「Nothing」と一致するもの

medical (裏専家 / opposite) - ele-king

DJ HI-GO、ERAらとの超長時間Ustream「WAVE TRAIN」、不定期で「opposite」をG.E.Nとともに主催。ファッションショーの音楽セレクトなどでも独自の何かを展開中。

4/12にWang-GungくんとThe Overdriveというパーティーをします。
ゲストDJは異色の組み合わせのKEIHINさんと森本晃司さん。
この化学反応を目撃しつつ、夜を踊り明かしましょう!是非遊びに来てください。

3/22(sat) opposite at 神宮前bonobo
4/6(sun) unknown at 神宮前bonobo
4/12(sat) The Overdrive at 神宮前bonobo

WAVE TRAIN | Twitter | FaceBook

夜、10曲 2014/3/16


1
Tool - Reflection - Volcano Entertainment

2
Lukas Rube - Méduse - SVS Records

3
Meat Beat Manifesto - Token Words - Metropolis Records

4
David Lynch - I Know (Skream's Not So Ravey Remix) - Sunday Beat Recordings

5
Millimetric - Extrapoler Le Passe - Statik Rek

6
Amon Tobin - Kitchen Sink (Clark Remix) - Ninja Tune

7
Derek Marin - Cut The Line (Jeff Milligan Remix) - Thoughtless Music

8
Morgaŭa Quartet - Set The Controls For The Heart Of The Sun - 日本コロムビア

9
Lex Gorrie - Mission Pigeon - Illegal Alien Records

10
DJ Sodeyama - Space Sand - Bass Works Recording

 以前にも伝えましたが、3月22日(土)は代官山UNIT、UKから多種多様なビートに載せて、レコードとTシャツなどなど手を変え品を変え、視覚/聴覚(物欲?)に訴える謎多き男、ウィル・バンクヘッド(THE TRILOGY TAPES、通称TTT主宰)が1年振りに東京に来ます。このパーティに共振するのは、我らがSk8ightTing率いるC.E。ドリーミーなこの組合せ、C.E.のディレクターであるTOBY FELTWELLの経歴を知っていれば合点がいくかもです(詳しくは紙エレキングvol.11号の特集をチェック)。

 なお、パーティ当日には会場限定で格好いいTシャツが発売される模様です。最近のWiFiタイプな現代社会では、なおさらパーティの重要性を感じているのはあなただけでありません。なんとか、みんな、今日を楽しみながら生きています。3/22(土)はKASSEM MOSSE(ハウスのファンは無茶注目している)も来日。本日水曜日は、DOMMUNEにて21時からKASSEM MOSSEのパフォーマンスも披露されます。こちらも是非チェック頂きたいです。https://www.dommune.com/reserve/2014/0319/

Francisco López - ele-king

 フランシスコ・ロペスの作品集が〈ライン〉からリリースされた。1993年から2013年までの20年間に制作された計7時間(!)におよぶ音源データを収録したDVDデータ作品である(データはWAV/44kHz/16-bitで収録)。ディスク1枚組であるが、通常のCDにすれば約7枚分ということになる。まさにボックス・セット並みの容量といえよう。

 このフランシスコ・ロペスのクロニクル的な作品集を〈ライン〉がリリースしたという事実は、ロペスにとっても、〈ライン〉というレーベルにとっても、そしてわたしたちリスナーにとっても非常に大きな意味を持つ。〈ライン〉とは、サウンド・アーティストのリチャード・シャルティエが主宰するレーベルである。かつてロウワーケース・サウンドと呼ばれもした一連のミニマム・サウンドを牽引するなど(ポスト)デジタル・ミュージック・シーンにおいて重要な存在(現在はその種のサウンドにとどまらない幅広い作品のリリースを続けている)。「ほとんど聴こえない音から聴覚環境の再定義」を推進してきたこのレーベルにとって、オリジネーターの一人ともいえるロペスとの邂逅は必然であったはずで、それゆえ〈ライン〉は、「われわれのリスニング概念に多大な影響を与えたアーティストの作品をリリースしたことに非常に満足している」と公式サイトに書きつけたのだろう。そして、わたしたちにとっても、このディスクに収録されたサウンドに耳を澄ますことは、自身の「聴くこと」のパースペクティヴに対して、「聴こえないこと」を思考する貴重な(=批評的な)体験である。「聴こえない」ことは「聴くこと」なのかという問いは、ロウワーケース以降も重要な問いとしていまだ存在しているのだから。

 ロペスの作品には、フィールド・レコーディングされたサウンドをそのまま用いたドローン的な楽曲と、ほとんど聴こえない静謐な音響というタイプがある。そして、より重要と思われるのは後者である。前者にはミュージック・コンクレートの現代的解釈という側面があり、はっきりとしたドローンとしての聴きやすさがあるが、前者のサウンドは聴覚として認知できるギリギリのラインで生成している。そこに極限の批評性があるように思えるのだ。

 かつてロペスは、ライヴにおいて観客の周りをスピーカーで囲み、黒い布で目隠しをすることで視覚を剥奪し、音への距離や想像力を観客の側に近くへと引き寄せようとしていた。それはほとんど聴こえない音に対して聴覚を開くという意味もあったはずで、「見えない/聴こえない」の間から、「聴くこと」を浮上させる過激な試みであった。いってみれば、「見えない/聴こえない」というふたつの否定的な状況を設定することで、そこから本当の「聴く」という環境を生み出そうとしていたのだろう。そのために視覚を一時的に剥奪する。それがすなわち「聴くこと」への、より緻密で繊細な聴取体験に繋がるのだ。

 その意味では、たとえば、視覚に対して過剰に高解像度データを注入し、同時に音も高解像度にマキシムであろうとする(近年の)池田亮司の作品と対になっているとはいえないか。それゆえ両者はほとんど同じ地点からモノゴトをはじめているようにすら思えるのだ。それは「聴こえない/見えない」という地点からのスタートとでもいうべきか。

 池田亮司の作品は、すべてが高解像度に見えすぎる/聴こえすぎるがゆえに、ほとんど見えていない/聴こえていない状況を生み出してしまう。それは聴き手・観客に対して、限界ともいえる視聴覚情報を浴びさせることで、観客の判断を停止させるほどの体験の生成を意味する。マキシマムな高解像度の情報摂取ゆえの判断停止。過剰なゼロの状況の創出。彼のインスタレーションや音楽作品がときに「戦争」的な比喩を想起させるのもたぶん、そのせいであろう。また、その「崇高」な作品群はときにファシズム的美学へと接近する危険な魅惑に隣接している。まさに作品自体が情報と戦争の20世紀と化していくのだ。

