「Nothing」と一致するもの

Bright Eyes - ele-king

 2002年のことだった。それまで自身の内面やその傷を歌っていたコナー・オバーストは、"カウボーイの大統領"に辛辣な言葉を投げかけながら、「僕にはブルーズがある! それが僕!」と叫んだ。思えば彼はそのとき、世のなかに対する混乱もフラジャイルな自分も震える声も隠さずに、しかし社会に目を向けて歌うことを宣言した。
 彼は"新たなディラン"と呼ばれるようになった。2004年には打倒ブッシュを目標に掲げた〈VOTE FOR CHANGE(変化のための投票)〉のツアーに参加した。2005年には忘れがたい名作『アイム ・ワイド・アウェイク、イッツ・モーニング』を発表した。あるいはまた、"大統領が神に話すとき"というタイトルのフォーク・ソングで物議を醸すことを勇敢にもやってのけた。「大統領が神と話すとき、神は石油価格の引き上げを提案するのか?」と、コナーはカウボーイ風の格好でテレビ番組で歌った。
 コナー・オバーストのプロテスト・ソングは、政治に意識的なミュージシャンが大人の振る舞いとして歌うそれではなかった。彼が暴動と化したデモの痛ましさを歌うとき、それは彼を通したものとして震えるような声と叫びで表現された。穏やかなカントリー・ソングの演奏はまるで、彼の声や感情をどうにかなだめようとしているように聞こえた。
 彼は必死に叫んでいた――「Make some noise!!」。それは、社会の不条理や不平等に対する偽りのない憤りであり、悲鳴のようでもあり、しかしそれを引っくり返すための号令だった。ブライト・アイズの音楽を聴くことは、その消えることのない緊迫感と向き合うことだった。
 だがそれは、当然本人にとっても消耗するものだった。2007年には、フロリダのスピリチュアル系のコミュニティと出会うことで訪れた心の平安を歌った『カサダガ』を発表した......それはそれまでの聴き手をやや戸惑わせるものだった。ニュー・エイジ的な思想に馴染みがあるとは言い難い日本人の僕にとっては、疲弊したコナーが霊媒師から受けた言葉にすがってしまったのではないかと不安になったものだ。それはどこか、かつてのカウンター・カルチャーにおける政治的な意識の高まりが、70年代に向かうなかでスピリチュアルや自己啓発に回収されていったことを連想させた。とはいえ、アルバム自体は、その底に変わらず醜悪な世界に対する失望と怒りが湛えられてあり、それが静かな迫力を生み出してもいた。

 政権は交代し、この2011年に久々のブライト・アイズ名義の作品が発表された。コナーを本作に向かわせる契機になったのは、アリゾナにおける違法滞在の外国人を取り締まる法案に反対する運動だった。その話は否応なくこのアルバムへの期待を高めさせる。
 実際『ピープルズ・キー』は、コナー・オバースト&ミスティック・ヴァレー・バンドやジム・ジェームズやM.ウォードらと組んだモンスターズ・オブ・フォークなど近年のサイド・ワークのレイドバック感に比べれば、実に力のこもったものだ。これまでの彼のサウンドの印だったフォークやカントリーは後退し、シンセがかなりの部分で活躍するポップ・ソング集になっている。ダンス・チューンですらあるシングル"シェル・ゲーム"は序の口で、ニューウェイヴ調のアッパーな"ジェジューン・スターズ"など音だけではブライト・アイズだとは思わないほどだ。『ピッチフォーク』のレヴューによると、制作の終盤においてオマハの親友を自殺でなくしたことが影響しているというバラッド"ラダー・ソング"は初期のエモと呼ばれた頃の作風を想起させもするが、それはアルバムのなかでは例外である。これまでのディスコグラフィのなかでももっとも多彩なサウンドが聴けるし、何よりラフで開放感のあるものとなっている。
 だが、これまでブライト・アイズを聴くときに必ず現れた緊迫感や迫力が、このアルバムには......ない。それはたんにコナー青年の思春期の終わりを告げるものであって、悪いことではないのかもしれない。が、デニー・ブルーワーというサイケ・バンドのフロントマンによる"シャーマニック・ヴォイス"なる演説あるいは説教で幕を開け、閉じる本作で歌われている言葉はスピリチュアルになるあまり難解で抽象的なものになりすぎていて、それは僕にはとても遠くのものに感じられる。"シャーマニック・ヴォイス"はアインシュタインやヒトラー、宇宙や悪魔に言及しながら愛や慈悲や人類の進歩について説き、コナーもそれに呼応するようにギリシャ神話やSFを引用しながらやはり愛や精神の問題について歌う。
 それはいま彼が本当に歌いたいことなのだろうか。ポリティカルであればいいということではないが、少なくとも僕には、2000年代なかばにはアメリカの若い世代の希望の象徴であったコナー・オバーストが歌うべきものではないように思える......いや、そんな風に「歌うべき」などと言われてしまう過剰な重荷こそが彼を縛ってきたのもまた、事実である。それが彼を内面の探求に向かわせたとも考えられるし、ある種の必然であったのかもしれない。文化においてそれが具体的な政治の力を得ることはつねに難しく、変化への欲望は内側に向かい、やがて焦点は精神の拡張というところにたどり着いていく――それはカウンター・カルチャーが歴史で経験したことでもある。しかし、それでも僕は聴きたかった。コナーがいまのアメリカをどんな風に見ているのかを。神と対話する大統領がいなくなっても、決して明るくも輝かしくもないアメリカの歌を歌う彼の姿を見たかった。

