「Nothing」と一致するもの

Machinedrum - ele-king

 アルーナジョージを聴いていて僕が思ったのは、ポスト・ダブステップと呼ばれるフェーズは終わりを迎えたんだろうということで、"ユア・ドラムス・ユア・ラヴ"のよくできたポップスぶりを聴いていると、もしくは、僕は行けなかったがディスクロージャーと共演したライヴの盛り上がりぶりを思えば、文字通りダブステップの「ポスト」で起こったことは、ポップへと移行し消費される段階に来たのだろうと、と(もちろん、ダブステップはEDMとしてすでに消費されている)。それ自体は決して悪いことではないと思う。表舞台でガツガツひとを踊らせるアクトもいれば、たとえばマウント・キンビーのように、まだ名前のついていないその先を目指す探求者もいるからだ。移ろうときのなかで、それでも新しいものが出てくる可能性はいつでも潜んでいる......メディアがそれにうまく名前をつけられなくても。

 そのタイミングで聴くマシーンドラムの通産10作目にして〈ニンジャチューン〉移籍後第1作となる『ヴェイパー・シティ』にはどこか、ポスト・ダブステップ時代を総括するようなムードがある。『ele-king vol.11』のインタヴューで「ポスト・ダブステップっていう呼び方はキライだ」と笑っていた彼、トラヴィス・スチュワートは優れた批評家でもあるのだろう。それは感覚的なものかもしれないが、ここからはダブステップ、ジューク、IDM、アンビエント、さらにはチルウェイヴやチル&ビーの反響も聞こえてくる。そして何よりも、それらの横断を滑らかな手つきで編集している。
 本作のコンセプトはスチュワートが夢で見たという大都市であり、トラックのそれぞれがその都市の一区画を示しているそうだが、そのこと自体が現在のエレクトロニック・ミュージック・シーンのメタファーとして機能しているようだ。ハイブリッドなアルバムだが、トラックごとにとてもよく整理されている。まず、ジュークからの影響が色濃いリード・シングル"アイズドントライ"や、オープニングの"ガンショッタ"。アブストラクト・ヒップホップの出自を思わせる"ドント・1・2・ルーズ・ユー"。ビートレスのアンビエント"ヴィジョン"。そして、スペイシーなシンセ・トリップ"シーシー"......この耽美なまでの陶酔感はアルバムのなかでもハイライトだ。抜きん出てドリーミーな"ユー・スティル・ライ"があれば、クロージング"ベイビー・イッツ・ユー"ではジェシー・ボイキンス3世の歌声によってソウルにまで分け入っていく。夢というキーワードによるサイケデリアはたしかにあるが、それらはごちゃ混ぜにならない。この都市はきちんと区分けされている。
 ここに彼自身の強い個性を発見するのはたしかに難しいかもしれない。が、特定のジャンルやムードに入り込んでしまわない慎ましさこそが、いくつもの名義を持ち、また、スキューバ主宰の〈ホットフラッシュ〉や〈プラネット・ミュー〉、〈ラッキー・ミー〉とさまざまな先鋭的なレーベルを渡ってきたスチュワートらしさと逆説的に言える部分もあるだろう。エレクトロニック・ミュージックの移り変わりの速さやジャンルの細分化は何かと好意的に見られないことが多いが、マシーンドラムの『ヴェイパー・シティ』においては、それらこそが内包されてひとつのコンセプトになっているように感じられる。そしてそれは、インターネット時代の21世紀のリスナーの感覚とスムースにシンクロしている。情報量の多さがしかし、洗練されて心地よいアルバムだ。

Richard Chartier - ele-king

 リチャード・シャルティエの新作が〈ライン〉からリリースされた。2012年12月には同レーベルからソロ作品『リカレンス』を発表し、続く2013年2月に、ウィリアム・バシンスキーとのコラボレーション・アルバム『オーロラ・ルミナス』をリリースした後、一年も待たずにソロ新作である。近年のシャルティエはコラボレーション・ワークを通じて、自身の創作に大きなフィードバックを得ているのだろか(さらに2012年には、ローバート・カーゲンヴェンとの『ビルトスルー』もリリースし、新名義ピンク・カーテシィフォンのアルバムも〈ライン〉と〈ルーム40〉から発表している!)

 実際、近年のシャルティエの音楽/音響は、いわゆる「ロウアーケースサウンド」ではない。ロウアーケースサウンドとは、人間の可聴領域ギリギリの周波数や極めて小さな「ほとんど聴こえない」音響を交錯させる音響ムーヴメントのこと。スティーヴ・ロデンによって提唱され、90年代から00年代初頭にかけてバーナード・ギュンダーやキム・カスコーンらによって広まっていった。シェルティエは、デジタルサウンドによって人間の可聴領域を超えた音を生成し、ロウアーケースサウンドの「完成」を決定的なものとしたアーティストである。

 このムーヴメントは音の「聴こえる/聴こえない」という二項対立を無化する試みを、音楽自体によって問い直すというラディカルな試みであった。だが「ほとんど聴こえない小さな音」という手法のみがクローズ・アップされると、それは必然的にクリシェ化してしまう。技法の洗練はラディカルな試みに対して反動ともいえるし、結果として「美学的」な態度のみが要請されるようになってしまう(儚くも小さな音?)。事実、シャルティエ自身もその問題に意識的なのか、しだいに(主にコラボレーション・ワークを通じて)作風が変化してきた。

 では、ロウアーケースサウンド以降、問い直すべき問題はどこにあるのか。そもそもロウアーケースなサウンドとは、単に小さい音や、その小さい音に耳を澄ますことのフェティッシュなリスニングへの誘い(通俗化されたケージ的な美学?)というよりも、20世紀末から21世紀初頭における音響による都市/社会環境論でもあったとしてみよう。

ポスト工業化/情報化社会以降、都市のノイズに情報すらもミックスされ急速に変化していく時代において、微細な音をサイエンティック/マテリアリズムから生成し再び世界の環境へと放つこと。スピーカーやヘッドフォンでの聴取を通じて、それも耳から脳への密室空間に微細な音を注入し、しかしいやおうなく侵入してくる外界の音の交錯によって世界の雑音を浮遊/無化させること。そうすることでノイズに塗れた世界の音響に、汚れていないピュアな音を見出そうとすること。とするいま、「問い直すべき問題」とは「音が小さい」という単なる手法(=思考)の反復から抜け出し、それが本来持っていた社会と音との緊張感に満ちた関係性への考察そのものへと立ち戻ることではないか。

 このシャルティエの新作『インテリア・フィールド』は、そのような「環境と音への問い」が、高精度な音響=音楽作品として結実しているアルバムといえよう。先に書いたように本作品は微音量の作品ではない。そして新たに導入されるのが圧倒的なフィールド・レコーディングと、そのエディットなのである。

 本アルバムには2ヴァージョンの作品が収録されている。"インテリア・フィールド(パート1)"は、2012年にワシントンで発表された「世界中で行ったフィールド・レコーディングから作り出されたマルチ・チャンネルの作品のステレオ・ヴァージョン」だという。続く"インテリア・フィールド(パート2)"は、1905年にワシントンDCに建設された「川の水を砂で濾過する装置がある施設」で録音された雨の音響を用いている(シャルティエは暴風雨時の録音を特別に許可されたのだという)。ここに展開されるのは、まるでフランシスコ・ロペスの作品のような圧倒的な環境録音であり、かつての微音響とは全く異質の音響空間だ。

