「Nothing」と一致するもの

The Bridge 反レイシズムRemix ECDILLREME - ele-king

 ここ数年......に限ったことではないが、町やネットで、あからさまな排外主義、レイシズムが平然とのさばっている。なんでも町では、在日の外国人(とくに韓国人)に向けての「死ね」「殺せ」などといった、まったくこれはナショナル・フロントかというシュプレヒコールが起きているというではないか。何か何までサッチャー時代のUKを30年遅れでなぞっているようだが、日本のメディアではどういうわけか問題化されない(欧米では、サッカーの現場においても人種差別の撤廃は叫ばれている)。
 ご存じの方も多いかと思うが、反レイシズムのラップをECDとイルリメが作っている。これまで明るみにでなかった、一種のタブーに挑戦した勇気ある、素晴らしい曲だ。なるべく多くの人たちに届くように、友だちにも教えてあげよう。

The Bridge 反レイシズムRemix ECDILLREME by ECD on SoundCloud


The Bridge 反レイシズムRemix ECDILLREME - YouTube

OCTAVE ONEをはじめ8組。 - ele-king

「日本一早い」都市型フェス、StarFes.(スターフェス)の告知動画はご覧になっただろうか? 開催まで2週間を待つばかりとなった本日、第5弾となる出演アーティストが発表となった。ズラリと並んだ面々の名を眺めるにつけ、入場料3,500円というのは破格である。さてさて......?

話題沸騰中の日本一早い夏フェス『StarFes.』
開催まであと2週間!全出演者のラインナップが決定!!

2013年3月23日(土)東扇島東公園特設会場(神奈川県川崎市)で開催する『StarFes.2013』。豪華なラインナップで話題沸騰中の本フェス。これまでに

第1弾出演アーティスト(mouse on the keys、HIFANA、AFRA、rega、Daichi)、
第2弾アーティスト(FRIENDLY FIRES-DJ SET-、JAZZANOVA feat. PAUL RANDOLPH、DJ KENTARO、DE DE MOUSE)、
第3弾アーティスト(THE ORB、電気グルーヴ、Theo Parrish、80KIDZ、[Champagne])、
第4弾アーティスト(スチャダラパー、BACK DROP BOMB、SUGIZO)と、

総勢17組の超強力なラインナップが発表された。ファイナル・アナウンスとなる第5弾出演アーティストは、フェスの盛り上がりに不可欠なダンスアクトが盛りだくさんだ。

まず1組目は、サンフランシスコを拠点に活動するDJ兼プロデューサー、Mark Farina。野外フェスのヘッドライナーを数多く務め、都内の大箱クラブをファンで満杯にする人気アーティスト。『StarFes.2013』ではさらに進化した斬新でディープなハウスを聴かせてくれるだろう。

2組目は、デトロイト・テクノ第二世代の一角、OCTAVE ONE。自身名義「I Believe」を発表後、デリック・メイ主宰のレーベル=Transmatからリミックス盤がリリースされ、世界的ヒットを記録したバーデン兄弟が、本フェスでデトロイト・テクノの神髄を披露してくれる。

3組目は、ニューヨークを拠点に活動するプロデューサー/リミキサー/DJであるSTEPHANE K。ラップトップを用いてグルーヴに満ちたトラックを縦横無尽に繰り出すそのDJセットは、ハウスといったジャンルだけに括ることのできないものだ。オリジナリティ溢れるプレイを是非とも期待したい。

4組目は、ご存知、TOKYO No.1 SOUL SETのDJでありサウンド・プロダクションを担当する川辺ヒロシ。クラブDJとして長いキャリアを誇り、ハウスやテクノのフィールドでオリジナル・センスを駆使したミックスを展開し、多くのファンに支持される巨匠だ。その熟練されたスキルに一層の磨きがかかっていることだろう。

5組目は、世界を舞台に活躍を続ける日本人クリエイター兼DJのKaito aka Hiroshi Watanabe。ドイツの名門レーベル=KOMPAKTに所属する日本人アーティストであり、様々な名義で活動し、世界中からプロップスを得る人気アーティストだ。数々のビッグ・イベントに出演した経験を本フェスで披露してくれるに違いない。

6組目は、いわずと知られたストリートの申し子、DEXPISTOLS。エレクトロ・ダンス・ミュージックを軸に、ヒップホップ、ロック、ハウスを織り交ぜたその音楽感覚で、本フェスの熱気を最高値まで上げてくれることだろう。