DJ END (Dutty Dub Rockz) - ele-king

Jungle MassiveなDubstep10選


1
Ena - Instinctive - 7even Recordings

2
J:Kenzo - 2 Dark / Swarm 95 - War

3
Tayo Meets Acid Rockers ft. PupaJim - Vampayaa - Scrub A Dub

4
Tes La Rok - Intanationalz - Argon

5
L.D vs Clue Kid - Jay's Reese / The Intro - Ringo Recordings

6
Emalkay - Crusader - DubPolice

7
Evergreen,Landlord & Ruckspin ft.Danman - Righteous(Rsd Dubstep Remix) - Reggae Roast

8
Sivarider - Soundkilla - Dub

9
Shy Fx - Raver(Shy's Guiness Punch Mix) - Free

10
Aquasky ft.Ragga Twins - Living Legends - Passenger Records

栃木の片田舎からリアルなBass Musicの現場を作り出すべくパーティをはじめました。B-Lines Delight! 栃木ではいま本当にいろんなことが起こってますよ。ってことで次回B-Lines Delightは5月2日ゴールデンウィーク開催です!!GWにふさわしいスペシャルなバイブスでお待ちしています!あ、あとTwitterフォローもよろしくネ!@blinesdelight
https://b-linesdelight.blogspot.com/
https://www.mixcloud.com/blinesdelight/

Chart by JAPONICA 2011.03.07 - ele-king

Shop Chart


1

MORITZ VON OSWALD TRIO

MORITZ VON OSWALD TRIO HORIZONTAL STRUCTURES HONEST JONS / UK / 2011/3/1 »COMMENT GET MUSIC
MORITZ VON OSWALDが中心となって結成されたインプロビゼーション・ダンス・ミュージック・トリオ=MORITZ VON OSWALD TRIO。09年のファースト・アルバム、10年のライブ・アルバムに続き2011年、早くもセカンド・アルバムが完成!今作はゲストにベーシスト MARC MUELLBAUERを迎えダブルベースのクインテット編成にて、テクノ/ダブをベースとしながらも洗練のエレクトロニック・サウンドと呪術的なプリミ ティブ・グルーヴの融合が生み出すノンカテゴライズな魅惑の音像の数々を創出。

2

MR RAOUL K

MR RAOUL K INTRODUCING MY WORLD MULE MUSIQ / JPN / 2011/2/27 »COMMENT GET MUSIC
ファースト・アルバム「INTRODUCING MY WORLD」からのセカンド・ヴァイナル・カットの今作はリズミカルなパーカッションにメロディアスなコラが躍動的に紡がれる、流麗アフリカン・ディー プ・ハウス"INTRODUCING MY WORLD"、そしてビート感控えめに、アフリカ独特の妖艶なチャント/ヴォーカルを際立たせた土着グルーヴ"AFRICA"というハイライト的2トラッ クをカップリングの美味しすぎる一枚!大推薦!