 対してロペスは、ほとんどゼロに近い状況からスタートし、観客の知覚をゼロの中にある微かな響きの地点を知覚させるようにする。そこにおいて美学は徹底的に剥ぎ取られ、見えない/聴こえない状況の中で、音環境の残存のような微かなものだけが存在することになる。視覚を奪われたわたしたちの耳はその残存の震えをより敏感に察知するだろう。音の微かな震えを感じること。池田とは正反対の方法論を駆使しつつ、限りなくゼロに近い音響空間を創出する。それは美学を放棄した音響芸術である。しかし、その放棄のむこうに、ギリギリの状況で生成する「瀕死の音楽」のようなものが立ち現れていくのだ。いわば零度のエクリチュールのような音楽/音響。

 事実、このDVDに収録された音源データを聴きつづけると、わたしたちの耳は限りなく研ぎ澄まされていく。とくに注目したいトラックが本ディスクの末尾に収録されている2013年作の2作品だ。ひとつは18分の“アンタイトルド#309”。もうひとつは3時間におよぶロング・トラック“アンタイトルド#313 ”である。3時間の“313”は徹底的な微音量トラック。ほとんど聴こえない瞬間すらある。それは「聴く」という行為を必然的に対象化してしまうだろう。「聴こえないこと」に遭遇する体験とでもいおうか。そもそも3時間もの間、この音の連なりを集中して聴くことなど不可能に近いはず。わたしの場合は家にいる時間、その空間に、ただ流していた。その間、さまざまな生活音に混じって不意に音が聴こえるときもある、といった程度の聴取状況であった。

 だが、それゆえ時折、聴取の遠近感が変わってしまう瞬間があった。超絶的にミニマムな響きが、さまざまな生活音の中で、不意に浮上してしまうとでもいうべきか。それは「聴こえていない」時間の中に、「聴こえる」という体験が不意に侵入してしまうような感覚でもあった。世界と音とわたくしの関係性の遠近法が崩れ、再構成される聴取体験。かつてロペスが目隠しで生み出したライヴ環境とはまったく正反対の環境・状況でもあるのだが、同時に、聴こえない音が不意に傍に来るという意味では共通する体験、ともいえるだろう。

 18分のトラック“309”はヘッドフォンで集中して聴いた。このトラックもまたほとんど聴こえない瞬間がある。だが、ヘッドフォンで聴くと、耳と耳の内側そのものが快楽的に震えるのだ。そんな震動をたしかに感じることができるのだ。わたしは、その震動を「音楽」とすらはっきりと認識するだろう。震動による音楽的快楽の生成。ロペスの作品は、そのような弱い音であり、同時に、接触的な震動という強烈な音楽(そう、音楽!)を獲得している。零度の音楽/音響。

 この一枚のDVDディスクには、そんなロペスの20年に及ぶ思考と実践が圧縮されている。この計7時間におよぶ音を摂取=聴取すること。聴き手は、そこから音/響の実験・実践の新たなパースペクティヴを思考/獲得することになる。その意味で、このディスクは、サウンド・アートの物質化である。そしてデータという意味ではサウンド・アートの流動化でもあるのだ。この音たちは、世界の音の群れとミックスされるだろう。そうしてロペスの実験と実践は、世界に向けて開かれていくのだ。弱い音によって生まれる音の極限。そんな環境・状況に向けて、思考と耳を大きく、自由に拓くこと。そう、まさに「聴くこと」をめぐる豊穣な思考の誘発がここにある。

Metronomy - ele-king

 『snoozer』が2008年のベスト・アルバムに選んだ名盤『ナイト・アウト』。みんなエッとびっくりしましたが、『NME』の年間ベスト第6位でもありましたし、それほど間違ってはいなかったですよね。こんな思い切ったことをやってくれる雑誌がなくなったのは残念です。
 『ナイト・アウト』の頃のメトロノミーは機材オタクの宅録野郎という感じがしていたんですが、次のアルバム『イングリッシュ・リヴィエラ』は、イギリスに井上陽水が必要なのかというAORなアルバムでびっくりしました。
 僕は、彼らは『ナイト・アウト』のジャケットのように、ロスの夜景じゃない、イギリスの何もない夜景をバックにして、親父のクソしょうもない安いフォードから流れるイギリスのダンス・ミュージック──これが俺たちのR&Bでありヒップホップだというアルバムを作っていくのだと思っていました。
 それはまさにプレ・パンク。ブライアン・イーノらがクラウト・ロックにハマって、新しい音楽を作ろうとしていた頃とリンクするような、イギリスの新しいダンス・ミュージックであって、『snoozer』が年間ベストに選ぶにふさわしいアルバムでした。
 『ラヴ・レターズ』は『イングリッシュ・リヴィエラ』をすこしパンク前夜の方向に修正してくれたアルバムです。人によってはビーチ・ボーイズだと言うんでしょうけど、何でもかんでもビーチーボーイズと言うな。

 ダフト・パンクのアルバムがすごいと言っている人にお薦め。メロウで最高です。80年代に〈ファクトリー〉の連中がやろうとしていたイギリスのソウルをうまくやってます。リズムマシンの使い方がうまい。曲もいい。女性メンバーのアンナ・プリオールのヴォーカルもいい。
 このあたりの音って、完全にアメリカのアーティストやバンドに負けている感じがしたのですが、唯一メトロノミーは勝っていますよね。そういうところに気づいているのかどうか、『ピッチフォーク』の点数はなかなか辛いです。何でやねん、です。
 この点数の低さは、彼らが目指している音がどこでもない場所だからなのかもしれません。いまのアメリカのアーティストは自分たちの音を探していますから。『ナイトアウト』のジャケ写について、さっきイギリス的って書きましたが、あんな光景はイギリスにはないんですよね。ピータパンが降りてきそうな感じです。『イングリッシュ・リヴィエラ』というタイトルにしても、そんなもんないよと誰からもツッコまれるでしょう。メトロノミーの音は、俺を/わたしをどこかに連れていって、という音なんですよね。そして、どこにもいけないと気づいている音、だから、メトロノミーの音はリアルでメロウなんです。これが彼らの魅力です。どこかに行けるなんて幻想を抱いていない。どこにも行けないよ。アメリカ人というのは、サイバー・パンクでどこにも行けないと気づいた人たちなのに、なぜまだ行けると思っているんでしょうね。ジェレネーション・Xへの反発なのかもしれませんが。しかし、そうやってもがくのも仕方がないことかもしれません。メトロノミーを聴いていたらそんなことを思ってしまいます。どこにもいけないなら、おもしろい機材でいい曲でも作っていようよという感じ。僕は10点をつけます。

