「Nothing」と一致するもの

The Stone Roses : Made of Stone - ele-king

 シェーン・メドウズとストーン・ローゼズの両者に並々ならぬ愛情を抱く人間としては、ひとり静かに見たい映像だった。が、スキンヘッドの恰幅の良いおっさん3人組がビールを片手に隣に座って来やがったときにはわが身の不運(いつものことだが)を呪った。上映5分前。場内を見渡してみる。おアート系映画専門映画館の客層は、明らかに通常とは違っている。
 まず、当然ながら年齢層が高い。目つきの悪い中年スキンヘッズや、クリエイター系のお仕事についておられそうな品の良いおっさんたち。若い頃はインディー好きだったのよー、みたいなミドルクラスのカップル。といった年寄りに混じって、バンドマン風の青年や、音楽オタク風のティーンがひとりで来ている。という感じ。
 隣のガラの悪そうなおっさんたちが、上映前からがんがんビールを飲んでいるので、演奏シーンでラウドに歌い出したりしたら嫌だなあ。と不安に思った。が、いったん上映がはじまると、隣人たちは妙に静かになった。肘掛けから腕がはみ出すほどふんぞり返ってこちらに迷惑をかける、というようなこともない。大の男が、体を縮めて、直立不動で映画を見ているのだ。どうしたのだろう。と脇を見てみると、隣のおっさんは、冒頭から眼鏡の下に指を入れて涙を拭いていた。

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 これはシェーン・メドウズにしか撮れなかった。と思うのは、ウォリントン・パー・ホールに集まるファンたちのシーンだ。バンドのメンバーや著名な関係者ではなく、無名のファンの映像をこれほど長時間見せるロック・バンドのドキュメンタリーは前代未聞だろう。
 バンド側が当日午後にいきなり発表した「ストーン・ローゼズが今日16年ぶりのギグを行う。ホール前に集まれ。チケットは早い者勝ち」という告知を受け、ファンが続々と集まってくる様子をメドウズは丁寧に追う。ネクタイを締めたまま血相を変えて走って来るオフィス・ワーカー。学校に子供を迎えに行ってその足で来たのだろう、制服姿の娘を引き連れたおやじ。汚れた格好で駈けてくる塗装業者。スーパーの買い物袋を下げて子連れで走ってくるお母さん。
 「上司に『姑が心臓発作で倒れた』と言って早退してきた」、「ベビーシッターの手配とか、一瞬そういう考えが全部ぶち飛んだ」と、口々に庶民たちは語る。メドウズの映画に出て来そうな人々が大勢いる。世間的にはルーザーと呼ばれる、ヤバめの男女。社会的にサクセスしているらしい自信に溢れた人。不満を抱えながら底辺で働く労働者。ひとりひとりの顔や身なりや言葉から、彼らの人生が透けて見える。このウォリントンのシーンは、ここだけで一本の映画を見たようだ。伝説のバンドの再結成というのはよくある話だが、そのときのファンの心情を描いた映画はいまだかつて無かった。シェーン・メドウズは、それを撮ったのだ。タイトルを付けるなら『This Is England 2012』。ストーン・ローゼズのメンバーたちも、このウォリントンのシーンがいちばん気に入ってるという。

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 ツアーのリハーサルのシーンでは、カメラは各メンバーの顔だけを追う。リズム隊のマニとレニが顔を見合わせて笑う。イアンとレニがコーラスしながら頬を緩ませる。クールに職人然としてギターを弾いていたジョン・スクワイアが、曲の最後ににっこりと微笑む。
 20年近く前に派手に喧嘩別れした男たちが、再び笑い合っている。その絵が呼び起こすセンチメントは、セックス・ピストルズの再結成でメンバーたちが揃ってステージに立っている姿を見た時の感傷にも似ていた。隣のおっさん、いよいよ泣いてるんじゃないか。と思ってちらりと脇を見、わたしは度胆を抜かれた。
 スキンヘッドの大男が、にやにや笑っていたからである。いい大人が、何を嬉しそうに、だらしなくにやにやしているのだろうか。
 しかし、そのようなフィールグッドな映像もそう長くは続かない。彼らはストーン・ローゼズだからだ。アムステルダム公演で、アンコールを前にレニが先に帰ってしまい、「あのドラマーはCUNTだ」とステージで言い放つイアン。
 そこでメドウズはいっさいの撮影を止める。並みの映画監督なら、もっとも撮りたいところだろう。バンド内紛の内幕はドキュメンタリーの見せ場になるからだ。しかし、メドウズはそれを撮らない。『This Is England 2012』にはそんなシーンは要らないと彼は決めたのだ。
 「俺は撮影を停止して、イングランドに戻る」とメドウズは宣言する。そして暗転。
 隣の席のおっさんが、ごくり。とビールを飲む音がした。

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 場面は唐突にマンチェスターのヒートン・パークの凱旋コンサートに切り変わる。
 最後のシーンは、"Fools Gold"の演奏を最初から最後まで撮っただけの、シンプルな映像だ。ここまでは友人としての親密な視線(実際、メドウズはかなり前からメンバーと交友があり、イアンは『This Is England 86』にカメオ出演もしている)で撮ってきたメドウズが、最後には"人生を変えられたバンド"を見ているファンの目線に戻る。
 それは圧巻の演奏映像だった。
 勇姿。としか言いようのないストーン・ローゼズの姿。
 メンバーたちはもはや笑っていない。再結成は単なる同窓会ではなかったのだ。各人がそれにはっきりと気づき始めた顔をしている。
 「ヒートン・パークの"Fools Gold"は、インディーズがダンスに移行するエピックな瞬間だった」
 と、メドウズはインタヴューで語っていた。が、それに付け加えるなら、驚くほどどっしりと骨太になったローゼズの、はっとするような新鮮なグルーヴがあの演奏にはあった。
 メドウズは彼らの新曲を聴いたことはないと言っているが、本当にそうだろうか。と思う。彼には、登場人物たちの未来に繋がるヒントを残して映画を閉じる癖があるからだ。

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 館内が明るくなり、隣のおっさんたちが立ち上がった。もう泣いてもいなければ、にやにやしてもいない。新譜はいつだ。と言わんばかりの切羽詰った表情で誰もが出口へ向かっている。
 いい大人が七面相みたいに、まったくバカなのかと思う。
 だが、そんな気持ちにさせられるバンドのひとつやふたつ持ってない音楽ファンを、というか人間を、わたしは信じない。


Lust for Youth - ele-king

 〈セイクリッド・ボーンズ〉のリリースはつねに筆者のメンタルに小骨を残していく。現代においてポスト・パンクを実験的に追求しつづけるレーベルと呼んで間違いないと思うが、ここのカタログの多くは決定的に運動音痴というか関節が固いというか、ポスト・パンク的なもののなかでもゴシックでダークな部分やノイズ寄りな部分を奇妙にこじらせていて、リズム、メロディ、ハーモニーという音楽の三大要素もほぼ見事に剥落、とくにリズムについてはたいてい快感メーターがマイナスに振り切れる。この嫌がられ要素に潔いほどまみれた作品群には、なるほど忘れがたい個性と屹立した存在感があるのだが、いまこれを聴きたい人ってどんな人なんだろう? といつも考えてしまう。悪い意味ではない。すごく極端な、おもしろい人物かもしれないと思う。同時になにかしら強烈な負の力を渦巻かせていたりする気もする。筆者がつるつる人間なだけなのだろうか。