7組目は、都内の主要クラブや、HACIENDA OISA FESTIVAL、Rainbow Disco Clubといった話題のフェスティバルなどに出演しているNaoki Serizawa。ダンサブルなニュー・ディスコやディープ・ハウス、ヒップホップなどの要素を取り入れたプレイは必見だ。

8組目は、代官山AIRの看板イベントであるEDENのレジデントDJのひとりとして、Global UndergroundやSeriousなど、世界規模のパーティーとのコラボレーションを成功させたRYO TSUTSUI。ダンス・ミュージックの衝撃的なムーヴメントを作りつつある氏のプレイは観客を熱狂の渦に誘い込むだろう。

『StarFes.』は、「信念や探究心を持ち、それぞれに独自の世界を突き詰めたプロフェッショナルな男達、哲学を持ち、文化を創造してきた多様なアーティスト達が一堂に集結し、オーディエンスの新たな感性やモチベーションを刺激する機会を提供する」というコンセプトのもと、「新旧、国内外、アンダーグラウンドとオーバーグラウンドなど多様性があり、かつ独自の世界観を追求しているなどの共通性を持ったアーティスト」が多数ラインナップ。出演アーティストのタイムテーブルは来週中に発表する予定だが、まずは一足先にステージ割を発表。

メインステージとなる「Star Stage」はその名の通り、国内外のレジェンダリー・スターやニュー・スターがパフォーマンスする“スター”のステージ。こちらにはTHE ORB、JAZZANOVA feat. PAUL RANDOLPH、スチャダラパー、電気グルーヴ、SUGIZO、BACK DROP BOMB、[Champagne]、RYO TSUTSUI(順不同)が登場。

セカンドステージの「Star Floor」は、国内外アンダーグラウンドからクラブシーンを賑わすスターが出演するダンス・ミュージックのステージで、野外でありながらダンスフロアを想起させるネーミングになっている。こちらにはTheo Parrish、Mark Farina、OCTAVE ONE、FRIENDLY FIRES、DE DE MOUSE、Naoki Serizawa、STEPHANE K、Kaito aka Hiroshi Watanabe(順不同)が登場。

サードステージの「Star Jam」は、独自の音楽スタイルを突き詰める多様なアーティストがオーディエンスと共鳴する音楽空間。『StarFes.』ならではのアーティストの魅力を伝えるため“ジャム”という言葉を用いている。ライブ・パフォーマンスを中心としたアーティスト・ラインナップでもあり、ライブ感のある“ジャム”に相応しい、DJ KENTARO、HIFANA、川辺ヒロシ、AFRA、80KIDZ、DEXPISTOLS、mouse on the keys、Daichi、rega(順不同)が登場。

総勢25組の豪華ラインナップと3つのステージでお贈りする『StarFes.2013』は、前売チケットが3,500円と大変リーズナブルなフェスティバル。冬の寒さから解放され、気候も暖かくなってきた3月23日(土)、今年最初の都市型屋外フェスを是非とも楽しんで欲しい。

■StarFes.
開催日時:2013年3月23日(土)
会場:東扇島東公園(神奈川県 川崎市)
出演:ジ・オーブ、電気グルーヴ、80KIDZ、セオ・パリッシュ他
チケット;¥3,500(前売り)発売中
公式サイト:https://star-fes.net


なぜ「ヒキコモリ」は正しいのか? - ele-king

 なぜ「ヒキコモリ」は正しいのか?
 すべてが正しくオープンになる世界が、なぜ息苦しいのか?
 なぜ人は「なぜ?」と思わなくなっていくのか? 

 『もしインターネットが世界を変えるとしたら』(1996年/晶文社)でいちはやくインターネットと社会との関係を論じたメディア論の先駆者・粉川哲夫と、ele-kingではおなじみ三田格との待望の共著がドロップ! 映画を愛好するふたりとあって、映画からSNSまでの新旧のメディアを考察しながら、「有縁」から逃れられなくなりつつある社会と、そのなかでの「無縁」の可能性についてさまざまに対話をめぐらせる内容だ。

「社会主義」は、「社会」の終わりから始まった。それは、資本主義の危機でも あったが、資本主義はそれを取り込んで生き延びてきた。だから、いまの資本主義にとっては、「社会的なもの」は不要なのである。(粉川哲夫「序文」より)

 という圧倒的な切り口での「ヒキコモリ」論の相貌も持ちつつ、「メディアの憂鬱をいかに生きるか」(タイトル候補でもあったフレーズだ)超絶マジレスを打ち返し合う、風変わりで爽快な対談本!