Moebius Neumeier Engler - ele-king

 90年代のテクノ・ブームに再発見されるまでは一部のジャーマン・プログレ〜ニューウェイヴ好きを除いて、知る人ぞ知る存在であったジャーマン・エレクトロニクスの至宝『ゼロ・セット』(1983年)。クラスターのディーター・メビウス、そのクラスターの産みの親ともいえるプロデューサーのコニー・プランク、そしてグルグルのドラマーであるマニ・ノイマイヤーによる、ビキビキの電子音とキレキレのリズムがギリギリまで走り抜ける早すぎた人力テクノにして、いまやみんなが憧れるプレ・テクノの古典中の古典である。 
 そんな彼らが90年代の再評価に気を良くして……なんてことは彼らにかぎってあり得るはずもないのだが、96年にリリースし、今回ジャケットも新たに〈Bureau B〉からリイシューされたメビウス、ノイマイヤー、エングラー名義の作品が『アザー・プレイセス』である。いやはや。これが『ゼロ・セット』に負けず劣らぬじつにパンクなエレクトロニクスを炸裂させるのだからたまらない。87年に他界したコニー・プランクにかわってメール〜ディー・クルップスの鋼鉄王ユルゲン・エングラーをギターとシンセに加えたエクスペリメンタルお遊戯。お馴染みの図太いシーケンス、ビュンビュン飛び回る電子音、そして立体的でいつになくダビーなリズムに動物の鳴き声やアフリカ古来の民族楽器ムビラ(親指ピアノ)を想起させる演奏など、4日間に渡るルール無用のコズミック・セッションはオーヴァーダブなしの一発録り。頭のてっぺんからつま先まで異様なテンションに包まれつつも、かといって肩の凝らないユーモアがそこかしこに見てとれて聴いてとれる。そう、それはまるで幼児の疑問のように突発的でラディカルで、我々の耳の内側にこびりついたつまらない常識をぺりぺりと引っぱがしてくれて、すこぶる気持ちよく愉快である。

 そして、2014年。何の前ぶれもなく18年ぶりにメビウス、ノイマイヤー、エングラーの新作『アナザー・アザー・プレイセス』がリリースされた。これにはびっくり! Phewと小林エリカによるユニット=プロジェクト・アンダーク『ラジウム・ガールズ2011』の音楽を担当したり、アスムス・ティーチェンスとのコラボ作『メビウス+ティーチェンス』(2012年)をリリースしたり、さらにジム・オルークとのデュオやプロジェクト・アンダークのライヴのために来日するなど、ここ最近のメビウスの素晴らしい仕事ぶりは追っていたのだが、やはりこのトリオとなると特別である。18年の空白なんて何のその。原始宇宙で繰り広げられるナイス老人たち(メビウスとノイマイヤーは70代!)のセッションは時空をひょいと飛び超え、過去の音ではなくいまの音で未来を描き出す。う〜ん、変わらない。音とリズムがよろよろと蛇行しながらひたすら脱線を繰り返すという珍異な音体験なのに耳にしっくり馴染むこの感覚。まったく変わらない。
 ノイマイヤーの野蛮で無重力なくせにおもむろにピントを合わせてくる唯一無二なリズム。その上で自由に遊び回るメビウスのエレクトロニクスはますます鋭さと可笑しさを増し、こちらの思考をぐるぐるかき回す。そして、エングラーのトランシーなギターが多分に登場するところも聴きどころ。さらに、酔っ払いの鼻歌のごとく湯船につかってハラヒレホロハレ状態のヴォーカル(エングラーのトーキングボックスかな?)も飛び出したりと、もう収拾不可能。もはや誰にも手がつけられず、かき回された思考が停止する瞬間もしばしば。
 
 次はあるのかないのか。そんなことはどうでもいい。洗練とは対極のはるか彼方から鳴らされる意味も理由もないこの音楽を楽しめばいい。しかし、あらためてこの3人が集まると音の端々は激しくトンガリまくっているのにどこにも角が立たないのだから、まったく不思議以上に不思議である。

INNA (LifeForce / mixer) - ele-king

今年はLife Force21周年、mixer10周年ですのでいろいろおもしろいパーティを企画しています。
3/29には初来日のLivity SoundのAsusuを迎えて、原宿のスタジオ会場、2フロア、Asadaサウンド、Mixerのインスタレーション空間でスペシャルなパーティがあります。ぜひ遊びにきてください。

3/29 Life Force "Flower War"
@Sad Cafe Studio Harajuku
DJ: Asusu(Livity Sound from Bristol),
Shhhhh, MaNA, Inna, Cossato, pAradice, Ginji
more info- https://lifeforce.jp

inna soundcloud- https://soundcloud.com/innamixer

Inna "On Repeat" Feb2014 Chart


1
Hazylujah - How Can You Hide From What Never Goes Away - Meda Fury
https://soundcloud.com/meda-fury/sets/hazylujah-how-can-you-hide

2
Charles Cohen - The Middle Distance - Morphine Records
https://soundcloud.com/experimedia/charles-cohen-the-middle

3
Archie Pelago - Lakeside Obelisk - Archie Pelago Music
https://soundcloud.com/archiepelago/ap003-archie-pelago-lakeside

4
Vtgnike - Dubna - Other People
https://soundcloud.com/experimedia/vtgnike-dubna-shop-excerpts

5
Georgia - Like Comment - Meakusma
https://meakusma.bandcamp.com/album/like-comment

6
Joakim & Bambounou - Fructose EP - Sound Pellegrino
https://soundcloud.com/soundpellegrino/sets/joakim-bambounou-fructose-ep

7
SH2000 - Untitled Works - Volking Music
https://volking.biz/

8
Co La - Soft Power Memento - Hands In The Dark
https://soundcloud.com/experimedia/co-la-soft-power-memento-album

9
Rachael / DJ Sotofett - Okada/So-Phat Riddimix Is Junglized - Hotline Recordings
https://www.youtube.com/watch?v=nC1wPnZgtUI

10
Chapelier Fou - Protest (Dimlite's re-ça va pas Remix) - Ici D’ailleurs Records
https://soundcloud.com/dimlite/protest-remix