 というような理由で個人的に愛好することのなかった〈セイリレッド・ボーンズ〉だが、ラスト・フォー・ユースはちょっとびっくりした。同じように思っていた人や、〈キャプチャード・トラックス〉のなかでもとくにポスト・パンク寄りな作品を好む人などにはおすすめかもしれない。『パーフェクト・ヴュー』といいながら見通しの超きいてないジャケがまず素敵なんだけれども、こうしたセンスはめずらしい。時代から切り離されたような、古物商のカタログといった趣で並ぶこのレーベルの諸作のなかで、はっと目を引くに足りるアートワークである。ザ・メンなど皮肉やけれん味のない、ある意味ではピュアな芸術性を優先するようなジャケットに比して、ラスト・フォー・ユースにはよい意味でのいらだちや挑戦、意欲、ひねり、コンセプトを感じる。その意味でじつに色気がある。要は、自分たちと時代や世間とのあいだに距離があることを自覚しつつも、あまりそれと向き合う意志のなかったように感じられるレーベル・カタログのなかで、時代や世間に正対するように見えたのだ。ゆえに彼のダークウェイヴはみずみずしく力強い。

 ビートは単調だがシンセが熱い。"アナザー・デイ"に溶け込んだニュー・オーダーは若くササクレていて、"パーフェクト・ヴュー"にはミニマルな展開の果てに完全なオマージュさえ見られるが、彼らの音を生き直してみせるという気概が感じられる。"バルセロナ"のごついアンビエントにも"ヴィブラント"のインダストリアルなサウンド・デザインにも、生き生きとした血の奔流がある。かつ、コールド・ケイヴよりもクールでやや内向的。アメリカの人かと思っていたがスウェーデンのアーティストだった。なるほど。読み方がわからないけれども名前はHannes Norrvide、2009年ごろより〈NNA〉などからのテープ作品のリリースが断続的につづいている。本作はいちおう3枚めのフル・アルバムとして説明されている。〈セイクリッド・ボーンズ〉とは、2012年に彼の過去作『グローイング・シーズ』をリイシューすることから関係がはじまっているようだ。出たばかりだけれども、はやくもダークウェイヴ買い忘れの一枚、そして得がたく美しい一枚になった。

SACHIHO (S) - ele-king

音攻めパーティ「S」@KOARAを、弓J、Mariiと一緒に不定期開催でオーガナイズしています。よく「S」でかけるディープ・ハウス、90'sハウス、ミニマル、ダブステップなどいろいろと選んでみました。
6/15(土) HOUSE OF LIQUID@KATAにSクルーで出演。
https://www.liquidroom.net/schedule/20130615/14701/

S blog https://ameblo.jp/s-3djs/

S select 2013.6.10


1
Marcel Fengler - Hidden Empire - IMF

2
Andre Rozzo - Storm Warning(dj rollo remix) - Trackdown Records

3
Sascha Dive - Summer Madness(Halo Feat.Blakkat Surface Remix) - Deep Vibes

4
Mechanical Soul Saloon - Shoul - Pssst Music

5
Karnak - Black Moon - Tribal America

6
MRSK - Pinkman - Skudge

7
Pariah - Rift - R&S Records

8
Las - Zikedelic - Box Clever

9
Biome - Reality - Black Box

10
Moodman,Da Abe Fela,Dot,L?K?O - Las Roturas - MOOD/LosApson

Buffalo Daughter - ele-king

 あらためて聴くバッファロー・ドーターの20年、全14曲が収録された『ReDiscoVer.』(再発見)。新曲、新ヴァージョン、ライヴ音源も入っているが、基本、『ニュー・ロック』(1998年)や『I』(2001年)、『Pshychic』(2003年)をはじめとする、バンドがこれまで残した7枚のアルバムからの収録だ。で、あらためて聴くと、あらためて格好良いと思う。サウンド的な観点で言って、もしフィッシュマンズとコーネリアスとの溝を埋めるバンドを探すなら、それはあなた、バッファロー・ドーターです。
 雑多な音楽性、グルーヴを保ちながら、直線的なサウンド、とくに1990年代の日本の音楽シーンの最良のところがすべてあるかのように、柔軟かつ禁欲的でいながら陶酔的という、これこそ日本で解体され、更新されたロックンロールです。オールドファンはもちろん、バッファロー・ドーターを知らない世代、『踊ってばかりの国』のハバナ・エキゾチカがその後結成したバンドぐらいにしか認識していない若者は、これを機に再発見すべし。小山田圭吾参加の新曲、環ROYと鎮座ドープネスのKAKATOとの共作も聴くべし。リスナーが自分のベスト盤を作れるように、書き込み可能なCDRも1枚付いての2枚組です。

Buffalo Daughter

Buffalo Daughter
ReDiscoVer. Best,Re-recordings and Remixes of Buffalo Daughter

UMA

2013年7月24日 発売
¥2,600 (tax in)

Amazon


Ignatz - ele-king

 おそらく個人的にここ10年でもっとも感銘を受けたミュージシャンたちのひとりは確実にイグナッツ(Ignatz)ことブラーム・ディーヴェンス(Bram Devens)である。......と、音楽雑誌に寄稿している人間がのっけから感情論で語っていいのだろうか。いいんです。僕にとって彼のサウンドは距離を置くことができないほど美しいのだ。

 漫画文化史にその名を輝かせるジョージ・ヘリマン(George Herriman)の作品、『クレイジー・カット(Krazy Kat)』に登場する同名のネズミ、イグナッツ。漫画の主人公である呑気な猫、クレイジー・カットはこのネズミに恋心を抱いているが、当のイグナッツは毎回頭にレンガを投げつけるかたちでその想いを打ち砕く。しかしながらクレイジー・カットはそれを愛情表現と受け取っていて、この行為によって奇妙に関係性が補完されている。

ブラームのイグナッツは、この湾曲したエゴへの共感に名前を拝借したサイケデリック・ローファイ・フォーク、いやマインド・メルト・ブルースとでも呼ぶべきサウンドだ。かつて自らを「ローファイ・ファシスト」と称したほどの徹底的な劣化音質への拘り。彼のサウンドが昨今のローファイうんぬんと一線を画しているのは、それが彼の枯れに枯れた情念を表現するのにもっとも適したテクスチャーであるからだ。アカデミックなミュージシャン・バッググラウンドが放つギタースキルゆえに成立するクオンタイズされないループ、そこから生まれる絶妙なグルーヴに歌乗せされるエモーション。アメリカが生んだ今日型のアコースティック・ミュージックのヒーローが故ジャック・ローズ(Jack Rose (RIP))だとするならば、ヨーロッパのそれはイグナッツである。

