「Nothing」と一致するもの

Chart by STRADA RECORDS 2011.12.08 - ele-king

Shop Chart


1

WHO KNOWS?

WHO KNOWS? SAY GOODBYE TO THE JOBS EP WHO KNOWS?(JPN) »COMMENT GET MUSIC
DJ HarveyやIdjut Boysら大物DJらがこぞってプレイしヒットとなったKenji Takimiによるリエディット・シリーズ第1弾、第2弾に続く待望の第3弾12インチが到着!グルーヴィーなベースにエレガントなストリングスやピアノが印象的なインスト・ディスコのA面、ロウでラフなレア・グルーヴ的濃厚ジャズ・ファンク・ディスコのB面共に圧倒的なグルーヴ感!今作も見逃せません!

2

MOODYMANC

MOODYMANC FATHER LANDED(UK) »COMMENT GET MUSIC
UKはマンチェスターのディープ・ハウス・アーティストDUBBLE Dの覆面プロジェクトMOODYMANCがROBSOULやREADYMADEのリリースでお馴染みTERENCE TERRYのレーベルLANDEDからリリース!エレピのコードにマリンバのフレーズを効果的につかったディープ・ダブ・ハウスなオリジナルと、デトロイト・ハウスのベテランRICK WADEによって新たに加えられたクラビやシンセで抜群にかっこいいジャズ・ファンク・ハウスに仕上がったミックスなど3曲収録のビートダウン~ディープ・ハウス派必須の一枚!

3

A DRUMMER FROM DETROIT

A DRUMMER FROM DETROIT DRUMS #1 FIT SOUND(US) »COMMENT GET MUSIC
3 CHAIRS第4のメンバーMARCELLUS PITTMANによるファースト・リリースで幕を開けたデトロイトのテクノやハウスのディストリビューターを手がけるFITのセルフ・レーベルFIT SOUNDから謎のユニットによるレーベル第四弾が登場!フロア向けの強力なツール作品となっておりA面はドラム、コンガ主体のパーカッション・トラック、B面はシンセFXやサンプル・フレーズを用いた軽やかなビート・ダウン・トラックと、どちらも即戦力間違いなしの強力盤!

4

NICONE & SASCHA BRAEMER

NICONE & SASCHA BRAEMER ROMANTIC THRILLS PART1 STIL VOR TALENT(GER) »COMMENT GET MUSIC
NICONEとSASCHA BRAEMERコンビのアルバム「ROMANTIC THRILLS」の先行シングルがOLIVER KOLETZKIのSTILL VOR TALENTからリリース!エスノ風味のジャーマン・テック・ハウス系といった感じですが中でもB1収録のCAJEのアコギのアルペジオを使ったスペイン~ブラジル風味なトラックがオススメ!ディープ系のトラックから飛び道具まで幅広く使えそうな個性的な一枚です!

5

K&B

K&B NO MORE HITS 15 NO MORE HITS(ITA) »COMMENT GET MUSIC
NICOLASのリリースでお馴染みイタリアのディスコ~リエディット・レーベルNO MORE HITの第15弾はDINER CITY SOUNDからデビューしたばかりの新鋭K&Bによるもので、73年MOTOWNのFOUR TOPS「AIN'T NO WOMAN(LIKE THE ONE I GOT) 」とAL GREENの傑作メロー・ソウル「LET'S STAY TOGETHER」をそれぞれリエディット!エヴァー・グリーンな不朽の名作を現代のフロア向けに絶妙にチューン・アップしたいつもながらの手腕が光る安心の内容!クラシックス・ファンからビートダウン・ファンまで幅広くオススメできる傑作です!

6

MIKE HUCKABY

MIKE HUCKABY MY LIFE WITH THE WAVE SYNTH(US) »COMMENT GET MUSIC
ECHOSPACEことDEEPCHORDがレーベル第一弾だった、デトロイト・ハウスのベテランMIKE HUCKABYが運営するレーベルSYNTHから2007年にリリースした名盤「MY LIFE WITH THE WAVE」が限定再プレス!シンセ・マニアが一度は憧れるWALDORF WAVEで全てのサウンドが作られたという本作はECHOSPACE系テック・ダブのA面もさることながらB面に収録された2曲が最高!LARRY HEARDを思わせる優しくまろやかなテック・ハウス風味に仕上がっておりDEEPHOUSEファンは必聴です!

7

KENNY DIXON JR(MOODYMANN)

KENNY DIXON JR(MOODYMANN) ULTRA RARE JAN REMIXES & EDITS WHITE (FR) »COMMENT GET MUSIC
Moodymann関係のレア作品を集めた「Private Collection」シリーズに続く新シリーズ!Norma Jean BellやAmp Fiddler絡みの作品でMoodymann aka Kenny Dixon Jr.がミックス等を手掛けた曲を全4曲収録!いずれも今となってはオリジナル盤はレアですのでこれは嬉しい!

8

LATECOMER

LATECOMER COSMIC CART MCDE(EU) »COMMENT GET MUSIC
MOTOR CITY DRUM ENSEMBLEのレーベルMCDEから新人ユニットLATECOMERの作品が登場!この曲、MOTOR CITY DRUM ENSEMBLEのDJ KICKSからのMIX CDに収録され12インチ・カットを熱望されていたもの!ピアノやストリングス、ウッド・ベースを用いた生系モダン・ジャズ・サウンドにエレクトロニクス少々といった非常にエレガントで上品なCARL CRAIGといった感じのディープ・ハウスなオリジナルに、リミックス・バージョンとしてPHILPOTレーベル総裁SOULPHICTIONが参加しておりビートダウン・ファンも満足、充実の一枚です!

9

CHOCOLAT'S

CHOCOLAT'S EL CARAVANERO-JOE CLAUSSELL EDIT SALSOUL (US) »COMMENT GET MUSIC
77年リリースのアルバム「Kings Of Clubs」に収録されていたJOE CLAUSSELLのフェイバリット・チューンChocolat's「El Caravanero」がナント12インチでしかもJOE CLAUSSELLによるエディット・ヴァージョンで登場!濃厚なパーカッションやオルガンにヤラれる極上のアフロ~ラテン系ダンス・クラシック!マスト!

10

ORLANDO B.

ORLANDO B. THE HARLEM CONNECTION EP UNDER TONES(UK) »COMMENT GET MUSIC
KOLOUR RECORDINGS傘下のUNDERTONESよりYOREの作品も大好評のORLANDO Bが登場!YORE人脈を活かしリミキサーには日本が誇るビートダウン・アーティストKEZ YMが参加、KDJやTHEOといった本家以外では同ジャンルのトップともいえる品質の高さを誇る二人だけに内容は保障付!そして本作で当店的にプッシュしたいのはB面収録の「BACK 2 BASICS」!先日K ALEXIのリミックスも大好評だったMARVIN GAYE「I WANT YOU」ネタの強力作品に仕上がっています!