 "インテリア・フィールド(パート1)"においては、環境音やドローンなどのさまざまな素材が、音空間のなかで再配置されていく。それは次第にリズムのような反復を生み、音響と音楽の境界線を越境するだろう。シャルティエの見事なサウンド・エディットを聴くことができる。"インテリア・フィールド(パート2)"は、はじめは低音ドローンを基調に、いくつかの音響の持続がレイヤーされ、それが次第に、雨の音の粒を録音した環境音響へと変化する。後半はほとんど雨の音が持続するのだ。そして、この雨の音の連鎖には、ほとんど恍惚としてしまう。

 わたしは、このアルバムを聴きながら不思議とアンビエント/ドローンの潮流というよりは、最近のクラブ・ミュージック経由のインダストリアル/ノイズのムーヴメントへの繋がりを感じた。70年代末期のインダストリアル・ミュージックが工業化社会への戯画と批判を内包しているとするなら、ロウアーケースサウンドがそれはポスト工業化社会の無数の雑音=ノイズへの批評としての静寂を希求した。その流れを考慮すればロウアーケース以降の環境=音楽が、インダストリアル/ノイズと円環するのは当然のことかも知れない。そういえばフランシスコ・ロペスは、エスプレンドー・ジオメトリコのアルトゥーロ・ランスとバイオメカニカを結成し、アルバムを発表したし、エスプレンドー・ジオメトリコの2013年最新作『ウルトラフーン』ではマスタリングを担当した。

 もちろん、本作に激しいビートがあるわけではないが、しかしインダストリアル/ノイズ・ミュージックと共通する不可思議な「儀式性」が内包されているようにも思えたのだ。古い施設の中で録音した環境音には、過去と現在の間に発生する音を通じて、社会の廃墟を「弔う」かのような「儀式性」とでもいうべきか(アルバム名につけられた「インテリア」には「内部/内側/内面」の意もある)。

 そしてアルバムの最後に不意に導入される、「音」は儀式の終わりを告げるシグナルのようだ。音響による現在への介入と回帰。現実へと戻ったわたしたちは、この音響空間の持続と生成による儀式を通じて、都市と世界の環境を問い直すようになるだろう。そう、耳の聴取体験による変化は、世界認識の拡張を生み出すのだから。

 ロバート・ウォールデンのアートワークは、世界を細胞的に体験/俯瞰するようなこの作品のアトモスフィアを見事に象徴しており、アートワークと合わせてサウンドアート作品として成立しているといえる。近年、より高密度なサウンドアート作品のリリースを続ける〈ライン〉のラインナップにおいても決定的な作品である。

Chikashi Ishizuka (Nice&Slow) - ele-king

www.chikashi.ishizuka@facebook.com
N&S / Step Forward.Boogie Man /12inchおかげさまでプレスした分残りわずかになりました。サポート頂いた皆様には感謝です!
まだ少しだけ手元にもあるのでお近くのレコード屋さんか私宛に問い合わせ下さい。

touyoko record line 2013/10/02


1
Akiko Yano - Yoruno Sichiji - Philips

2
Tommy Stewart - Bump And Hustle Music Very Long Ver - Unknown

3
Coyote - Glide Time - Is It Barbaric?

4
Workstrom - Lambada - Feel

5
Go Soul - Sunshine - Shabby Doll

6
Archway Rivera - Rivera Jam - Mukatsuku

7
Yse Saint Laurant - Alpha Glory - Pickpoket

8
Kitty,daisy&lewis - Messing With My Life - Sunday Best

9
Lee perry - Silver Locks - Black Ark Disco

10
Naffi Sandwich - Hoochie Pooch - Em

Detroit Report - ele-king

 UR/タイムラインのメンバー、ジョン・ディクソンのインタヴューはサブマージでおこなわれた。ソファーに座り、出されたコーヒーを飲みながら展示物の書籍や機材を眺めていると、エントランスの扉が閉開する音が幾度となく聞こえてくる。アーティストやその家族などさまざまな人が出入りしている。この日も上映されていた"Protecting My Hiv"のPVに混じって、子供のはしゃぐ声が聞こえてきた。
 サブマージの内部は小さな博物館のようになっている。そこにはデトロイト・テクノの歴史が展示されている(そのなかには、『ele-king』と『ブラック・マシン・ミュージック』も!)。マイク・バンクスは日本から来た私に片っ端から話してくれた。エレクトリック・ファイン・モジョにはじまり、ケン・コリアーのDJがデラーノ・スミス、ジェフ・ミルズやデリック・メイに与えた影響がどれほどのものだったのか。建物のなかには、URが深い影響を与えたインディアンのジェロニモやとブルー・スリーの写真もある。マイク・バンクスが資金集めのためやっていた路上カーレースの写真、TR-808、TR-909などの機材なども飾られている。
 マイク・バンクスはガラスの向こうにある、レコードのカッティング・マシンの前で立ち止まり、故「ロン・マーフィー」について説明する。周知のように、デトロイト・テクノにおけるカッティング技師だ。マーフィーは、2001年の『デトロイト・メトロ・タイムズ』で、「カッティングっていうのは音楽というよりも、レコードへの愛だよ」とその想いを語っている。マーフィーが自身で改造を繰り返し使用していたこのマシンは、彼以外誰も扱うことができない。主人を亡くした寂しげなグルーヴ・マシンはまた溝を刻める日を待ちわびているようだった。

 タイムラインは7年前にリリースした「Return of the Dragons」を最後に、当時のライムライトを残しつつ息を潜めていた。しかし、2011年にメンバーも入れ変わり、新生タイムラインとして「The Greystone Ballroom」をリリース。4曲収録されたそのEPではジャズやフュージョン、エレクトロなどの要素が交ざり合い、次のステージのはじまりを予感させてくれる。それから約2年の時を経て、この秋に新しいEPがリリースされる。
 わたしが知る限り、デトロイトのアーティストは「怒って」いた。世の中にだったり、音楽業界にだったり、理由はそれぞれだが、感情が剥き出しの自身と合わせ鏡のようなそのサウンドは、言葉よりも強烈に問いかけてきた。そんななかでジョン・ディクソンは、まるで清流のようだった。ただただ音楽を楽しんでいる。前作ではタイムラインfeat.ジョン・ディクソン&デシャーン・ジョーンズとなっていたが、今作はそんな若手ふたりが中心メンバーとなっている。新しい世代の彼らは、これからどんな時間の軸を紡いでいくのだろうか。

 今回「デトロイト・レポート」として、ジェイ・ダニエル、バックパック・ミュージック・フェスティヴァルのオーガナイザー、ジョン・ディクソンへのインタヴューをおこなったが、共通して言えこと事は、彼らが意識的に次の世代への繋がりをつくっているということだ。この業界の年齢層が全体的に上がってきているいま、この先も音楽を楽しみたいなら、こうした行動を「意識的」にやることは、無意識に自分を助けることになるのかもしれない。

 この日、ジョン・ディクソンとデシャーン・ジョーンズは、平日のランチタイムに音楽を聞こうというコンセプトの元、Campus Martius Parkで開かれたライヴに出演して、サブマージに戻ってきたところだった。

マイク・バンクスから電話がきて、「世界中を廻って音楽をしたいなら、月曜の16時に来い。もしその気がないなら他をあたるけど、どうする?」って言われたんだ。「月曜16時に訪ねるよ」って答えたんだ。約束の日にマイク・バンクスを訪ねていくと、キーボードの前に座らせられて「なんか弾いてみろ」って言われてキーボードを弾いた。

生まれはデトロイトですか?