11
Metome - Objet - Schist
https://metome.bandcamp.com/album/objet

蓮沼執太 - ele-king


蓮沼執太フィル
時が奏でる

B.J.L. AWDR/LR2 蓮沼執太フィル vinylsoyuz

Tower HMV Amazon iTunes

 「今日は取材、兼、指揮者ということでよろしくお願いします」。
 わたしに向けた蓮沼執太の一言があまりにも衝撃的だったために、あやうく上りのエスカレーターを一目散に下るところだった。もちろん絶対に違うとはわかっていながら、頭の中には、ポンコツ指揮者のためにせっかくの曲がめちゃめちゃになり、猛烈なブーイングを浴び、舞台のど真ん中で恥も外聞も忘れて号泣するわたしの姿があった。反射的に浮かんでくる被害妄想を振り払ったはいいものの、いい意味でもわるい意味でもこんなに動悸が止まらない開演までの待ち時間はない。被害妄想が正しくないとして、そうじゃない指揮者っていったい?
 だんだん事情が飲みこめてくる。わたしのまわりには同様に橙色の当日パンフレットをわけもわからず持たされ、蓮沼執太から同様の宣告を受けたであろうひとたちが、不安そうに立ち尽くしている。ある者はキョロキョロとあたりをみまわし、ある者は当日パンフレットを凝視してなんらかのヒントを得ようとし、ある者は「ごめん指揮者になったから待ち合わせ時間まにあわない」「は?」「いやだから指揮者」「??」という噛み合わないやりとりを友人とLINEで行っていた(わたしです)。
 そのまま開場直前の舞台へ、疑問符を頭から数本生やしたままのわたしたちは連れていかれる。そこで明かされたのは、本日5曲めに披露する新曲“Time plays – and so do we.”で、観客全員(!)が6通りのインストラクションに従って演奏に参加すること、わたしたちはフィルのメンバーのうちのひとりを指揮する役割を担うこと、わたしが大谷能生担当であること(畏れ多いよ!)、簡単な指揮の方法。なにせサクラではなく、ついさっきそこで捕まえてきたばかりの新鮮な観客なので、動揺は著しく、スタッフのひとにあれこれ尋ねてみようとするのだけれど、スタッフのほうはスタッフのほうでてんやわんや感が滲み出ている。それはそうだろう、どんな不測の事態にも臨機応変に対応するのが役目だとはいっても、ここには不測の事態しか存在しない。これから何が起こるのか完全に把握しているひとはこの場に誰もいない。もちろん演奏のルールは周知されている。しかし、どれだけ懇切丁寧に説明を受けても、新曲がいったいぜんたいどのような演奏になるのか、想像できた者はこの場に誰もいない。この場に誰もいないまま、開幕の時間は刻一刻と迫る。

 どうしてこのようなコンセプトの新曲が発表されるに至ったのか? それを説明するためにはTPAMの話をしなければならない。TPAMとは、今年で第18回めの開催となる国際舞台芸術ミーティングである。期間中は横浜の徒歩圏にある多様な文化施設を会場に、さまざまなプログラムが催される。蓮沼執太のTPAMへの参加は、蓮沼執太フィル以上に多種多様な、ジャンルの枠をまるで気にしていないメンバーの、いい意味でのやりたい放題によって、類似したもののみあたらない作品に仕上がっていた、詩人・山田亮太(TOLTA)とのコラボレーション『タイム』にひきつづき、じつは二度めである。少々長いが、蓮沼執太『作曲:ニューフィル』を招聘した今回のディレクター、野村政之の言葉を全文引用してみよう。

先般の震災と原発事故の経験は、私たちの社会に対する信用を総じて覆しました。信用とは「計算」あるいは「コントロール可能性」のことです。コントロールできないのは資本主義や放射性物質だけではなく、私たちの生命も人間関係も同じである……私たちは生まれたときから受動態であるということに、改めて気付かされたわけです。主体的な能動性から客体的な受動性へ。計算された構築から不確定な生長へ。個々バラバラに受動態で生まれてきた私たちが、他者と連結し、どのように、うまくやりながら生きていけるのか。破局が潜在する不確定な社会でどのように共同性を育んでいけるのか。そうした「生命」と「関係」に対する受動性、それを前提とした「生」の行方、「分断」と「共同」についての考察になるような作品を選びました。(野村政之)

 この一文を読むのと読まないのとでは、“Time plays – and so do we.”で行われていたことの受け止め方も、だいぶ変わってくるに違いない。“Time plays – and so do we.”は、個々バラバラに集まった聴衆が、耳を澄まし、めまぐるしく変容するその場の空気の流れに身を委ね、時には流れに棹をさしながらも、ある一定の共同性を常に保っていなければ、美しい演奏に導くことはおろか、そもそも演奏そのものが成り立たない作品だからだ。当日パンフレットが橙色のひとは指揮者を、空色のひとは紙鉄砲を、緑色のひとはハンドクラップを、桃色のひとは毛笛を、灰色のひとは風船を、黄色のひとはコーラスを――強制的に役割を押し付けられ、その役割に多少は反抗したとしても受け入れる努力はし、他者との調和を乱すことなく、各々の可能な範囲で奮闘すること。そのような営みは、わたしたちに、震災後に、急激に、切実に、求められるようになったふるまいではなかったか?

 いやいや、肝心の演奏の話をしよう。“Time plays – and so do we.”の演奏が美しかったかといえば、決してそうではないだろう。実際、終わったあとのKAATのロビー、帰り道、ツイッターで幾度となく「失敗作だったのでは?」「消化不良感。」などという言葉が吐き出されていた。そしてそれは、純粋にフィルの演奏だけを聴きに来たひとにしてみれば、当然の反応だったのかもしれない。指揮がうまく伝わらなかったり(これもわたしです)、任意のタイミングで鳴らした音がやたらと重なっていきなりうるさくなったり、逆に変なタイミングで妙な静寂が訪れたりもした。ホールが満席になれば優に千人を超える。それだけの観客が思い思いに演奏していれば、それはまあ、ピシッとまとまるほうがおかしい。ただ、わたしの胸のなかには、奇妙な肯定感が生まれていた。まとまらなくていいのではないかと。多様性を祝福するというか、バラバラであることを心から微笑ましく思えるような貴重な体験だったことは間違いない。