実際、00年代後半から彼を中核としてベルギーのゲントで育まれたサイケ・フォークロア・シーンがヨーロッパのみならず、USシーンにも飛び火していったことは紛れもない事実なのだが、(僕が事あるごとに名前を出すシルヴェスター・アンファングIIでもブラームはしばしばプレイしている)日本での認知度はとても低い。

LSDマーチ(LSD March)でお馴染みの道下氏のサポートの下おこなわれた08年のイグナッツの軌跡のジャパン・ツアーは、蓋を開けてみれば当時結婚したばかりのブラームとデザイナー/アーティストである妻のジュリーの新婚旅行であったのだけれども、いまでもあの〈UFOクラブ〉で見たショウでの涙が出るほどの感動を忘れることはできない。

当時初めて話すブラームに「普段仕事どーしてんの?」と訊ねたら「してるわけないじゃん」と答えた彼の笑顔と、それに対して「わたしはすっごい頑張ってるのよ!」と言うジュリーの笑顔、ふたつの笑顔が神々しいまでの愛を物語っていたこともここに記しておこう。

え? このレコード? いいに決まってるでしょ。イグナッツのよくない音源なんて聴いたことないよ。

 ぶっちゃけた話、ここ最近レコードをいっさい買っていない。もとい、買えていない。無理矢理トレードさせられたものや、勝手に送られてきて現金報酬をうやむやにされる物品が大半を占めているのだ。

 そもそも金がない。金がないのであればそれなりに働けばよいわけであるが、それなりに働くのはそれなりに大変であり、また僕の言うそれなりは世間一般のそれなりの基準値より遥かに下回っているわけでもあり、とは言え同じような自堕落な生活を続けていた以前はそれなりにレコードも購入していた筈だ。諸悪の根源はユーロラック・シンセサイザーにある。

 今思えば数年程前、M・ゲド・ジェングラス(Sun Araw M.Geddes Gengras & Congos, Akron Family)のヤサであったグリーン・マシーン・スタジオのポーチを寝床にしていたことが事の発端であった。常時2~3バンドを掛け持ちしながらレコーディング/マスタリング・エンジニアとして活動するゲドはLAローカル・シーンに最も愛されている男だ。愛されるがゆえにワケのわからない日本人に家の一角を占領されたり、愛車で事故られたりもする。(僕の生涯ただ一度の自動車事故は彼の車でカマを掘ったことである。幸い大事には至らなかったものの掘られた車から出てきたのが2m近いラティーノのオッチャンだったときは死ぬかと思ったけども)

ゲドの長きに渡る膨大なソロ・ワークの主たるプロジェクトはモジュラー・シンセジスの探求である。僕が出会ったころはすでにユーロラック・フォーマット(ドエプファーのA100シリーズに代表される最もコンパクトな3Uサイズ)に移行していたが、それ以前はフラックラック、MOTM(5U)等の異なる規格を渡り歩いてきたそうだ。日々ジョイントを燻らしながら(ときどきその他も)、延々とパッチングを続ける彼の熱は、ほどなくして僕に飛び火した。昨年ホーリー・マウンテン〈Holy Mountain〉からリリースされたアルバム、テスト・リード〈Test Lead〉は彼の近年のシンセジスにおける集大成と呼べる傑作だ。

 昨今のインディ・シーンにおけるギターからシンセへの大移動と電子工作家たちのユーロラックへのベンチャー・ビジネス大進出、どちらのムーヴメントが先行していたのかは定かではないが、相乗していることに間違いはない。

アイオワの伝説であるサイケデリック・フリークアウト・バンド、ラクーン〈Raccoo-oo-oon〉のメンバーであり、現在はドリップ・ハウス〈Drip House〉として活動するダレン・ホー〈Daren Ho〉がNYで営むシンセ屋兼レコ屋兼アート・スペース、〈コントロール(Control)〉は地元でちょっとした社会現象を起こすほどの盛況ぶりだ。何の番組だか知らないがNHKから「アナログシンセ」のテーマで取材されてりゃ(しかも同番組内でゼノ&オークランダーが機材愛を語っとる!)社会現象と呼んでもいいだろう。

先日、〈コントロール〉でおこなわれたシンセ・ワークショップの模様がアップされていたのを流し見していたところ、見覚えのある長髪長身の男が熱心にプレゼンテーションを聞いている。僕は早速ピート・スワンソン(Pete Swanson)に「お前、行っただろ」と問いただしたところ、「あ、行ったよ。何で知ってんの?」との返答があり、その晩は機材話を延々と繰り広げるハメになった。彼もまたユーロラック・モジュラーの犠牲者のひとりだ。

 なんでこんなナ~ドな内容の戯れ言を散らしているかというと、じつは来る6月30日にスー寺で〈東京モジュラーシンセフェスティバル2013〉なる試みが催される。手前味噌で大変申し訳ないが、僕も〈メイク・ノイズ(Make Noise)〉社のプレゼンやデモを手伝ったり手伝わなかったりする予定だ。ちなみに〈メイク・ノイズ〉は自社が提案する「シャアド・システム」でのみ制作されたトラックを7インチでリリースするというレーベル活動を開始したばかりだ。すでにリチャード・ディヴァインとアレッサンドロ・コルティーニ(ナインインチネイルズ)、そして昨年の〈タイプ(Type)〉からの良作が記憶に新しいロバート・アイキ・オーブリー・ロー(Robert Aiki Aubrey Lowe)が控えている。

まだまだ日本においては認知度の低いこの分野だが、ガジェットがもたらすインディ・ミュージックの新世界を覗いてみてはいかがだろうか?

(倉本諒)


■東京モジュラーシンセフェスティバル2013
■2013年06月30日 (日)
■開場 17:30 / 開演 17:30
■料金 予約2000円 / 当日3000円 (ドリンク別)
モジュラーシンセサイザーの祭典「東京モジュラーシンセフェスティバル2013」を開催!実力者達のパフォーマンスからメーカーブースごとの試奏、実演販売、モジュラーシンセスターターキット抽選会、ドキュメンタリービデオの上映までモジュラーシンセサイザーの魅力を堪能する一夜。アナログエレクトリックの有機的で深遠な音色の美しさを思う存分体感して下さい!