 3.11から2年、原発問題、金融危機、などなど、激動する社会に生きる私たちに見える世界の正体とは......? みたいなよそゆきの宣伝文はさておいて、ひとまずご一読をおすすめしたい。ele-king books第3弾!

 野菜割引とは何だろう......? ローカル×超ローカル、ジャンル×超ジャンル、熊本の秘境に遊び、食べ、憩い、踊り、泊まる、地元エコ・ヴィレッジ主催のユニークな音楽イヴェントをご紹介しよう。風光明媚な土地柄に豪華なラインナップ、スローフードにトリップな音楽ショーまで加わり、浮世の垢を落としコリをほぐす「音楽マッサージ」が体験できそうだ。

【熊本 イベント】 ∞∞∞saihate 3 DAYS Gathering∞∞∞

敷地面積10,000坪。熊本県宇城市三角の山の上にある「三角エコビレッジサイハテ」。グラフィックデザイナー、パーマカルチャーデザイナー、タイル作家、料理人、DJなど10名ほどの住人と日々訪ねてくる来訪者によって衣食住+文化循環型のエコビレッジを作っています。

そんな秘境「サイハテ」で3/9〜3/11に「∞∞∞saihate 3 DAYS Gathering∞∞∞」が開催。九州はもとより関東・関西から多数のアーティストがサイハテに集まります。

1日目、3/9はライヴとDJの宴「ALL LIGHT,ALL RIGHT」。熊本初ライヴとなる関西の鬼才「オオルタイチ」。元CANのダモ鈴木やDJGonnoとのコラボレーションなどで多彩な活躍をする宇宙ギタリスト「MANDOG」。九州勢は熊本を代表するバンド「Doit Science」、熊本のビートメイカー「ILL THE ESSENCE」。大牟田の誇る女子高生ドラマー杏ちゃん所属のバンド「電子たくあん」、大分からサックス・インプロヴァイザー**「山内桂」。そしてDJは中原昌也、ALTZ、BING aka TOSHIO KAJIWARA、EGGという九州、関西、関東がミックスされたラインナップです。
 
2日目、3/10は各地で宇宙マッサージを出店しファンを増やし続けているプリミ恥部が主催する「ニューサイハテシャンバラデイ∞∞∞プリミ恥部な全宇宙○」。これは宇宙音と宇宙映像と宇宙ダンスの渦の中心で宇宙マッサージを体感できる「ニューシャンバラデイ」に会場が映画化されていく映画ショー「プリミ恥部な世界」がリミックスされる超絶宇宙ショー!!! 九州初開催です。「これはいったい何!?」という方もぜひイメージを膨らませてみてください。

そしてこの日のDJはTOWA TEIとYOGURT!!!! まさかこんな秘境にこのメンツ......という豪華さだと思います。
多数のミュージシャン、DJ、ダンサー、デコ、VJ、参加したすべての人で作り上げる宇宙フロア。「たった今は、全宇宙だ!!!」をサイハテで体感してください。

3日目3/11もパーティーとワークショップが決定しています。が、こちらの内容はシークレット。期間中のフードは全国のローフード愛好者から支持されている京都のCacao∞Magicや狩猟肉推進チームHUNTなど珍しい出店が揃います。

また、チケットもユニークな仕組みを採用。ドネーション制度を導入した33人限定の「自由料金チケット」は3日間のイベント参加と会場への宿泊がセットになっており、ディープにギャザリング参加したい人にもってこいです。また、この他に1日ごとの参加チケットも設定されています。

会場のサイハテまではJR熊本駅から電車利用や熊本市内から車で約1時間。JR三角駅と会場の送迎車も用意していますので、車で来られない方や遠方から遊びにくる方も安心です。サイハテの広大な敷地には豊富で美味しい柑橘類の木々が茂り、最近は住人とワークショップ参加者で作り上げたアースバックハウスも1棟完成したばかり。いくつかのチルアウトスペースもあり、イベント以外でも充実した時間を過ごせるはず。この機会に山の上の桃源郷に遊びに行きませんか?

