「Nothing」と一致するもの

interview with Moon Duo - ele-king


Moon Duo Shadow Of The Sun
Sacred Bones / ホステス

PsychedelicRockFolkDrone

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 ムーン・デュオといえば、ピーキング・ライツ(Peaking Lights)に負けるとも劣らぬサイケデリック夫婦。しかしノリのほうはすこし胡散臭さが勝るのがムーン・デュオかもしれない。旦那のほうが元ウッデン・シップス(Wooden Ships)のメンバーであっただけに、重心低めのブルージーなサイケデリック・ロックが底流にはあるが、たとえば本インタヴュー内でも言及される“アニマル”のMV“スリープウォーカー”のMVなど、何かふざけたネタ感をぶっ込まずにはいられないという茶目っ気がある。毎回大きく作風を変えるわけではないが、マメにツアーに出て、生活と音楽とサイケが寄り添うような生き方をしているふたりにとっては、アルバムごとの色などよりは、そうした冗談やお茶目のほうがはるかに大事なものなのかもしれない。のんびりとまどろむようなスペーシー・ロックから、クラウトロック調、ブギ、ちょっとラフなガレージ・ナンバーまで、USのアンダーグラウンド・カップルのマイペースなノリをいっしょに楽しみたい。月のように、彼らはいつもそこにいる。振り返ったらついてくる!

■Moon Duo / ムーン・デュオ
サンフランシスコ出身の人気前衛サイケデリック・ロック・バンド、ウッドゥン・シップスのメンバーであるリプリー・ジョンソンと、妻であり元教師という過去をもつサナエ・ヤマダ(父親が日本人)夫婦によるプロジェクト、ムーン・デュオ。現在はポートランドに移住して活動をつづける。ザ・メン、ゾーラ・ジーザスなどを擁するブルックリンのブティック・レーベル〈セイクレッド・ボーンズ(SACRED BONES)〉と契約し、2011年に『メイジズ(Mazes)』、12年に『サークルズ(Circles)』の2枚のアルバムを発表。本作は約2年半ぶりとなる通算3作めのフル・レンス・アルバム。13年には都内4公演から成る初来日ツアーを敢行し、日本での知名度を上げている。

普通じゃない場所でライヴをするのが大好きなのよね。

リプリーのウッドゥン・シップスに比べると、ムーン・デュオはもっと柔軟で、ライヴをしやすいのではないでしょうか。フルのドラムセットもスタック・アンプも要らないですもんね。あなたたちはアート・ギャラリーやディスコなど、つまりライヴハウスではない会場でライヴをされてきたと思います。典型的なライヴハウスで演奏するのと何か違いはありますか ? もしあるならば、それはどのような違いでしょうか?

サナエ:普通じゃない場所でライヴをするのが大好きなのよね。アート・ギャラリーや教会でもプレイしたことがあるし、そういうライヴはとくにに想い出深いわ。たしかにいままでのムーン・デュオはそういう変わった場所でのライヴがしやすい編成だったけれど、最近ではドラマーが参加するようになったから、以前ほど簡単ではなくなった。とはいえ、それでもおもしろい機会があればいまでもやりたいと思ってる。前にサンフランシスコの〈ジ・エクスプロラトリアム(科学博物館)〉でライヴをしたんだけど、本当に素晴らしかった。


新作ではドラマーのジョン・ジェフリーと制作を行ないました。彼はアルバムのレコーディングのみの参加なのでしょうか?
 それとも、彼はムーン・デュオのメンバーとしてライヴに参加する、あるいは参加していたのでしょうか?

サナエ:じつは、ジョンにはもともとツアーに参加してもらう約束だけで、いっしょにレコーディングすることは考えてなかったの。2013年の夏のツアーで、フェスや野外のライヴの予定がいくつかあったから、そういう場所には生ドラムがあったほうがよさそうだと思ってね。でもやってみたら、ジョンがこのバンドにすごくしっくりくることがわかって、いまではライヴではもちろんのこと、新作のレコーディングにも参加してもらうことになったの。

今作のタイトルやジャケットはコールド・サンの『ダーク・シャドウズ』を思わせます。あの作品が好きですか? また、今作のタイトル『シャドウ・オブ・ザ・サン』は『ダーク・シャドウズ』を何かしらの形で参照しているのでしょうか?