東京モジュラーシンセフェスティバル2013
オフィシャルサイト
https://tfom2013.tumblr.com/

■ライヴ
ROBERT PIOTROWICZ (ポーランド)
BRIAN O-REILLY (アメリカ/シンガポール) & NAOKI NOMOTO duo collaboration
坪口昌恭 (日本)
PNEUMOTHORAX (Scott Jaeger of The Harvestman) (アメリカ)
HATAKEN (日本)
千葉広樹 (日本)
DAVE SKIPPER (イギリス / 日本)
& ETHAN DROWN HURLBURT (アメリカ / 日本)

■デモ実演
PITTSBURGH MODULAR (アメリカ)
THE HARVESTMAN (アメリカ)
HEXINVERTER.NET (カナダ)

■その他
日本初のモジュラーシンセサイザーのメーカーブースごとの試奏、実演販売。
モジュラーシンセスターターキット抽選会(モジュラーシンセを組む為に必要となる電源、ケース、ビスなど。)
モジュラーシンセサイザーのドキュメンタリービデオの上映、音楽を流します。



Sports-koide (SLOWMOTION) - ele-king

DJ 予定

6/15 HOUSE OF LIQUID (LIQUID ROOM)
https://www.liquidroom.net/schedule/20130615/14701/

6/22 SLOWMOTION (神戸 塩屋 旧グッゲンハイム邸)
https://www.nedogu.com/blog/archives/7091

6月からオープンのライブスペース「神保町試聴室」にスタッフとして参加しております!宜しくお願いします!!shicho.org

スローモーションなトラック 2013.6.3


1
Low Res - Amuck - Sublime

2
Paddo - Balkon - Suger

3
Rene Breitbarth - Sphere - Deep Data

4
Ezekiel Honing - Under The Covers Remix By Someone Else - Goosehound

5
Satanic Soul - PPP - Pomelo

6
Lawrence - Rabbit Tube DJ Koze Remix - Mule electronic

7
Archie Pelago - Brown Oxford - Mister Saturday Night

8
Am/Pm - Also - Dreck

9
Roger That - Unknown - Playground

10
Elgato - We Dream Electric - Elgato

DJ FULLTONO - ele-king

 ここ2~3年のダンス・ミュージックにおける最大の衝撃は、シカゴのフットワーク/ジュークだった。この強烈なリズムは、僕のようにクラブに行けなくなった年寄りから、IDカードで通れるギリギリの若い世代にまで届いている。エネルギッシュで、過剰で、創造的で、同時に庶民的でもあるからだろう。そして、あらためて顧みれば、それは新ジャンルというよりも、シカゴ・ハウスという大河の新しい支流だったことに気がつく。歴としたシカゴ・ハウスの子孫だ。昨年のトラックスマンの来日は、そのことを証明した晩だった。
 いまや世界的な広がりを見せているフットワーク/ジュークだが、日本には〈プラネット・ミュー〉がそれをセンセーショナルにパッケージしてリリースするよりずっと前から、シカゴ・ハウスにおけるゲットー・ミュージックの進化を追い続けていた複数のDJがいる。〈BOOTY TUNE〉はレーベルだが、その代表的なポッセのひとつだと言えよう。DJフルトノはレーベルの発起人。トラックスマンの来日のときにDJとして共演している。

 現在は大阪に住んでいるDJフルトノがOUTLOOKフェスでのDJのために上京した5月のある日、僕は彼に会うことができた。ビールを飲みながら話していると、シーンに名を馳せている〈BOOTY TUNE〉の強者たちが続々と現れ......飲みながらの熱いシカゴ・トークを繰り広げるなか、相手を見下すことなく、彼らの知識を惜しみなく分け与えてくれたのであるが、その姿勢の低さというか、居酒屋ノリというか、まっすぐな情熱というか、開かれているところもフットワーク/ジューク、いや、シカゴ・ハウスらしいと思った。

先日の飲み会は楽しかったですね。〈BOOTY TUNE〉のみなさんがあんな風に揃って来るとは思わなかったですが、あらためて、みなさんのシカゴに対するリスペクトを感じました。

DJ FULLTONO:こちらこそ、大変有意義な時間を過ごさせていただきました。深い話になるにつれ、チーマーが電話で仲間呼ぶみたいに、どんどん人数が増えてしまい申し訳ございません......ついみんなを紹介したくなったもんで。

いえいえいえ(笑)。しかも、シカゴ・ハウスの話だけであそこまで長時間話せるっていうのもすごいですよね。で、あのときも話したように、トラックスマンの来日が僕にとってフットワークを考え直す良いきっかけになりました。僕は、わりとシカゴのキワモノ的なところ、エクストリームなところに反応していたのですが、この音楽が、シカゴ・ハウス(ヒップ・ハウスも含む)のアップデートされたものであることをあらためて感じることができました。あれ以来、トラックスマン系のDJラシャドとか好きになってしまい......。

DJ FULLTONO:そうですね。〈プラネット・ミュー〉がフットワークという文脈で紹介した最初のアーティストがDJネイトだったことはご存知だと思うのですが、正直ジューク・ファンからしたら、なんで? って感じでした。無名のネイトがいきなり1EPと4枚組みのアルバムですからねえ。この人はヒップホップもやってて、シーンにはそれほど肩入れしてないような若手です。その次のリリースがDJロック、これまた無名。でもこの人はけっこうベテランで、〈ダンスマニア〉クルーのDJスラゴのレーベルからリリースしてる人でした。このとき、もしかして〈プラネット・ミュー〉はあえて、ラシャドやトラックスマンなんかを外してるのかな? と感じました。ジューク/フットワークにハマるためのストーリーがマイク・パラディナスのなかででき上がってたんじゃないかと。実際のところわからないですけどね。

フルトノ君や〈BOOTY TUNE〉のみなさんは、そういう意味では、まだフットワーク/ジュークが出る前からずっとシカゴ・ハウスを追っていた人たちですよね。そもそも、シカゴとはどうして出会ったのでしょうか? 

DJ FULLTONO:僕は高校のときにテクノに出会ったんです。94年前後ですかね。その頃って、シカゴ・ハウス・リヴァイヴァルがはじまった頃で、テクノ=シカゴと言ってもいいと思うんですよ。僕はジャンルのことなんて全くわからなかったんですが、無意識に耳に入ってたと思います。でもホントにハマッたと言う意味では、やっぱりヴォイス・サンプリング連呼の曲かな。当時、田中フミヤさんが大阪のクラブ・ロケッツで「カオス・ウエスト」というパーティを主催していて、京都からひとりで行って、誰とも喋らず1回も休憩せずにドリンク1杯で朝までひたすら踊ってました。何が楽しいのかわからないんですが、いつかわかると思ってひたすら踊るんです。そしたらあるとき、いきなり人の声が連呼するトラックがフロアに鳴り響いた瞬間、うわー!! ってなって、あのときのフロアの興奮度は凄かったですよ。そのトラックはたぶんDJファンクの「Pump It」だったと思います。何の予備知識も無しであんなもん喰らったら一生抜けられないですよ(笑)。いま一緒に活動してる連中ほとんど似たような経験してるんだと思います。

あの音楽のどんなところに惹かれたのでしょうか?

DJ FULLTONO:それがいくら考えてもわからないんです。シカゴの魅力は言葉で表わしても伝わらない気がして。でも、初めてシカゴ・ハウスの12インチ手に入れて針を落とした瞬間、「これこれ! この音」って思いましたね。なんでしっくり来たのかはわかりません。永遠のテーマですね。でもいまの若い人がジュークを聴いて、「よくわからないけどこれこれ!」って思ってくれたらなんか嬉しいです。

90年代のなかば、グリーン・ヴェルヴェットやDJラッシュなんかが出てきたとき、日本でもシカゴ・ハウスは人気がありましたが、デトロイトやヨーロッパの盤に比べると、手に入りづらかった時期もあったと思います。それでもシカゴ・ハウス/ゲットー・ハウスから離れなかったみなさんのその一途さはどこから来ているのでしょうか?