ジョン・ディクソン(JD):生まれも育ちもデトロイトだよ。デトロイト西部、シティ空港の近くで育ったんだ。現在はプライヴェート機用の空港になっているところだね。学校もデトロイトだったよ。

あなたの音楽のルーツは何ですか? 

JD:音楽の影響というのが、どれほど凄いものか多くの人が理解しきれていないと思うほど、僕のルーツにとって、いままで体験してきた音楽の影響が重要なものだと考えてるんだ。僕の両親はどちらも楽器を演奏しているし、彼らの膨大なレコードのコレクションは最高なんだ。いろんな音楽が詰まっていて、ジャズ、ハービー・ハンコックからマーヴィン・ゲイら多くのヴォーカリスト、モータウンなどを持ってた。僕が生まれる前からすでに音楽の影響を受けてたんだと思う。他にもいろんなジャンルを聴いて、自分が音楽をはじめるずっと前から、いつも周りに音楽が溢れている環境で育った。すべてがいまの僕の音楽の土台になってると思う。

昔からテクノは好きでしたか?

JD:昔はあまりテクノのことは知らなかったんだ。テクノと出会ったのは1996~1997年の中学校の時代だね。毎週金曜にラジオでよくデトロイト・テクノが流れてて、その頃自分の持ってた小さなラジオとテープレコーダーでラジオを録音しては自分のミックステープを作ってたりしたんだ。他には、「Detroit Jit」って番組があって、それを録音しては翌日友だちとお互いのミックステープを聴かせ合ったりしてたよ。テクノに出会ったのはその時期だね。当時はよくローラースケートもしてたね。ホアン・アトキンスやサイボトロンを聴いて、その流れを感じながらローラースケートしてたんだ。自分にとってのテクノ・ミュージックとの出会いのなかでも大きな存在だった。

初めてテクノを聴いたときの印象はどうでしたか?

JD:とっても気分がよかったんだ。サウンドはさらに良かった。心地が良くて、いいサウンドのパーフェクトなコンビネーションで、最高の気分でローラースケートをしてたのを覚えてるよ。デトロイト出身のミュージシャンはたくさんいるんだけど、彼らの音楽のサウンドの良さと、彼らがサウンドに込めるエモーションで、聴いている僕らの気分も最高にしてくれる。

あなたは子供の頃から楽器を弾いていたのでしょうか?

JD:4歳から弾いてたよ。初めてのキーボードを持ったのが4歳のとき。父親は仕事に出ていて、家では母親が洗濯、家事をしているときにレコードをかけてたんだ。キーボードをレコードの側でよく弾いてたよ。レコードにあわせて弾こうとしたりね。それを見ていた父親がヤマハのキーボードを買ってくれたんだ。それからはドラム、トランペットも弾いてたころもあるよ。いろんな楽器を弾いてたね。

どうやってURに出会ったのでしょうか?

JD:サックスのデシャーン・ジョーンズとは兄弟みないた仲なんだ。彼がある日ダウンタウンのジャズ・クラブでサックスを演奏するのを観に行ったことがあった。その日、URのコーネリアス・ハリスがデシャーン・ジョーンズに、あるバンドで演奏しないかってアプローチしてきて。そのときはそのバンドの詳細はあまり聞かなかったらしくて、デシャーン・ジョーンズが僕に「おまえ、アンダーグラウンド・レジスタンスって知ってるか? ギャラクシー2ギャラクシーって知ってるか?」って尋ねてきたんだ。僕もそのときはバンドのことを知らなくて。デシャーン・ジョーンズが言うには、そのバンドが公演を前にキーボード奏者も探していると。それで、じゃあ僕に連絡をとるように彼に話したんだ。
 そうしたら翌日マイク・バンクスから電話がきて、「世界中を廻って音楽をしたいなら、月曜の16時に来い。もしその気がないなら他をあたるけど、どうする?」って言われたんだ。「月曜16時に訪ねるよ」って答えたんだ。約束の日にマイク・バンクスを訪ねていくと、キーボードの前に座らせられて「なんか弾いてみろ」って言われてキーボードを弾いた。それでマイクが「マネジャーに、おまえのパスポート申請するように言っといた」って返事をもらって。2週間後にはスイスのモントルーにバンドと一緒にいたね。人生が変わった瞬間だったよ 2007年のことだったね。

サックスのデシャーン・ジョーンズとは同世代?

JD:デシャーン・ジョーンズは僕より4歳年下なんだ。僕はいま29歳、彼は25歳だね。とても気が合うんだ。彼との出会いは2003年。僕の友人が「ラスベガスから新しい子が街に来たらしいんだけど、高校生でサックス吹いてて、すごい上手いんだよ。絶対彼のサックスを聴きにいかなきゃ!」って話してたんだ。「高校生のサックスを聴きにいくのか?」って最初思ってたんだけど、彼の演奏をきいて、すぐに彼の才能を感じとったよ。彼のポテンシャルはとても大きいものだったけど、彼には彼の先生となる存在がいなかった。才能を開花させ、導びいてくれる人がいなかったんだ。だからその後僕らは──彼が高校、僕が大学だったんだけど、学校が終わったら、僕の家で何時間も演奏した。音楽のアイディアを交換し合ったり、音楽へのアプローチ、とにかくいろいろ語りあったんだ。こうしてお互い築いた関係から、一緒に演奏するときは彼が演奏をはじめれば、彼が何をしようとしてるのか、求めてるのか、言われなくても想像がつくようになった。僕らの相性、言葉を交わさなくてもお互いのことが感じ取れる仲になった。ライヴ中も言葉を交わさずにお互いの音が引き合ってひとつのものになってくのをオーディエンスは感じ取れると思うよ。僕にとっては弟みたいな存在なんだ。

[[SplitPage]]

いまはタイムラインに集中しているよ。新しいEPもリリースするから。それともうひとつは、自分自身のレーベル〈Forever Forward〉。このレーベルはジャズやエレクトロニックミュージックが主なんだけど、それと同時に僕自身の音楽的なものが凄く表れていると思うよ。

URとタイムラインではキーボードを担当していますが、他の楽器を演奏したりもしますか?

JD:演奏するよ。タイムラインの体制は僕自身がまずキーボード、デシャーン・ジョーンズがサックスとイーウィと小さいキーボード、マイク・バンクスもキーボード、DJ CONSPIRACY、彼はDJとサンプリングも担当している。僕らのタイムラインのライヴは回ごとに違うんだ。デシャーン・ジョーンズと僕のバックグラウンドの音、ジャズやフュージョンの生音を取り込んだり、マイクも生演奏するからその音を取込んでDJのプレイとひとつのものを作り上げてくんだ。DJプレイだけではなくてライヴを体感してもらえるようなセットだ。即興的なものも多くて、金曜のライヴと、次の日の土曜のライヴとは全く違うものになってるんだ。それはオーディエンスのエナジーが僕らのライブの一要素だからふたつと同じものにならない。東京のオーディエンスからのエナジーをもらったライヴと、神戸のオーディエンスのエナジーでのライヴが違うものになるようにね。ひとつひとつの演奏がユニークなんだ。

学生相手に音楽の授業をしていたと思うのですが、あれは大学生相手でしょうか?