少年ナイフ - ele-king

 90年代ごろから日本のバンドが海外のインディ・レーベルからリリースされることも増えてきた。しかし実際には多くの場合、日本への輸出をあてこんでのものだという。海外でライヴをやったけど客はほとんど日本人なんて話もよく聞く。そんな中で本当に受け入れられているバンドを見極めようとしたときに、目安になるのがやはりツアーだろう。毎年のように1ヶ月とかそれ以上の海外ツアーに出ているバンドであれば間違いない。
 ちなみに「○○(ソニック・ユースとか)のオープニング・アクトで全米ツアー」みたいなのもあまりアテにならない。日本人と違ってむこうの客は真面目にスタート時間から来たりしないので、前座なんか見てないことが多いのだ。もちろん、別に海外で受けたから偉いというわけでもないとは思うが。
 よく言われる話だが、欧米のライヴハウスは日本のように機材が充実していることもなく、日々の移動距離も日本とは比べ物にならない過酷なものだ。そんななかで年中ツアーをしていればバンドが鍛えられるのも頷ける。アメリカのインディ・バンドなんかのライヴを観ると、上手い下手とは違う部分での地力みたいなものを感じることは多い。

 そんななか、かつて「世界でもっとも有名な日本のバンド」と呼ばれた少年ナイフは現在も精力的に海外ツアーをおこなっている。今年も8月から9月にかけて1ヶ月以上のヨーロッパツアー。そして先日も10月から11月にかけて1ヶ月以上の北米ツアーから戻ってきたところだ。
 そして帰国してすぐに今度は国内でのツアーである。12月2日、東京の新代田FEVERを皮切りに名古屋、大阪の三都市。毎年12月におこなわれる「Space X'mas Tour」の2011年版、というわけだ。ちなみにナイフは7月と12月にこの三都市のツアーをするのが恒例になっている。関東のファンにとっては貴重な機会なのです。このツアーはゲストを迎えることも多いが、今回はワンマンだ。

 FEVERのフロアに流れるストーン・ローゼスの音量が下がると客電が落ち、ナイフによる"We Wish You A Merry Christmas"が流れてメンバーが登場。本日発売のクリスマスカラー(赤と緑)のタオルを掲げている。その日売りたいタオルを持って出てくるというのは矢沢永吉に学んだのだろうか。衣装は昔からおなじみのモンドリアン風ワンピース。意外とメンバーチェンジをしているバンドだが(ディープ・パープルには及ばないがラモーンズくらいには変遷している)、衣装は代々引き継がれているのである。

 ツアータイトルにもなっているラモーンズ~バズコッコス系クリスマスソングの名曲"Space Christmas"でライヴはスタート。三曲目の"Twist Barbie"あたりからフロアも温まってくる。私はいつもは最前列付近で観てるのだが、珍しくちょっとうしろから観ていると、とにかくみんなニコニコしている。年季の入った(元)インディ・キッズみたいな白人のカップルが手をつないで踊ってたりして、会場の雰囲気はハッピーだ。
 おなじみのパンク・ナンバーで会場も盛り上がったところで中盤ではちょっと珍しい昔の曲をやったりするのもワンマンならではの楽しみだ。フェスなんかだと持ち時間も短いし、なかなかそうはいかないからね。"Redd Kross"はLAのあのベテラン・パワー・ポップ・バンドのことを歌った曲で、レッド・クロスの"Shonen Knife"という曲に対するアンサーソング。オリジナル・ベーシスの美智枝さん作のサイケポップ・ナンバー"I Am A Cat"を昨年加入したドラムのえみさんが歌い、オリジナルドラマーの敦子さんが歌っていたビートルズの"Boys"はベースのりつこさんが歌う。珍しく何曲かで直子さんがギターを持ちかえ、リッケンバッカーの美しい響きを聞かせる場面も。

 少年ナイフといえば「脱力系」とかそういうイメージがあると思うのだが(シャッグスのことを「少年ナイフの元祖」なんて書いているブログを見かけたこともある)、いまでは演奏上はそういう側面はほとんどない。現在のリズム隊は非常にタイトで、MCの際に「ツアーで食べ過ぎて、安定感がつきました(笑)」なんて話をしていたが実際のところ安定感があるのは間違っていない。
 2008年加入のりつこさんはバキバキに重い音色と長い髪を振り下ろす派手なヘッドバンギングがやたらと絵になるし、えみさんはズシっとした重量感のあるドラマーである。本編最後の"Economic Crisis""コブラ vs マングース"というメタル系ナンバーの二連発など、歴代メンバーでもっともヘヴィな演奏だろう。とくに後者のスローパートなど、ボリスのファンも納得! というくらいだ(余談だが、えみさんは髪を少し短くしたようで、ライヴEP『We Are Very Happy You Came』のジャケットのこけしみたいで可愛かったです)。

 アンコールでは今年リリースされたラモーンズのカヴァー集『大阪ラモーンズ』から3人それぞれがヴォーカルをとって"ロックンロール・ハイスクール""シーナはパンクロッカー""KKK"の三曲。ナイフのファンならラモーンズが嫌いなはずはないのでもちろん多いに盛り上がる。

 二度目のアンコールは配信でリリースされたばかりの新曲"Sweet Christmas"を披露。ナイフとしては三つ目のクリスマス・ソングで、これがまたラモーンズ・スタイルの名曲なのである。今回の配信リリースには、この曲のアコースティック・ヴァージョン、そしてオープニングSEで使われた"We Wish You A Merry Christmas"も収録。今年のクリスマス・ソングはこれ一択でしょう。どうせなら7インチでほしいと思ったらイギリスではアナログでリリースされているらしいので、現在入稿直前の紙『ele-king vol.4』の仕事がひと段落したら輸入盤屋に探しにいこうと思う(なかなか届かない原稿をジリジリしながら待っていたら、野田編集長からこの原稿を催促するメールが届いたのです)。

 MCでアナウンスされていたが、今年の年末は少年ナイフが初めてスタジオで練習をしてから30年。そして来年の春には初めてのライヴから30年。『大阪ラモーンズ』に続き、来年も30周年企画はいろいろとあるようだ。楽しみですね!