サナエ:あのレコードは大好きよ! いままではこの作品とのつながりを考えたことはなかったけれど、言われてみればたしかに共通点があると思う。



ムーン・デュオのサウンドはある意味で、かなりミニマルでシンプルと言えるでしょう。過去には多くのアーティストたちにリミックスをされてきました。それらのリミックス作品からどのようなインスピレーションを受けますか? 今回のアルバムの曲のリミックスを依頼したいアーティストはいますか? もしくは既に作業は進んでいるのでしょうか?  もしそうであれば、現在取りかかっているリミックスを教えてください。

サナエ:サナエ:このアルバムの曲に関しては、まだリミックスを作る予定はないけれど、やってみたい気持ちはあるわ。過去のリミックス・アルバムでは、普通はあまりリミックスをやらないアーティストを起用したかったの。そういう人たちのほうが、どういうリミックスにすべきかっていう既成概念に縛られず、ユニークで一風変わったものを作ってくれそうだと思ったから。リミックスの出来にはもちろん満足してるわ。自分たちの音楽を他の誰かが解釈したものを聴くって、とてもおもしろい経験だった。それに、その経験を通じて、自分自身もまたちがった聴き方をできるようになった気がするわ。

私たちはツアーに長い時間を費やしているし、移動したりドライヴしたりということは、人生の大きな一部になってるから。

今作のジャケットがとてもカッコいいですね。日本のグラフィックデザインの黄金期のテイストが感じられます。これはどなたが手がけたのでしょうか?

サナエ:アルバムのジャケットは、ジェイ・ショウというアーティストが手掛けたものなの。彼はアルバムのジャケットだけじゃなく、映画のポスターなどもよくやっていて、70年代風のタッチが素晴らしいと思う。少しSFっぽくて、映画的なジャケットがいいなと思っていたから、彼のデザインが本当にぴったりだった。



今回に限らず過去品も含めて、ムーン・デュオの音楽はドライブをするときのサウンドトラックにピッタリなんですよね。作曲をしているとき、ツアーのことや車を運転することを考えますか?

サナエ:それはいい褒め言葉ね! 曲を書いているときにあえて考えているわけではないけれど、たしかに私たちはツアーに長い時間を費やしているし、移動したりドライヴしたりということは、人生の大きな一部になってるから。それに私自身、ぐいぐいと進むようなサウンドに惹かれるところもあると思う。 


ポートランドの地元の音楽シーンはどのような感じなのでしょうか? あなたたちはよく演奏はされていますか?

サナエ:ポートランドの音楽シーンはすごく盛り上がってる。住んでいるミュージシャンも多いし、毎晩どこかでライヴをやってる。それに、まだまだ小さなインディのレコード屋さんが頑張ってるわ。他のアメリカの都市では、そういう文化がなくなってきているから、本当にありがたいの。私たちはツアーしてばかりで、ポートランドに戻るとバンド活動をお休みすることが多いから、自分たちが地元シーンの一部とまでは思わないけれどね。でも、今回のアメリカ・ツアーのフィナーレは土曜日のポートランドのライヴなの。すごく楽しみにしてるわ。 


あなたたちのミュージック・ビデオはどれもある意味コミカルです。“アニマル”のビデオがどんなアイディアから生まれたかが気になります。なぜ映像ではプロのスケーターがスケボーを使わずにスケートをしているのでしょうか? 曲と映像のストーリーとの繋がりがいまひとつ理解できなかったんですよ。

サナエ:“アニマル”では、リッチー・ジャクソンという監督に依頼したの。彼の作品を私たちふたりとも気に入ってたから。ビデオを作ってほしいとお願いしたら、快諾してくれたわ。彼が好きなようにやってくれればいいし、どれだけ変わったビデオになっても構わないって伝えた。スケートボード以外のもので滑るスケーターというのは、リッチーのアイデアだった。その意外性が私たちも気に入ったわ。あのビデオは“無”や“欠落したなにか”っていうコンセプトをベースにしていて、そこが『シャドウ・オブ・ザ・サン』と共通しているところなの。

ポートランドの音楽シーンはすごく盛り上がってる。まだまだ小さなインディのレコード屋さんが頑張ってるわ。

ムーン・デュオは全てのアルバムを〈スケアード・ボーンズ〉からリリースしています。同じレーベルに所属するアーティストや作品からインスパアされますか?