 そのような思想は、舞台美術からも見出すことが可能である。つい先日、〈アートフェア東京〉のベスト賞ともいえる賞「ベーコンプライズ」を受賞したことで注目の的となっている現代美術作家・毛利悠子の手掛けた装置が、今回の公演で果たしていた役割について触れておこう。舞台の中心で強烈な存在感を放っていた、ごちゃごちゃとした、アンバランスな、本来隣にあるはずのないものを強引に寄り添わせたような独特な形状の装置は、ただの飾りではない。当日パンフレットが灰色のひとは、その装置の上部にある巨大な風船が膨らむたびに手元の小さな風船を膨らませてブシュウゥ~ッという間抜けな音を出し、黄色のひとはその装置の下部にあるバスドラムが鳴るたびに「アー」とコーラスするよう仕向けられていたのだから。ここまで舞台美術を演奏中に観客が凝視しなければならないケースはめずらしいのではないか? わたしは劇場のかなり後方に座っていたのだけれど、そこからは、蓮沼執太、フィルのメンバー、始終動いている装置、観客、それらがぐちゃぐちゃと混ざりあって、臓器となり、皮膚となり、毛となり、顔となり、まるでひとつの生き物に近づいていくようにみえていたのだ。稚拙なたとえで申し訳ないが、宮崎駿監督作品『千と千尋の神隠し』をご覧になったかたは、カオナシが物凄い勢いでさまざまな生物を呑み込んでいく場面を思い出していただきたい。あれがもうちょっと綺麗になったかんじ、というのがいちばん近いだろうか。

一斉に振り向く光の中、一緒に行こうと言ったのは誰?
熱烈なノックの中、ぼくはうまれる時を、たずね、たばね、 
蓮沼執太“ONEMAN”(『時が奏でる』)

蓮沼執太フィルがバラバラでありながらも、確固とした統一感を時折みせる、その秘密が少しつかめたような気がした。

蓮沼執太 公式サイト 
https://www.shutahasunuma.com/performance/2697/

第5回:占われたい女の子 - ele-king

 もうすぐ小学生になる長女は、小学生女子のご多分にもれず占いの本に夢中です。子ども向けの占い本は、いまも昔も赤・ピンク系の装丁で、男児向けのものはいっさい見あたりません。中身も昔と変わらず「あなたは心があたたかい人気者ね」といった謎のお姉さん口調の性格診断を中心に、ラブ運、友達運といった人間関係、そして将来の職業が並びます。一方、同じ年頃の男の子が執心していることといえば、努力・友情・勝利のフィクションや、ゲームのパラメータ上げでしょうか。まわりからどう見られているかによって人生が決まると信じている女児と、個人の努力でパラメータを上げれば友情も職業も(美女も?)ゲットだぜ! と信じている男児。小学生にもなると大人と変わらないネ……とお母さんはなんとなく酸っぱい気持ちになります。


子ども向けの占い本の数々

 とはいえ、「将来の職業」欄の変遷は、大人目線でみると案外おもしろいものです。私が子どもだった80年代の占い本では、保母、美容師、看護婦、教師、お菓子屋さんといった昔ながらの女性的なお仕事に、ファッションデザイナー、イラストレーター、音楽家、マンガ家、作家、タレント、女優といった華やかな(でも食べていくまでに成功するのはなかなか大変な)職業が並んでいるのが定番でした。ところが2007年刊行の『キラキラ人相&手相うらない』(ポプラ社)では、「株をはじめたら大金もちになるかも!?」という生々しい指南が登場。もっとも新しい2013年10月刊行の『ハッピー&ラッキーうらない入門』(小学館)には、「あなたはふつうの社員。会社のためにコツコツとがんばる人だよ」と、女性総合職が浸透しつつも正社員になるのも一苦労な現状を踏まえ、リアルなアドヴァイスを下してくれます。また「コンピュータプログラマー」「医者」「研究者」といった、かつての占い本にはなかった理系職が普通に挙げられています。「パティシエ」「ゲームクリエイター」「料理研究家」「ショップ店員」「起業家」が多いのもイマドキです。複数の本で「公認会計士」が挙げられているのは、勝間和代の影響でしょうか。

 世の趨勢に合わせてヴァラエティ豊かになっていく「将来の職業」欄ですが、時代を超えて共通していることがあります。「専業主婦」がほとんど出てこないのです。どの占い本も、「家事が得意なあなたには専業主婦がおすすめ。子どもの手が離れたらパートで家計を助けるといいわ」「母性あふれるあなたには、子どもをたくさん産んで大家族を仕切る肝っ玉母ちゃんがぴったり」などとは言いません。「将来の夢はお嫁さん」という人はいつの時代も一定数いるはずなのに。おそらくこれは、主婦業はだれにでもできることだと思われているのが原因なのではないかと思います。「あなたには他の人にはない特別な才能がある」と女児の気持ちをアゲる占い本には不向きなのでしょう。が、バカにされがちな家事も、やってみるとそれなりに才覚がものを言う作業だったりします。カレー一つ作るにも、骨からダシをとって3個のタマネギを飴色にしてトマト缶を煮詰めて作るカレーと、ルーの箱書きの通りに作るカレーとではだいぶ違います。もうちょっと尊敬してくれてもいいんじゃないの……?

 そんななか、「いま、アメリカでは専業主婦がかっこいい!」とする書籍が翻訳されたと聞きました。その名も『ハウスワイフ2.0』(エミリー・マッチャー著、森嶋マリ訳)。さっそく購入して読んでみると、ところどころアレ? と首をひねる点が。 「典型的な専業主婦が大勢いるとわかったのだ」として例示されているのは、ひとり暮らしのアパートで野菜を育て、ジャム作りをしている博士課程在学中の33歳独身フェミニスト女性、郊外の自宅の裏庭で鶏や蜂、野菜を育てつつ料理も裁縫もする大学院卒の28歳独身男性、自宅でコンピュータ関連の仕事をしながら精子提供で子供を3人以上生み、ホームスクーリングで育てようともくろむ高学歴レズビアンカップルの3組。誰一人として専業主婦じゃなくないですか? むしろビッグダディ? 「典型的な専業主婦」の部分は、原文を見ると“New Domesticity types”とありました。また、「この流れを、“ハウスワイフ2.0現象”と呼ぶことにした」は、原文では「I call this phenomenon "New Domesticity"」となっています。どうやら原著のキーフレーズは「ハウスワイフ2.0」というより、 “New Domesticity”であるようです(原著の副題にもこのフレーズが使われています)。

ハウスワイフ2.0
日本版としてリリースされた、『ハウスワイフ2.0』(文藝春秋)


日本版の表紙は自己啓発風ですが、原著の表紙はセルフレームのメガネ女子がキュート!