 会場で会った知人は最初は「今日はワンマンだし、長そうですね......」なんて言ってたのだけれど、終演後には満面の笑顔で「最高でしたね! 間違いないっすね!」と大興奮だった。まあ、そういうことだ。悪いこと言わないから機会があれば観に行くといい。ロックの楽しさってのはこういうものですよ。

Submotion Orchestra - ele-king

 いかにもUKらしいと言える展開で、これはもう、アシッド・ジャズ・ミーツ・ダブステップと言いますか、ダブステップ時代のモーチーバでしょう。彼らは90年代のなかばにポーティスヘッドのセンセーショナルなデビューに続いて、同じように女性ヴォーカリスト迎えて生でトリップホップを演奏するバンドとして登場、名声的にも経済にも成功している。ジェームズ・ブレイクをポーティスヘッドに喩えるなら、サブモーション・オーケストラはまったくモーチーバである。このアルバムが好きな人は試しに聴いてみると良い。好きになることうけあいだ。ケイティ・Bがガキんちょのための音楽だとしたら、こちらは大人向け......とも言える。リーズで結成された7人組で、トランペットとフルゲルホーンといった管楽器の奏者もいる。シネマティック・オーケストラもよく引き合いに出されるほど、それぞれの曲が叙情詩的に展開される。

 裏打ちの16をベースに、3泊目にアクセントをおく、いわばブリアル系ダブステップ・ビートは、この2~3年で瞬く間に広がっている。当のブリアルは、そうした自分の影響の拡大を横目に、より近寄りがたいざらついたビートの「ストリート・ヘイロ」を2011年は発表しているが、まあブリアル系とその亜流が氾濫するほど彼が2006年から2008年に作ったビートには魅力があるのだ。そのブリアル系のダブステップ・ビートを生演奏しているバンドが、サブモーション・オーケストラというわけだ。本国では5月リリースされ、歌詞対訳のついた日本盤が9月に発売されている。遅くなってしまったが、ダブステップの洗練化という方向性においては一足先に出たアルバムということで紹介しておきたい。

 日本盤には、ゴス・トラッドとジャック・スパロウのリミックスがボーナスとして付いている。ゴス・トラッドとは、言うまでもなく日本における先駆的なダブステッパー。2012年の初頭に待望のアルバムを控えている。ジャック・スパロウはリーズのダブステッパーで、ブリストルの〈テクトニック〉からオーサー名義でもリリースしている。2012年初頭には来日も予定されている。
 ゴス・トラッドはサブモーション・オーケストラのバラードを地下街のダブステップに変換している。ヒプノティックなグルーヴと彼のダブ処理は、さすがにこなれているというか、オリジナルのムードを数段深い場所に引きずり込んでいる。ジャック・スパロウも同様で、歌を活かしたままトラックを見事にダブステップの美学へと差し替えている。『ファイネスト・アワー』はポップ・アルバムだが、アンダーグラウンドに敬意を表している。いかにもUKらしい、美しいつながり方である。

interview with Baths - ele-king


Baths
Cerulean

Anticon

Review Amazon iTunes

 バスは周知のとおりデイデラスやフライング・ロータスの周辺から浮上したビート・シーンの鬼っ子だが、リスナーの多くはインディ・ロック寄りの層なのではないかと思う。彼のサンプリングには他人からの引用というものがなく、ほぼ自作の音源しか用いられていないし、ライヴを観れば想像以上に「歌」への比重が置かれていることもわかる。実際のところ、ウォッシュト・アウトやトロ・イ・モワのような宅録ポッパーたちと近いところにモチベーションがあるのかもしれない。内向的で潔癖的な感覚も共通している。彼らの潔癖とは、ミストのように淡く広がる肯定感と、その肯定する対象への絶対的な距離感という、背反する感覚の表象ではないだろうか。ベッドルームから平熱で世界を祝福するチルウェイヴのマナーが、時代の作法としてバスにも流れ込んでいるように感じる。
 しかし、バスにおいてはそれはもっと激しいエモーションの奔流、エネルギーの過剰として表れるようだ。"プリー"の明るく天上的な響きと、どもって暴れ回るビートの攻撃性とは、背反し、摩擦を起こしながら、ともに彼の純粋さや若さを描き出す。屈託なく、恐れを知らない、本当に14歳の過剰を純粋培養したような音である。また、アートの世界からの影響や日本のカルチャーへの憧憬というものも彼の音楽を立体的にしていることがよくわかる。そうしたアーティスティックなアーティストとしての存在感が、今回のライヴとインタヴューのなかではっきりと増した。『セルリアン』は、若さがもたらした偶然と奇跡のアルバムではない。バスはもっともっと、大きくなるだろう。

僕はビョークが好きなんだ。彼女はソングライティングをエレクトロニクスやビートにミックスするのがとても上手くて、僕はその影響を受けているから、ビートも歌も同じくらい大事にしてる。

今回の滞在で3回のライヴを終えられたわけですが、いかがでしたか?

バス:3回ともまったく違うシチュエーションだったから、それぞれが特別で、すごく楽しかったよ。よけい日本が好きになったし、すぐにでも帰ってきたいね(笑)。

ドミューンなんかは少し変わった体験だったのではないでしょうか。オーディエンスがいないことでなにか変化が生まれたりはしませんか?

バス:過去にイタリアで一度だけウェブのライヴを経験したことがあるけど、ドミューンはサウンド・システムがほんとに素晴らしくて、オーディエンスがいないことは関係なしにほぼいつもの感じのライヴができたよ。ベースもよく出せたし。クラスカのほう(※24日のプレ・パーティ)は音響が少し弱い分、歌に集中できて、それはそれでよかったけどね。

私が観たのは25日のフィーバーの公演なんですが、ほんとにエモーショナルで、エネルギーに満ちたライヴだなと感じました。バスにおけるエモーションの発火点というのはいったい何なんでしょう? ビートですか、歌ですか?

バス:僕は音楽をはじめるにあたってソング・ライティングから入っているので、歌や作曲に重点を置いているんだけど、その後エレクトロも好きになってビートにも傾倒していった。僕はビョークが好きなんだ。彼女はソングライティングをエレクトロニクスやビートにミックスするのがとても上手くて、僕はその影響を受けているから、ビートも歌も同じくらい大事にしてる。

ビートに関しては、あなたはよくフライング・ロータスやデイデラスと比較されますね。でも3人ともまるで音の個性が違います。私のイメージだと、フライング・ロータスっていうのはすごくヒロイックで......

バス:ふふふ。

孤独で......

バス:うん。

タフネスがあって......

バス:うん。

ブルー。

バス:うんうん。

デイデラスの場合は愛、そして愉しみ......プレジャーとかジョイ、というイメージです。

バス:イヤー! あと、ダンディ、ね。

(笑)はい。で、バスはというと、力の定まらないものすごいエネルギーと攻撃性だと思うんです。すごく攻撃的だと感じます。それはたとえば14歳の少年が持っているようなエネルギーですね。まだ無方向的でどんなものにでもなり得るというような。この見方についてどう思われます?