サナエ:ええ、もちろん。サイキック・イルズやフォラクゾイドは大好きだし、それにジョン・カーペンターは特別ね。それに、〈セイクリッド・ボーンズ〉からリリースされているファーマコンやゲイリー・ウォー、アーメン・デューンズの作品はどれもおもしろくてユニークだと思う。

最近共演したミュージシャンやバンドで、誰が素晴らしかったですか?  また、見つけたお気に入りのレコードはなんですか?

サナエ:今回のツアーでは、ケヴィン・モービー、ネスト・エッグ、レキシー・マウンテン、ミラーズ、ホリー・ウェーヴに参加してもらったわ。個人的にやられたのは〈SXSW〉でいっしょにライヴをしたシタールとタブラのデュオ、Gourishankar Karmakar and Indrajit Banerjeeね。彼らを見ていると、まるで自分が宙に浮かんでいるかのような気分になったわ。最近のレコードだと、〈サヘル・サウンズ(Sahel Sounds)〉からのリリースにはずっと注目していて、Mdou Moctarの『Anar』とか、Mamman Saniの2枚のアルバムはよく聴いてるのよ。





サイケデリックな紳士淑女のみなさま、〈Sacred Bones〉のことはご存知?──ムーン・デュオ来日記念! セイクリッド・ボーンズの10枚+1

ムーン・デュオのインタヴューでも言及されている、彼らのもうひとつのホーム、〈セイクリッド・ボーンズ〉は、USアンダーグラウンドの2000年代から現在を語る上で重要なレーベルのひとつでございます。ゾラ・ジーザス(Zola Jesus)やクリスタル・スティルツ(Crystal Stilts)などはよくご存知かもしれませんね。レーベルのベースにあるのは、ムーン・デュオやサイキック・イルなどどっぷりと振り切れたガレージ・サイケですが、ゾラやクリスタル・スティルツをはじめ、ラスト・オブ・ユース(Lust Of Youth)やゲイリー・ウォー(Gary War)など、2010年前後のトレンドでもあったシンセポップやニューウェイヴ/ポストパンク・マナーが、やはりトレンドであった独特のローファイ文化と結びつき、さらにもうひとつトレンドであったインダストリアルやシューゲイズまで巻き込んでいったことは、このレーベルの鋭さを証すものでしょう。
彼らがマイナーでカルトなサイケ集団のようなたたずまいにもかかわらず、諸トレンドの奇妙な合流地点となっていたことは、次の10枚を眺めてみてもよくおわかりになるかと思います。じつにおかしな、そしてキュートなレーベルでございます。

Pharmakon - Abandon

NY出身の可憐な少女、マーガレット・チャーディエットによるファーマコンのデビュー・アルバム。絶叫、グロ、オカルティズム、ノイズ……こじらせすぎた女子による、振り切れすぎたエレクトロニクスは、ゲテモノとアートの狭間で凄まじい緊張感と違和感を放ちながら、ギリギリの官能を現出させてみせる。このジャケ同様、狂気のライヴ映像は閲覧注意!

Crystal Stilts - Delirium Tremendous

そもそもは〈スランバーランド(Slumberland)〉からのデビュー作『オールライト・オブ・ナイト』で脚光を浴びたオサレなバンドだったが、当時ネオ・シューゲイズなどと目されたあの淡麗なフィードバック・ノイズやポストパンク・マナーの影にはドロドロとアンダーグラウンドの血が流れていたのだろう。このサード・フルにはドラッギーなフォークやカントリー色までうかがわれる。