JD:そう、授業をしてたよ。最年少は9歳の子供たちから最年長は86歳。自分のスタジオで、プライヴェート・レッスンもしている。一学期に50人から60人の生徒に教えてるよ。クラシックからジャズ、R&B、ブルース、エレクトロニック・ミュージックを制作している生徒は自分の曲を持ってきて、僕がそのアプローチや、僕の意見などを話したりするんだ。ハープを演奏する生徒もいるんだ。彼女はいろんなアプローチを学びたくてレッスンを受けにきているよ。

なぜ音楽を教えているの?

JD:その質問をきいてもらえて嬉しいよ。僕自身の先生となる人はマークとマイク。双方から言われたのは、学んだことを教えることのできる存在になれと。音楽を通して出会うことできる喜びや発見した道を、今度は他の人たち(生徒)に標してあげるんだと。こうして自分が音楽のなかに見つけた人生の喜びを生徒に教えることがとても嬉しい。毎学期、生徒は音楽のなかにいろんなものを発見して、喜びを感じるといってくるんだ。音楽をはじめるには年齢は関係ないと思うんだ。もうはじめるのには遅いなんでことは決して無いと思うんだよ。マイクがデシャーン・ジョーンズや僕らを導いてくれたように、次世代を僕らが導く、この繰り返しが続いていくんだ。デトロイトはメンターシップがとても強いんだ。次世代に教えるため、多くの人が自分の経験や学んだことを惜しまずにすべて与えようとする精神がとても強い場所なんだ。

音楽の授業ってベーシックな授業しかないから、さまざまなジャンルに触れ合える授業があればいいのになと思っていました。

JD:ここデトロイトは、ミュージシャンも人びとも音楽に対して寛容なんだ。将来僕がやりたいのはもっとワークショップを開くこと。もっと若者がエレクトロニック・ミュージックに出会える機会を増やすこと。マイク・ハッカビーがある機関のワークショップで音楽制作を教えていた。カイル・ホールも生徒のひとりだった。マイクがカイル・ホールの先生でもあるんだよ。カイル・ホールは僕の気が合う友人のひとりで、僕も彼に教えていたこともあるんだ。こうして音楽に対しておのおの道を拓いていって、また次世代に教える。こうしてデトロイトでは引き継がれてゆくんだ。生徒たちが音楽に対して寛容で、さまざまなことを受け入れて感じ取れる視野を身につけてゆく。身につけた広い視野で、さらに新しい発見をしたり学んだりしていくんだ。

学生にはどのジャンルの音楽が人気なのでしょうか?

JD:デトロイトは、とっても音楽が溢れてる街だ。僕自身もそのときの気分でジャズを聴いたり、テクノを聴いたりする。ブルースを聴いたり、ロックを聴いたり、ヒップホップを聴いたり。デトロイトの魅力のひとつにひとつのジャンルだけではなく、どのジャンルもとってもいいものが生まれてるということ。新しい〈Forever Forward〉というHi-Tech Jazzのレーベルも近年立ち上げる。自分のジャズのルーツにエレクトロニック・ミュージックを融合させていこうと思っているんだ。

あなたの目から見て、デトロイトの子供たちの音楽に対する状況はどうですか?

JD:現状は決していいものとは言えないね。公立の学校では音楽の授業が廃止になって音楽に接する機会がなくなったり。だけど、校外で受けられる音楽のクラスがデトロイトにあるのはとてもデトロイトにとってポジティヴなものだとおもう。学校で授業がなくても、こうして音楽のプログラムに参加する生徒が毎年増えているんだ。音楽がどれだけデトロイトでは大きな存在なのかを再認識させられたよ。子供たちが音楽をもっと学びたいときに学べる環境を与えられるようになってほしい。

子供たちにテクノは人気なの?

JD:正直にいうと、、それはどうかなと思う。でも将来は人気になる可能性はあるよ。いろいろな学校で音楽を教えてるし、僕とデシャーン・ジョーンズなんかはワークショップをするときに自分たちの自己紹介をするんだけど、僕たちの起源はジャズにあって、そこからはじまっていまURで試みていることとか、ホアン・アトキンスやデリック・メイなんかが成し得たことなんかも話したりしているしね。

URやタイムラインのライヴで演奏するとき、大切にしていることがあれば教えてください。

JD:まず第一には、僕たちはみんなに踊ってもらうことをとても大切に考えてるよ。ときどきそのことを忘れちゃうこともあるけど、基本はみんなが踊って楽しめるダンス・ミュージックだってことをいちばんに考えてるね。そしてふたつめは、僕たち自身がステージの上で楽しむこと。みんなが踊り続けて、僕たちも楽しみながら演奏する。そして、僕たちはそこに何か新しいアイデアを盛り込んでいけるようにする。毎回毎回が新しく新鮮であるように、いろいろな方法を試したり、何か違うことにトライしている。キーターを使ったり、ライヴがもっともっとよくなってみんなに楽しんでもらえるように、これからも新しいことに挑戦し続けていきたいね。

今後自分の曲をリリースしたりすることも考えている? 他にもこれからやりたいこととか目標とかあれば聞かせてください。

JD:いまはタイムラインに集中しているよ。新しいEPもリリースするから。それともうひとつは、自分自身のレーベル〈Forever Forward〉。このレーベルはジャズやエレクトロニックミュージックが主なんだけど、それと同時に僕自身の音楽的なものが凄く表れていると思うよ。時が進むなかで僕の感じたことだったり、振り返ったり、前をみたり、現在僕のなかで起こってるいろいろなことを含んでいる気がするね。あとはやっぱり、若い子に限らずだけど、デトロイトで音楽がもっとみんなに身近なものになってほしいと思う。もちろんデトロイトには多くのネガティヴな問題があるけど、それでも音楽のシーンは絶対に死なないと僕は思う。いまでも力強くたくさんの才能ある人たちがデトロイトから生まれてきているし、これからも僕は年齢問わず多くの人に音楽を教えて、みんなにきっかけを与えていけたらと思っている。マークやマイクが僕にそうしてくれたようにね。間違った道に進みそうなとき、「君なら出来るって」、そんなふうに少しでもいい方向へ道しるべが出来たらなって思う。これからもUR、タイムラインとしていい音楽を世界中に発信していくのはもちろんだけど、こういった活動もずっと続けていきたいね。

新しく出るEPについて詳細を教えていただけますか?

JD:次に出るEPは3曲収録される予定なんだけど、メインは"new step forward"って曲だね。今回はとりわけ僕とデシャーン・ジョーンズが多くの責任を与えられて取り組んだんだけど、エレクロニック・ミュージックのネクストレベルっていうか、全体を通して、何か新しい次の段階っていうのを意識しているかな。"High Tech Jazz" の未来形って表現するとわかりやすいと思うんだけど、他とは異なった、先の考えみたいなものを表現したいと思っている。今回は僕にとってのタイムラインとしての二番目のEPになるんだけど、前回とはまた少し違った作品に仕上がってるんじゃないかな。
 日本のみんなはいつも本当にすばらしくて、音楽に対してもとても寛容でいてくれてる気がする。僕に限らずデトロイトのアーティストはみんな本当に日本が大好きで、僕もまた早く日本でライヴをしたいと思っているよ。とっても日本が恋しいね。次のEPもみんなが楽しんでくれることを願っているよ。