3

VAKULA

VAKULA SATURDAY 3RD STRIKE / UK / 2011/3/2 »COMMENT GET MUSIC
ウクライナの超新星VAKULA、好調<3RD STRIKE>からのセカンド・シングルとなる今作はデトロイティッシュな曇りがかったシンセ・コードに、メロウなキーボード・プレイが躍動する VAKULA流フュージョン・ハウスを見事紡ぎだした快作!メロウ/ジャジーなウワオトの奥底でしっかりとブラックネス・グルーヴが息づく至高の 逸品です。

4

WHITE ELEPHANT

WHITE ELEPHANT SIR JOHN REDUX / UK / 2011/2/27 »COMMENT GET MUSIC
<CLAREMONT 56>看板デュオSMITH & MUDDのBENJAMIN SMITHとCRAZY Pの中心人物JAMES BARONとCHRIS TODDの三者によるコラボレーション・プロジェクトWHITE ELEPHANT。そのデビュー作となる本作はSMITH & MUDDばりの流麗に爪弾かれるアコースティック・サウンドを主体とした緩やかに上昇していく美麗バレアリック・チル・ナンバー"SIR JOHN"に加えC/WにはMARK Eによるビートダウン・リミックスも収録の見逃し厳禁な激注目の一枚!

5

THE SHAOLIN AFRONAUTS

THE SHAOLIN AFRONAUTS JOURNEY THROUGH TIME / KIBO FREESTYLE / UK / 2011/3/1 »COMMENT GET MUSIC
UKの良質クロスオーヴァー・レーベル<FREESTYLE>が送り出すオーストラリア発、新星アフロビート・バンド=THE SHAOLIN AFRONAUTS、同レーベルからの来るファースト・アルバムに先駆けデビュー12inchシングルをリリース!

6

ROY AYERS & BAH SAMBA

ROY AYERS & BAH SAMBA POSITIVE VIBE REMIXIES FAVOURITIZM [UK] / 2011/3/3 »COMMENT GET MUSIC
往年のROY AYERSファンも余裕で納得のミスティック・ブギー傑作"POSITIVE VIBE"オリジナル・ヴァージョンは言うに及ばず、注目のASHLEY BEEDLEとキーボード奏者DARREN MORRISによるユニットAFRIKANZ ON MARZによるリミックスも、パーカッシヴ・ビートにディレイがかったキーボード・プレイが流麗に靡くフュージョン・ハウスに、そしてB面のDUBヴァージョンもこれまた絶品!

7

LARRY TIGER

LARRY TIGER ALONE ON THE GREEN EP EDITAINMENT / GER / 2011/2/27 »COMMENT GET MUSIC
毎度トレンドを絶妙に組み込んだエディット・ワークで人気を博す<EDITAINMENT>第6弾。センス光る巧なループ・エディットで一気に上昇していくエレクトリック・ブギー" ALBATROSS"、煌びやかな80'Sシンセ・ディスコのエディットと思われるファットなミドル・テンポ・ブギー"EAGLE"の2トラックスに加え、それぞれをダビーに加工したボーナス・ビート(トラック)も収録の使える一枚!

8

FRANCIS INFERNO ORCHESTRA

FRANCIS INFERNO ORCHESTRA THE NIGHT HE CAME HOME EP SLEAZY BEATS / UK / 2011/2/27 »COMMENT GET MUSIC
艶やかなネオン色づく80'Sミッドナイト・ディスコ・エディットの"RUSH BACK"、力強いヴォーカルに雄大なストリングスが印象的なディスコ/ソウルをループ・エディットを駆使しつつビートダウン感覚でまとめた"THE FIRE IS REAL"、そしてシネマティックなメロウ・ループで心地よくハメていくスローモー・インスト・エディット"LOVERS"。どれも侮れないクオリティ・ トラック!

9

MARTIN BUSCAGLIA

MARTIN BUSCAGLIA JAULA DE MOTOS LOVE MONK / SPA / 2011/3/1 »COMMENT GET MUSIC
スペインの超雑食レーベル<LOVE MONK>新作はウルグアイの伝統的な音楽様式=カンドンベをモチーフに現行ダンス・ミュージック形式へアプローチする注目株MARTIN BUSCAGLIAによる昨年同レーベルよりリリースしたCDアルバムからのヴァイナル・カット作。

10

V.A.