Lust for Youth - Perfect View

スウェーデンはコペンハーゲンの現在を象徴するレーベル、〈Posh Isolation〉を主宰するHannes Norrvideによるユニット。その持ち味であるスマートなダーク・ウェイヴには、皮肉やパロディではなしに、若いいらだちやポジティヴな攻撃性が感じられて清々しい。本作は2010年前後のシンセ・ポップ・リヴァイヴァル群のなかでも、ひときわナイーヴな美しさを放っている。

Amen Dunes - Through Donkey Jaw

本作の隣には、〈キャプチャード~〉と双璧をなす2000年代のローファイ・コロニー、〈ウッジスト(Woodsint)〉のウッズ(Woods)を並べずにはいられない。2014年の新作ではよりクリアに「歌」を取りだしてみせたエイメン・デューンズことデイモン・マクマホンだが、より混沌とした本作の、こだまのようにのんきで音響的なヴォーカルには、どこか神聖ささえ宿っているように感じられる。

Blank Dogs - On Two Sides

2000年代後半のUSインディを語る上で絶対に避けては通れない重要レーベル〈キャプチャード・トラックス〉主宰のマイク・スニパーによるユニット、その記念すべき〈トラブルマン・アンリミテッド〉からのファースト・アルバム。なんとセカンド・プレスからは〈セイクリッド~〉からも出ていたのだ。ダム・ダム・ガールズなど当時トンガっていたガレージ、ポストパンクから、シューゲ・カタログの発掘・リイシューにも余念ないブルックリン・アンダーグラウンドの雄。

Zola Jesus - Stridulum EP

ゴシックや〈4AD〉再評価の機運が高まる2010年前後のシーンに颯爽と現れた才媛。無機質なビートと不穏なノイズが構築するダーク・ウェイヴに、ケイト・ブッシュに比較されるヴォーカル。幼少から学んだというオペラの素養は、どこかトラウマチックで険のある彼女のアルトを艶めかせ、かつフラジャイルな魅力を加えている。本作はデビュー・フルの後のEP。ジャケももっともコンセプチュアルだ。

Gary War - Horribles Parade

世間的にはサード・フル『ジャレッズ・ロット(Jared's Lot)』が有名だろうか。アリエル・ピンクのバックも務めていたグレッグ・ダルトンによるセカンド・アルバム。激渋ジャケとは裏腹に、ファズとフィードバック・ノイズが効きつつも、〈キャプチャード・トラックス〉と同時代性を共有するローファイぶりがコミカルかつ愛らしい、アリエルの初期カタログを思わせるようなスキゾ系ポップ。

Psychic Ills - Hazed Dream

タイトルどおりヘイジーなサイケデリック・フォーク。ドリーミーというにはドープな空間性、〈リヴェンジ(Rvng Intl.)〉からのリリースにもうかがわれる、遠くアンビエントやドローンに接続していくような音響、ブルージーな楽曲、絶対に跳ねないヴォーカル。NYを拠点とし、現在は3人編成で活動。〈セイクリッド~〉らしさを構築する存在のひとつだ。

The Men - Open Your Heart

NYのなんともストレートなガレージ・サイケ・バンド。サーフ、ガレージ・パンクを軸に、かすかにメタルやハードコア的な要素も聴き取れるが、特筆すべきはそのポップ・センス。ぺなぺななプロダクションに愛唱すべきメロディが乗る。本当、憎めない。リリース量でも〈セイクリッド~〉において無視できない存在である。スタジオ・アルバムらしい完成度を求めるなら『トゥモロウズ・ヒッツ』を。

Slug Guts - Playin' In Time With the Deadbeat

プッシー・ガロア(Pussy Galore)やバースディ・パーティ(Birthday Party)の影響も色濃い、オーストラリアの“サバービア”・バンド。本作は2枚めのフル・アルバムとなる。参照点は渋いものの、絶妙に垢抜けないことを仮に「ぜつあか」と呼ぶなら、彼らはまちがいなくぜつあかマスターである。しかしそれが愛らしい……と思わせられるのは、そう、このレーベルの呪いである。

プラいち!- David Lynch - Eraserhead: Original Soundtrack Recording

言わずと知れた鬼才映画監督。彼が音楽制作も行うことはすでに周知のことだが、〈セイクリッド~〉からサントラもふくめなんやかやと7タイトルもリリースしているというのはなかなか本質的な事実! メジャー・リリースだと見え方もずいぶんと変わっていたのではないだろうか。