歴史に埋もれた叙事詩 - ele-king

 アメリカ映画史に残る傑作、『ディア・ハンター』は当時のヴェトナム戦争後の空気を色濃く映し出しながらも、そこには基本的にはふたりの男とひとりの女が描かれていたと言ってよい。ふたりの男の運命を決定的にわけた「ワン・ショット」......その残響音がスクリーンと観る者の耳にこびりつく、そんな映画である。その作品で一躍時の監督となったマイケル・チミノがその次の作品で描こうとしたのもまた、ふたりの男とひとりの女であった。しかし、その映画は予算も撮影期間も当初の予定を大幅に超え、当初のヴァージョンが切り刻まれて公開され、酷評の憂き目に遭い、興行的にも惨敗。そして結果的に映画制作会社を倒産に追い込み、「呪われたフィルム」として歴史に刻まれることになってしまう。強い連続性を持ったニ作の明暗を分けたものは何だったのか。そして、その映画、すなわち『天国の門』は本当に、当時の評論家が言ったように「災害のような」失敗作だったのか?
 そのことを問いに、呪われたフィルムは蘇る。2012年のヴェネチア映画祭の目玉として、チミノ本人の監修で修復されたリマスター版が216分のヴァージョンで上映された。30年以上の時を経て、ようやくその真価が証明されたのである。

 しかし、はるか昔のいわくつきの映画を日本で上映するのは難しかったようで、今年の爆音映画祭のオープニングで取り上げられていなかったら、この国ではまた歴史の隙間に埋葬されていたのかもしれない。それは、この映画の持つ力を知る人間の情熱だけを頼りに実現したような上映であった。
 果たして、『天国の門』はとてつもない映画であった。とにもかくにも、スクリーンに映し出される夥しいまでのひと、ひと、ひと......。19世紀末のワイオミング州ジョンソン群で起きた移民たちの闘いと悲劇をヒントに、アメリカの血塗られた歴史を語り直すという壮大な叙事詩。たった3人の物語に、そこに居合わせたひとびと、あるいは居合わせなかったひとびとの人生が重なり、それらが巨大な悲しみと愛を立ち上げてゆく。オープニングの卒業式のシークエンス。主人公ふたりが乗る馬車が、教会での記念撮影に突っ込んでいくシーン。移民たちの運命を決める、ローラースケート・リンクでの悲痛な議論の場面......。21世紀の映画作家に、これほどのスケールで撮影をする人間はいない。チミノの誇大妄想に近い野心と熱が、この怪物的な映画を生み出してしまったのだと......呆気に取られるばかりである。だが映画はときとしてそんな風に、ひとりの人間のその奥にある風景の大きさを浮かび上がらせてしまう。
 10月5日(土)から改めて、『天国の門』が劇場公開される。映画館を出た後で、見る景色がたしかに変わっている......そんな映画体験が、そこにはきっとある。

 ちなみに、音楽を担当するのはボブ・ディランのローリング・サンダー・レヴューのツアー・メンバーでもあったデイヴィッド・マンスフィールド。彼やT=ボーン・バーネットらも参加する「Heaven's Gate Band」と名づけられたバンドは、劇中に実際に登場して演奏する。そのシーン、移民たちが日々の生活の喜びや悲しみを抱えながら、ローラースケート・リンクでダンスに興じるシーンのどこか切ない高揚は、紛れもなく本作のハイライトのひとつである。 (木津 毅)

『天国の門 デジタル修復完全版』
10月5日(土)よりシネマート新宿、10月26日(土)よりシネマート心斎橋 ほか全国順次公開
HEAVEN'S GATE (c)2013 Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc. All Rights Reserved.
監督・脚本:マイケル・チミノ
出演:クリス・クリストファーソン、クリストファー・ウォーケン、ジョン・ハート、イザベル・ユペール、ジェフ・ブリッジス
1980年/2012年 アメリカ 216分
配給:boid
公式サイト https://www.heavensgate2012.com/

予告編




Chuck Treece & Mcrad - ele-king

 そう、例えばオヤジ・スケーター。僕とタメである某スラッジ・コア・バンドのM氏はティーネイジャー以来のブランクをものともせず三十路スケーターとしてパークで返り咲いている。つまり捻挫で現場の仕事を休んだりもしている。僕らコヤジ(小オヤジ)以降のスケーターの存在はそのシーンの耐性を示す重要な指標だ。

 日頃から世話になっていたオルタナティヴ・ラジオ局、ヴィンセント・レディオも今夏にて一旦お開き。最終回の収録会場となったレスザンTV主催の〈メテオナイト2013〉終盤、汗ダクで到着した僕を迎え入れた圧倒的な熱気はイヴェントの撤収まで一向に冷める気配はなかった。彼等のような頼れる兄貴たちにとっての80'~90'アメリカン・スケート・カルチャー、それはこのチャック・トリース・アンド・マックラッドに客演する豪華な顔ぶれから想起するような鮮やかな時代だ。しかし僕にとってチャック・トリース等は"生ける伝説"ではない。彼等はきっといつだって等身大だ。

 米国におけるカウンター・カルチャーとしてのスケート・ボード、パンク・ロックにハードコア、ヒップホップやグラフィティは彼等にとって完璧なる日常の一部だ。

それはアーティストにとっての自己表現の場というような格式ばったステージではない。齢を重ね、生活は変われど気の合う馴染みと顔を合わせるパークやバンクを滑る彼等の姿はティーネイジャーの頃から変わらないのだ。滑ってはコケ、笑い、語らい、誰かが6パックの缶ビールを買いにゆき、気づけばジャムへと雪崩れ込む。このアルバムに収録されるバラエティ豊かな楽曲からそんな光景が鮮やかに目に浮かぶ。しかしながら個々の完成度の高さはオヤジ・スケーターのいぶし銀のライドのごときベテラン芸だ。

例えばつまはじきにされながらも新たなムーヴメントを模索しながら右往左往する迷走キッズを暖かく迎え入れてくれる場所があるとすれば、それはアメリカン・スケート・カルチャーが育んできたような真にボーダレスなシーンだ。ジャンルはもちろん、世代や人種の垣根を超えて楽しめるオープンマインド、贅沢を言えば僕はこのアルバムからそういった次世代からも触発された現代的な感覚をもっと聴きたかったかも。

 親子スケーターをパークで見かけることがもはや珍しい光景ではなくなったいま、スケート・シーンは真にボーダレスなカルチャーとなり得たと言えよう。デッキの上では誰もが等身大でリアルだ。そう考えれば僕らの時代はあながち悪い方向だけに向かっているわけではないのかもしれない。

 あ、ちなみに僕はもう10年以上滑ってないですけどね。誰かデッキ下さい。

Mala In Cuba - ele-king

 ジェイムス・ブレイクがダブステップをメランコリック・ポップへと展開させたとき、マーラはそれをハイブリッド・ミュージックへと押し進めた。ともにダブステップのクライマックスだ。
 いよいよ来週末、金字塔『MALA IN CUBA』をひっさげてのマーラの来日が間近に迫まっている。7時からのライヴ公演がひとつあって、深夜からはDJとしてのプレイもある。スウィンドルとゴス・トラッドも出演する。個人的には当然『MALA IN CUBA』のライヴ演奏を聴きたいと思っているのだが、スウィンドルのDJにも興味津々である。なにせこの若者は、グライムというちんぴらのシーンからジャズをキーワードにダンスしているのである。単なるフディーズでもないし、お行儀の良いジャズでもない。『MALA IN CUBA』がすでに評価の決まっているアートの再現だとしたら、スウィンドルは未知の領域にいる。『Long Live The Jazz』も格好良かったからな~。

DBS + UNIT presents
DBS 17th Anniversary
MALA IN CUBA LIVE!
2013.10.11 (FRI) at UNIT

★キューバ音楽とロンドン・ベースミュージックの甘く危険な邂逅......昨年アルバム『MALA IN CUBA』で真のカルチャー・クラッシュを体現したUKダブステップのパイオニア、マーラ(デジタル・ミスティックズ)がキューバのスピリットとミュージシャンシップを凝縮するライヴ・バンドで代官山UNITに凱旋! 未体験ディープ・ゾーンへ誘う!

