデューサーとして彗星のごとく現れ、トップに君臨するROYAL-T。90年サウサンプトンに生まれた彼はカレッジ時代、グライムにハマり、ELIJAH & SKILLIAMが主宰する"grime forum"の常連となる。ZINCの"138 Trek"、2ステップのOXIDE & NEUTRINO、そしてJME、SKEPTA、WILEYらグライムアクトの影響下、ビートメイクを続け、08年のデビュー作"The Royalistic EP"を経て09年の"1 Up"がELIJAHの助言でP MONEYのヴォーカルが乗リ10年に大ヒット、11年にはButterzから"Orangeade EP"をリリース、シーンに頭角を現す。またRinse FMで2時間のレギュラーを務め、12年にP MONEY、TERROR DANJAH、ROSKAらをフィーチャーした1st.アルバム『RINSE PRESENTS ROYAL-T』をRinse Recordingsから発表。その後も"I Know You Want Me"、FLAVA Dとのコラボレーション"On My Mind"、P MONEYをフィーチャーした"Shotta" 等々、UKガラージ、グライムのビッグチューンを連発、15年にはFLAVA D、DJ Qとのドリームチーム、TQDもスタートし、シングル"Day & Night"、"Only One / Ghosts"のリリースを経て17年3月、アルバム『ukg』を発表、まさにUKガラージの金字塔を打ち建てる。OUTLOOK FESTIVAL 2014 JAPAN LAUNCH PARTYでP MONEYと初来日、今年5月のVISIONでの公演に続く3度目の来日。

TQD(Royal-T, DJ Q, FlavaD) :
https://www.youtube.com/watch?v=bgawMsc4m6E

★ELIJAH & SKILLIAM
UK発祥グライムの新時代を牽引するレーベル/アーティストコレクティヴ、Butterzを主宰するELIJAH & SKILLIAM。東ロンドン出身の二人は05年、ハートフォードシャーの大学で出会いグライムで意気投合、学内のラジオやブログを始め、08年にグライムシーンの情報交換の場となる"grimeforum.com"を立ち上げる。また同年グライムDJとしてRinse FMでレギュラー番組を始め、知名度を確立。10年には自分達のレーベル、Butterzを設立しTERROR DANJAHの"Bipolar"でリリースを開始。11年Rinse RecordingsからELIJAH & SKILLIAM名義のMIX CD『RINSE:17』を発表、グライムの新時代を提示する。その後ButterzはROYAL-T、SWINDLE、CHAMPION等と契約、インストゥルメンタルグライムを全面に打ち出し、シーンに新風を吹き込む。その後ロンドンのトップヴェニュー"Fabric"のレギュラーを務め、14年には初来日、そしてトップDJの証となるMIX CD『FABRICLIVE 75』がリリースされる。その後も同時代にフォーカスしたMIX CD『GRIME2015』、『GRIME2016』、『GRIME2017』をButterzから発表、フィーチャリングのトップMC'Sは勿論、シーンの内外から絶大な支持とリスペクトを受けている。
https://www.youtube.com/watch?v=DyQpq128wO0


【大阪公演】
11.09(fri)
Swindle×Flava D
open 23:00
adv:\2500+1drink door:\3000+1drink
at
Circus-Osaka
https://circus-osaka.com/event/swindlexflava-d/

info.
Circus-Osaka
https://circus-osaka.com/

食品まつりa.k.a foodman - ele-king

 毎週金曜、テレビ朝日の『dele』を楽しみにしていたのに早くも来週で終わってしまう(第2話でいきなりコムアイが死にましたね)。「いじめ」を扱った第6話は(以下、ネタバレ)ブルー・ホエールやモモといった自殺サイトの問題もストーリーの背景に織り込んであって、かなり見応えがあった。菅田将暉演じる真柴祐太郎が『そこのみにて光り輝く』の大城拓児を彷彿とさせるのも良かった。
『dele』はしかし、放送時間が一定せず、時によってはフジテレビ系『脱力タイムズ』と被ってしまうのが難であった(録画すればいいんだけどね)。『脱力タイムズ』はいま、日本で一番面白いTVのお笑いコンテンツではなかろうか。報道番組と称してコメンテイターがあれこれと解説を垂れ流すものの、どれも内容はズレていて、テーマに沿って番組が進んだことはない。あるいは、コンプライアンスを重視してTVのお約束ごとに片端から注釈を入れ、自然な進行をズタズタにしてしまう要するによくある演出方法を逆手にとって、制度化してしまったTV番組を解体しつつ別次元で成立させているのである。さらには番組内で行われる告知を番組全体の構造に反映させ、告知そのものをエンターテインメント化してしまうという荒技もやってのけていた(少し古いけれどサンドウィッチマンをトランスジェンダーと想定して無茶振りしまくった『君の名は』の回は芸術的な完成度であった)。なんというか、視聴率三冠王と言われる日本テレビが人間性を露わにすることで視聴者に強くアピールしているのに対し、ことごとく不自然であろうとするのが『脱力タイムズ』であり、ここには現在のTV文化が何をやっているのかを問う「メタ視線」が随所にあふれている。