バス:そのキーワードはじつにしっくりくるね。僕については、いま言ってくれたようなイメージを持ってもらえてうれしいよ。自分自身でもそういう作品だなって思っている部分がすごくあるんだ。アルバムの曲によっては、たとえば"ユア・マイ・エクスキューズ・トゥ・トラベル"とかは、若気のいたりっていうような感じをわざと出してもいる。僕はまだとても若いし、20歳のときの曲なんかには未熟な部分もたくさん残っていて、そういうものを含めたエネルギーが凝縮されたアルバムだと思うよ。

ああ、そうですね。さらに言うなら『魔女の宅急便』のほうきに乗れないキキですね。技術的に未熟という意味ではまったくないんですが、ほうきが暴走してるんです。巨大な才能と可能性が放出されるべき出口を求めて暴れている。

バス:キキね! それは素敵だ。

私はあなたのアーティスト写真もすごく好きなんですが、たとえばこのフライヤーに使用されているもの(※1)。顔に白い線が一本引かれていますよね。白い線と、白い犬。この2つはバスの純粋性を象徴しているんじゃないかなって思うんですよ。それは自分のピュアさであると同時に、なにか外界を遮断するような線なのではないかと。あの線は何なんですか?

バス:いやあ、じつはそんなに深い答えがあるわけではなくて......。実際のところ、ありのままの自分を見せるのにためらいがあって、もうちょっとなんかクールに撮れないかなって思ってやってみたというのが正直なところなんだ。でも白い線については、アルバムのイメージ・カラー......青と白なんだけど、それを際立たせるのは狙いではあった。できあがってみたら思ってたよりも印象的に仕上がっていて、自分でもびっくりしたよ。

※1

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"プリー"を書いたときには僕は少し落ちこんでいた。世界は真っ暗だってくらいのテンションだったかもしれない。それがすごく表現されているとは思うよ。いまは、まったく違うテンションで、そんなことは全然思ってないんだけど。

白と青がコンセプトだというのは、タイトルの『セルリアン』にも表れていますが、『セルリアン』というイメージはどこからきたものなんですか? そしてそれは何を表現しているんでしょう?

バス:セルリアンという色自体、たくさんの段階を持った色なんだ。このジャケットでも薄いところや濃いところがあるけど、そのどれもがセルリアン。いろんな可能性を秘めているという比喩だね。それにセルリアンっていう言葉は、ラテン語では「ヘヴン」とか「スカイ」とかそういうポジティヴな意味を持ったものなんだ。そういうところにも惹かれたし、バラエティをもった概念だと思ってタイトルに選んだんだ。それにこのセルリアンという言葉はアルバムを作る前から頭の中にあった。曲を作っているときも、「これは"セルリアン1"。これは"セルリアン2"」って感じでイメージしてたから、バラバラでありながらどこか統一感のあるものになっていると思う。

へえ! いいお話がきけました。実際にそういう天国、天上的な雰囲気がすごくありますね。アニマル・コレクティヴ以降のインディ・ロックには何らかの形でそういった肯定的なムードが示されているようにも感じるのですが、あなた自身のロック体験というものについてうかがいたいです。バスはビート・シーンの俊英という枠に収まらない、とてもロック的な存在だと思うんですが。

バス:ロックの影響はとてもあって、音楽をはじめたばかりの頃はクラシックだったんだけど、そのあとにエレクトリック・ベースとかギターとかそういうものをひと通りさわって、それからネフューズといういわゆるマスロック・バンドを組んだんだ。バンド体験は大きいよ。僕はベースだったんだけど、まずライヴというものをどうやってするかってことを学んだし、ひとりでやるのとはエネルギーが全然違う。観客からのフィードバックとか、メンバー同士での掛け合いなんかも一人でやるときには体験できないことだから、総合的にはとても得がたい経験だったよ。あと、バンドのほうがミステリアスなことができるしね。あの頃のことを思い出すと、うれしくてテンションあがっちゃうな。

バンドの方がミステリアスだっていうのはおもしろいですね。ところでもうちょっと白い線の話でひっぱりたいんですが(笑)、あのようなヴィジュアル的な見せ方を含め、バスには実際にとてもアート的な雰囲気を感じます。お母様が画家だともうかがいましたが、そのような環境や美術の世界から影響を受けていると思いますか?

バス:たしかに、育った環境のなかにアートというものが大きく含まれていたので、そういう影響は知らないうちに受けていると思う。調べてくれたように、母親は画家で水彩画と油絵をやってる。とてもクラシカルなものを描いてるんだ。父はテレビの脚本家をやってて......だから、そういうクリエイティヴィティといったものはどこかで受け継いでいるのかなとは思うよ。僕自身は、音楽でもアートでも映画とかその他の表現ジャンルでも、いちばん大事なのはそこにきちんとエモーションやハートに訴えかけるものがあるかどうかだと思っている。それに、シンプルな表現が好きなんだ。シンプルでありながら多くのことを語っているものがね。マンガやアニメとかでも、白い紙にさらっと線だけが描かれた絵コンテみたいなもの......そこにストーリーがあって、自分の想像力を自由にふくらませることができるようなものに惹かれる。たとえば、E.E.カミングスっていう詩人が好きなんだけど、彼は詩の朗読をしながらスケッチをするんだ。ほんの3~40秒くらいでささっと描いちゃうんだけど、そのなかでとっても好きなのが、ふたりの人が手をとりあっていて月が出ている絵なんだ。ほんとにシンプルで、だけどそこにいろんなストーリーを想像して何時間でも眺めていられる。ていうか、ビョークもE.E.カミングスの詩を使ってるんだ。"サン・イン・マイ・マウス"って曲なんだけど。あとは、ファッションの世界ではアレキサンダー・マックイーンも大好き。ニュー・ヨークのエキシヴィジョンには行けなかったけど、オンラインで全部みて、すごくインスパイアされたよ。いま挙げたものの全部に共通するのが、シンプルであることと、シンプルでありながらそこにきちんとストーリーが存在すること。だから自分が表現をするうえでも、派手派手しい形をとるのではなくて、シンプルだけど......

象徴性の高いもの?

バス:そう、潔くて、たくさんのものをインスパイアできるものにしたいと思ってる。それは僕が日本のカルチャーが好きということにもつながると思うんだけど、日本のカルチャーはシンプルなものが多いよね。トータルに、僕の表現はそういうものにしていきたい。

うんうん、だから、ほら、つながったじゃないですか、白い線! フライング・ロータスの場合、それはお面になるんですよ。けど、バスは一本の線になるんです。シンプルの極致ですね。ビョークもそこまでシンプルではない。あの一本の線の喚起力っていうのはすごくて、バスというアーティストについてとても正確に表現し、伝えてくれるものだと思います。

バス:撮ってるときは無意識にやったことなんだけど、たしかにそうかもしれないね。いまこうやってアナライズしてもらって、やってよかったって思えるよ! すごくいい写真に思えてきた(笑)。

ははは、そうですよ! しつこくてすみませんねー。では、アートつながりでもうひとつ。"ラヴリー・ブラッドフロウ"のミュージック・ヴィデオがありますね(※2)。あれにはまさに日本のファンタジー、ジブリ的な世界が......