DJ FULLTONO:ちなみに僕はグリーン・ヴェルヴェットよりもポール・ジョンソン派でした!

ポール・ジョンソンは、シカゴに造詣が深い人はみんな好きですよね。

DJ FULLTONO:日本で手に入りにくかったでしたっけ? 

〈リリーフ〉みたいな人気レーベルはともかく、マイナーなレーベルになると東京ではバロン・レコードぐらいしか扱ってなかったですね。DJゴッドファーザーとか、ああいうのは、バロンでしたね。

DJ FULLTONO:じゃあ、わりと僕はまわりに恵まれてたほうです。90年代半ば、シカゴのゲットー・ハウスをたくさん仕入れてくれてたレコード店は多かったですから。バイヤーさんに感謝したいです。大阪のシスコやソレイユにはお世話になりました。リバーサイドにいたっては、レーベルのリリース番号紙に書いて、「全部オーダーして下さい」って頼んだりしてました。ほとんど入ってきて大変なことになりましたけど(笑)。後にそのリバーサイド京都店のDJイケダさんに誘っていただき、そこでバイトしてました。ゲットー・テックばっかりオーダーしてて、D.J.G.O.が良く買いに来てました。僕が彼の人生を狂わせてしまったんです。
 シカゴ一本でいままでやってきたわけではまったくなくて、逆にけっこう移り気激しい方だと思ってます。最初テクノDJやってたのに、ブレイクコア聴いたりエレクトロニカ聴いたり、ゲットー・テックやエレクトロのDJやったり、いまはジュークやってますからねえ。
 シカゴとかゲットーとかっていうテーマから離れなかった理由は、単純に好きだったのもあるんですけど、紹介してくれるメディアが少なかったからというのもあります。取り上げてくれないんだったら自分らが発信するしかないと思いました。シカゴ好きな人って、みんな何故か使命感みたいなのをどこかに持ってる。頼まれてもいないのに。バカなんですけどね(笑)。自分の場合、自ら情報を発信していこうという気持ちが芽生えたきっかけがあって、実は昔、ele-kingさんでシカゴ・ハウスの特集が組まれたことがあって、そこで、「〈ダンス・マニア〉100番以降は下ネタ連呼のカストラック」と評されたんです。自分が一番好きな部分がそう評されてしまったので、いつか自分がこの100番以降を紹介する立場になりたいという気持ちに火が付きました。野田さんが書いた記事ではないんですが、いま、野田さんがジュークに興味を持たれているということは僕にとって感慨深いものがあります。

しまった、恨みを買ってましたか(笑)。ただ、下ネタ連呼に関しては、英語がわかる人には本当に嫌がる人も少なくないんですよ。ところで、ロン・ハーディのなかにもすでにフットワーク/ジュークの種子があったんでしょうね。

DJ FULLTONO:恨みだなんてとんでもない(笑)。でもやっと言えた、何年越しだろう......。ロン・ハーディもミュージック・ボックスもリアルタイムで体験してないので、もちろん本当のところはわからないんですが、そうかもしれませんね。でもぶっちゃけると、僕あんまりオールド・スクール掘ってなかったんですよね。DJマエサカやDJエイプリルに教えてもらって発見することが多いです。ただ、シカゴ・ハウス・リヴァイヴァルの93年以降のシカゴ・ハウス/ゲットーハウスはアホほど聴きましたし、いまも集めてます。

では、フルトノ君の、フットワーク/ジュークとの出会いについて教えてください。

DJ FULLTONO:ゲットー・ハウスのBPMが年々上がってきて、97年頃からかな? それまで4つ打ちのハウス・ビートだったのが、ローエンドを強調したようなビートにシフトした頃、ジュークという言葉が使われ出しました。2000年代に入ってからシカゴのシーンはデトロイトのゲットー・テックと融合します。2004年にDJゴッドファーザーが〈ジューク・トラックス〉というレーベルをはじめた頃にジュークを意識しはじめました。
 変則的なビート、フットワークに出会ったのは、そのだいぶ後の2009年です。〈ジューク・トラックス〉からリリースされたDJラシャドのアルバム『ジューク・ワークス』を聴いたとき、新しい時代が来たと思いましたね。ハウスの原型をまったく無視した変則ビートだけど、音色や曲構成はあきらかにシカゴ・ハウス。あまりにも唐突な出来事だったんで意味がわかりませんでした。それと同時期かな。僕はその頃SNSのマイスペースでほとんどのゲットー・テック・ジュークのクリエイターと繋がっていたんですが、そのなかのひとり、トラックスマンが、まったく聴いたことのない変則ビートのトラックばかり使ったショート・ミックスを次々にアップしました。鳥肌ものでしたね。トラックスマンのマイスペース・アカウントは、その当時のままネット上に放置されてますんで、いまでもいくつかのミックスは聴くことができますよ。

ほほぉ。

DJ FULLTONO:でも衝撃的な反面、これがクラブで機能するのか? って悩まされましたね。その後シカゴから〈ゲットー・ファイルズ〉ってレーベルができて、DJラシャドをはじめ、聴いたことない名前のアーティストがどんどん出てくるんですが、それらのトラックはしばらくのあいだほとんどクラブでプレイすることはありませんでした。僕以外にもこの手の音を聴いていたDJはいるのかもしれないけど、おそらく現場ではプレイできなかったんじゃないでしょうか。〈プラネット・ミュー〉がそれらの曲をフックアップするまでは。

DJエイプリルなど、〈BOOTY TUNE〉のみなさんとはどうやって知り合って、そして、どうやってそれが〈BOOTY TUNE〉(https://bootytune.com/)へと発展したのでしょうか?

DJ FULLTONO:D.J.G.O.や黒木幸一は結構古くから一緒にいろいろやってたんですが、レーベルに関しては元々は僕ひとりで思い立って2008年に〈BOOTY TUNE〉をはじめました。ロゴ・マークをデザイナーの落合桃子さん(:::STROLL SPACE:::)に作ってもらった以外、運営は僕ひとりでした。その後、D.J.G.O.が僕に曲を20曲くらい送ってきたのをきっかけにトラックメイカーとして参加するようになりました。
 DJエイプリルとは2010年くらいかな。ツイッターを見ていたら、彼が〈ダンス・マニア〉レーベルの音源だけでUstreamをやってて、しかも1曲プレイするごとにその曲をツイートしてたので否が応でも目に付いて、ちょっと話しかけてみたんです。そしたら僕がUstreamで毎週日曜日午後3時からやってた「Booty Tune Ch.」という番組を聴いてくれるようになって、その後、東京で露骨キットさんが主催していた「galaxxxy mixer」という企画に出演した際、遊びに来てくれたのが初対面です。
 その数日後、大阪の地下一階という箱で回した際もわざわざ東京から来てくれました。そのとき、逆さ絵みたいなおっさんの顔がプリントされたTシャツ着てて、これ誰の顔ですか? って聞いたら、「お父さんを探してるんですよ」って言ってた。面白い人だなあと思って自分のいままでの音楽経歴をたくさん話しました。最初はみんな、レーベルを応援してくれる立場って感じだったんですが、気付いたらレーベルの人になってました。みんなでやった方が面白いことになりそうと思って。

シカゴ系をメインにしたDJパーティも大阪や東京で続けていたのですか?