ああ、リンコ、リンコ、リンコ - ele-king

 この映画に関してはコラムで何度か書かせていただいてますが、最近はエロくてグロい音楽活動もなさっておられるという菊地凛子さんと、わたし(注:ブレイディみかこ)の息子がなぜか母子役で共演。などという市井の地べた民の身にとんでもないことが起きてしまった奇跡の作品であり、それが遂に東京開催のイタリア映画祭で上映されることになりました。

 で、日本の事情を知らないレオという監督さんが、水曜日の午後2時半なんて中途半端な時間に入れられたんだけど誰も来なかったらどうしよう。とビビっておられるので、「4月29日は日本のバンク・ホリデーです」と伝えるとちょっと安堵されたようですが、なにしろ若き新人監督のこと、「遠い極東の国でガン無視されたらどうしよう」と不安を募らせておられるようなので、こうして母ちゃんがニュース欄にまではみ出して来てしまいました。

 本作の見どころは何と言っても、エキセントリシティやオブセッションを芸風にしてきた菊地凛子が、幼い子供との悲しい別れを体験する母親の役を地味&静かに、ある種のぬくもりさえ漂わせながらナチュラルに演じておられる点で、これは彼女のファンにとっても新たな顔の発見になるのではないでしょうか。共演者には、ハリウッド版『ドラゴン・タトゥーの女』でルーニー・マーラを手籠めにして大復讐される極悪非道な変態弁護士を演じた(映画ファンの方々には「あー、あの人」と膝を打っていただけるでしょう)ヨリック・ヴァン・ヴァーヘニンゲン(本作では善人役です)や、BBCドラマ『ロビン・フッド』で乙女マリアン役を演じた(こちらも英国在住歴が長い方々には膝を打っていただけるでしょう)ルーシー・グリフィスらがいます。また、オスカー受賞のエディ・レッドメインはイートン校出身でウィリアム王子のご学友、ベネディクト・カンバーバッチも名門私立ハーロウ校出身でリチャード3世の血縁、などと俳優の上流階級化が叫ばれる現代のUKにあって、子役のケン・ブレイディは底辺託児所卒園という輝かしい経歴の持ち主であり、ASDAの3ポンドTシャツを着て出演しております。

 さらに、本作の美術&衣装を担当したミレーナ・カノネロは今年『グランド・ブタペスト・ホテル』の衣装デザインで4度目のオスカーを受賞しました。菊地凛子演じる日本人女性の心情の変遷と衣装の色彩の変化が美しくシンクロしていることに注目していただきたい。
 また、編集はミヒャエル・ハネケ監督の長年のコラボレーターであるモニカ・ヴィッリ(『愛、アムール』『ピアニスト』)が担当し、統括プロデューサーのエルダ・フェッリはジョン・ライドンの唯一の主演映画『コップキラー』のプロデューサーというだけでなく、第71回アカデミー賞で外国語映画賞、主演男優賞、作曲賞を受賞したイタリア映画『ライフ・イズ・ビューティフル』のプロデューサーでもあります。

 こっそりすごい人たちが集まって作った映画なのですが、如何せん宣伝力がありません。日本の配給会社も決まっておりません。ご興味をお持ちの方は母ちゃんにご連絡ください。まずはイタリア映画祭でお会いしましょう(って、わたしは現地におりませんが、監督と菊地凛子さんはおられます。舞台挨拶もあります。また、会場でいかにも場違いな感じの肉体労働者風の爺さんを見かけたら、それは95%わたしの博多の親父です)。

イタリア映画祭2015
『ラスト・サマー』特別上映 4月29日(水・祝)14:30~
https://www.asahi.com/italia/2015/works.html#z

東京会場:有楽町朝日ホール
東京都千代田区有楽町2-5-1 マリオン11階
https://www.asahi-hall.jp/yurakucho/access/
※有楽町マリオンの映画館チケット売場横のエレベーターで11階までお越しください。
※東京会場チケット情報はこちらへ 
https://www.asahi.com/italia/2015/tickets_tokyo.html