∞∞∞saihate 3 DAYS Gathering∞∞∞

■ジャンル
HOUSE, ELECTRONICA, ROCK

■開催場所
三角エコビレッジサイハテ(熊本県宇城市三角町中村1901-17)

■入場料金
(1)宿泊&3日間のイベント参加ができるスペシャルチケット(完全予約制。33人限定。自由料金制(参加後、ドネーションをお願いします)

(2)1日チケット(1日ごとの参加チケット・宿泊不可)(上記の33人限定チケットとは別枠で用意しています)
【一般】3000円
【県外割引】2500円(熊本県外からお越しの方が対象)
【学割&野菜割引】2000円

■出演者

3/9 (土)「ALL LIGHT,ALL RIGHT」OPEN15:00
【LIVE】オオルタイチ/電子たくあん(大牟田) /ILL THE ESSENCE(熊本)/山内桂(大分)/MANDOG/Doit Science(熊本)
【DJ】ALTZ/BING aka TOSHIO KAJIWARA /中原昌也/EGG
【COSMIC MASSAGE】プリミ恥部
【FOOD】HUNT/Cacao∞Magic/スナックまゆみ/三角エコビレッジサイハテ
【SHOP】ぺーどろりーの

3/10(日)「ニューサイハテシャンバラデイ∞∞∞プリミ恥部な全宇宙○」
プリミ恥部 /平岡香純 /白井多有 /Akashic/朝日太一/ありひるあ/歩き巫女/ALTZ/池田社長/ウタモ/うっちー/wzmakimaw/オオルタイチ /COLORgung/工藤真工/熊谷然/熊谷もん/KEITA/ケンジルビエン/千住宗臣(COMBOPIANO/DATE COURSE PENTAGON ROYAL GARDEN/KOMAなど)/竹永省吾/TADA(SPOOKY)/デイヴィッド(生意気)/トンチ/中原昌也/東野祥子(BABY-Q)/HiraLion/BING aka TOSHIO KAJIWARA/pee/Heaven Hug/MANDOG/みなみりょうへい/村里杏/メガネ/ 山内桂/YAMAT
【DJ】/TOWA TEI /YOGURT
【FOOD】HUNT/Cacao∞Magic/スナックまゆみ/三角エコビレッジサイハテ
【SHOP】ぺーどろりーの
【fliyer】WhiteWhole(河野未彩+佐藤拓人)

▼特設サイト
https://saihatesambhala.tumblr.com/
▼三角エコビレッジサイハテ
https://www.village.saihate.com/

Andy Stott - ele-king

 すぐ隣で踊っているのがゲンイチで、その隣には渡辺健吾が......って、こ、これは......いったい、そしてライヴの最後にスピーカーからはジャングルが飛び出す。
 おい、いまは何年だ!? 1992年? 2013年だ。が、しかし......。
 ここにあるのが実はポスト・ハードコア・レイヴだと言ったら君は一笑に付すだろう。1991年~1992年のUKハードコアすなわちレイヴ伝説はもう過去こと。だが、レイヴの亡霊はブリアルのエレジーを介して、まばゆい太陽から寒々しい暗黒に姿を変えて甦った。それをインダストリアル・ミニマルと人は呼んでいる。アンディ・ストットはこの動きの火付け役であり、キーパーソンだ。昨年の『ラグジュアリー・プロブレムス』は日本でも異例のヒット作となって、リキッドルームという大きなキャパでライヴをやるくらいの注目と人気を集めるにいたったわけである。オリジナル世代もいたが、フロアには若い世代も混じっていた。

 まずはこの現象に関して簡単に説明してみよう。たとえば1991年~1992年あたりのテクノの作品のジャケを並べてみる。ジ・オーブでもサン・エレクトリックでもエイフェックス・ツインでも良い。初期のオウテカでも〈トランスマット〉のコンピでも、その時代にものなら何でも。続けて、アンディ・ストットの「パスド・ミー・バイ」「ウィ・ステイ・オールトゲザー」あるいはデムダイク・ステアやブラッケスト・エヴァー・ブラックあたりのジャケを並べてみる。ほら、20年前の色彩豊かなアートワークは灰色の美学へと、太陽の物語は血みどろの惨劇へと転換されたのがわかるでしょう。
 この新しい世代の美学に近しいものが20年前にもある。初期のジェフ・ミルズや初期のベーシック・チャンネル、あるいはアンディ・ストットのフェイヴァリットのひとつであるドレクシアなど......(ストットの初期の影響とマンチェスターのシーンについては紙ele-kingのvol.9に掲載の彼のインタヴューを参照)。