 食品まつりの音楽には、これと同じ「メタ視線」が多分に含まれている。かつて中原昌也が「スロッビン・グリッスルはカッコいいと思ったけれど、それをそのまま日本という風土でやるのは恥ずかしい」と認識していたことと同じ、要するに自意識の有無である。食品まつりがシカゴのジュークに影響を受け、その列に素直に加わってしまうのではなく、「日本でシカゴのジュークを聴くこと」がどのような効果を日本人にもたらすか、それを分かった上で彼はジュークをつくっているといえる。シカゴのストリートでは切迫感やフィジカルな要素がまさっていたのかもしれないけれど、日本ではそれよりも笑いのセンスが強かったともいえるし、ジュークが持っていたもっと別な可能性を引き出してきたとも言える。あるいは、『ARU OTOKO NO DENSETSU』まで来てしまうと、ジュークからも離れて「可能性」はどんどんひとり歩きを始め、類い稀なオリジナリティへと辿り着いたことも確かだろう(2012年のデビュー・カセットから前作『Ez Minzoku』まではエレキング20号で作品ごとに解説しているのでそちらを参照ください)。前後してリリースされたジュークの創始者、RP・ブーの新作『I’ll Tell You What!』にも「Cloudy Back Yard」という奇妙な曲が収録されている。これもかなりジュークからは逸脱を図ったものに聞こえるけれど、しかし、食品まつりがジュークの余白から掴み出してきたポテンシャルに比べると、やはり想定内かなという気もするし、むしろ食品まつりからのフィードバックがこれを作らせたのかなと?

 食品まつりはまたジュークだけを出発点にしていたわけではなく、ゼロ年代にアメリカのアンダーグラウンドで様々に試みられていた実験音楽がその背景にあることは、彼の作品がブラッド・ローズの〈Digitalis Recordings〉やマシュー・セイジの〈Patient Sounds Intl.〉からリリースされてきたことがそのままを語っている。『ARU OTOKO NO DENSETSU』がリリースされたのもゼロ年代末から西海岸サウンドの刷新に努めてきたサン・アローからのレーベルで、かつてなく空間性に富んだ内容もサン・アローがここ数年、展開してきた余白の多いサウンドとも共振性が高く、ユーモラスな作風の受け皿としては実に納得がいく。この浮遊感と脱力感。ポコポコとしたアンビエンスは日本独自のテクスチャーとも思えてくるし、もしかして意外な角度からコーネリアスを脅かす存在になっていくのかもしれない。
 ちなみにアートブックがつくらしいんですけど、筆者はそれがどんなものかわかっておりません。

Oliver Coates - ele-king

 そうじゃない。そういうことじゃないんだ――。
 きっとあなたも経験したことがあるだろう。いわゆる正統なクラシカルの教育を受けたアーティストがエレクトロニクスを導入してテクノやIDMを試みたときの、あのどうしようもない違和感。たいてい電子音やノイズは装飾の域に留まっているし、それを肴にストリングスやピアノが酒宴を張るだけの結果に終わってしまうこともしばしば。あるいは逆に、身体性を意識するあまりビートが妙に強調されすぎていたり。違和感というよりも「残念」とか「無念」といったほうが的確かもしれない。

 ジョニー・グリーンウッドとの共同作業によりぐんぐんと知名度を上げているロンドン・コンテンポラリー・オーケストラ、その一員たるオリヴァー・コーツもまた、そのようなクラシカルの文法をしっかり身につけたチェロ奏者だ。いや、「しっかり」なんてもんじゃない。かつて王立音楽アカデミー史上最高の成績を収めたというのだから、相当なエリートである。その気負いもあったのかもしれない。彼のファースト・アルバム『Towards The Blessed Islands』(2013年)は、クラシカル~現代音楽のなかで「しっかり」前衛を追求する作品だった。
 ただ、彼がそのアルバムでスクエアプッシャーをカヴァーしていたことは心に留めておくべきだろう。原曲は『Ultravisitor』所収の小品“Tommib Help Buss”で、複雑なリズムや音響が展開されるものではないが、その選曲は、オリヴァー・コーツのなかにクラシカルとは異なるプログラムが走っていることを教えてくれていた。
 そこから遡ること5年、彼はバービカンでおこなわれたミラ・カリックスのパフォーマンスにチェロで参加しており、その成果は『The Elephant In The Room: 3 Commissions』(2008年)として音源化されている。そのとき縁が結ばれたのか、翌年ふたりは〈Warp〉が設立20周年を記念して編んだコンピレイション・シリーズ『Warp20』でボーズ・オブ・カナダの楽曲をカヴァーしてもいる。これらの事実に、彼がオウテカのファンであるという情報を付け加えれば、いかにオリヴァー・コーツがIDM~エレクトロニカを愛好する音楽家であるかがわかるはずだ。

 そんな背景を持つ彼もまたきっと、あの「そうじゃない」という感覚を味わったことがあるに違いない。だからだろう、その後オリヴァー・コーツは、映画のスコアなどを除けば、基本的にIDM~エレクトロニカの側に軸足を置くことになる。弦の音響効果から巧みにダンス・グルーヴを抽出した2014年のシングル「Another Fantasy」はその最高の成果のひとつだし、積極的にエレクトロニクスを導入したセカンド・アルバム『Upstepping』(2016年)もその延長にあるといっていい。そうした正統なクラシカルからの離脱運動は、〈RVNG〉へと籍を移して発表されたこの新作『Shelley's On Zenn-La』において、よりいっそう推し進められている。

 彼の長年の相棒であるチェロはほとんどの曲においてエフェクトが施され、はっきりそれとわかるかたちでは鳴らされていない。本作を覆っているのはむしろ、リチャード・D・ジェイムスの影だ。“Charlev”や“Perfect Apple With Silver Mark”などは音の響かせ方やドラムの部分でいやでもエイフェックスを想起させるし、“Faraday Monument”や“Cello Renoise”なんかは完全にドリルンベースの再解釈である(前者はどちらかというとトム・ジェンキンソン寄りかも)。とはいえ、それがたんなるモノマネに陥っているわけではないところが本作の魅力で、そのような往年の〈Warp〉を彷彿させる音響空間に、「違和感」なく女性ヴォーカルや加工されたチェロを重ね合わせていく手腕は見事というほかない。“A Church”の紡ぎ出すグルーヴの心地良さといったら!