DJ FULLTONO:2005年くらいからだったかな。その頃ってSNSのミクシーがブームで、マニアックな趣味を持つ人たちが繋がりやすくなった時代でした。そこでタカオカさんやDJファミリーと知り合いました。D.J.G.O.が、ゲットー・テックをメインにしたパーティをやろうと言い出したのをきっかけに、「スラムキング」というパーティを大阪でやったことがあります。あと、黒木幸一が東京で「シカゴ・ビーフ」というマニアックなパーティをやっていたみたいです。その頃って、ゲットー・テックがけっこう人気が出た時期でした。タカオカさんやDJファミリーがゲットー・テックのミックスCDをリリースしたり、タカオカさん監修のコンピレーション『ゲットー・ビート・プッシャーズ』も話題になってました。すごくいい刺激をもらいました。

実は功労者がたくさんいるわけですね。ところで、世界的に名の知れた〈プラネット・ミュー〉がフットワーク/ジュークを紹介したことで、いっきにこの音楽は広がりましたが、こうしたある種のブームは、〈BOOTY TUNE〉の活動にフィードバックされていますか?

DJ FULLTONO:もう、完全に恩恵を受けてます(笑)。『バングス&ワークス』の特典ミックスCD(国内オンリー)をやらせていただいたり、文章書かせていただいたり、めちゃくちゃ感謝しています。

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なんか欧米では、(ジュークというより)フットワークと呼ぶことのほうが多いように見受けられますが、どちらの呼称が一般的で、呼び方がふたつあるのは何故でしょうか?

DJ FULLTONO:呼び方はシカゴのアーティストあいだでも異なるくらい実は曖昧なんですが、足を速く動かすダンス「シカゴ・フットワーク」のバトルのために作られたトラックがフットワーク。パーティのために作られたトラックが「ジューク」という風に使い分けているようです。
 でも最近は、フットワークがクラブでプレイされることも多くなってきたので、UKではフットワークと呼ぶのが一般的みたいですね。僕個人としては、フットワークって呼んじゃうとそれまでのジュークと切り離された感じがするので、ジュークでいいんじゃないかなと思います。地方によって呼び方が異なるとか、一般に良くあることですしね。ただ、曲のレヴューとか書くときは使い分けますね。変則的なビートはフットワーク、反復的なビートはジューク。

なるほど、わかりやすい説明ですね。ところで、トラックスマンの来日時の良い話があったら教えてください。

DJ FULLTONO:それより先日のトラックスマンの事件はビックリしましたね。街で強盗に足を撃たれたということだけしかわからないので、本当に世界中のファンが心配してると思います。

そんなことがあったんですか。

DJ FULLTONO:「心配無い、元気だ」とエイプリルのほうには連絡があったみたいですが、心配です。しかし本人はその後も、いつものようにフェイスブックでオススメ音源を紹介し続けてるんです。すごいなあと。
 で、来日時、ホテルが一緒だったんですが、朝に一緒にマクドナルドに行ってハンバーガーふたつ買って、ひとつ店で食べて後はホテルで食べるってすぐに戻ったんです。「ハンバーガーとYoutubeがあればいいんだ」って言ってドアを閉めて、その後もひたすらフェイスブックでYoutubeをシェアし続けてました。シカゴの音楽を世界に紹介するという使命感がハンパないんです。
 パーティ中はパーティ中で学ぶことは多かったです。ほとんど控え室には行かずフロアにいました。東京公演の時はオープンからステージでマイク持ってましたからね(笑)。〈BOOTY TUNE〉のメンバーでゲットー・ハウスをプレイしてると、マイク持ってアーティストをシャウトアウトしてるんですよ。メインゲストが前座のMCもやるという前代未聞の光景でした。大阪では、自分の番が終わったらすぐにうちらの物販スペースに座ってくれて、その後の僕のDJのときもマイクで盛り上げてくれました。帰国後かな、「いますごく疲れてる。でも俺はバッド・ミュージックから世界を守らなければいけないから休んではいられない」ってコメントしてたそうです。熱すぎるでしょ(笑)。

とても良い人なんですね(笑)。僕はあの、クールさを売りしてない、一種のプロ根性にやられたのですが、ああいうリアルな感覚はフルトノ君も共感するところですか?

DJ FULLTONO:僕なんて好きなようにやってるだけですよ(笑)。でもDJはじめたときから心がけてるのは、まだクラブの雰囲気に慣れてないようなアウェイな人たちに衝撃を与えられるようなプレイをしようとつねに心がけてます。

あのとき、お手本にダンスをやっていた日本人の方はどういう人なのでしょうか? あんな風に動けて、羨ましかったです。

DJ FULLTONO:タクヤとウィージーですね。ふたりともシカゴ・フットワークを独学でやってます。あのダンスを取り入れてる人はいままでもダンスの世界にいたと思うんですけど、クラブで本格的に踊ってるのは彼らだけじゃなかと思います。俺の方が上手いって人は現場でどんどん勝負すればいいと思います。あと、そうしないと彼らもしんどいみたいです。フットワークってめちゃくちゃ疲れるんですよ。ふたりともノリがいいもんだから要望あればどんどん踊っちゃって、最後ぐったりしてるという(笑)。

ハハハハ。酒飲んだら無理っすよね。ところで、フットワーク/ジュークは、わりと大ネタのサンプリングを使ってますが、サンプリングはやはりこのジャンルでは重要な要素ですか?

DJ FULLTONO:サンプリングのないトラックものも多いんですが、大ネタ多いですね。大阪のファンクDJのピンチさんが言っておられたんですが、ジュークのいいところは、誰でも知ってる大ネタを使うところ。つまり、マニアのためにやってる音楽じゃないってことだと。僕は音楽を広く聴いてないのでほとんど元ネタわかってないんですが、DJ終わってお客さんに、「○○ネタ最高でしたよ!」とか良く言われるんで、なるほど有名なネタなんだなと気付かされます。

黒人音楽の大ネタを使うのは、それがブラック・コミュニティで生まれたものだからでしょうかね?

DJ FULLTONO:その辺は逆に野田さんに手ほどきいただきたいですわ(笑)。

デトロイトのゲットー・パティで、DJがマイケル・ジャクソンの「ビリー・ジーン」を高速でミックスしているのを見たとき、この音楽は本当に大衆音楽なんだなと思いました。踊っていた人たちも、子供から中年まで、幅広い世代にまたがってましたね。庶民的な音楽ですよね。おばさんから若い子まで行くような、チリ紙売ってるような雑貨屋で売っているミックスCDがその手のものでしたから。〈BOOTY TUNE〉では、日本におけるこの音楽の広がりについてはどう考えていますか?