 かつて花田清輝が指摘しているような、風俗化したアヴァンギャルドのなれの果てとしてのホラー映画、『死霊のはらわた』のごとき、おぞましい映像の断片をバックに、スローなピッチのミニマル・ビートが脈打っている。ベーシック・チャンネルをマイナス8でミックスしながら、上物はアインシュツルツェンデ・ノイバウテンめいた不吉極まりない音響が飛んでいる。『ラグジュアリー・プロブレムス』で聴けるあの女性の声がなければ世界は永遠の闇に閉ざされていたかもしれない。が、この誇張されたアンダーグラウンド感覚は、今日の明るいクラブ文化が失ったものかもしれないな......と思った。そう、この怪しさ、このスリル、この不健全さ。ビートルズからブラック・サバスへ、ピンク・フロイドからスロッビング・グリッスルへ、23スキドゥーからシャックルトンへ、レイヴからインダストリアル・ミニマルへ......。

 会場で会ったベテラン・クラバーのY君が言った通りだった。これはサイケデリック・ミュージックであり、レイヴ・カルチャーであり......、いや、もちろんメタファーとして言うが、異教徒のそれ、亡霊として生き延びているそれだった。筆者も生ける屍体(社会から抹殺された者たち)のひとりして踊った。なるほど、身体が勝手に動く。これはマンチェスターからのアンダーグラウンド宣言だった。ゴシックでもインダストリアルでもなんでもいいではないか、そこにレイヴがあるのなら。もうこうなると、デムダイク・ステアも行きたい!

Charlatan - ele-king

 東京の夜は昼のように明るく、そのために電気代も......という話がよくでる。ヨーロッパの夜は確かに暗い。大通りへ出てもシックな茶色の街灯がポツリポツリと並ぶだけ。落ち着くし、静けさが染み渡っていくように感じられる。しかし、ヨーロッパの夜は9時を過ぎるまではかなり明るく、朝が遅いということもないので、要するに夜といえる時間帯は日本よりもかなり短い。つまり、危険な時間帯も無限に感じられるほど長くはないし、フィツジェラルドが『夜はやさし』と感じるモーメントも(日本人の感覚からいえば)あっさりとしたものだということになる。東京の夜が明るすぎるのは、それが長すぎたからであったのかもしれないし(別に原発推進派じゃないッスよ)、逆に夜という時間帯がどれだけ愛おしいものになるかもそれぞれの地域によって異なるのかもしれない。かつて忌野清志郎は「夜しか歌詞を書かない」と話していた。〈ナイト・スラッグス〉=夜のナメクジたちは、きっと今夜もぐにゃりぶにゃりと奇妙なダンスを踊っていることだろう。

 ここ10年で大量のカセットやRをリリースし、バーニング・スター・コアの後期にライヴ用のサポート・メンバーとして参加したマイク・シフレットによる正規6作目。これまでのノイズ・ドローンから一転してアンビエント・ドローンへ反転し、それこそ夜を追い求め、その優しさに同化しようとしているようなテクスチャーが立ち並ぶ。初雪が舞ってきたような"アシンプトーツ(漸近線)"から弛緩したムードが入り混じるようになり、後半は適度な緊張感を維持しつつも柔らかなギター・ドローンとの拮抗点が探られていく。"インチング(寸動)"で完全にメディテイション・ミュージックへと発展した流れはクロージングで混沌とした側面を取り戻すものの、その表情はやはりかつてのノイズ・ドローンとはかなり隔たりがある。〈タイプ〉からの『サッファラーズ』や『マーシレス』では通奏低音のようにして認められたクラシカルな手法も見事に消え去り、どの角度からも不安を煽るようなことはない。バーニング・スター・コアが徹底した動なら、『聖歌隊、軍隊』と題されたアルバムは完全な静。外に向かって放たれていたエナジーは、いま、回収される時期に来たのかもしれない。