バス:(独り言で)あ、ジブリって言った。

あははっ、さすがにジブリは耳が拾っちゃうんですね! 三鷹にも行ったんですよね。......そう、で、そのジブリ的な世界が展開されていると思ってんですが、あんな舞台を設定したり、侍をモデルにしたのはなぜですか?

バス:ディレクターがふたりいて、アレックスとジョーっていうんだけど、メインのアレックスが僕と同じようなカルチャーやアーティストに影響を受けているんだ。影響を受けていたものをリスト・アップしたらほとんどカブっていたくらい。で、いちばんはじめにいろんなアイディアがあったんだけど、その中でざっくり決めていたことが日本を舞台にしようということと、アニメーションにしようということなんだ。ふたりとも石岡瑛子という日本のアーティストの衣装デザインが好きで、その雰囲気を取り入れたいと思ったのもある。それからあまりにベタにアニメっぽいものではなくて、また違ったレヴェルに引き込めるものにしたいとも思った。ほんとにいろんなことを考えていたんだけど、3分のヴィデオにするにはあまりに壮大なアイディアばっかり出てきちゃって......。僕はパッケージでもアートワークでも曲でもパフォーマンスにしても、すごくこだわりをもってやってるんだ。アレックスは僕のそういうこだわりを僕以上に理解してくれてて、歌詞の内容やメッセージについても彼の方が深くいろんなものを感じとってくれてた。だから、途中からクリエイティヴ・コントロールがすべてアレックスの手に移ってしまったんだ。現場での僕はADみたいなもので、「サンドイッチ買ってきて」とか言われてパシリになってたよ(笑)。

ははは。

バス:(笑)そのくらい彼を信用して全面的に任せたんだ。あとは何度も出てきている「シンプル」ってキーワードなんだけど、ここでもそれは大事にした。けど、印象的にはしたいけど、ショッキングにしたくはなかったんだ。穏やかにこのイメージを伝えたかった。『もののけ姫』の雰囲気だね。とてもインスパイアされているよ。自然とか、生命の息吹とか、そんなものを大事に表現したかった。最後、お侍が死んで、土になって、葉っぱとかになって戻ってくるんだ。

ああ!

バス:輪廻転生っていうかね。そんなふうに命を表現した作品なんだ。たださっきも言ったけど、そんなテーマだとふつうは3分のミュージック・ヴィデオじゃなくて映画の規模になっちゃうよね。アレックスとジョーはとても上手にまとめてくれたと思う。すごく満足してるんだ。

うんうん。すごくよくわかります。じゃ"ブラッドフロウ"っていうのは人間の血流というより、宇宙の血流、宇宙のブラッドフロウってことなんですね。

バス:イエス。そうだね! 歌詞からはストレートな意味でとれるけど、自分の血の流れっていうことでは必ずしもないんだ。それはインスピレーションだったり、比喩的なものだったりもするし。

はい。うんうん、今のですごくよくあの歌詞の意味がわかりました。なるほどなあ。あの曲ってどのパートからできたんですか?

バス:ええと、2年くらい前に作ったからいま一生懸命思い出しているんだけど......確実なのはベース・ラインからできたってことだね。

ベース? へえ。

バス:なんとなくベースを弾いてたときに、日本ぽい感じのフレーズだなっていうのが出てきて、それを録音して重ねていったんだ。で、何度も聴いていろいろ録音しているうちに、すごくダークな雰囲気が生まれてきた。そのダークな雰囲気に自分自身がインスパイアされて詞が出てきたんだ。そんな順序だね。このアルバムは、基本的にはポジティヴなものとして作っていたんで、すごくダークなものっていうのは入れているつもりがないんだけど、結果的にはこの曲はダークなものになったかもしれない。

ダークっていう言葉、じつは私もキーワードとして考えていたものなんです。いま聞いてとてもその言葉が響きました。『セルリアン』というタイトルについて話してくださったように、このアルバムには天上的な雰囲気がありますね。明るくて透明なものです。でもそのなかに攻撃性とか暗さというものが分かちがたく張りついていると思うんです。実際に"プリー"なんかには「ダーク・ワールド」ってモチーフが出てきますよね。「セルリアン」は同時にダーク・ワールドを表現してもいるんじゃないかって......あなたは、この世界がほんとに「ダーク・ワールド」だって思いますか?

バス:ええと......この、いま生きている世界がダークな場所だってふうには思っていないよ。他の曲でも、必ずしも書いたことが本心からそう思っていることだというわけではないんだ。と言いつつも、"プリー"を書いたときには僕は少し落ちこんでいた。世界は真っ暗だってくらいのテンションだったかもしれない。それがすごく表現されているとは思うよ。いまは、まったく違うテンションで、そんなことは全然思ってないんだけど、ライヴで演奏するとその時のエモーションがすごく戻ってくるんだ。だから聴いてくれるオーディエンスの人びとにもそれが伝わってしまうんじゃないかな。歌詞の内容は恋の話なんだけど、実際に自分はそのとき恋愛をしていなかったんだ。でも恋愛というものがどういうものか、どんな気持ちになるのかっていうのは、一般的な情報としては知っているから、曲を書くときにそのキャラクターにはなりきれる。そういう演じていた部分もあるかな。よくこういう取材とか友だちからの質問で、恋愛の相手は誰なんだ? ってきかれたりするんだよね。でも相手はべつにいないんだ。

"プリー"の演奏はほんとに心に残りますよ。逆に冒頭の"アポロジェティック・ショルダー・ブレイド"は教会音楽的な響きを持っていて、ずばり天上のイメージなんですが、あの「ヒュー」っていうモチーフはなんですか?「ヒュー」がコンピューターから這い出したってことを祝福する音楽なんですか?

バス:あははは! あれ、くだらないんだけど、ヒュー・ジャックマンのことなんだ。

(一同笑)

が、出てきたんですか(笑)? このインタヴュー、締まらないじゃないですか!

バス:いや、ヒュー・ジャックマンが好きで......あはは! 夢の話なんだ。夢ってすごくロマンチックなものなんだけど、実際の内容はすごくバカみたいでありえなかったりするよね!