V.A. REGGAE JET STREAM -FLIGHT NUMBER 001- REGGAE JET STREAM / JPN / 2011/2/24 »COMMENT GET MUSIC
日本が世界に誇る某"ジャマイカン・ミュージックのスペシャリスト"による平日深夜/不定期にUSTREAM配信されているというレゲエ・プログ ラム「REGGAE JET STREAM」から毎回各コンセプトに沿ってお届けするミックスCDシリーズがスタート!今回はその第1弾で80年代のジャマイカ/UK産ラヴァーズ・ ロックを中心に全てオリジナル盤7inch/12inchアナログを使用(!)という拘りの内容/セレクトで極上のリラックス・タイムをお約束す るスーパー・グレイトな一枚。

Chart by JET SET 2011.03.07 - ele-king

Shop Chart


1

EDDIE C

EDDIE C PARTS UNKNOWN »COMMENT GET MUSIC
限定特典付き!Nu Disco~ビートダウン・シーンにおいて、Mark EやThe Revengeと並んで、ヒットを連発するカナディアン・プロデューサー、Eddie Cの1stにして名盤が到着!

2

BUBBLE CLUB

BUBBLE CLUB THE GODDESS + QUIET VILLAGE REMIX »COMMENT GET MUSIC
バレアリック新世代Bubble ClubがInternational Feelに参戦!!Quiet Village Remixも最高!!自主レーベルからの過去作品がいずれもカルト・ヒットを記録しているUK次世代バレアリカBubble ClubによるInternational Feel最新作12番。Maxxi & Zeus名義での名作2作品も記憶に新しいQuiet Villageによるウルトラ・ディープなパーカッシヴ・ダブ・リミックスも収録された、ましてもの名盤が遂にリリース!!

3

NINI TOUNUMA

NINI TOUNUMA WOOLGATHERING EP »COMMENT GET MUSIC
アンニュイ&クールなフィメール・ヴォーカル・ダウンテンポ極美EP!!さらに、Dorianによる超メロウなフロウティン・スロウ・ハウス激烈最高Remixも収録!!

4

GLENN UNDERGROUND

GLENN UNDERGROUND ESCUCHAME / HI TECH SOUL »COMMENT GET MUSIC
Superb EntertainmentからGlenn Undergroundの傑作シカゴ・トラックが到着!ブラックなスポークン・ワードを用いた王道シカゴ・ハウスと"Escuchame Superb Special Extended Mix "などを収録した貫禄十分の1枚です!

5

JAMES BLAKE

JAMES BLAKE WILHELM SCREAM »COMMENT GET MUSIC
リプレスされた"CMYK EP"も爆裂ヒット中、一躍時代の寵児となったパウダーシュガー・ポップUKG天才James Blake。歴史的傑作アルバムからの祝カットです!!

6

AYATOLLAH

AYATOLLAH FINGERTIPS »COMMENT GET MUSIC
今現在ハードワーキンなプロデューサーの一人、Ayatollah渾身のビートアルバム!Mos Def, Talib Kweli, Ghostface Killahらのプロデュースでも有名な彼のブランニュー。サンプリング主体の王道を突き進んだ珠玉の全20曲をご堪能アレ。

7

TONY COOK

TONY COOK THE RAP »COMMENT GET MUSIC
Stones Throwによる好企画『Back to Reality』から待望の7インチ・カット!!注目はB-Side、Dam Funkがマイクを握り'10年代へアップデートした当企画屈指の傑作"What' On Your Mind"の別ヴァージョンを収録。オブスキュア感さえ漂うローファイ・エレクトロ・ブギー!!

8

FRANCESCO TRISTANO

FRANCESCO TRISTANO IDIOSYNKRASIA »COMMENT GET MUSIC
Derrick Mayも賛辞を贈る新世代ピアニストFrancesco Tristanoによる、Carl Craigをプロデューサーに迎えた話題の最新アルバムから、タイトル・トラック"Idiosynkrasia"のリミテッド・シングル・カットが登場!!

9

V.A.

V.A. ASSORTED ELEMENTS EP »COMMENT GET MUSIC
Theo Parrish, Loose Fingers、さらにKai Alce & KZRC名義でのトラックも寄せた漆黒の5トラックス。

10

VAKULA

VAKULA SATURDAY »COMMENT GET MUSIC
生音を盛り込んだウォーミーなディープ・ハウスを展開していくVakula作品屈指の名作出ました!!