 オリヴァー・コーツは近年、ミカチューことミカ・レヴィと何度もコラボを重ねているが、直近でもっとも注目すべきなのはアクトレスとの共演およびローレル・ヘイロー新作への参加だろう。クラシカル畑出身でありながらその文法に依拠しない彼の態度が、尖鋭的な電子音楽の俊才たちを惹きつけてやまないのだ。
 この『Shelley's On Zenn-La』にはあの「そうじゃない」がない。本作はなによりもまずエレクトロニカとして優れた作品であり、だからこそモダン・クラシカルとしても高い完成度を有することができているのだと、そう思う。けっして、逆ではない。


TOYOMU - ele-king

 パブロ騒動と最初の公式EP「ZEKKEI」から2年。ついにこのときがやってきました。カニエ・ウエストの作品を聴かずに勝手に想像して作り上げた男、ユーモアとエレクトロニックを両立させる稀有な京都のプロデューサー=TOYOMUが、待望のファースト・アルバムをリリースします。今度はいったいどんな驚きを与えてくれるのかというと……公開された先行シングル「MABOROSHI」ではなんと、わらべ唄がサンプリングされています。なんとなく、わらべ唄? これは予想の斜め上を行っていますね。アルバムへの期待が膨らみます。リリースは10月26日。

TOYOMU、世界に衝撃を与えたカニエ・ウェスト妄想作から2年、
ついにデビュー・アルバムを10/26に発売!
わらべ唄を大胆にサンプリングした先行シングル「MABOROSHI」を本日公開!

世界に衝撃を与えたカニエ・ウェスト妄想作から2年、TOYOMUはデビュー・アルバム『TOYOMU』を10月26日に発売する。そして早速、本日先行シングル「MABOROSHI」の音源を公開した。このシングルは、京都のわらべ唄「丸竹夷二押御池」(まるたけえびすにおしおいけ)(*)を大胆にサンプリングした曲で、代々伝承されてきたわらべ唄の持つ叙情性と、パイオニア・スピリッツ溢れるTOYOMUのビート・ミュージックがクロスオーヴァーした革新的なナンバーだ。

先行シングル「MABOROSHI」(Official Audio) リンク

[YouTube] https://bit.ly/2oL5PUI
[Apple Music/iTunes] https://apple.co/2oxG3mI
[smartURL] smarturl.it/91t5rl

シングル「MABOROSHI」についてTOYOMUは次のように語っている。
「全てには大きな流れがあること、そして人の心の中には魂があること。抗いさえしなければいい、と思いました。ぼくの頭ではわかりません。魂(ソウル)のゆくえだけが知っています」

「川を眺めているのが好きなんです。川に入ることもあります……水の流れは教えてくれます。あの冷たい流れに包まれる感じ、体がフワッとするような衝動的感覚! さぁみなさんもご一緒に!」京都の山のふもとで川を眺めたり時々入ったり……このスピード社会において、どこまでも自分のペースで制作を続け、先行シングルに象徴されるような真に独創的な全10曲からなるデビュー・アルバム『TOYOMU』を完成させた。

「情熱はメラメラと、燃えさかる炎。純な心はキラキラと、えもいわれぬ銀河。子供達はいつでも知ってる、踊ってる。混じり合ったら、できました。『TOYOMU』で知って、踊って、ね!」

今後、ものすごい自信作と本人が豪語するシングル「MABOROSHI」のミュージック・ビデオなど次々と情報を公開していく予定だ。是非TOYOMUのオフィシャル・サイトでチェック! 乞うご期待!

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toyomu.jp
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* 古くから伝わる京都のわらべ唄。平安京の条坊制により碁盤の目のように通りがある京都中心部、その東西の通り名の唄。30近くの通り名が歌詞に編み込まれている。本シングルに使用した音源は、あいりす児童合唱団による演奏。

【商品概要】

・アーティスト:TOYOMU (TOYOMU)
・タイトル:『TOYOMU』(『TOYOMU』)
・発売日:2018年10月26日(金)
・定価:2,300円(税抜)
・品番:TRCP-250 / JAN: 4571260588059

Tracklist

1. 気球大爆破!
2. ファルソ
3. MABROROSHI (先行シングル)
4. 狐の嫁入り
5. 空飛ぶトヨモイド
6. 逆立ちパルムドール
7. ウランに首ったけ
8. 監獄ロック
9. もぐら慕情
10. ジャパニーズ・アンドロメダ

[smartURL] smarturl.it/91t5rl
[amazon] https://amzn.asia/d/e3Cwjwl
[Apple Music/ iTunes] https://apple.co/2CaJXf8

【プロフィール】

京都在住のアーティスト・プロデューサー。1990年、京都生まれ。
聴けないならいっそのこと自分で作ってしまおう。カニエ・ウェストの新作を日本では聴くことができなかった2016年3月、カニエ・ウェストの新作を妄想で作り上げ、それにビルボードピッチフォークBBCFACTなど世界中の有力力メディアが飛びつき、その発想の斬新さのみならず作品内容が高く評価された。2016年11月23日、デビューEP『ZEKKEI』をリリース。2018年10月、デビュー・アルバム『TOYOMU』をリリース。