あれ、あのワン・センテンスしかなくて(※「ヒューがコンピュータから這い出していった」という一行のみの詞)、しかもむちゃくちゃハイ・トーンで感情こめて歌うじゃないですか(笑)。

(一同笑)

バス:一番はじめに指摘してくれたように、このアルバムはすごく若さにあふれたものなんだ。若いときの攻撃性とかパッションとかエモーションが詰まってるって言ってくれたけど、この曲なんかはまさにそうで、若気のいたりですらあるよ。このときは、こんなふうにやるのが超おもしろいって思ったんだ!歌詞はもっとあったんだけど、全部切ってこれだけにした(笑)。

超、印象的ですね。全部切って正解ですよ。ええと、時間がないということで、私まだまだいろいろ聞くことあったんですけど......

バス:さっき、ダークネスって話も出たけど、次の作品は「ダーク」なものにしよう、そういうインテンスなものにしようと思ってるんだ。楽しみにしててください。アリガトウ!

※2

James Ferraro - ele-king

 ベスト・バイは、日本で言えばヨドバシ・カメラやビック・カメラのようなアメリカの超巨大家電チェーン店だが、しかしそれは主として郊外にある。フォックス・スポーツはFOX社のスポーツ中継番組で、アメリカンフットボールをはじめ、メジャーリーグベースボールも放映している。昨年、〈オールド・スペリング・イングリッシュ・ビー〉からアナログ盤として再発された(オリジナルは2008年のカセット・リリース)ジェームズ・フェラーロの『ラスト・アメリカン・ヒーロー』のスリーヴ・アートは、ベスト・バイの鮮やかな発色の青と黄の看板の写真が使われている。裏側にはフォックス・スポーツのロゴ、そしてベスト・バイの駐車場に駐めてある車とロボットがコラージュされている。封入されたライナーノーツには、アメリカの郊外におけるスプロール化に関する記述、「表紙の写真は空虚な世界における現代のゴモラ寺院たるベスト・バイ・プラザ・センター」、ロボットについては「グーグル以降のデジタル・コロシアムにおける闘士」などという説明もある。

 今日のアメリカにおいて中産階級の貧困化は大きな社会問題のひとつとしてある。アメリカにある程度の時間滞在したことがある人にはわかる話だが、しかし日本における貧困とアメリカのそれとは違う。アメリカは、そのスプロール化と郊外の巨大なウォール・マート文化、その住宅事情だけを見たら、たとえば東京郊外のニュータウンや北関東の住宅地など何と説明すればいいのだろう、そもそもの国の豊かさの基準がどれほど違うのかという話でもある。
 『ラスト・アメリカン・ヒーロー』は、そうしたアメリカの郊外文化の豊かさと貧しさの両側をシニカルに描いている。作品からは、木々などの自然がところどころ部分的に残っているような、キレイに整備された広大な住居地域の、日本人(もしくはイギリス人)からしたら羨ましくなるような、それなりに広い一軒家のなかで、車で買ってきた1ガロンのマウンテンデューを冷蔵庫から取り出してアメフトに熱狂する母親、そしてその奥の部屋に閉じこもりっぱなしでPCに向かっている肥満体の青年を思わず想像してしまう。
 だいたいフェラーロの異常な数のリリース(2008年で7作、2010年は18作のアルバム)をdiscogsを見ながら数えていると、彼自身が手に負えないオタクなのではないかと思えてくる。彼のポートレイトを見ると、名前の通りラテン系顔の、70年代のディスコから飛び出してきたように見える。

 『ファー・サイド・ヴァーチュアル(仮想の向こう側)』は、しかし2011年に彼が発表する唯一のソロ・アルバムである。1枚、彼はダニエル・ロパーティン(OPN)らとの共同作品を出しているが、ソロ作品は2010年末の『ナイト・ドールズ・ウィズ・ヘアスプレー』以来となるようだ。
 前作ではMTV的な消費文化としてのアメリカン・ポップを主題としていたが、この新しいアルバムで彼は、アートワークが暗示するように、タッチスクリーンが表象するある種の快適さを扱っている。ゆえに楽曲は、まるで嘘のようにポップで、キャッチーで、わざとらしいほど心地よい。"あなたのマックが眠っているあいだのスターバックス、スジズム博士"、"ヤシの木、Wi-Fiと理想の寿司"、"グーグル詩集"、"グローバルな昼食"、"リンデンドル"(有名な仮想貨幣ですね)......ずいぶんと興味深い曲名が並んでいる。作り方はほとんどOPNと同じだと思われるが、展開される音楽は別だ。1980年代の映画『コヤニスカッツィ/平衡を失った世界』におけるフィリップ・グラスと比肩される今作だが、フェラーロはデジタル時代の病的なまでの快適さを実に巧妙に描いている。繰り返すようだが、やけに軽快なのだ。デジタル時代のマーティン・デニーのように、そう、最後の2曲、"分譲マンションのペットたち"の暗さ、そして"太陽光発電の微笑み"の微妙な曲調を除けば。

DUBBY - ele-king

2011.12.3チャート


1
Andreas Reihse - Romantic Comedy - m=minimal

2
Gold Panda - DJ Kicks (Peaking Lights Dub) - !K7

3
The Kham Lingtsang Band - Solen - Unknown

4
Discossession - Manitoba - Crue-L

5
Legowelt - Poverties Paradise EP - Echovolt

6
Extrawelt - Neuland (Robag Wruhme Rekksmow) - Darkroom Dubs

7
Luv Jam - Outlander - We Play House

8
Tyedye - Fisherman's Bend - Italians Do It Better

9
Seahawks - Invisible Sunrise LP - Ocean Moon

10
Brain Machine - Alpha Beta Gamma (Von Spar Remix) - Titan's Halo

Jeff Mills - ele-king

 2011年の驚きのひとつは、ベース・ミュージック系の若いDJがURをかけていたことである。〈ナイト・スラッグス〉のガール・ユニットが"タイムライン"をミックスするとは想像だにしていなかったが、マーティンが"チャンジズ・オブ・ライフ"のピアノ・リフを混ぜて、そしてDJの最後に"アマゾン"をプレイしたときには、本当に、そう、本当に1周回ったんだなと(自分も年を食うわけである)。
 日本で暮らす高校生がドミューンを通じて今年はじめてジェフ・ミルズを見て感動したとしても(実際、そういうメールをいただいた)、それはストーン・ローゼズがブレイクする前にザ・バーズを聴いているようなものかもしれないが、こうした1周期については、正直な話、嬉しい反面、複雑な気持ちにもなる。おそらく理想的な展開とは、もはや"チャンジズ・オブ・ライフ"や"アマゾン"を必要としないほどダブステップから多くの決定打が出ていることだろうし、こうしたデトロイトへの回帰が起きている背景には、レイヴの殺伐さがあることを推測させる。まあ、だとしてもジェイミー・XXのソロ作品を発表しているグラスゴーの〈ナンバーズ〉のような若々しいレーベルがDJピエールの作品をリイシューしたのが2011年なわけだから、何にしても1周して、そして再発見されていることを前向きに捉えたい。ベース・ミュージックの最良の部分はこの先、フローティング・ポイントのような洗練とジュークのような衝動とに分かれていくのだろうけれど、URのような存在はこの両者の溝を埋めることのできる数少ない、そして大きな存在だということに変わりはないのだ。