DJ FULLTONO:そうですね。最近ネットで、ジュークが盛り上がってると良く耳にするんですが、あれはツイッター上だけの話であって、まだまだ少数派だと思うんです。現に僕は毎日自転車でアメ村を通るんですけど、服屋からジュークが聴こえて来たこと一度も無いですよ。そのくらいまだ認知されてないんです。情報が先行しすぎちゃったのかな。これから面白くなるんですが......。卑屈な意味で言ってるんじゃないです。それくらいいろんな人に聴いて欲しいと思ってるんです。いかに普通に耳に入ってくるかがこれからの課題。そのためにはもっと現場でプレイし続けて広げていかないと。
 いまジュークが好きでDJやライヴやってる人は、まわりで自分だけしかやってないとか、この客層では無理とか、なるべくそういうコンプレックス捨てて、この音楽の力を信じて、自分が描く最高のプレイをして欲しいです。オファーが来なければ家で磨いて準備してればいい。もしくはパーティはじめちゃえばいいと思う。時間は掛かるけど自分はそれが大事だと思ってます。ファッションやポップ・ミュージックの源流を辿ればクラブから生まれてたってこと多いですよね。クラブであんまり聴けないのに上辺だけのシーン作ったって薄っぺらいのはすぐリスナーにバレます。そんなものすぐ終わっちゃう。クラブからいろんな場所に繋がっていくって流れが自然だと思う。いろんなやり方があるんだろうけど、僕にはそれしかできません。

いま、日本で起きている面白いことがあれば、ぜひ教えてください。

DJ FULLTONO:世界で起きていることになるのかもしれませんが、最近海外のメディアが日本のシーンを紹介してくれるケースが多くなってきました。UKのリンスFMでIGカルチャーが日本のジュークをメインに紹介する放送があったり、アメリカの音楽メディア『The FADER』が「Japanese Juke」ってタグ作って、日本のアーティストを立て続けに紹介してくれたり、海外のフォロアーも少しづつ増えてきました。逆輸入で日本に広まるということが起これば楽しそうですね。

〈BOOTY TUNE〉はレーベルですが、やはり、フットワーク/ジュークというジャンルにこだわってのリリースを考えていますか? それとも、もっと幅広く考えているんでしょうか?

DJ FULLTONO:基本〈BOOTY TUNE〉は、僕が使いたいと思うものしかリリースしません。なのでおのずとジューク/フットワーク、ゲットー・テックといった音になります。自分のレーベルでリリースしたものを僕がプロモーターとなって現場でプレイするという構図です。小さいレーベルってそれでいいと思うんです。でも、EPで出すなら1曲くらい遊んでもいいかなと思うので、エレクトロとかゲットー・ハウスとか、何やってくるかわからない感じでも面白いですね。

先ほどの話にも出ましたが、インターネットがあることで、現在は日本のシーンが海外と繋がりやすくなっています。〈BOOTY TUNE〉が受けているネットの恩恵について話して下さい。

DJ FULLTONO:マイスペースで海外のアーティストと繋がれたことは大きいです。いまはマイスペースはゴーストタウン化しちゃってますが、フェイスブックで毎日世界のクリエイターと情報交換してます。翻訳ソフトが手放せません。昔は〈ダンス・マニア〉の盤面の少ない情報でしか知り得なかった謎の人たちと普通にスラング用語ばっかでコミュニケーションが取れてるっていうことはホントにネット様々です。
 一方、距離が縮まり過ぎて厄介なこともあります。シカゴの面白エピソードをネットにうかつに書けなくなくなってしまったことです。翻訳ソフト使ってる人もいますからねえ。直訳されたら茶化してるようにしか見えませんので。でも、こう言うと汚く聞こえるかもしれないんですが、シカゴのアーティストが日本人に対してこれほどウェルカムなのは、日本人がちゃんと金を払うからだと思います。そうじゃない人もいるけど、基本ビジネス・パートナーなんです。そこが他の国の人たちとシカゴの違うところ。でもそうあるべきだと思います。paypalで金送って新曲と交換。今週末パーティがあるから、いいのあったらすぐに送ってくれ! とか、とくにヤバイ曲があればリリースしようかって取り引きが結構日常的になってきました。手法は違えど昔からそういう感じだったのかなあと思ったりします。ネットがそれほど普及していなかった時代、日本の〈サブ・ヴォイス〉とかテクノのレーベルがシカゴのアーティストと密接に繋がっていたことは相当な労力と愛情があってのことだったんだろうなあと。比べることもおこがましいですが、ホントに頭が下がる思いです。

お下品なところとお上品なところとの両方がシカゴ・ハウスにはありますが、フットワーク/ジュークにも同様なことを思いました。ある意味では、お下品なところはわりと取り入れやすいと思います。しかし、あのエレガントさはなかなか出せるものではないと思います。日本では、お下品なところは拡大再生産しやすいんじゃないかと思っているのですが、そうしたバランス感覚についてはどう思われますか? 僕は、トラックスマンのバランス感覚の良いところに惚れたのですが......。

DJ FULLTONO:いやー、お下品な部分ですらなかなか真似できないです(笑)。最近広島のCRZKNY(クレイジーケニー)が、「ジュークは誰でも作れる」と良く言ってるんですが、ホントにその通りなんです。誰でも作れる。けどシカゴのフィーリングを出すのは難しいんです。日本のイメージとして、シカゴの人はドラムマシン適当に叩いて作った。みたいなのが昔から定番となっていますが、それは手法だけの話であって、聴けば聴くほどめちゃくちゃ拘っていることに気付かされます。音の良さとかそういうことではなく、ダンスそのものへの拘りです。
 フットワークで言えば、スネアの場所、タイミング、展開が変わるときの変化の具合。ベースはひとつの種類じゃなくて2種類3種類使う。見過ごしがちな細かい変化が随所に施されてるんです。トラックスマン、ラシャドあたりは本当に完璧だなあと感心します。RPブウに関しては、本当に頭のいい人なんだなあと聴けば聴くほど思います。わざとベタな打ち込みをして、そのビートを騙す為にオトリを挿入してきますから。この表現、全然伝わらへん(笑)。まあアルバム買ってみてください。

わかりました。フルトノ君のソロ・アルバムの予定はまだないのでしょうか? 待っているファンも多いかと思いますが......。

DJ FULLTONO:次に自分がリリースするものがリスナーの想定範囲内の音ではダメだと思っているので、実はここ1年くらい、作っては捨てるの繰り返しでした。自分の頭のなかで鳴っているビートを表現することができなかったんです。それがここ最近、いろんな所でプレイさせてもらったおかげで少しづつ表現できるようになってきたんです。自分で現場でプレイしてみて、コレだというものが揃ったタイミングでリリースできればと思ってます。おそらくまったく色気の無いトラック集になると思います。お店がそれを扱ってくれるのかという問題がありますが。