ハテナ・フランセ - ele-king

 慣れない猛暑にすっかりバテているパリジャンの野次馬心に火を付けた、ゴシップをお伝えしたく。

 8月1日オルリー空港で、フレンチ・ラップ界のトップに君臨するBooba(ブッバ)とその元舎弟ラッパーKaaris(カリス)が、取り巻きと共に乱闘を繰り広げて逮捕された。その様子は当然スマホで押さえられ、SNSで実況中継され、ファンを大変興奮させた。このニュースは、ネタの少ない夏ということもあり、ゴシップ誌だけでなく、大手新聞各社も総じて取り上げた。フランスを代表する新聞のル・モンド(Le Monde)紙をして「フレンチ・ラップ界で最も待ち望まれた乱闘」とブチ上げるほど。だが、このタイトルは実は大袈裟ではないのだ。

 ことの経緯に入る前に、まず両ラッパーの紹介を。
 多くのラッパーと同じくBoobaも貧困層から這い上がった。パリ郊外シテ(低所得者層向け団地)出身の典型的なバッドボーイだ。ラッパーとしてデビューした後も、ガチであることを知らしめる事件をたびたび起こしている。タクシー強盗で実刑を食らった前科を持ち、銃撃事件で逮捕されたこともある(この時は証拠不十分で不起訴)。そして実母と実弟が誘拐される事件まで起きている。まさにギャングスタを地で行く、フランスを代表するサグ・ラッパーだ。自らを「Duc de Boulogne(デュック・ドゥ・ブローニュ=ブローニュの公爵)と名乗るところも、エゴ肥大系ラッパーとして100点満点のアティテュードだろう。

 一方で、Boobaはビジネスマンとしても成功している。今となってはフランスのラッパーの定番といえる自らのストリート・ブランドの設立。それをまだフランスではあまり盛んでなかった2004年に、セカンド・ソロ・アルバムをリリースしたばかりで早くも成し遂げた。2014年には新しいアーティストの発掘とそのプロモーションの場として、ウェブサイトOKLM(オカエレム)をスタートしたり、同じ趣旨でケーブルTV局も2016年に立ち上げた。

 2017年にリリースした9枚目となる最新アルバム「Trône」では、「ゲーム・オブ・スローンズ」を思わせるジャケ写でドヤ顔を披露。Jul、PNLら新参アーティストやOrelsanなど、2017年はヒップホップの大ヒット・アルバムが多くリリースされた。その中にあってBoobaは、リリース2週間で10万枚のセールスを上げ、アルバム・タイトル通り王座に座り続けていることをアピールした。またアルバム・リリース後は、フランス中の大規模ロック・フェスのヘッドライナーを務めている。このようにヒップホップ・リスナーはもちろんのこと、フランスのオーディエンスにとってBoobaという存在はいまだ大きなものなのだ。

 対するKaarisはコートジボワール出身。父親の死後、母親は7人の子供を連れてフランスに移住。パリ市内の女中部屋(19世紀に建てられた豪華なアパルトマンの屋根裏には、トイレ、シャワー共有、10㎡くらいなどの悪条件の使用人用の部屋がある)を経て、パリ郊外サン・ドニのシテに落ち着く。90年代終わりにシーンに登場したKaarisは、Boobaと違いすぐにブレイクした訳ではない。2012年にBoobaの楽曲”Kalash” にフィーチャーされたことをきっかけに注目される。

 その後もお互いの楽曲に客演し合い、Kaaris はすっかりブローニュの公爵の近衛兵となった。2013年にリリースしたソロ・アルバム”Or noir”が8万枚のヒット。下品でマッチョ、フレンチ・ラップのトラップ代表格として、子供たちの間でも大変な人気を博し、良識ある親たちを辟易させた。

 そんな2人がなぜ乱闘騒動を起こすことになったのか。端的にいうとBoobaとRohffというラッパーとのビーフにKaaris が加勢しなかったから。90年代終わりには競演もしていたBoobaとRohffだが、Rohffがメインストリーム方向に舵を切ったころから対立し始め、2010年代にはフレンチ・ラップ界きってのビーフとなる。2014年にはRohffと取り巻きがBoobaのストリート・ブランドの路面店を襲撃して、店員暴行事件まで起こしている。そのようなガチ対立の中、KaarisはBooba陣営であることをハッキリ表明させなかったとしてブローニュの公爵はご立腹、かつての舎弟とのビーフが勃発した。お互いにSNS上を主な舞台にやり合っていたのだが、ついにこの8月3日にフィジカルな衝突が発生。彼らはイビザのクラブに同日にブッキングされていた。どうやらBoobaがブッキングされたのを知って目と鼻の先のクラブがわざとKaarisをブッキングしたらしく、バッドボーイを看板に掲げるビーフ関係のラッパー2人が、オルリー空港で鉢合わせした。誰かが意図的に工作したとしか思えないこの”偶然の”出会い。真相はどうにしろ、挑発的な状況であったことは確かだ。そしてコワモテが信条の二人が、この偶然を黙ってやり過ごしたらそのイメージに齟齬が生じる。やらない、という選択肢はなかったのではないだろうか。