 本作は60年代のSF映画(つまりSFにおける黄金期の)『ミクロの決死圏』を主題としたCDにして2枚組の大作である。『メトロポリス』にしても『タイムマシーン』にしても、ジェフ・ミルズのSF趣味は基本的にはレトロ・テイストで(そしてコード9は基本的には80年代のサイバー・パンク・テイストで)、『ミクロの決死圏』に関して言えば60年代特有のサイケデリックなヴィジュアルが素晴らしく、映画自体も娯楽に徹した、ある種の冒険活劇である。と同時に、主演女優のラクエル・ウェルチの不自然とも言えるセクシーさも魅力で、2年後の『バーバレラ』ほど露骨ではないものの、SF映画におけるエロティシズムという約束事もしっかり守っている。そんなわけでこの映画はいま観てもファッショナブルに思えるのではないだろうか......たぶん。
 とはいえ、この音楽がノスタルジックというわけではない。『ファンタスティック・ヴォヤージ』は、なんだかんだつねに前向きな、ジェフ・ミルズ流の大らかなアンビエント・ミュージックようでもある。サウンドトラック的な要素がたしかに強いが、彼はこのアルバムでSF的な音色を楽しみ、また主としてメロディに情熱を傾けている。"チャンジズ・オブ・ライフ"や"アマゾン"が重要な役目を果たしていた20年前の彼の音楽には、幻想に頼りがちなリスナーの目を覚ましてきたようなところがあるので、ジェフ・ミルズがいまこうしたリスナーの耳を楽しませるようなファンタジーを発表するというのも興味深い話である。

Chart by JET SET 2011.12.05 - ele-king

Shop Chart


1

FRISCO

FRISCO VIRTUAL INSANITY »COMMENT GET MUSIC
各方面から絶賛されている5thアルバムから、注目の7"シングルが登場!Alton Ellis定番曲のオケに絶大な人気を誇るRickie-Gのヴォーカルという、鉄板の組み合わせによる傑作カヴァー。エレガントな一時を演出してくれる カップリングの"Ska Devil"共に必聴です!

2

WHO KNOWS?

WHO KNOWS? SAY GOODBYE TO THE JOBS EP »COMMENT GET MUSIC
前2作も恐るべしカルト・ヒットを記録、DJ Harvey, Idjut BoysらトップDJのへヴィ・プレイも話題となった"Crue-L"ボス瀧見憲司氏手掛けるリエディット・シリーズ"Who Knows?"から待望の新作Vol.3が新着。

3

ONUR ENGIN

ONUR ENGIN SWEET POWER / SUMMER MADNESS »COMMENT GET MUSIC
ビッグ・ヒットを記録したセルフ・レーベル最新作Vol.5からの勢いをそのままに、原曲の陶酔感を最大限に引き出しながらフロア・アップデートを果たした特大傑作リエディット2作品をカップリング。

4

TERRENCE PARKER

TERRENCE PARKER LOST TREASURES VOL 1: LOVE'S GOT ME HIGH »COMMENT GET MUSIC
京都発"TR Kyoto"からの12"リリースも記憶に新しいデトロイトの重鎮Terrence Parkerによる'95年作品"Love's Got Me High"を、現行シーンの要人2方がリミックス。両サイド共にお勧めです。

5

MASAMATIX

MASAMATIX MOVIN' EP »COMMENT GET MUSIC
2011年6月に長い沈黙を破りついにリリースされたソロ・アルバムからDJユースな楽曲2曲に加え、Boof名義で放ったEPのヒットが記憶に新しいMaurice Fultonによるリミックスを収録!

6

MURO

MURO SUPER CHRISTMAS BREAKS -REMASTER EDITION- »COMMENT GET MUSIC
Diggin Ice~Diggin Heatシリーズ各種のCD化がすべて特大ヒットを記録している「King of Diggin'」=Muro氏の名作復刻シリーズ。番外編として本作「Super Christmas Breaks」がCD化です!!

7

SOUNDSTREAM / SOUNDHACK / T.S.O.S.

SOUNDSTREAM / SOUNDHACK / T.S.O.S. SOUND SAMPLER VOL.1 »COMMENT GET MUSIC
相棒ErrorsmithとのデュオSmith N Hackも既に伝説化している解体/再構築ディスコ天才SoundstreamことSoundhack。謎の新鋭T.S.O.S.も交えた超強力コンピ12"がこちら!!

8

FORD & LOPATIN

FORD & LOPATIN SNAKES / FLYING DREAM »COMMENT GET MUSIC
もはや説明不要のUSインディ・シンセ最高峰デュオ、Ford & Lopatin!!アルバム"Channel Pressure"未収録の2曲をカップリングした完全限定クリア・ヴァイナル!!

9

MAIN STEM

MAIN STEM ELECTRIC CHURCH »COMMENT GET MUSIC
Prins Thomas主宰"Internasjonal"から昨年デビューを果たし、Chicken Lipsの"Lip service"からのシングル作品やリミックス・ワークで頭角を現した、Ben Shenton, Robert Johnston & Tim Silverを中心とした新生ディスコ・ユニットThe Main Stemによる待望のデビュー・アルバムです。

10

ONRA

ONRA CHINOISERIES PT 2 »COMMENT GET MUSIC
前回と同様に、今回もベトナム他東南アジア産の60's/70's音源縛りによるサンプリング・ビート集。前作のアウトテイクを煮詰めた結果、それを遥かに凌ぐ仕上がりになりました!