大丈夫でしょう(笑)。最後にフルトノ君の今後の予定、〈BOOTY TUNE〉の活動の予定などを教えてください。

DJ FULLTONO:間もなくデジタル配信でリリースされる、京都のアーティスト、グニョンピックスのEPはなかなかの力作なので是非聴いて欲しいです。彼の作品はとくに海外からのリアクションがすごくいいんです。あと近況では、7月にシカゴの若手プロデューサー、K.ロックのアルバムをCDでリリースします。これも最高。その他にもリリース予定はたくさんありますのでご期待ください。
 レーベル主催パーティはまだ予定はありませんが、いずれ東京でやりたいと思ってます。まだ企画段階ですが、大阪で、ケイタ・カワカミ君とパーティをはじめるかもしれません(言ってしまったのでもうはじめないといけませんね)。あと、8月31日に〈BOOTY TUNE〉クルーが初めて仙台に遠征します。他、大阪、京都、神戸、東京などでやってますんで、bootytune.com のスケジュールをチェックしてください。

ありがとうございました。また飲みに行きましょう。最後にフルトノ君のオールタイム・ベスト10枚を教えてください。

01) ALL RELEASE (DANCE MANIA & RELIEF)
02) KRAFTWERK / ROBOTS(91'ver.)
03) JEFF MILLS / PURPOSE MAKER 1 (PURPOSE MAKER)
04) JOEY BELTRAM / START IT UP (TRAX)
05) RED PLANET 7 
06) DJ HYPERACTIVE / LOCOMOTIVE (CONTACT)
07) DJ FUNK / KNOCK KNOCK (COSMIC)
08) DJ ASSAULT / ASS-N-TITTIE (ELECTRO FUNK)
09) LEGOWELT/ FIZZCARALDO (BUNKER)
10) DJ RASHAD / BETTA MY SPACE (JUKE TRAX)

Sean Nicholas Savage - ele-king

 中古屋でシンプリー・レッドとかザ・ブルー・ナイルとか、スタイル・カウンシル、レベル42、エヴリシング・バット・ザ・ガール......などなどがかたまって収まっている箱があれば、このアルバムが紛れていてもおかしくない。ざくざくと漁っていたあなたはふと手を止めて、これなんだっけ? と記憶を探りながら試聴に向かうかもしれないし、3秒ほど見て戻すかもしれないし、100円だから(あり得ることだ)衝動買いをするかもしれない。きっと同じ持ち主が売ったのだろうし、このジャケだし、埋もれていたシンセ・ポップやブルー・アイド・ソウルの良盤という可能性もある、と。

 さて、買って帰って針を落として、あなたははじめて検索窓に彼の名前を打ち込むことになる。そして2013年の作品だと知って驚くのだ。そのまま疑うことなく再度塩ビに収める人もいるかもしれない。インターネットがなければ、確実にこの『アザー・ライフ』は時の狭間で迷子になる。

 よく聴けばリヴァーブには2010年前後から現在につづくモードが感じられる。録音にだってきっと差があるのだろう。しかしナイト・ジュエルや〈イタリアンズ・ドゥー・イット・ベター〉、アリエル・ピンク、〈メキシカン・サマー〉、〈ソフトウェア〉、〈ノット・ノット・ファン〉等々、ここ数年の北米インディ・マップに浮かび上がる、ミステリアスなシンセ・ポップ・リンクに連なるようでいて、そこからこぼれ落ち掻き消えようとするような佇まいもある。中古屋でそっとしておいてくれてもよかったのに。次来たときはきっと必ずどこかに消えてもう2度とあなたの目に触れることはないのに......とでも言っているよう。マック・デマルコに比較されたりしているのはとてもよく理解できる。彼、サヴェージの音楽にもどこか拭いがたく通常の生の世界からの疎外感があり、切ないデカダンス(語義矛盾だけれども)がある。一聴したところは甘やかでソツがないようにも聴こえるが、境界を生きる人間の痕のようなものが音にもジャケットのフォトグラフにもくっきりと残されている。

 リリースはグライムスを筆頭にブルー・ハワイやドルドラムス、ブレイズなどを擁するカナダの〈アルバタス〉から。以前にグライムスにインタヴューした際のニュアンスから推して、おそらくは地元のD.I.Yなアート・コミュニティという雰囲気なのだろう。グライムスの活躍とともに世界的な関心を集めるようになったレーベルだ。サヴェージはその創設時から関わっていて、これまでの作品もすべて〈アルバタス〉から発表するなど、この界隈になくてはならない存在のようである。それでいてこれまで真っ先に注目されるということがなかったわけだが、ひたむきな支持に支えられ、本作も海を超えて各誌に取り上げられることになった。『NME』の「アリエル・ブルー」という表現は「ピンク」との対照をコミカルに言い当てているが、アリエル・ピンクのスキゾフレニックな感覚が生への意志を強く宿しているのに対し、サヴェージのブルーはずっと整理されたスマートさと様式性を持ちつつ生の困難さを際どくえぐっているように感じられる。

 ユーチューブでも聴くことのできる"モア・ザン・アイ・ラヴ・マイセルフ"が気になったら購入して間違いはない。CDの音源だけからはすんなりと伝わらないが、カラオケ状態で熱唱するライヴ映像は、タイプは異なれどハウ・トゥ・ドレス・ウェルに重なる。あまりの熱烈さは少し滑稽にも映り、観客は喝采を浴びせる。だがこの喝采には畏敬や親しみも十分こめられている。丸腰でステージに立ち、観るものに自分のなかのいのち(もうそう多くは残っていない)をすべて与えようとするようなたたずまいには、虚無とともに、それとせめぎ合う愛の過剰さが感じられるだろう。すでに彼へのトリビュート・アルバムまで存在しているのはそういうことだ。ダニエル・ジョンストンが人を惹き寄せるように、彼の立つ境界地点へとわれわれの耳はそばだてられる。ポップスが持つ、ギリギリに危険な力が宿る怪作だ。

カタコト - ele-king

 楽しくて、ダンサブルで、爆弾みたいなカタコトのライヴを見たとき、「これはトラブル・ファンクの再来か」と思ったが、しかし、カタコトのカセットテープ「今夜は墓場でヒップホップ」や配信のみのEP「MARYOKU EP」を聴くと、「これはビースティー・ボーイズの『チェック・ユア・ヘッド』だ」と思った。ラップあり、ローファイ・ロックあり、ファンクあり、パンクあり、弾き語りあり、涙も笑いもなんでもあり、彼女が言うように、「これは玩具箱」ではないか。
 カタコトには、すでに"まだ夏じゃない"という秋を歌った名曲があり、"魔力"という『楽しい夕に』の頃のRCサクセションのようなアシッドな名曲があり、"GET LUNCH"という腹が減る歌がある。たとえ惑星が地球に衝突しようと、カタコトこそ、今年の日本のブラテストホープ、ナンバー・ワンであることは間違いない。
 なお、メンバーは、 RESQUE D(MC)、MARUCOM(Guitar)、YANOSHIT(MC)、K.K.C(Bass)、FISH EYE(Drum)という謎の5人。蟹が大好物で、動物とも仲が良く、事情通によれば、メンバーのうちのふたりは快速東京といういま人気沸騰中のバンドでも演奏しているらしい。また、絵を描くのが得意なメンバーがひとりいて、彼はかつてPSGのPVを作ったとか。
 とりあえず、ele-kingでは、カタコトの詳細がまたわかり次第、お知らせしよう。

https://www.katakoto.info/

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