 監視カメラの映像によると、その”待望の”衝突を先制したのはBoobaらしい。免税店などをぶっ壊し、居合わせた乗客に大変な迷惑をかけたが、乱闘自体で重傷者が出ることはなかった。空港セキュリティと警察により制圧され、Booba側が本人入れて8人、Kaaris側が本人含む6人が逮捕された。8月3日の予審の様子は各新聞が取り上げた。左寄りインテリ紙ラ・リベラシオン(La Libération)ですら「Kaarisのチケットいくらか知ってっか? ここならターダーよ、兄弟!」と、ファンが大量に押しかけた様子などを詳細にレポート。ファン・ミーティングなみの興奮の中、9月4日まで裁判が延期されることが決定。彼らの夏の公演やフェス出演は全てキャンセルとなった。特にBoobaはフェスではヘッドライナー級なので、多大な損害が生じた。すぐにSNS上で「B2O(Boobaの略称)K2A(Kaarisの略称)を解放せよ! ベナラ(大統領側近でデモ参加者に違法に暴行を働いた)は捕まらないのにラッパーは拘留か!」と抗議が起きた。一旦却下された釈放が認められ、両者とも8月23日に3万ユーロの保釈金を支払い一旦釈放となった。9月4日の裁判では、重ければ10万ユーロの罰金と10年の実刑の可能性もある。特にBoobaは、パリ郊外再開発近代都市、ラ・デファンスで4万人を収容する「La Defence Arena」の大規模な公演を10月13日に控える身。裁判の結果次第では、さらに大きな経済的ダメージとなることもあり得る。その裁判の結果をフランス中が好奇心満々で待ち受けている。

 古くはマクドナルド、そしてスターバックスを経てアマゾンなどアメリカ・モデルに懐疑的なフランス。だがヒップホップに関しては、ケンドリック・ラマーからデザイナーまでアメリカのアーティストも熱狂的に支持され、ギャングスタ・スタイルも1ジャンルとして定着している。なぜならフランス人にとってヒップホップはアメリカから輸入されたという意識が少ないからだ。80年代にはフランスにヒップホップが輸入され、ゲットーの音楽としてリアルに根付き、フレンチ・ラップが勃興する。憂さ晴らし、もしくは貧困から抜け出す為の手段としてサッカーとラップは貧困層を中心としたフランスの若者たちにとって「自分たちの言語」になったのだ。だからこそフランス社会の底辺から成り上がったBoobaやKaarisの一挙手一投足は、彼らがかつて属した底辺にいる若者たちにとって他人事ではないのだ。

bod [包家巷] - ele-king

 ダブステップ/グライムの異才、ヴェックストのクエドとジョー・シェイクスピアによって主宰・運営される〈プラネット・ミュー〉傘下の〈ナイヴズ〉は面白いレーベルだ。
 2015年にリリースされたジェイリン『ダーク・エナジー』も〈プラネット・ミュー〉と〈ナイヴズ〉の共同リリースだったし、2017年にリリースされたベルギーのオブサクゥイズ『オルガン』もロマン主義的なダーク・ミュジーク・コンクレートで、興味深いアルバムに仕上がっていた。
 ベース・ミュージックからモダンなミュジーク・コンクレート作品へ。ダブステップ/グライム世代である彼らが時代の音を追い求める過程で、サウンドやコンポジションが次第に抽象化し、複雑かつ流動的なミュジーク・コンクレートの音響へと至った点は非常に興味深い。
 00年代末期から10年代初頭のアンビエントの時代を表すキーワードを「融解/溶解」とすると、10年代後半のヴェイパーウェイヴ以降のミュジーク・コンクレート・テイストの音響作品は「流動/状態」ではないか。ここでは、そのような「流動/状態」の象徴的な作品として、〈ナイヴズ〉からリリースされた bod [包家巷] の新作『リンピッド・フィアー[清澈恐惧]』を捉えてみたい。ちなみにレーベル初のカセット作品でもある。

 bod [包家巷] は、LAを拠点に活動するアーティスト、ニック・ヂゥーのプロジェクトである。これまで2016年にニューヨークの〈パステル・ヴォイズ〉から『オーケストラ・オブ・ザ・フローズン・ステート[冰国乐队]』、2017年にロサンゼルスの〈ズーム・レンズ〉から『ピアノ・コンポジションズ[钢琴组成]』をリリースしてきた。そのオリエンタルなムードと電子ノイズをミックスさせる手法によってヴェイパーウェイヴ以降ともいえる独自の奇妙さを称えた音響作品を制作している。

 本作『リンピッド・フィアー[清澈恐惧]』は、ニック・ヂゥー・サウンドの集大成に聴こえた。中華的な音楽モチーフと尖ったノイズの交錯は高密度かつ高精度にコンポジションされ、認識がクラッシュしたようなエクスペリメンタル・ポップネスを生むことに成功している。
 彼のルーツでもある中華的なサウンドと西洋音楽的なハーモニーに、10年代的なジャンクなサウンドコラージュとクールな電子音が交錯することで、フェイクともリアルとも区別のつかない新・電子音楽空間を生成しているのだ。だからといって、全体を包み込むオリエンタルなムードに「文化搾取」という感じはまるでしない。エドワード・サイード的な「オリエンタリズム」が希薄なのである。さらにはリドリー・スコット『ブレードランナー』(1982)やウィリアム・ギブスン『ニューロマンサー』(1984)などの80年代的なサイバーパンクの音響=イメージ的な反復でもない。
 「オリエンリズム」に回収されないオリエンタリズム。なぜなら末期資本主義の時代においては、さまざまな局面において、欧米的な世界にアジア的なものが大きく流れ込み、諸々のイメージの固定化が覆され、価値と意味が刻々と変化し続けるからだ(ハリウッド映画における中国資本の大きさを挙げるまでもなく)。さまざまなフェイクや情報が水のように流動化し、次の瞬間には無効化する時代なのである。となれば欧米中心の音楽地図が、一部の状況に過ぎないというのも、現在の音楽リスナーであればいとも簡単に気がついてしまう事実だろう。