Anstam - ele-king

 テクノとダブステップの架け橋となったモードセレクターの3作目にはあまりいい部分を感じることはできなかったけれど(がんばれ、トム・ヨーク!)、彼らが主宰するモンキータウン傘下の〈50ウェポンズ〉からデビュー・アルバムを放ったラース&ヤン・シュトゥーヴェにはUKベースに対するドイツからの最良のアンサーを感じ取ることができた。すでにレイディオヘッドのリミックス・アルバムにも起用されていたので、その感触に触れた人も少なからずではないかと思うけれど、イージーにいうと、これはブラック・ストロボのダブステップ・ヴァージョンであり、ジャーマン・トランスをベース・ミュージックに様変わりさせたアップ・トゥ・デイト・ヴァージョンだといえる(ブラック・ストロボといってもシングルだけが好きだった人に朗報です。つーか、12年待ちましたよ!)。

 重いベースをローリングさせ、コケ脅かしのフレーズを散りばめながら、しっかりとハットでステップを導いていく。何もここまで重々しくしなくてもいいだろうと思うほど全世界を暗闇に閉ざし、リン・ドラムを徘徊させるオープニングから一気に人びとをダンサー・イン・ザ・ダークへと変換させる。09年にリリースされた3連作シングルではインダストリアル趣味がもう少し剥き出しになっていたものを、ここではかなり洗練されたフォームに移し変えられ、よりダンス・ミュージックとしての機能がアップされたことで、その対比は皮肉なほど明確に感じられる。残念なのは40分ちょっとしかこの人工庭園では遊ばせてもらえないことで、まったく正反対のことをラスティが『グラス・スウォーズ』で延々と展開していたことはたしか。いずれもフィクショナルな想像力の展開としては相当な力量の持ち主といえる。足して2で割ったらパフュームには......ならないか(ギャラクシアスもがんばろー)。

 それにしても重い。このようなドイツに特有の重さというのは、一体、なんなのか、カンにもDAFにもデットマンにも認められるものだし、2年前にグトルン・グートとAGFが結成したグライエ・グート・フラクションもIDMスタイルのマラリア!といった過剰なヘヴィネスが最初から最後まで漲っていて、とにかくカッコよかった。そのリミックス・アルバムがなぜかいま頃になって完成。10人のゲスト・リミキサーを迎えながら、やはり独特の重々しさは統一されている。

 GGF自身もカウントすると、まずはリミキサーの男女比が4:8と圧倒的に女性で占められ、グルジアに戻ったTBAことナタリー・ベリツェやバーバラ・モーゲンシュテルン以外はほぼニュー・フェイスといった布陣(変わったところではクロスタウン・レベルズからテック-ハウスのリリースがあったジェニファー・カーディーニも)。男性4人はシングル・カットされたパレ・シャンブール"ヴィア・バウエン・アイエ・ノイエ・シュタット"のカヴァーからアルヴァ・ノト(Aサイド)とヴォルフガング・フォイト(Bサイド)を採録した以外にミカ・ファイニオによる重々しいアンビエント・リミックスと、ソウルフィクションによるダブ・テクノ。男女でとくに出来に差があるわけでもなく、個人的には(意外と長い人のようだけれど)ディー・パティンネン・テイル2のドンナ・ネーダによる歪んだダブ・ミックスに最も興味はそそられたものの、どれもがGGFの美意識を損ねることなく、独特の世界観を補強する仕上がりで、とてもリミックス・アルバムとは思えない完成度といえる。単に重いだけでなくセクシーなところがGGFはいい。

Irrelevant - ele-king

 2011年を1曲で表せと言われれば(言われないけれど)、ホーリー・アザー「ウイズ・U」を僕は選んでしまうだろう(映画で1本と言われれば『スコット・ピルグリムvs元カレ軍団』か『メランコリア』か、マンガで1冊と言われれば桜場コハル『そんな未来はウソである』、ネコで一匹と言われれば......)。

 そして、ホーリー・アザーの新作が待ちきれないという人に似たようなものを(笑)。寡作ではあるものの、着実に話題作を送り出し続けているアレイ・キャットのレーベルからイレルヴァントのデビュー・アルバム。ダブステップとウィッチハウスの架け橋となったホーリー・アザーをさらにリヴァーブの海に沈めたような展開で(ウイッチネスが増したというか)、まさにベリアルのUKガラージ版といった内容になっている(ショップによってはチル・ステップ、もしくはハード・ワックスなどはアンビエント・UKガラージとアナウンス)。

 ドラムンベースのリズムを使っている曲もあったりするものの、リズム感があまり巧みとは言いがたいのでホーリー・アザーのような官能性には欠けるし、せっかく面白い音を多用しているわりには、ウィッチネスを強調したいせいか、音の分離もそれほどよくはないので、どうしても雰囲気モノとして聴いてしまいがちだけれど(別にそれでいいんだけど)、逆にいえば、チル・ステップというような呼称を持ち出してくるほど極端なものをダンスフロアが求めているともいえ、異形の存在感には事欠かない。"ノー・ラヴ""ゼロ以下""自傷""裏切り"と、曲名もネガティヴなことこの上なく、『多分、大丈夫だと思う』という意に取れるアルバム・タイトルも思春期の王道を醸し出す。

 映画『アンノウン』を観ていたら、ベルリンのクラブでクラウドがジョイ・ディヴィジョンを聴きながら踊りまくっているシーンがあり、そういえば僕もジョイ・ディヴィジョンはダンスフロアで出会った音楽だったということを思い出した。ダンスフロアで流れる音楽が内省的で重苦しいものを排除しているというようなことはいまも昔もなかった。コクトー・ツインズしかり、セイバーズ・オブ・パラダイスしかり。むしろ、ある種の雰囲気に埋没できることがダンスフロアの強みといえ、ウイッチハウスというのはそれを極端にしたシーンだといえる。外からの見た目はかなり気持ち悪いらしいけれど(ジョン・レイト談)、ジェイムズ・ブレイクといい、ボン・イヴァーといい、この種の雰囲気とリンクしてしまう傾向はあらゆる場面で散見できる。フェネスも関わり出したブラック・メタルがその背景にはどこまでも広がっている。

 ゴシックといわずにウィッチ(ネス)というのはなるほどで、ダンス・ミュージックに関する限りはどこかインダストリアルをオミットしている部分があるのだろう。インダストリアル・ミュージックのフロントラインはポスト・クラシカルに移行していると僕は思っているので、ゴシックが担うべき重圧感はそちらに任せられるという事情もあるのではないだろうか。ウイッチネスとは、まさにその予感であり、アニマル・コレクティヴやディプロに対するカウンターの位置にある。あるいはゼロ年代のアンダーグラウンドを主要な棲家としていたノイズ・ドローンの浮上ないしは変形と考えてもいいか。

 意外ななリンケージだけど、スペーシー・ドローンのマイ・キャット・イズ・アン・エイリアンもこの数年でじわじわとウィッチネス効果を高めてきた。『エレキングVol.2』にも書いた通り、トリノの工業地帯からアルプス山中にスタジオを移したことで、手法的には同じでもアーシーな響きへと様変わりしたことで、宇宙を漂うのではなく、森の中を彷徨っているようなニュアンスを放つようになってきたからである。イフェクターを通してギターやピアノが乱舞する"#3"の美しさは彼らのなかでも新境地といえる。そう、20年目のアリオ・ダイといい、ベルルスコーニのイタリアはIMFの監視下に入るというし、一体、国民感情に何をもたらしているというのだろう......(ベルルスコーニのニュー・アルバムも出るというのだから意味がわからない......)。

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