 “New Domesticity”の例として他に登場するのは、家庭菜園、編み物、手作り石鹸、重曹掃除、天然成分の洗剤、レトロな器、自家製パン(およびそのための小麦粉挽き)、保存食作り、自家製ヨーグルト、オーガニック食、米粉マフィン、手作り子供服、古着のリメイク、自然育児(アタッチメントペアレンティング、スリング、マタニティヨガ、自宅出産、長期間の母乳育児、オンデマンド母乳、布オムツ、オムツ無し育児、胎盤サプリ、ベビーマッサージ、ホリスティック栄養学、木製玩具、アンチ予防接種)、代替療法、地産地消、家のリフォーム、脱サラして田舎で農業、自作陶器のネット販売。IT関連の仕事をしながら料理ブログを開く20代男性や、稼ぎを地産の食材につぎ込む30代独身キャリアウーマンも紹介されています。僭越ながら私が“New Domesticity”の訳語として日本語の似たような言葉をあてはめるなら、「暮らし系」といったところでしょうか。上記のような生活を紹介し、「ていねいな暮らし」「シンプルライフ」を謳う『クウネル』『天然生活』『かぞくのじかん』といった“暮らし系”雑誌類が日本の女性誌コーナーの一画を占めるほど増えたのも、21世紀以降の出来事です。

 『ハウスワイフ2.0』には、ライオットガール・ムーヴメントに憧れ、彼女たちがポスターや音楽テープを手作りしているところから手芸や裁縫に行き着いたというハンドメイド界のカリスマ女性が登場します。また編み物入門本『Stitch 'n Bitch』を出版したフェミニズム雑誌『Bust』の編集長デビー・ストーラーは、女がしてきたことを見下すのはフェミニズムではないと訴えています。そういえば日本でも、男性中心の古本界で二束三文で売られていた『女の手仕事』『暮しの手帖』系の古本に価値を見いだした若い女性たちがネット古本屋を立ち上げるのがブームになったことがありました。オルタナティヴ・カルチャーの渦中にいた女性たちが、昔ながらの女の手仕事が軽視されていることに違和感を覚え、その復権を目指すところも、日本の暮らし系に通じるところがあります。

 暮らし系は女性が中心とはいえ専業主婦に限った話ではなく、おもに高い教育を受けたクリエイティヴな層に担われているように、アメリカの「“New Domesticity”も、高学歴女性(と少なからぬ男性)が牽引するムーヴメントであるようです。『ハウスワイフ2.0』では、不況による就職難、家庭と両立できない長時間労働や女性に冷淡な企業文化への失望、環境への意識、大量消費社会への忌避感情などがその燃料となっていると分析しています。女性の高学歴化に比して社会進出が難しく、女性の家事負担が大きい国と言えば、日本もアメリカに負けていません。日本で暮らし系が流行るのも(それがわざわざ現象として取り上げられないほど自然に浸透しているのも)道理です。「女ならやって当たり前」で、決まったやり方以外は許されない──誰にも顧みられない家事育児はつらいけど、自分の趣味をいかしてインターネットで褒められたりスキルを共有できる家事育児は楽しい。この感覚、私にも覚えがあります。日本との違いは、“New Domesticity”に走る世代(20~30代)の親はウーマンリブ世代で、仕事にかまけて家事育児をないがしろにした母親への反発が根っこにあるということ。子供にかまいすぎる日本の“毒親”とは対照的です。いずれにしろ、理念を追求しすぎる極端な親は子どもにとっては迷惑なものなんですね。気をつけていきたいところです。

 同書は、元新聞記者の著者が“New Domesticity”な多数の男女にインタヴューして得た豊富な事例をもとに、多面的にDIY・インディペンデント・ムーヴメントの意味を説き明かそうと試みているジャーナリスティックな書籍です。時におしゃれなライフスタイル・ブログへの素朴な憧れを吐露するものの、掃除洗濯嫌いを自称し、仕事が生きがいだと語る著者の視線は一貫してシニカル。日本版の版元のコピーにあるような「キャリア女性の時代は終った。いまこそ新しい主婦になろう」と、むやみに女性間の対立を煽る内容ではありません。それどころか、社会での女性の発言権を確保するために女性も働きながら子育てできる社会にすべきだと主張し、労働者階級を含めた働く母親への社会的サポートの薄さを手厳しく批判しています。また、ほとんどの人はハンドメイドで身を立てるのは難しく、Etsy(※)で売る程度の収入では離婚したら生活していけないのだから、経済的な自立は誰にとっても重要だとも。そもそも著者がこんな本を書けるのも、キャリアがあればこそです。男性の育児休暇の取りにくさ、掃除機やトースターといった家事おもちゃが(ピンクとパープルの)女児向けばかりであることにも警鐘を鳴らしています。でも、著者の意図を汲んで「いま、アメリカでDIY・インディペンデント・ムーヴメントが熱い理由」と喧伝したところで、注目が集まることはなかっただろうとも思います。『ハウスワイフ2.0』が話題になったのは、とりもなおさず女性間の対立を煽る体裁でパッケージングされているからでしょう。女性のライフスタイルを云々するエッセイは、おおざっぱに女性をラベリングする内容であればあるほど話題を呼び、売り上げを伸ばしてきました。結婚しなければ「負け犬」で、子どもを産まないと「オニババ」、そうならないためには「小悪魔」にならなくちゃ。もう魑魅魍魎だらけです。
※アメリカで人気の販売サイト。ユーザー間でハンドメイドの商品を売買できる。(編注)

 「自分が何者で、どうふるまい、どんな大人になるべきなのか」を教えてもらいたがる小学生女児たちがピンクの占い本を読みふけるように、大人の女性たちも「女のライフスタイル本」に走り、メディアは大げさに取り上げます。この『ハウスワイフ2.0』も日本版のタイトルのせいか、読まれもしないうちからその手のエッセイ本と勘違いされ、「高収入の夫に養われてロハス生活なんて」などと一部で揶揄されているようです(同書に登場する専業主婦の多くは中産階級。中には布をトイレットペーパー代わりに洗って使い回すエクストリーム節約術を駆使する人も!)が、優雅なロハス主婦だったとしてもいいと思うんですけどね。なぜ女性の選択ばかりがやり玉に挙げられ、注目されるのでしょうか。

 おそらく社会も、そして女性たち自身も、女性にも自我や欲望があり、その欲望に従って人生を選びうるのだという事態に慣れていないのです。私たちの母親世代には、人生の選択肢などほぼなかったのですから。そして世にあふれる「無垢な美少女」「尽くす母親」といった自我や欲望を持たぬ女性を理想像として描き出す作品の数々。そうした文化に触れるうちに自我や自分の能力への自信、承認欲求などの欲望を恥じるように刷り込まれた女性たちは、「自分は客観的に見て何に向いていて、本当は何をしたいのか。そのために何をするべきなのか」を突き詰めて考えることが怖くなり、「何をすれば叩かれないのか」「何を選べば“正解”なのか」を教えてくれる本にすがりたくなる。これでは自分と異なる選択をした同性が幸せそうにしているたびに不安になってしまいます。たぶん問題は、結婚するかしないか、働くか働かないか、子供を産むか産まないか、どちらが正しいのかということではなく、自分の欲望におびえ、何を欲しているかにちゃんと向き合えないまま大人になってしまうことなんだろうと思います。「子ども産まないと叩かれちゃうの? 心折れそうだから産むわ~」というまるで主体性のない理由で子どもを産んだりしている私がこんなことを言うのもなんですが(結果オーライでよかったです……!)。