 『リンピッド・フィアー[清澈恐惧]』は、そんな時代のムードを称えた現代的なミュジーク・コンクレート・サウンドである。そこに漲っているのは接続への意志というより流動的状態への生成変化だ。自然というより完全に人工的、川や海というより水槽的な音響とでもいうべきか。管理された人工性の希求。それと相反する世界の流動化。水槽への隔離。快適と管理の希求。異物の侵入への恐怖。本作は、まさに現代ならではの多様性とフェイクとホラーが混濁する独自のムードを醸し出している。
 だが、しかし、ノイズは鳴る。水槽の外は想像できないにもかかわらず、である。それは他者への恐怖からかもしれない。現代において不安は存在論的不安ではない。そうではなく水槽の中における他者への不安である。このノイズは閉ざされた世界で自身の身に危険を与える恐怖の表象ではないかと思う。つまり暴力への恐怖だ。暴力は認識や知覚をクラッシュさせる。ニックの音楽はそのような認識の崩壊と再生成を、サウンドのミックスによって往復していく。まるで中国からアメリカへと至ったその人生のように。クロアチア出身のメディア・アーティストの Tea Stražičić と、Jade Novarino の書道による世界認識のクラッシュのようなアートワークも、作品/人生の世界観をうまく表現している。ホラー的なのだ。

 本作『リンピッド・フィアー[清澈恐惧]』は、カセットのA面とB面にそれぞれ1曲という長尺2曲の構成だが、まるでミックス音源のように音は変化し続ける。高音域の電子ノイズも耳に気持ち良い。ラストは天国に昇るような電子音のアルペジオが鳴り響き、唐突に終焉を迎える。このアルバムには快適さと異物への恐怖が共存しているが、この終焉は恐怖の浄化かもしれない。
 この猛暑の8月、私はひたすら本作を聴いていたがいまだ飽きない。2018年の無意識にアクセスするような心地良さを感じたのだ。私は空調も空間も見事に管理された巨大な商業施設を彷徨っている感覚になった。快適であり、文化の行き着く先である。モノ・コトが、無数の商品となり、陳列され、断片化し、流動化する。消費社会の到着地点である。そこを泳ぐように放浪・浮遊することは、どこか水槽の中を浮遊する魚のようだ。巨大な商業施設=モールは水槽である。つまりは快適に管理された自由ともいえる。この場所では大きな物語性は消失したが、商品化(断片化)した物語にアクセスすることはできる。巨大な商業施設=水槽の中を泳ぐ魚のように放浪するのは、そういった断片的な「物語」にアクセスするためではないか。

 あらゆる権利を無化するようにネット上の画像や動画、音楽などをコピーする21世紀のアナーキズム音楽であるヴェイパーウェイヴもまたそのような消費世界の残滓としての「物語」にアクセスする聴取感を持っている音楽に思える。それは現代的なノスタルジアだ。そのような瀕死のアナーキズムとノスタルジアは、欧米的なものからの脱却のようにアジア的な流動的世界感へと合流していく。
 例えば2814『新しい日の誕生』(2015)、『レイン・テンプル』(2016)をはじめとするロンドンの〈ドリーム・カタログ〉の音楽が、この現代において魅力的に聴こえるのは、『ブレードランナー』や押井守監督(原作・士郎正宗)『攻殻機動隊/ゴースト・イン・ザ・シェル』(1995)などのカルチャーのリヴァイヴァルだからではない。
 そうではなく、2814のような音楽は、この20世紀的な物語がデータ化した現代という時代において、「物語的なるもの」を感覚するためには、ただひたすらに断片的なイメージ(音)を摂取するしかないということを明確に示しているのである(ワンオートリックス・ポイント・ネヴァーは〈ワープ〉以前の作品からそうであった)。それらを彩る日本のアニメ的かつアジア的なアートワークも断片化した世界認識へのアタック/グリッチ効果をもたらすものであり、20世紀のオリエンタリズム的批判意識を壊してしまう。そして80年代的なシンセ音楽もまた10年代的な音響工作によって時代性や歴史性への遠近法を狂わす。
 ここでは「物語」はすでに断片=残骸に等しい。そう考えるとメルツバウ『パルス・デーモン』がヴェイパー系のレーベル〈Bludhoney Records〉からリイシューされたのも当然だった。メルツバウこそ資本主義の残滓によって資本主義社会がもたらす雑音に抗ったノイズ/ミュージックの祖なのだから。

 ともあれ、ヴェイパーウェイヴはインターネット空間の中にある物語=残骸(画像であっても動画であっても音楽であっても、物語の欠片である)をコピーし、エディットし、レイヤーし、コンポジションすることで20世紀の残滓を21世紀的なモードに切り替えた。ノスタルジアがアナーキズムに行き着くのは、サンプリング時代であった90年代といっけん近いようでありながら、ここでは「終わったもの」が違っている。
 「彼ら」は終わったものが何かを分かっている。だが、もはやどうすることもできない。突破の手口はあらゆる方面から閉ざされ、資本主義は疑うこともできない闘争の前提条件になってしまったからだ。ゆえにヴェイパーウェイヴがシニシズムに満ちているのも当然といえる。そして日本的/アジア的なイメージを借用するのも、欧米的なそれとは違うアジアの非弁証法的な資本主義的世界観=流動性から抵抗を試みようとする無意識の発露かもしれない。
 その意味でドゥニ・ヴィルヌーヴ監督『ブレードランナー2049』(2017)もヴェイパーウェイヴやインダストリアル以降の同時代的な表現といえる。『ブレードランナー2049』のイメージや物語はすべてオリジンを欠いたコピーのコピー(のコピー……)である。物語消失以降の世界における芸術=物語=人間へのアクセスをめぐるアートであった。また、ワンオートリックス・ポイント・ネヴァーの新作『エイジ・オブ』も同様の表現に思える。いわば後期フィリップ・K・ディック的なサイケデリックな認識崩壊的な感覚は、現在はこういった作品たちに継承されているのかもしれない。人間の終わり、世界の不穏化の意識と表象……。