 古くはタレンテルやバーン・オウルからブラザー・レイヴンモーション・シックネス・オブ・タイム・トラヴェルイマジナリー・ソフトウェア、ニガー・ウイズ・ギターズにザ・スレイヴス(紙エレキング8号P33)、kplrや最近ではなぜかイタロ-ディスコじみていたディスカヴァラーなど錚々たるリリースを重ねてきた〈ディジタリス〉を主催し、先ごろ、自分ではもうレコーディングをしないと宣言したブラッド・ローズ(ザ・ノース・シー)のアンビエント・プロジェクト、シャーラタンにもそのような面は濃厚に漂っている(もしかするとラスト・アルバムとなる『アイソレイタリウム』にはそれまでの路線には収まらない側面もあって、これ以上の創作行為がないのはさすがにもったいないような......)。〈アギーレ〉から再リリースされたファースト・アルバム『イキノックス』に較べると、たおやかでしっとりとしたシンセサイザーのうねりはまったく姿を消し、かつては光のなかを歩むようだった雰囲気も闇のしじまへと分け入っていくようなもどかしいニュアンスへとモード・チェンジ。"コーデックス"以下の全6曲は迷子になっていることを楽しんでいるような曲ばかりとなり、その多様性を随時、確認していると、想像力は闇のほうが広げやすいのかなーと。

 ある朝、「夜、どこにあった?」と、かつて仲井戸麗市は嘆いていたことがある。ヨーロッパに較べればかなり長い夜も、彼にはまだまだ足りないらしい。これを書いている午前6時現在、僕も同じようなことは感じざるを得ない。もう少しで外が白みはじめる頃合である。ブラム・ストーカーがドラキュラを生み出したのは歴史的にはオスマン・トルコが恐ろしかったからだけど(トルコがなまってドラク→ドラキュ......と変化した)、いつまでも朝になって欲しくないと願うような人たちがドラキュラのあり方を支持したから、これだけ普遍的な存在になったのかもしれない。そう思っていたらエンディングの長~い"ターミナル・ゼロ"がドラキュラの体内を血液が駆け巡っているような曲に思えてきた。......またパク・チャヌク監督『渇き』でも観ようかな。

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 『アイソレイタリウム』のスリーヴ・デザインには誰かさんのようにマスクをしたままの女性があしらわれている。これに関しては、エレキング9号で粉川哲夫氏が興味深い考察を加えてくれる予定です(あくまで予定)。また3月11日には粉川哲夫×三田格の共著『無縁のメディア』もエレキング・ブックスから発売です。学生時代に憧れていた方とまさか共著を出すとは思いませんでした! 人生、なにがあるかわからない~。

「社会主義」は、「社会」の終わりから始まった。それは、資本主義の危機でも あったが、資本主義はそれを取り込んで生き 延びてきた。だから、いまの資本主義にとっては、「社会的なもの」は不要なのである。(粉川哲夫「序文」より)

3.11から2年、原発問題、金融危機、などなど、激動する社会に生きる私たちに見える世界の正体とは……? デジタル・メディアが社会に行き渡った21世紀、すべてが「正しく」「オープン」になる社会がなぜ息苦しいのか? なぜ「ヒキコモリ」は正しいのか? なぜ人は「なぜ?」と思わなくなっていくのか?

自らの身体感覚を手がかりに生きてきた老人(思想家)と中年(音楽ライター)が戦後のサブカルチャーから政治までを俯瞰しつつ、映画や音楽を手がかりに世界の見方とその可能性について語る!

「音楽に何ができるか?」 - ele-king

cero / 田我流 / DJ:サイトウ"JxJx"ジュン(YOUR SONG IS GOOD)

 「音楽に何ができるか?」―― 3.11の後、頻りに耳にした言葉だ。東北地方太平洋沖地震が引き起こした津波と、それに伴う福島第一原子力発電所の事故による甚大な被害を前にして、誰もが「自分に何ができるか?」と考えたことだろう。その延長で、音楽に携わる人間たちは、冒頭の問いに向かい合った。そして、あるひとは募金を募り、あるひとは避難所まで足を運んでライヴを行い、あるひとは東京電力を批判する歌をネットにアップし、あるひとはいち市民としてデモに参加し、あるひとは避難をし、あるひとは普段通りの活動を続け、あるひとは籠って新しい音楽をつくった。

自分が取り分け印象に残っているのは、本震から間もない某日、テレビの生放送の音楽番組で、ある人気グループがあるヒット曲を歌った時のことだ。彼等は涙を流しながら、熱唱し、最後に「頑張っていきましょう」と叫んだ。正直に言って、その曲は好みではないのだが、そのパフォーマンスには、思いもかけず、感動してしまった。自分のような捻くれ者でさえそうなのだから、恐らく、日本中の多くのひとが勇気付けられたことだろう。しかし、今や、それは随分と昔のことのように思えてしまう。