今回は【EVENING SESSION 】と【MIDNIGHT SESSION 】の2公演! 幅広い世代に"MALA IN CUBA LIVE!"を体感してもらえるよう【EVENING SESSION 】も開催! 【MIDNIGHT SESSION 】では今、大注目のSWINDLEがDJとしてもプレイ! そして勿論deep medi ファミリーのGOTH-TRADも参戦!

【EVENING SESSION 】
MALA IN CUBA LIVE!

open 19:00 /start 20:00
adv. 3800yen door.4300yen (without drink)
未成年割:未成年(20歳未満)の方には当日入り口にて500円キャッシュバック(要身分証)

【MIDNIGHT SESSION 】
MALA IN CUBA LIVE!
dj's: SWINDLE , GOTH-TRAD
Yama a.k.a. Sahib , Osam "Green Giant"
Vj: SO IN THE HOUSE

SALOON:TETSUJI TANAKA,DJ MIYU,PRETTYBWOY,JUNGLE ROCK,DUBTRO,Helktram

open/start 23:30
adv. 3800yen door.4500yen

info. 03.5459.8630 UNIT
https://www.unit-tokyo.com https://www.dbs-tokyo.com

=========================================================
Ticket outlets:9/7 ON SALE!
【EVENING SESSION 】PIA (0570-02-9999/P-code:211-250)、 LAWSON (L-code:74303)
【MIDNIGHT SESSION 】PIA (0570-02-9999/P-code:211-251)、 LAWSON (L-code:74307)、e+ (UNIT携帯サイトから購入できます)
clubberia/https://www.clubberia.com/store/

渋谷/disk union CLUB MUSIC SHOP (3476-2627)、TECHNIQUE(5458-4143)、GANBAN(3477-5701)
代官山/UNIT (5459-8630)、Bonjour Records (5458-6020)
原宿/GLOCAL RECORDS (090-3807-2073)
下北沢/DISC SHOP ZERO (5432-6129)、JET SET TOKYO (5452-2262)、
disk union CLUB MUSIC SHOP (5738-2971)
新宿/disk union CLUB MUSIC SHOP (5919-2422)、Dub Store Record Mart (3364-5251)
吉祥寺/Jar-Beat Record (0422-42-4877)、disk union (0422-20-8062)
町田/disk union (042-720-7240)
千葉/disk union (043-224-6372)
=========================================================

★MALA IN CUBA

UKダブステップ界の最重要人物、マーラ。その存在はシーンのみならずジェイムス・ブレイク、エイドリアン・シャーウッド、ジャイルス・ピーターソン、フランソワKら世界中からリスペクトされている。キューバ音楽の精髄を独自の音楽観で昇華した金字塔アルバム『MALA IN CUBA』でネクストレヴェルへ突入、UKベースカルチャーとキューバのルーツミュージックを見事に融合させた音楽革命家である!
サウス・ロンドン出身のマーラはジャングル/ドラム&ベース、ダブ/ルーツ・レゲエ、UKガラージ等の影響下に育ち、独自の重低音ビーツを生み出すべく盟友のコーキとデジタル・ミスティックズ名義で制作を始め、アンダーグラウンドから胎動したダブステップ・シーンの中核となり、自分達のレーベル、DMZからのリリースとDMZのクラブナイトで着実に支持者を増やす。'06年に自己のレーベル、Deep Medi Musikを設立、自作曲の他、精鋭アーティスト達の優れた作品リリースでシーンの最前線に立つ。
2011年5月、マーラはキューバの首都ハバナをジャイルス・ピーターソンと共に訪れ、ジャイルスの作品『HAVANA CULTURA: The Search Continues』用のレコーディング・セッションを行なう。その際、マーラはロベルト・フォンセカ(ピアノ)ら才能溢れる現地ミュージシャンやヴォーカリストと別セッションを敢行し、帰国後その音源を自身のエクスペリメンタルなサウンドと融合/再構築、12年9月にアルバム『MALA IN CUBA』(Brownswood Recordings / BEAT RECORDS)としてリリースされる。ワールド・ミュージック/エレクトロニック・ミュージックを革新する『MALA IN CUBA』により新次元に突入したマーラはロンドンでバンドを組織し、WOMAD、OUTLOOK等、数々のフェスティヴァルにライヴ出演し、反響を呼んでいる。
https://malaincuba.com/

MALA IN CUBA LIVE! メンバー:
MALA(mixing desk)
SWINDLE(keys)
OLIVER SOARES(congas & bongos)
TAKASHI NAKAZATO(timbales)

★SWINDLE(Butterz / Deep Medi Musik / Anti Social Entertainment, UK)

今回、MALA IN CUBA LIVEのキーボード奏者として来日、単独DJセットも披露するスウィンドルはグライム/ダブステップ・シーンのマエストロ。幼少からピアノ等の楽器を習得、レゲエ、ジャズ、ソウルから影響を受ける。16才の頃からスタジオワークに着手し、インストゥルメンタルのMIX CDを制作。07年にグライムMCをフィーチャーした『THE 140 MIXTAPE』はトップ・ラジオDJから支持され、注目を集める。そしてSO SOLID CREWのASHER Dの傘下で数々のプロダクションを手掛けた後、09年に自己のSwindle Productionsからインストアルバム『CURRICULUM VITAE』を発表。その後もPlanet Mu、Rwina、Butterz等からUKG、グライム、ダブステップ、エレクトロニカ等を自在に行き交う個性的なトラックを連発、12年にはMALAのDeep Mediから"Do The Jazz"、"Forest Funk"を発表、ジャジーかつディープ&ファンキーなサウンドで評価を決定づける。そして13年7月、待望のニューアルバム『LONG LIVE THE JAZZ』(Deep Medi)がリリースされ話題が沸騰している。8月にはboilerroom.tvでフュージョン界の巨匠、LONNIE LISTON SMITHとライヴ共演し、大反響を呼んだばかり。
https://www.facebook.com/swindleproductions
https://twitter.com/swindle

★GOTH-TRAD(Deep Medi Musik, BTC,JPN)
ミキシングを自在に操り、様々なアプローチでダンス・ミュージックを生み出すサウンド・オリジネイター。03年に1st.アルバム『GOTH-TRAD』を発表。国内、ヨーロッパを中心に海外ツアーを始める。05年には 2nd.アルバム『THE INVERTED PERSPECTIVE』をリリース。また同年"Mad Rave"と称した新たなダンスミュージックへのアプローチを打ち出し、3rd.アルバム『MAD RAVER'S DANCE FLOOR』を発表。06年には自身のパーティー「Back To Chill」を開始する。『MAD RAVER'S~』収録曲"Back To Chill"が本場ロンドンの DUBSTEP シーンで話題となり、07年にUKのレーベル、SKUD BEATから『Back To Chill EP』、MALAが主宰するDEEP MEDi MUSIKから"Cut End/Flags"をリリース。12年2月、DEEP MEDiから待望のニュー・アルバム『NEW EPOCH』を発表、斬新かつルーツに根差した音楽性に世界が驚愕し、精力的なツアーで各地を席巻している。
https://www.gothtrad.com/
https://www.facebook.com/gothtrad