 この bod [包家巷] 『リンピッド・フィアー[清澈恐惧]』にも、そのような「以降の世界」における人間の意識パターンと、その崩壊から再認識へと至る過程を聴き取ることができた。
 ミックス音源経由のミュジーク・コンクレート的音響の生成とでもいうべきものだ。それは音楽文化の残滓の蘇生でもある。過去の借用と盗用のインターネット時代のアナーキズムでもある。それゆえの80年代から90年代初頭の電子音楽の借用でもあった。われわれは水槽を泳ぐ魚のように断片化した物語にアクセスするだろう。そこでは暴力の記憶もある。それゆえのノイズが生成だ。同時に「アジア的なもの」が流動化してもいる。流動化と閉塞。水の中に融解するように変わる世界と突破できない無力感。出口を求める感覚。それゆえに生まれる強いエモーション。
 本作は、いわば流動/状態と情動/生成の同時接続としての新・電子音楽、つまりは「エモ・コンクレート」だ。ここに21世紀前期の無意識があるような気がしてならない。未聴の方はぜひ聴いて頂きたい。


Marquis Hawkes - ele-king

 風向き、勢い、流れ。たしかにそういうものはあるのだろう。アイシャ・デヴィやパリア、あるいはコンピレイション盤『In Death's Dream Kingdom』など、立て続けに佳作を送り出している〈Fabric〉傘下の〈Houndstooth〉から、またも充実のアルバムが届けられた。今回は、ハウスである。

 マーク・ホーキンスはベルリンを拠点に活動しているロンドン出身のプロデューサーで、90年代末よりさまざまなレーベルから数多くのシングルをリリースしている。2012年以降はマークィス・ホークスなるハウス専用の名義も用いはじめ、〈Dixon Avenue Basement Jams〉や〈Aus Music〉などからコンスタントに作品を発表しているが、2014年の「Fifty Fathoms Deep」を皮切りに〈Houndstooth〉とも良好な関係を構築、自身の暮らす「公営住宅」をタイトルに冠した前作『Social Housing』は、そのテーマとディスコ・オリエンテッドなサウンドで注目を集めた。このたびリリースされた『The Marquis Of Hawkes』はそれに続く2枚目のフルレングスとなる。

 来るべき祝祭の予兆を感じさせるビートレスな冒頭の“Beton Theme”、この曲こそが本作全体の鍵を握っている。というのも、この曲を覆うウェイトレスなシンセ・サウンドが、アルバム全体の方向を決定づけているからだ。アースラ・ラッカーが「あなたはただダンスしたいだけでしょ?」と語りかける先行シングル曲の“Don't U”、それに続く“Instrument Of Thought”や“Tough Love”、あるいは折り返し地点に配置された“The Matrix”やアシッディな“Hope In Our Hearts”などなど、その幽玄な音の響きはときにうっすらと、ときに大々的に各々のトラックを彩り、アルバム全体に90年代のムードをもたらしている。それらメロディアスなシンセの来し方をたどれば、いやおうなしにデトロイトに行き着くことになるだろう。

 もちろん、これまでの彼の作品にデトロイト・テクノからの影響がなかったわけではない(そもそも本名名義のほうで彼がやっていたのは、テクノである)。けれども、たとえば前作『Social Housing』は、ジョセリン・ブラウンの参加が如実に物語っているように、全体としてはディスコを志向したアルバムだったわけで、その路線が大きく変更されたのは、前作に引き続きアートワークを担当しているアラン・オールダムの存在が何かしらの影響を与えたからなのかもしれない。DJ T-1000名義などでデトロイト・テクノの一翼を担ってきたかのプロデューサーは他方で、それこそリディム・イズ・リディムの初期名作群のアートワークを手がけたイラストレイターでもあるわけだけれど(現在はベルリン在住の模様)、『The Marquis Of Hawkes』を特徴づけているメロディアスかつウェイトレスなシンセ音は、そういった初期〈Transmat〉や〈Retroactive〉のサウンドを彷彿させもするのである。
 とはいえ本作の軸足はあくまでハウスに置かれており、いわゆるソウルやファンクの要素が失われてしまっているわけではない。注目すべきは最後の“We Should Be Free”だろう。フィーチャーされたジェイミー・リデルが、軽快に突き進んでいくキックとピアノに後れをとるまいと一心不乱に、しかし彼らしく妖しげにくねくねと歌い上げるさまはとにかく最高である。

 今年は折々のタイミングで、デトロイト由来のシンセ・サウンドを響かせる作品が目に留まる。ダニエル・エイヴリーがテクノ~IDMの分野で、エックス・アルテラがジャングル/ドラムンベースの分野で改めてその功績を確認したのだとしたら、ハウスの分野で同じことをやってみせたのがマークィス・ホークスのこのアルバムということになるだろう。散発的に回帰する90年代、あるいはデトロイトの幽霊たち。いまはやはりそういう風向きなのだ。