[Urban] feat. SIMI LAB - ele-king

 噂のシミラボがついにDOMMUNEに生出演します!! 3月15日(火曜日)です。
 ちなみに7時からは、急遽、XL レコーディングスの社長、リチャード・ラッセルさんとジェイミーXX(ザ・XX)の公開インタヴューをやることになりました! ギル・スコット・ヘロンの『アイアム・ヒア』、そしてそのリミックス盤『ウィ・アー・ニュー・ヒア』について訊きます。どうぞお見逃しのないよう!
 また、当日はシミラボのライヴのほか、女性ラップ・グループのデレラのライヴも決定しました。トークショーではムードマンも参加、都合が合えば、DJ CONOMARKもかけつけてくれることになりました!

 そこで今回は格好いいPVを2本、紹介しましょう。
 まずは、2009年にYouTubeにPVがアップされ、SIMI LABの名を世間に知らしめることになったヒット曲"WALKMAN"、もう1本は、Earth No Mad From SIMI LAB名義による3月25日に発売予定のアルバム『Mud Day』から"Don't Touch Me feat. QN"。
 また、QNによるアルバムのインスト集『Mud Day Instrumentals』も同時発売しますよ!(アナログ盤も発売予定とのことです!)
 ......それにしてもこのENMの写真、良いですね。古い日本家屋の四畳半とヒップホップとのハイブリッディな感覚がたまらないです......。
 とりあえず、3月15日のDOMMUNE、乞うご期待!ですよ

WALK MAN feat. SIMI LAB

Don't Touch Me feat. QN

Various Artists - ele-king

 以前、三田格がロスカのことを「ありゃ、ケヴィン・サンダーソンだ」と言っていたけれど、UKファンキーとはなんぞやといろいろと考えていくと、とどのつまりハイブリッドなハウス・ミュージックであるという当たり前の結論に達した。だから「UKハウス・ミュージックの現在」という風に思えば、人に伝えやすい。それはアフロとソカ、あるいはダンスホールといった、この10年のトレンドがブレンドされたハウスであると。当初はパリのDJグレゴリーがルーツだと言われていたが、いまとなってはその源流はマスターズ・アット・ワークにまで遡っているのもなるほどなーという感じである。
 あるいはまた、昔からデリック・メイがセットの中盤あたりでほぼ毎回かけているトライバル・ハウスの路線ともかなり重なる。......が、UKファンキーがハウス・ミュージックだとしても、これはディスコから派生したものではない。これは、UKガラージ/グライムから派生したハウス・ミュージックなのだ。
 で、風の噂では、今年はロスカが来日するかもしれないと聞いて、それはちょっと無理してでも行きたいなーと思っていたところ、昨年末にリリースされたこのUKファンキーのコンピレーションはずっと売れ続けていると下北沢ZEROの飯島直樹さんも言ってるし、いまからでも遅くはないので紹介しようと思った次第である。

 UKガラージ/グライムにおけるアフロ・ディアスポラのダンスへの情熱がこの音楽を発展させた。コード9は、2006年~2007年あたりからリズムの変化に気がついていたというが、USヒップホップとジャングルのあいだでスパークしていたUKガラージ/グライムがハウスのテンポに接近したとき、アフロビートやソカのリズムが表出したというわけだ。実際、UKファンキーとは、(ひと昔まえのタームで言えば)UKブラックの現在のことでもある。
 イースト・ロンドンの貧民街のグライム一派、ナスティ・クルーがその初期における大きな影響だと言われている。そのクルーを代表する、ゴッドファーザー・オブ・ファンキーと呼ばれるDJマーカス・ナスティこそ、ガラの悪いガラージを上品なハウス・ミュージックとブレンドした張本人である。
 ファンキーのオリジネイター連中はすべてガラージ/グライムのシーンから来ている。ドネイオーとロスカはガラージのMCで、ジーニアスはワイリーといっしょにやっていたDJだ。ゼロ年代にわりとグライムを聴いていた人は、あのハードコアな感覚が、よりアフロ色を強めながらハウスと接続したと思えばよい。むせかえるように豪快なアフロビート、ものすごく大雑把なソカのビート、すなわちディアスポリックなアフロカリビアン・ビートこそがこの音楽の魅力であり、ハウス世代のダンサーや若いダブステッパー、デトロイト・テクノのリスナー、もしくは大阪のレゲエ・ダンサーがある日突然ファンキーで踊っていたとしてもなんら不思議ではない。実に寛容なダンス・ミュージックだ。

  本作『リディム・ボックス』はUKファンキーを知りたいという人には最適なコンピレーションである。エクスクルーシヴなトラックはないが、有名どころはほとんど押さえてある。

Chart by UNION 2011.02.28 - ele-king

Shop Chart


1

V.A.(THEO PARRISH, KAI ALCE, LOOSEFINGERS)

V.A.(THEO PARRISH, KAI ALCE, LOOSEFINGERS) Assorted Elements E.P. NDATL MUZIK / US / »COMMENT GET MUSIC
DEMFのアフターパーティ会場のみで200枚だけ限定販売された、今や幻の7インチ『NDATL Special Edition 45』から約半年、一部トラックリストを差し替え再びあのメンツが集ったオールドスクールなシカゴ・デトロイトなコンピレーションEP!!!