Disclosure / AlunaGeorge - ele-king

 「ヤバい、ヤバい」と、うしろの女の子グループが興奮しているのが聴こえる。隣の男の子は、最初から体を激しく揺さぶったままだ。僕も負けじと体を動かす。ちょっと前の方に、XXYYXXのトートバッグをぶら下げた男の子がブチ上がってるのが見える。そのうしろの、上品にめかし込んだシティ・ガールも控えめながらも体でビートを感じている。いい感じだ。
 ディスクロージャーがハウス色に染め上げた空間に、再びアルーナが登場する。"White Noise"だ。当然、プレイが期待され、また予期もされていたナンバーだが、フロアはこの夜の最高潮を迎えた。ジャスト・ノイズ、ホワイト・ノイズ、ジャスト・ノイズ、ホワイト・ノイズ......、本当にいい夜だった。特にディスクロージャーのパフォーマンスは、〈FUJI ROCK FESTIVAL '13〉におけるThe XXとともに、いま、UKのポップ界で何が起きているかを見せつける素晴らしい内容だったのではないだろうか。

 思えば大学時代、仙台市の図書館で『ブラック・マシン・ミュージック』(河出書房新社)を読んだ僕は、以来、ハウスという音楽を、どこか秘密の地下帝国にのみ存在する架空の音楽としてそのイメージを闇雲に膨らませてきた。同時期に手に取ったフランキー・ナックルズの偉大なるクラシックスに魅了されなかったわけではない。この本──言うまでもなく、ポスト・ファンク期においてディスコがいかに嫌われ、笑われ、軽蔑され、そしてそれがハウス・ミュージックへと「潜る」ことによってアンダーグラウンドでいかに延命したかを、緻密なリファレンスとロマン主義的な筆致で描いた古典──のなかで前景化される、若き黒人たち──主に同性愛者たち──の物語は、意識のレベルで僕を排除するにはあまりにディープ過ぎたのだ。
 一方のこの日、恵比寿の〈LIQUIDROOM〉には、なにか特定のフィルタリングを施される前の、所属クラスターの異なる人たちの奇妙な融和があった。ひと言で、ちょっとしたカオスだったと言ってもいい。開演を待つあいだ、どこからか「ディスクロージャーを聴いてるのがどういう人たちか、まったく想像できないんだよねー」という声が聞こえ、そこで「たしかに」と思ったのは、実際、フロアに集まった人たちに統一感というものがなかったからで、みんなめかし込んでハウスとR&Bを渇望してきたのか、と思えば、すぐ前の男の子グループはなぜか血気盛んにラモーンズの話をしているし、予定を20分押してアルーナジョージが登場すると、ギャル風のグループから「カワイイー!」の声が上がる。僕はいい場所に来たな、と思った。

 アルーナジョージのライヴは"Just A Touch"で幕を開けた。〈トライ・アングル〉からのEP「You Know You Like It」のB面に収録された、ファンにとってはずいぶん思い入れのあるナンバーだ。アルーナは、ハイスクールものの海外ドラマから出てきたヒロイン(の親友)のような奔放さと無邪気さを残しつつも、人を誘うような、挑発するような眼差しを振りまいていて大変に危険だった。頭部の容積はおそろしく小さく、ウエスト周辺には怪しい曲線が走っている。ジョージは終始クールだ。サポートでドラムとベースが入っている。が、ベースが少し物足りない(終盤、"Lost And Found"でもう一歩、盛り上がっていなかったのはそのせいだろうか)。
 遅すぎず速すぎず、『Body Music』で披露したミドル・テンポのR&Bでフロアを揺らし続けた。セットリストとしては、中盤を"You Know You Like It"で盛り上げ、ラストを"Your Drums Your Love"で締める、という、フロアの期待に正面から応える、サービス精神旺盛な40分程度の内容だった。目立った変調操作もなく、アルーナの声が地であの甘ったるさを持っているのには驚いたが、インターネット・インディ出身だけあり、ライヴでの空間の使い方にはまだまだ向上の余地があるように思えた。

 ディスクロージャーは、転換のイントロダクションを経て、準備運動もなく"F For You"をドロップ。ライブのセッティングもこの曲のヴィデオそのまんまで、左右対称に構えたふたりの手からは、4/4で刻まれるイーブンなキック、そこにまとわりつくベースライン、細かく刻まれるハイハット、乱舞するパーカッション、スペーシーなシンセの音色、、、が放たれた。このふたりは、じらしたり勿体ぶるといったことをしなかった。BPMを落としたのも、ラストの"Latch"に繋ぐ流れくらいで、あとはほとんど上げっぱなし。
 それもそうか、と言うのは、いまやインターネット世代であれば、フランキー・ナックルズや、ケリー・チャンドラーのような大御所からジェイミー・XX、ジェイムス・ブレイク、ローレル・ヘイローまでもが出演経験のあるストリーミング・パーティ・サイト、「BOILER ROOM」なんかで手軽にクラブ気分を味わえるわけだから、その手軽さと皮膚感覚的に同期していた、というか、持ち時間の都合もあったのだろうが、1分でいかに人を魅了できるか、という時間感覚のなかでハウスをやっていたような気がする。
 それがいいことか悪いことかはわからない。少なくとも、「2013年、我が家のコレクションが流行の最先端になってしまった......」などと言ってとぼけていた『ブラック・マシン・ミュージック』の著者であれば、小言のひとつやふたつ、残したことだろう。それは、歴史のトレースがポップの最前線に躍り出るようになった、ゼロ年代以降のひとつのヴァリエーションとして見ることもできる。おそらく、現象としてはそれ以上でも以下でもない......。ところが、ディスクロージャーときたら、何の躊躇もなくそこに全乗りするのだ。彼らのホワイト・マシン・ミュージックは実に浮ついていて、洒落っ気があって、セクシーであると同時に、とても清潔だ。そこには、良くも悪くも、音楽しかない。

 では、今日のUKインディ界は、ハウス・ミュージックで何をどうセレブレートしているか? あの日、〈LIQUIDROOM〉にいた人ならば、多くの人がこう答えるだろうのではないか。「ハウスという音楽がこの世に存在していること、そのものを」と。「ははは、それはあまりにベタというか、阿呆やねえ」と、あなたは笑うだろうか。いずれにしても、選択肢は最初からふたつしかないのだから。そこにハウスのビートがあったときに、あなたは踊るのか、それとも踊らないのか、それだけだ。しかしまあ、我ながら、まさか自分がこんなことを言うようになるとは思わなかった。しかしたしかに、そういう夜だったのだ、9月24日という日は。