 無垢な女性像を内面化しないで。自分の欲望におびえないで。二女の母として我が子たちにはそう伝えたい。しかしその前に、私自身が、「公務員など安定した仕事につきそう。ハデさはないけどマジメだから、結婚あいてにはぴったりね」と貪欲に彼の将来を品定めする女児向けの占い本におびえている場合ではないのかもしれません(でも、怖い!)。



ギークマム 21世紀のママと家族のための実験、工作、冒険アイデア
(オライリー・ジャパン)
著者:Natania Barron、Kathy Ceceri、Corrina Lawson、Jenny Wiliams
翻訳:星野 靖子、堀越 英美
定価:2310円(本体2200円+税)
A5 240頁
ISBN 978-4-87311-636-5
発売日:2013/10 Amazon

 デッドビートと言って「おっ」と反応する人は、かなりの玄人。
 とはいえ、90年代末からどどどと出てきたベーシック・チャンネル・フォロワーのなかで、POLEに続いて、音にうるさい玄人たちから評価されたのがカナダのデッドビートだった。ことダブ好きにとっては、こと低音好きにとっては、デッドビートはいわばダブのレフトフィールド、つまり本物なのである。
 彼の新作は、かつてリズム&サウンドのMCとして名を馳せたティキマンとの共作。このリリースにともなう来日が来週金曜日、南青山ORIGAMIにてあります。
 共演は、ゴストラッドとレベル・ファミリア。ウルトラ硬派最新ダブの夜へようこそ。

3/21(金) DEADBEAT “The Infinity Dub Sessions” Release Party公演概要

 現行ミニマル・ダブのトップランナー、Deadbeatのリリース来日公演開催! さらにGOTH-TRADがExclusive Techno Setを披露し、なんと秋本“HEAVY”武士(ex.Dry&Heavy)とのユニットREBEL FAMILIAもライヴを敢行! 進化を続けるダブの最新型を体感せよ!

 ベルリンを拠点に活躍しScape、Wagon Repair、Cynosure、Musique Risqueeをはじめとする数多くの著名レーベルからリリースを重ね、ライヴ・アクトとしてもSonar、Transmediale、MUTEKといった世界各地のビッグ・フェスティヴァルに出演するカナダ人アーティスト、DeadbeatがTikiman名義でも知られているSt.Hilaireとのコラボレーション・アルバム『The Infinity Dub Sessions』をひっさげの来日!

 Deadbeatを共演をするのは、彼以上のアーティストは居ないといっても過言ではない日本が誇るサウンド・オリジネイター、GOTH-TRAD。なんと今回はなかなか聴く事ができないExclusive Techno Setを披露!! ミキシングを自在に操り、様々なアプローチでダンス・ミュージックを生み出し、MALA主宰によるレーベルDeep Medi Musikから数々の楽曲をリリース。ヨーロッパ~アメリカ~カナダ~オーストラリア~アジアでのツアー等、現在、日本人アーティストの中で年間最も世界中からオファーされ賞賛を浴びているアーティストの一人であるGOTH-TRADとDeadbeatの共演は見逃せません。

 さらに、そのGOTH-TRADと秋本“HEAVY”武士(ex.Dry&Heavy)とのユニット"REBELFAMILIA"がORIGAMIでLIVEを敢行!!!
 野外フェスティバルMETMORPHOSEでの衝撃のデビュー・パフォーマンスにはじまり、FUJI ROCK FESTIVAL等のGIGを経てROSSO、BOOM BOOM SATELLITES、ゆらゆら帝国等と共演。REGGAE LEGENDのMAX ROMEOとの楽曲など、今までリリースしたアナログはことごとく即日完売しオーディエンスから熱烈なプロップスを集める。その名を世界に轟かせる日本が世界に誇るREBEL FAMILIAが、ORIGAMIに新たな1ページを刻む。

 絶え間なく進化を続けるダブの世界最新型を体現するトップ・ランナー達がオンリーワンのサウンドシステムを持つ表参道ORIGAMIに集結する! 強力なスピリットを伴った力みなぎるダブ・テクノ、ベースミュージックの夢の共演をお見逃しなく。

[日程] 3/21(Fri)
[公演名] DEADBEAT “The Infinity Dub Sessions” Release Party
[OPEN] 22:00
[PRICE] 3,500yen

[出演]
MAIN FLOOR:
DEADBEAT
REBEL FAMILIA
GOTH-TRAD -Exclusive Techno Set-
DJ MIKU
SHIGETO TAKAHASHI

GALLERY FLOOR:
ngt. (rebel base)
SHIMAMU (Chord Memory)
HIROMI NOGUCHI (groundrhythm)
KATORI YOSHITAKA (Flowers)

[会場名] ORIGAMI
[住所] 〒107-0062
東京都 港区 南青山 3-18-19 FESTAE表参道ビルB1F(表参道交差点)
[電話] 03-6434-0968
[URL] https://origamientertainment.jp/
[facebook イベントページ]
https://www.facebook.com/events/1410325882558580/

DEADBEAT (BLKHRTZ / ~Scape / Wagon Repair / from Berlin)