 「震災に際して、音楽に何ができるか?」――実は、この問いの答えは明白だ。音楽は無力である。当たり前の話、緊迫した状況では何の役にも立たない。そのため、募金を集めたり、ひとを癒したり、鼓舞したりといった、後方支援に務めるしかない。そして、音楽は無力だからこそ、簡単に同調圧力に回収される。現状から顧みるに、3.11以降、この国でもっとも機能した音楽の力とは、問題の本質から目を背けさせることだったと言わざるを得ない。

 もちろん、そう結論付けるのはあまりにも乱暴だろう。小さな歌に耳を澄ませば、現実に抗う音が聴こえてくる。例えば田我流は、2012年4月にリリースしたアルバム『B級映画のように2』で、この国が抱える歪みの原因を探るために、日本人の深層心理にまで潜っていく。例えばceroは、2012年10月にリリースしたアルバム『My Lost City』で、自分達が抱えていたディストピア願望を自覚し、さらに、反転させようと試みる。彼等は、倫理的に批判されることも厭わず、聴き手に問題の根源を突き付ける。それは、「音楽に何ができるか」という問いに、早急に答えを出さないで、愚直なまでに考え続けたからこそ生まれた、もうひとつの音楽の力だ。私は2周目の3月11日を、彼等の初めてのツーマン・ライヴを観ることで過ごそうと思う。考え続けるために。(磯部涼)

2013.03.11(月)
@渋谷WWW
OPEN/START:18:30/19:30
ADV./DOOR:¥3,000/¥3,500(税込/ドリンク別)
LINE UP:cero/田我流
     DJ:サイトウ"JxJx"ジュン(YOUR SONG IS GOOD)
TICKET:ローソン(L:71897) イープラス
INFO:渋谷WWW(03-5458-7685)

https://www-shibuya.jp/schedule/1303/003618.html

Jim James - ele-king

 インディ・ミュージシャンもよく出演する、アメリカの人気トーク番組「レイト・ナイト・ウィズ・ジミー・ファロン」でのジム・ジェームスの回が素晴らしかった。バックにザ・ルーツとオーケストラを従えて、仕立てのいいスーツに身を包んだジム本人はギターを持たずに歌に専念する。僕などは日本の往年の歌謡ショーのステージを連想したのだが、数年前までテレビでもむさ苦しい格好で長髪を振り乱しながらギターをかき鳴らしていたことを思えばその洗練には目を見張るものがあった。(いまやビッグな存在とはいえ)インディ界隈のミュージシャンにテレビでこういう舞台が用意される状況そのものも素敵だと思うが、それ以上に、マイ・モーニング・ジャケットで彼が長い時間をかけて培ってきたものがそこにはよく表れていて感慨深かった。

 これまでもちょっとしたEPを出したりはしていたが、本格的なソロ長編としては初の本作。ソングライター、演奏者、プロデューサーとしての総合的な彼の力量が発揮されているアルバムだが、とりわけシンガーとしてのジム・ジェームスにフォーカスが当たっているように感じられる。マイ・モーニング・ジャケットにおいてもここ数作でジムの歌の魅力が前面に出てくるようになったと思ってはいたのだが、ソウル・シンガーからの影響がここではとくに色濃く、なるほどネルシャツとジーンズにアコギではなくて、スーツにスタンドマイクがぴったりの、よくコントロールされた歌唱を聞かせてくれる。
 その意味で、アルバムを通してジムがこよなく愛するブラック・ミュージックのフィーリングが貫かれているのは納得できる。アブストラクト・ヒップホップの感覚とファンクを漂うような"ノウ・ティル・ナウ"、エレガントなソウル"アクトレス"、エキゾチックでセクシーなジャズ・ナンバー"オール・イズ・フォーギヴン"などにそれがよく表れているが、ムードとしてもマイ・モーニング・ジャケットの爆発的なジャムは影を潜めた分、優雅な余裕がアルバムの時間を支配する。そこにじわりと立ち上るサイケデリアの心地よさ。バンドとの断絶も過剰な飛躍もなく、個としての彼の得意分野を過不足なくパッケージした幸福なソロ・アルバムだ。