2

RAHAAN

RAHAAN Rahaan Edits Vol.1 & Bonus Mix SPACEMACHINE / UK / »COMMENT GET MUSIC
Sadar Baharと並びシカゴのアンダーグラウンドのヴァイヴを世界へ届けるディスコDJ! 伝説のDJ Ron Hardyの精神やスタイルを引き継ぐDJ Rahaan初のアルバムがUKの新レーベルSpace Machine Recordingsより遂にリリース!

3

ARIL BRIKHA

ARIL BRIKHA Deeparture In Time - Revisited ART OF VENGEANCE / JPN / »COMMENT GET MUSIC
DERRICK MAY主宰のTRANSMATからリリースされたARIL BRIKHAの大名盤「DEEPARTURE IN TIME」が2枚組となって待望の再発!!初期衝動に満ちたエモーショナルなメロディーが躍動する、まさにARIL BRIKHAの原点を垣間見れる好内容。再発を待ち侘びていたファンにはたまらない究極のプレゼントと言える2枚組。

4

MORITZ VON OSWALD TRIO

MORITZ VON OSWALD TRIO Horizontal Structures HONEST JONS / UK / »COMMENT GET MUSIC
MORITZ VON OSWALD(BASIC CHANNEL)、MAX LODERBAUER (NSI/SUN ELECTRIC) AND SASU RIPATTI (VLADISLAV DELAY/LUOMO)によるスーパーグループ、MORITZ VON OSWALD TRIOのセカンド・アルバムが遂にリリース!! ブルージーなギターや緊張感溢れるメタルパーカッション、繊細なエレクトロニクスが自由度の高い演奏を繰り広げるダイナミズムに満ちた傑作の誕生です!

5

OMAR S

OMAR S Here's Your Trance, Now Dance FXHE RECORDS / US / »COMMENT GET MUSIC
長期欠番となっていた「AOS-009」としてアナウンスされた入魂のワンサイデッド!心地よいポイントを的確に刻むボトムをベースに、プリミティヴかつ浮遊感を備えたシンセリフとLate 80'sを彷彿とさせるアナログなキーの音色がバランスよく重ね合わせられたオールドスクール・ハウス。シンプルかつドープ、この手のトラックにおいてのポテンシャルの高さはやはり圧倒的!

6

RAHAAN

RAHAAN On & On STILOVE4MUSIC / US / »COMMENT GET MUSIC
シカゴハウスのオリジネーターの一人Jesse Saundersもかつてリミックスを手がけ、古くからシカゴアンダーグラウンドでプレイされ続けてきた究極のレア・ブートレグ「On & On」がDJ Rahaanによってエディット化!!Playback「Space Invaders」のベースライン、Lipps Inc「Funky Town」のSE、さらにDonna Summer「Bad Girls」の ヴォイスブレイクを絶妙にマッシュアップというあまりにもインパクトの強いトラックで、鳴らせばフロアはシカゴのたちまちマッドなヴァイヴス!!!

7

RICK WILHITE

RICK WILHITE Analog Aquarium MUSIC 4 YOUR LEGS / JPN / »COMMENT GET MUSIC
Theo Parrish、Moodymannと並ぶデトロイト・ハウス最強のユニット3 Chairs「第3の男」Rick Wilhiteがキャリア15年を経て放つ待望の1stアルバム。ディスコ、ジャズやアフロなど様々なサウンド・マテリアルを抽出し呪術的なビートに重ね合わせることによって溢れ出る濃厚な黒さ、デトロイトハウス特有の音の歪みや荒さとライヴミックスの中で偶発的に鳴らされるイコライジングが独特でプリミティヴな高揚感を生み出す傑作!