Noise Assembly by Asian Meeting Festival - ele-king

 2005年に大友良英が新宿ピットインで企画した自主イベントから数えて8回めとなるアジアン・ミーティング・フェスティバル(AMF)がいよいよ開催される。

 2014年から昨年まで国際交流基金の主催のもとで開催されてきたAMFは、今年は国際交流基金を離れて台湾での芸術祭とコラボレートする。台北コントポラリー・アート・センターと協力し、阿里山と台南にて一週間にわたる「サウンド・ツアー」を敢行した後、台北アート・フェスティバルの一環として9月8日、9日の二日間にわたって「ノイズ・アセンブリー」と題した音楽祭を行う予定である。

 dj sniff とユエン・チーワイのキュレーションのもと開催される今年のAMFは、スキップ・スキップ・バン・バンやアリス・チャンなど台湾出身で過去にAMFに参加したアーティストに加えて、台湾の実験的な音楽シーン(現地では「実験音楽」よりも「サウンド・アート」という呼称の方が一般的なようだ)における「第一世代」のフーレイ・ワンやディーノ、あるいは Meuko!Meuko!やベティー・アップルなどの新世代、さらに近隣諸国からゴ・トラー・ミー(ハノイ)、スダーシャン・チャンドラ・クマー(クアラルンプール)、ワンナリット・ポンパラユン(バンコク)、トニー・マヤーナ(ジョグジャカルタ)、エリック・カリラン(マニラ)ら気鋭のアーティストが参加する。大友良英による「日本とアジアのミュージシャンの交流をもっと盛んにしたい」という思いから始まったAMFは、第1回から13年の時を経て、台湾を舞台に、台湾のアーティストを中心に開催されることになった。一体このような事態になると誰が予測し得たのだろうか。

 関連イベントとして「ノイズ・アセンブリー」前夜の9月7日には大友良英による市民参加型のワークショップが開催されるほか、大阪に滞在し難波ベアーズなどでライヴを行なっていた経験もある台北のノイズ音楽家ダワン・ファンと大友によるトーク・イベントも開催。また音楽祭の翌週末には三鷹SCOOLにて「ノイズ・アセンブリー」の成果と可能性をいち早く検証するレクチャー・イベントも開催される予定だ。

 いま台湾では音にまつわる面白く新しい出来事が起きている。わたしたちはそろそろそのことに気づいた方がいい。(細田成嗣)

Noise Assembly by Asian Meeting Festival
https://asianmusic-network.com/archive/2018/06/noise-assembly-by-asian-meeting-festival.html

Noise Assembly by Asian Meeting Festival

Day1(※チケット売り切れ)
日程:2018年9月8日(土)19:30
会場:中山堂(台北市延平南路98號)
料金:800台湾ドル
出演:大友良英(日本)、dj sniff(日本)、ユエン・チーワイ(シンガポール)、ゴ・トラー・ミー(ハノイ)、スダーシャン・チャンドラ・クマー(クアラルンプール)、ワンナリット・ポンパラユン aka ポック(バンコク)、トニー・マヤーナ(ジョグジャカルタ)、エリック・カリラン(マニラ)、王福瑞/フーレイ・ワン(台北)、Skip Skip Ben Ben(台北)、張欣/シェリル・チャン(台北)、張惠笙/アリス・チャン(台南)、劉芳一/ファンギー・リュウ(高雄)
https://www.taipeifestival.org/FilmContent.aspx?ID=14

Day2
日程:2018年9月9日(日)19:30
会場:中山堂(台北市延平南路98號)
料金:800台湾ドル
出演:大友良英(日本)、dj sniff(日本)、ユエン・チーワイ(シンガポール)、ゴ・トラー・ミー(ハノイ)、スダーシャン・チャンドラ・クマー(クアラルンプール)、ワンナリット・ポンパラユン aka ポック(バンコク)、トニー・マヤーナ(ジョグジャカルタ)、エリック・カリラン(マニラ)、Meuko!Meuko!(台北)、許雁婷/ユエンティン・シュー(台北)、黃大旺/ダワン・ファン(台北)、鄭宜蘋/Betty Apple/ベティー・アップル(台北)、廖銘和/Dino/ディーノ(台北)
https://www.taipeifestival.org/FilmContent.aspx?ID=14

フォーラム「Sonic Ideologies」
日程:2018年9月7日(金)15:30〜
会場:中山堂 Fortress Cafe(台北市延平南路98號)
料金:無料
出演:大友良英(日本)、黃大旺/ダワン・ファン(台北)
https://www.taipeifestival.org/eventContent.aspx?EID=23

People's Orchestra Workshop
リハーサル日程:2018年9月7日(金)10:00〜13:00
リハーサル会場:臺北試演場/Taipei Backstage Pool(台北市大同區延平北路四段200號)
発表日程:2018年9月8日(土)17:00〜18:00
発表会場:中山堂 台北市延平南路98號
料金:無料
出演:大友良英
https://www.taipeifestival.org/eventContent.aspx?EID=24

「ノイズ・アセンブリー」とは何か?――AMFと台北アート・フェスティバルに見る音楽/美術の最新動向
日程:2018年9月15日(土)19:00〜
会場:三鷹SCOOL
料金:予約1,500円 当日2,000円(+1ドリンクオーダー)
出演:細田成嗣(ライター/音楽批評)、金子智太郎(美学/聴覚文化論)
ゲスト:dj sniff(AMFキュレーター/ターンテーブル奏者)
https://scool.jp/event/20180915/

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