 ジムの透き通ったハイトーン・ヴォイスによる歌唱にはどこか純潔さや神聖さを匂わせるものがある。そしてそれは、歌詞のテーマと寄り添うことでさらにろ過される。先述のテレビ番組で披露した本作におけるベスト・トラック、フォーキーなソウル"ア・ニュー・ライフ"では「新しい人生を始めよう」と真っ直ぐに告げ、"オール・イズ・フォーギヴン"では「神よ、全てが許されることを」と願う。ラスト・トラック、もっとも歌い方にフラジャイルな感覚が付与されるフォーク・ナンバー"ゴッズ・ラヴ・トゥ・デリヴァー"はこんな風に始められる......「"私には夢がある......" ああキング牧師よ、僕にはわかるよ」。その曲で歌われる「神の愛」の何たるかがわたしたちには感情としてはほんとうには理解できなくても、キリスト教が本来「愛」だとするものが何かを探求すること、あるいはその、理想が理想であるために捧げられる信念の強さには胸を打たれる。そうたとえば、グザヴィエ・ヴォーボワの映画『神々と男たち』において、神への愛の前で暴力に屈しなかった神父たちの姿に打ちのめされるように。
 ジム・ジェームスそしてマイ・モーニング・ジャケットのスピリチュアルな質感のサイケデリアはしかし、それに酔って我を忘れたりはしない。音と歌は美しく統制され、そしてよりよきものを願うことを恥じない。「簡単にそうならないのはわかっている/でもそのために努力する価値は十分ある」"ア・ニュー・ライフ"

DyyPRIDE - ele-king

 ファースト・アルバム『In The Dyyp Shadow』から約1年半ぶりにリリースされるDyyPRIDE(SIMI LAB)のセカンド・アルバム『Ride So Dyyp』。まず本作で論じるべきことはふたつ。それは前作がQNひとりがプロデュースしていたことに対し、本作はさまざまなプロデューサーたちが起用されていること。そしてもうひとつがDyyPRIDE本人のラップ・スキルが格段に向上している点だ。
 類稀な才能を持ったQNというフィルターを通してプレゼンテーションされたのが前作だとすれば、DyyPRIDE自身が発掘してきたという無名のプロデューサーMUJO情とともに制作されたこの最新作はより本人の趣向が反映された作品であるということが言えるだろう。もともとDyyPRIDEはレゲエとウェッサイを志向していたが、SIMI LABでの多岐にわたる活動とメンバーの影響もあってか、本作では彼らしい土臭い粘っこいヒップホップソング"Lost"のような楽曲もあれば、アナログ・レコードのノイズをあえて強調することでドープさを表現した"Minority Blues feat. DJ ZAI (Prod. by MUJO情)"のような楽曲もある。さらにたぶんこれが本邦初公開となるUSOWA(SIMI LAB)のプロデュース曲"Route 246 feat. JUMA (Prod. by USOWA)"も興味深い。彼はフライング・ロータスに代表されるビート・シーンの音に対して最も意識的なアーティストだが、その彼が提供したトラックはウエッサイにそのエッセンスを注入することで、見事に現代的なヒップホップを作り上げている。

 そして今回のアルバムで最も注目すべきはDyyPRIDEのラップである。前作やSIMI LABのアルバムでは鼻にかかったような声とつんのめったようなライム・デリバリーが彼のトレードマークとも言えるスタイルだったが、本作では楽曲によって声の出し方なども変え、よりリリックが聞き取りやすいようにラップしている。さらにリリック面でもタイトル『Ride So Dyyp』というアルバムタイトルが示す通り、自身にある精神的な闇の存在をエンターテインメントに昇華するという荒技をやってのけた。自身の闇と対峙すること。それは口で言うほど簡単なことではなく、『Ride So Dyyp』というタイトルはDyyPRIDEがヒップホップを生業にしていくことに対する覚悟であり、宣言でもあると感じた。

 さらに本作では、客演やプロデュースで参加しているSIMI LABメンバーたち各々の成長も確認することができる。なかでも客演で参加したJUMAのラップは、QNの『New Country』収録曲"Cheez Doggs"やOMSBのアルバム『MR."ALL BAD"JORDAN』で聴かせてくれたものよりもはるかに完成度が高くなっている。進化し続ける怪物グループSIMI LABの"現在"を確認するのには、格好の一枚と言えるだろう。
これは余談だが、もしOMSBの『MR."ALL BAD"JORDAN』を未聴の方がいるなら、この『Ride So Dyyp』を聴く前にチェックしておいた方がいい。そうすれば、このアルバムをより楽しく聴くことができるはずだ。

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