8

EDDIE C

EDDIE C Do It Yourself ENDLESS FLIGHT / JPN / »COMMENT GET MUSIC
ビートダウン~バレアリック系の良質な作品を量産、ポストMARK E, DJ COLE MEDINAとなる存在に間違いないカナダからの刺客EDDIE Cがまもなくリリースするアルバムから、待望のシングルカット!ヴォイスサンプルと巧みなエフェクトで、ジワジワとピークまで誘導するかのようなヴァイヴが最高なトラック。

9

JAMES BLAKE

JAMES BLAKE James Blake (LP) ATLAS/A&M / UK / »COMMENT GET MUSIC
誰もがアルバムを待ち望んでいた2010年代エレクトロニック・シーンの主役・JAMES BLAKE、待望のデビュー・アルバムがここに登場! 先行10"カットされた"Limit to Your Love"以外は全て新曲、ダブステップから派生したサイケデリック・ミュージックの極点が遂にその全貌を現す!

10

MARCO CAROLA

MARCO CAROLA Play It Loud! MINUS / JPN / »COMMENT GET MUSIC
RICHIE HAWTIN率いるMINUSからイタリアンTOP DJ/アーティスト・MARCO CAROLAのアルバムが登場!実に9年ぶりとなる本作「PLAY IT LOUD!」はDJ出身というキャリアに強い拘りを持つ彼らしく、全トラックがフロアユースなミニマルで構成されている。思わず身体が揺れてしまう現場感覚に溢れたトラックのオンパレード!!

Ginji - ele-king

面白盤10選


1
Argo - Zeme L (USSR - Melody 1985)

2
Arthur Brown & Craig Leon - The Complete Tapes Of Atoya (Netherlands -
Plexus Holland 1984)

3
Bramlaan - Aloft In A Baloon (Netherlands - 7 Horses 1981)

4
Delay Tactics - Any Questions? (US - Multiphase 1984)

5
Eternal Wind - Wasalu (US - Flying Fish 1988)

6
Goldbroiler & Ehrlichmann - Kino (Germany - TIS 1986)

7
Jiri Stivin - Status Quo Vadis - The Heralding (Czechoslovakia -
Supraphon 1990)

8
Robert Bearns & Ron Dexter - The Heralding (US - Awakening Productions 1984)

9
Human Chain - Cashin' In! (UK - Editions EG 1988)

10
Slawomir Kulpowicz - Sndhana (Poland - Polskie Nagrania Muza 1989)

DJ Monolith - ele-king

最近のベスト。


1
K' Alexi Shelby - I Can Go/Vol. 1 - detelefunk

2
V.A. - Philpot Records 50 - Philpot

3
Robag Wruhme - Proviant - Circus Company

4
DJ Duke - Techdisco EP Vol.3 - Power Music

5
Terry Hunter - Madness EP - House Music Records

6
Mike Dearborn - Back To the Future - House Music Records

7
Leron Carson - Red Lightblub Theory - Sound Signature

8
Grimpse - Runner Remix EP - Crosstownrebels

9
Delphic - Doubt - White

10
Dahlback & Krome - The Real Jazz - DK Records

Motion Sickness Of Time Travel - ele-king

 西洋文明と出会ったことで「不機嫌」であることがデフォルトになったとされる日本では、それが当たり前ではないかという感覚を持ちやすいような気がするけれど、そのような「気分」を哲学の対象としたのは西欧ではハイデッガーが最初だったそうで、どうしても自我同一性にこだわる西欧にとっては、気分によって左右される「振り幅」は意外と厄介なテーマなのかもしれない。最近だとダニー・ボイル監督『127時間』でジェームズ・フランコ演じるアーロン・ラルストンがウォークマンでフィッシュを聴きながらブルージョン・キャニオンを踏破する映画のシーンや同じくデヴィッド・O・ラッセル監督『ザ・ファイター』でマーク・ウォールバーク演じるミッキーがボクシングの試合で連戦連勝を果たす際にエアロスミス"バック・イン・ザ・サドル"が流れる場面などは、そのようなサウンドトラックがなくても成り立つし、あっても別に邪魔ではないといった程度の存在感であり、大袈裟にいえばサブリミナルに気分が微調整されているということになるのだろうけれど、キム・ジウン監督『悪魔を見た』でチェ・ミンシク演じるシリアル・キラーが女性の死体を解体し終わった後に訥々とギターを弾く部分はストーリー的には何を表わしているでもなく、しかし、ある種の予定調和を裏切り、ものの見事に映画を観る「気分」を変えてしまうシーンではあった。ナチスがクラシックに聞き惚れるシーンなどはもう見飽きてしまったし、似たようなことは「いまどきのヤクザは軍歌など聴きませんよ」という『凶気の桜』にも反語的に思わざるを得なかったことで、音楽というのはどうしてもその様式性に吸収されやすく、独立して存在することはほとんど不可能に近いと思っていたことが、やや揺さぶられた瞬間だったともいえる(作品自体は、等しく貧困階級を描いてもリー・ダニエルズ監督『プレシャス』にはこれでもかとアメリカの社会(=近代性)が関与してくるのに対して、あの恐るべきヤン・イクチュン監督『息もできない』では韓国社会の不在と、その代わりに家族(=伝統社会)がすべての吸収板になっているという息苦しさが張り付いていたことと同じことが結末に漂う「気分」を決定的に左右していて、シリアル・キラーものだというのにいまだに韓国映画に没入できない自分を発見するものではありましたけれど。ついでにいうと、深川栄洋監督『白夜行』にも貧困がクローズ・アップされるシーンがあって、社会と家族のどっちに頼っていいのかわからないという日本独自の中途半端なあり方にはもっとも絶望的な「気分」にさせられたり)。