 ベルリンを拠点に活躍するカナダ人アーティストScott Monteithのソロ・プロジェクトであるDeadbeat。Monolakeとのコラボレーション「Atlantic Waves」やStephen Beaupreとの「Crackhaus」としても知られる彼は、これまでにWagon Repair、Cynosure、Musique Risqueeをはじめとする数多くの著名レーベルからリリースを重ね、ライヴ・アクトとしてもSonar、Transmediale、MUTEKといった世界各地のビッグ・フェスティヴァルに招かれている。
 かつてScottは、数々のソフトシンセを開発しシーンの先端を切り開いてきたモントリオールのソフトウェア製作会社Applied Acoustics Systemsに務めていた。その最先端デジタル技術に関する広い知識と創作への深い探究心によって産み出されるサウンドはハウスやテクノから切れ味鋭いデジタル・サウンドによるダンスホール、または超重量級のダブまで変幻自在。名門レーベル~Scapeからリリースされた3枚のアルバムはBasic Channel系譜の金字塔作品としてカルトな人気を得ている。
 また、2008年発表のアルバム『Roots And Wire』は、Tikimanをフィーチャーしたダブ・ベースのトラックからテッキーなミニマル・テクノまでを展開。まったく新しい進化型ベルリン・サウンドはネクスト・ダブ・サウンドとして世界中のリスナーから絶賛された。
 2009年秋にはBEAMS RECORDSがスタートさせたコンセプチャルなミックスCDシリーズ『aLive 01』の第1弾アーティストとして作品を提供。エクスペリメンタルなスタイルに攻撃的で根太いグルーヴが独創的な内容となっている。
 2010年にリリースしたミックスCD『Radio Rothko』ではマスタリングにBasic Channelのエンジニアとして名高いPoleことStefan Betkeを迎え、現行ミニマル・ダブの集大成ともいえる作品を発表している。
 2011年には自身のレーベルBLKRTZをスタートさせ、アルバム『Drawn And Quartered』をリリース。また翌年にソロ名義8枚目のアルバムとなる『Eight』をリリース。2013年にはNYブルックリンのレーベルThe Agricultureの主宰のEscape ArtことJames Healyが新たに立ち上げたレーベルAir Textureのアンビエント・コンピレーション・シリーズ『Air Texture Volume III』をDJ Oliveと共に担当。
 そして2014年の3月にはTikiman名義でも知られているSt. Hilaireとのコラボレーション・アルバム『The Infinity Dub Sessions』をBLKRTZからリリースすることが決定している。


Méta Méta - ele-king

 先日、アンビエント・ミュージックの作家で知られる畠山地平氏と、紙エレキング最新号のフットボール特集のためブラジルW杯について語り合った(特集には、尊敬する今福龍太氏の原稿、ブレイディ家のW杯座談会も掲載されている)。
 この1〜2年、〈スペック〉からのオピトープや自身のレーベル〈White Paddy Mountain〉が話題となっている畠山氏だが、そのキャリアは長く、2006年にシカゴの名門〈クランキー〉からデビュー・アルバムを出して以来、国内外のレーベルからコンスタントに作品を出し続けている。サンバを踊るわけでもなければ、DJをするわけでもなく、オアシスローゼズを熱唱するわけでもない氏は、ミニマル/アンビエントと呼べる作品を発表しながら、ボールを足であつかうこのゲームを愛しているのだ。
 僕は、フットボールといえば南米スタイル、ことブラジルのスタイルを崇拝している。速い人よりも、大きい人よりも、高く飛べる人よりも、足元がうまい人、フェイントがうまい人を尊敬している。プレミアに代表される、スピーディーでガチンコな現代プロ・フットボールの世界から取り残されているのだ。
 ……というような話を畠山氏と延々としたのだが、ふと思えば、今日ブラジル音楽というコーナーがCDショップにあるとしたらその多くはボサノヴァやら過去の遺産に占められている。ロックのコーナーでも何でもそうなのだが、僕自身もいまだにジーコ、ソクラテス、ファルカン、セレーゾの時代のブラジルから逃れられていないようにも思える。正直、いま現在のブラジル代表についてはよくわかっていないし、ネイマールにロナウジーニョほど熱狂できない自分がいることも知っている。ノスタルジーという病にかかっているのだろうか……そうかもしれない……(時代は変わった。日本代表から静岡人がいなくなり、長谷川健太がG大阪で指揮をとり、セレソンは俊足になった)。

 ブラジルのユース・カルチャーはいまどこで聴ける? 僕は、2010年の『Oi! A Nova Musica Brasileira!』というサンパウロの若い世代のバンドを集めたコンピレーションを聴いた。CDケースには「あなたはここに、ブラジルのソニック・ユースやクラフトワークを見つけるでしょう」などと記されたステッカーが貼ってある。
 その2枚組のなかにはルーカス・サンタナの曲も入っている。彼の音楽は、かつてコパカバーナで大学生が歌ったボサノヴァとは別の、世界中の情報が身近になった今世紀特有の混ざり方をしている。手法的には、今日の都市の若者ならではの折衷主義だが(たとえばUKならダブとUSアーバン・ミュージックを混ぜたりするところを、彼らはサンバ・ルーツと北半球の目新しい音楽を混合する。90年代末にもDJマーキーがいたよね)、しかしブラジル人の歌には、そのアクセントには、リズムには、ポルトガル語だろうと英語だろうと、独特の訛り、響き、うねりがあって、それはきっと永遠なのだと思わせる。ネイマールのなかにもペレは生きているはずだ。どこまでもひらべったい、フラッターなポストモダンを生きようと、失われないものがある。

 ルーカス・サンタナを出したレーベルの〈Mais Um Discos〉は、昨年、『Daora: Underground Sounds of Urban Brasil-Hip-Hop』なる興味深い題名の、ブラジル・ヒップホップのコンピレーションを出している。コンパイラーはザ・ルーツやプリンス・ポールとも共演経験があり、〈ニンジャ・チューン〉とも繋がりのあるというロドリゴ・ブランドンなる人物で、僕は未聴だが、このアルバムの最後に登場するるのが、メタ・メタである。本作『メタル・メタル』は彼らにとって最初のアルバムだ。

 これはもちろんへヴィメタルの作品ではない。メタ・メタは、歌手、サックス奏者、ギター奏者の3人組で、先日来日したトニー・アレンが参加しているくらいだから、アフロ・ラテンのリズムを意識している。ジャズといえばジャズだが、パンク・ジャズで、曲によってはラウンジ・リザーズ(ジョン・ルーリー、アート・リンゼーのギターで知られる80年代NYのジャズ・バンド)を思い出さずにはいられない。決してうるさくはないが、破壊的な演奏がときに突き刺さる。無調(フリー)な演奏も挿入される。サン・ラやザ・ストゥージズが好きで、またバンドはブレイディみかこさん推しのUKのポストパンク・ジャズ・バンド、メルト・ユアセルフ・ダウンへの共感を表明している。躍動感は高まり、情熱はほとばしる。衝動的でもなく、無闇にわめいたりもしないが、熱い演奏だ。そして、歪んでいても華麗だ。
 この美しいカオスに、現在のブラジルの社会状況がどこまで関わっているのかはわからない。が、無関係とは思えない。何か強い気持ちを感じるし、音楽的には、影響を受けたあらゆるもの──トン・ゼーからソニック・ユースまでもが吸収されている。が、こうしてどんなに混ざろうとも、彼らの音楽からブラジルらしさが失われることはない。高度な演奏技術を持っているギターは、まるで最高潮のセレソンを見ているようだ。ギターもサックスも、アフロサンバ/アフロビートと一体となって時空を駆け抜ける。そして僕は、休日の小学校の校庭で肩リフティングしている少年と会う。ブラジルW杯の僕のサウンドトラックは決まった。

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