Juan Atkins & Moritz von Oswald - ele-king

 お店でCDで買おうとしたら、「何でアナログ盤じゃないんですか」と、先日デトロイトに行って来たmeiさんに「ダメでしょう、そんなじゃあ」と、厳しい口調で言われたが、彼女の突っ込みは一理ある。ダブプレート&マスタリングは、いまや世界的にもっとも優れたカッティング技術を保有している。どこにでもあるアナログ盤ではない。アートワークも渋いしな。
 が、結果的に自分はCDで良かった。夏前のリリースだから3か月遅れのレヴューになるが、夏のあいだ僕はこの繰り返しの音楽を繰り返し聴いた。CDは再生が楽だからという怠惰な理由も否めないのだが、繰り返し聴ける新譜に出会えることは素晴らしい。
 20年前からのリスナー諸氏と同様、僕も20年前の、ベルリンとデトロイトのふたりの巨匠(+トーマス・フェルマン)が作り、同じくベルリンの〈トレゾア〉からリリースされた『ジャズ・イズ・ア・ティーチャー』を聴き返した。『ボーダーランド』とどちらが好きかと問われれば、迷うことなく『ジャズ・イズ・ア・ティーチャー』を挙げるが、『ジャズ・イズ・ア・ティーチャー』がホアン・アトキンスにとってのベストかと問われればそうは思わないと答える。それでは『ジャズ・イズ・ア・ティーチャー』が凡作かと問われれば、違うと即答する。そして、『ボーダーランド』が凡作かと訊かれれば、いや、これもやはり良い作品だと言う。
 『ジャズ・イズ・ア・ティーチャー』には、テクノは次にどこに進めばいいのかという議論における明快な回答があった。「ジャズ」とはメタファーである。それは、快楽主義に支配された当時としては、実に思い切った、時代の大きな流れに逆らうメタファーとして機能した。その後に続いたのが"ハイテック・ジャズ"で、つまり『ジャズ・イズ・ア・ティーチャー』は、気持ち良いこと(4/4キックドラム)以上に大切なことがこの世にはあるんだという声明でもあった。

 ところが、『ボーダーランド』は気持ち良すぎる。アルバムにおける最高のトラックは"Electric Garden"だが、コズミックな質感の、流れるように滑らかなシンセのリフは、間違いなくホアン・アトキンスによるものだろうし、空間に広がる音響とダブのベースラインはモーリッツ・フォン・オズワルドによるものだろう。リズムはシンプルで、『ジャズ・イズ・ア・ティーチャー』時代に比べてずいぶんと大人しい。シャカシャカ鳴っていたハットやスネアはなりを潜め、柔らかい音色のメトロノーミックなリズムが淡々と刻まれている。20年分のソフィスティケイション。彼らも僕も20年、歳を重ねたのである。
 "Electric Dub"も"Footprints"も、リズミックで、控え目ながらキラーな低周波が唸っているが、やかましさというものがない。音量をいくら上げても、Kポップのようにうるさくない。押しつけがましさがない。グルーヴはあっても、アゲアゲにならない。そこが、20年分の人生がもたらすソフィスティケイションの素晴らしさだ。"Mars Garden"のリズムは、ホアン・アトキンスだろう。いわゆるエレクトロ・ファンクのリズムだ。が、この響きはマントロニクスよりもイーノの側に近い。聴いているとうっかり寝てしまう。そして起きたら、今度はモーリッツ・フォン・オズワルド・トリオの新作がロンドンの〈オネスト・ジョンズ〉からリリースされていた。この12インチにもホアン・アトキンスは参加している。『ボーダーランド』のいわばダブ・ヴァージョンで、その続編以外の何ものでもない。

 竹内正太郎がハウスで踊っているのは、僕にとってグッド・ニュースだ。あの、北関東の堅物が......、そういえば先日は僕も〈プラネット・E〉から出たテレンス・パーカーの12インチ(しかもリミックスはルイ・ヴェガ)を「何も変わってないナー」と思いながら買ってしまった。「ハウス来てんナー」と思いながら。とはいえ、20年以上も前から僕はUKのメインストリームのダンス・カルチャーがどうにも口に合わない。80年代のUKでは「あー、気持ちいい、やっぱ気持ちいいのが最高だよね~」と踊った子供たちのことをサッチャー・チルドレンと呼んだものだが、少なからず自分にもそういうところがあったので、竹内正太郎をまったく責められないよな......。

- ele-king

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263 264 265 266 267 268 269 270 271 272 273 274 275 276 277 278 279 280 281 282 283 284 285 286 287 288 289 290 291 292 293 294 295 296 297 298 299 300 301 302 303 304 305 306 307 308 309 310 311 312 313 314 315 316 317 318 319 320 321 322 323 324 325 326 327 328 329 330 331 332 333 334 335 336 337 338 339 340 341 342 343 344 345 346 347 348 349 350 351 352 353 354 355 356 357 358 359 360 361 362 363 364 365 366 367 368 369 370 371 372 373 374 375 376 377 378 379 380 381 382 383 384 385 386 387 388 389 390 391 392 393 394 395 396 397 398 399 400 401 402 403 404 405 406 407 408 409 410 411 412 413 414 415 416 417 418 419 420 421 422 423 424 425 426 427 428 429 430 431 432 433 434 435 436 437 438 439 440 441 442 443 444 445 446 447 448 449 450 451 452 453 454 455 456 457 458 459 460 461 462 463 464 465 466 467 468 469 470 471 472 473 474 475 476 477 478 479 480 481 482 483 484 485 486 487 488 489 490 491 492 493 494 495 496 497 498 499 500 501 502 503 504 505 506 507 508 509 510 511 512 513 514 515 516 517 518 519 520 521 522 523 524 525 526 527 528 529 530 531 532 533 534 535 536 537 538 539 540 541 542 543 544 545 546 547 548 549 550 551 552 553 554 555 556 557 558 559 560 561 562 563 564 565 566 567 568 569 570 571 572 573 574 575 576 577 578 579 580 581 582 583 584 585 586 587 588 589 590 591 592 593 594 595 596 597 598 599 600 601 602 603 604 605 606 607 608 609 610 611 612 613 614 615 616 617 618 619 620 621 622 623 624 625 626 627 628 629 630 631 632 633 634 635 636 637 638 639 640 641 642 643 644 645 646 647 648 649 650 651 652 653 654 655 656 657 658 659 660 661 662 663 664 665 666 667 668 669 670 671 672 673 674 675 676 677 678 679 680 681 682 683 684 685 686 687 688 689 690 691 692 693 694 695 696 697 698 699 700 701 702 703 704 705 706 707 708 709 710 711 712 713 714 715 716 717 718 719 720 721 722 723 724 725 726 727 728 729 730 731 732 733 734 735 736 737 738 739 740 741 742 743 744 745 746 747 748 749 750 751 752 753 754 755 756 757 758 759 760 761 762 763 764 765 766 767 768 769 770 771 772 773 774 775 776 777 778 779 780 781 782 783 784 785 786 787 788 789 790 791 792 793 794 795 796 797 798 799 800 801 802 803 804 805 806 807 808 809 810 811 812 813 814 815 816 817 818 819 820 821 822 823 824 825 826 827 828 829 830 831 832 833 834 835 836 837 838 839 840 841 842 843 844 845 846 847 848 849 850 851 852 853 854 855 856 857 858 859 860 861 862 863 864 865 866 867 868 869 870 871 872 873 874 875 876 877 878 879 880 881 882 883 884 885 886 887 888 889 890 891 892 893 894 895 896 897 898 899 900 901 902 903 904 905 906 907 908 909 910 911 912 913 914 915 916 917 918 919 920 921 922 923 924 925 926 927 928 929 930 931 932 933 934 935 936 937 938 939 940 941 942 943 944 945 946 947 948 949 950 951 952 953 954 955 956 957 958 959 960 961 962 963 964 965 966 967 968 969 970 971 972