 ディジタリスからふたりの女性による「気分」の安定しない2枚。

 セラーやトローパ・マカナといった夫婦ユニットを追って(?)、同じく夫のグラント・エヴァンスとクワイエット・イーヴニングスとして『イージー・リスニング・サークルズ』などのカセットをリリースしていたレイチェル・エヴァンスが初のソロ作をリリース。モーンフルなイントロダクションから、ある種の悲しげなムードを否定せずにユーフォリックな佇まいを確保していくプロセスが特徴といえるアンビエンス・ドローン。一貫してフラジャイルな感性が追求され、そのせいか、「気分」によってこのアルバムは聴こえ方が変わりやすく、何度聴いても印象が一定しない。メランコリーと甘美は相反する要素ではないけれど、ネガティヴな気持ちの時は美しさが際立ち、バリバリの時は気持ちよさに埋没するばかり(コクトー・ツインズをドローン状に溶解させたら、こうなるか?)。透き通るようなイメージを畳み掛ける「オート・サジェスチョン」から後半に入って「テレパシー」でゆるいビートを刻み始めるまでの流れはとてもいい。ドローンにビートを持ち込んだ例のなかでは(ドローンという音楽性自体に重きを置いているという意味では)技ありかも。

 6年前にタイプから『センチメンタリスト』でデビューしたメリッサ・アガテ(エイゲイト?)によるセカンド・アルバムはさらに繊細で、レイチェル・エヴァンスのように高音部を際立たせるような役割としての下部構造もなく、どこか世界の果てへ消え入るような儚いアンビエント・ドローンやエレクトロニカ/ポスト・ロック的サウンドが展開されている。ファウンテン・サイドではエレクトロニクス、マウンテン・サイドではアコースティック楽器がメインをなし、本人がそうかどうかはともかく、どの曲も「ようやく生きている」人の鼓動を伝えてくれるようで、誰にも会いたくない時にはコレだなーと思ったり。どうして生まれてきちゃったのかなーとか、そういう感じ。

 そういえば『127時間』はサヴァイヴァルではなく、その結果に対して明確な開放感を与えるでもなく(水のなか=開放感と取る人もいたけれど)、ひきこもりの映画として観ると奇妙な倒錯感を覚える作品ではあった。LSDとCIAの関係を反戦映画として見事に捏造したグラント・ヘスロヴ監督『ヤギと男と男と壁と』の原作(ジョン・ロンスン著『実録・アメリカ超能力部隊』文春文庫)を読むとアグレイブ刑務所にもアマゾンの配達はあったそうだから、電子機器や映像アーカイヴといったものに囲まれたアーロン・ラルストンのライフ・スタイルは条件が整えば遭難には値しなくなる可能性だってなくはない。あるいはそのように感じさせる側面がダニー・ボイルの演出にはあったと思う。それにしてもボイルという人は『トレインスポッティング』から一貫してドラッグに対する感性がゼロに近い(せっかくのシチュエイションなんだし、ミニマリズムであそこまでやったのは大したことなんだから、幻覚描写にもそれなりのセンスが求められてしかるべき)。つい頭のなかで割り算をしてしまうし、タイトルも別なものにしたほうがよかった。

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