ESKMO - ele-king

 2010年に、名門〈ニンジャ・チューン〉からアルバム『エスクモ』をリリースしたエスクモことブレンダン・アンジェリード。〈ワープ〉や〈プラネット・ミュー〉などからも配信や12インチ盤でシングルをリリースする彼のサウンド・プロダクションは、アモン・トビンも絶賛したほど。
 本作はそんな彼の5年ぶりの新作アルバムである。まず、リリースが〈R&S〉傘下の〈アポロ〉からという点に注目したい。〈アポロ〉はアンビエントやダウンビート専門レーベルである。よって本作もアンビエント作品と言われている。が、一聴してわかるとおり本作はアンビエントというよりは、アンビエント風味が加味された良質なエレクトロニック・ポップ・ミュージックといった趣である。

 個人的に興味深かった点は、そのポップネスの中に染み入るように鳴っている「陰り」だ。は、ブレンダン・アンジェリードはLA在住とのことだが、彼の音からは、たとえばティーブスのようなLA的の抜けるような明るさが希薄である。どこか曇り空を想起させる音とでもいうべきか。いわばLAというよりはUK的、そんな印象なのだ。幻想的であっても天国的ではない。むしろ灰色のアトモスフィアを感じてしまう。サイケデリックなジェイムス・ブレイク? そんな印象もある。
 とはいっても本作は、難解で実験的な音楽ではない。先に書いたように、心地よいシンセ音とリズム/ビート、ヴォーカル曲なども織り交ぜて構成されたポップ・アルバムである。だがそれゆえ曲調や曲が醸し出す雰囲気としてのブリティッシュっぽさを感じてしまうのだ。このような彼の個性はどうして生まれたのだろうか。
 どうやらブレンダン・アンジェリードは2001年の9.11以降、いわゆる陰謀論にハマり、世界各地を旅するうちに、この地に落ち着いたようだ。ゆえに一種の内面性や漂流性のようなものが染み付いた人物なのかもしれない(このアルバムには彼が世界各地で録音した音なども使われているという)。そう考えると彼の音楽特有の「陰り」の意味もわかってくるような気がする。

 同時に本作は明確なコンセプト・アルバムでもある。曲の配置や流れに物語性を強く感じるはずだ。「太陽、月、地球が主役で、絶対的に不完全な人間の、無駄を完全に省いたシンプルな人生の中でどのようにその役目を果たしているかを描きたかった」と彼は語っている。つまり一種のニューエイジ、生活観としてミニマリズムな思想があるのだろう。
 実際、1曲め“SpVce”は、惑星の誕生を描くSFのオープニングのような壮大なシンセフォニックな曲調である。続く2曲め“コンバッション”は、どこか00年代のエレクトロニカ・シューゲイザーのような曲だ。3曲め“ブルー・アンド・グレイ”も、淡いピアノのバッキングから始まるヴォーカル曲。この曲で、アルバムの「物語」が宇宙から個人の内面にズームアップしたような印象を持った。4曲め“マインド・オブ・ウォー”もヴォーカル曲である。このアルバムの主人公の身の回りにおきるさまざまな事件に対する心の葛藤を描いている曲のように聴こえる(アルバム名どおりに!)。5曲め“タマラ”は、フィールド・レコーディング音に、ピアノのメロディが重なるポスト・クラシカルな曲。ピアノ内部のハンマー音のようなサウンドが微かに聴こえ、どこかニルス・フラームも思い出す。シンセや電子音がレイヤーされており非常に繊細な曲といえよう。この曲を挟みアルバムは後半へ。民族音楽的なドローンから幕を開ける6曲めにして、アルバム・タイトル曲“SOL”は本作の最重要トラックである。事実、アルバム中、もっともエクスペリメンタルで先鋭的な曲だ。だが、いわゆる難しさはない。むしろ心地よさを感じるサウンドでもある。そしてアルバムの「視点」は、この曲で個人からいったん離れ、1曲めのように俯瞰的な視点で曲を鳴らしているように思えた。微かなノイズに交じり、ときおり聴こえてくるピアノのアルペジオが美しい。続く7曲め“ザ・ライト・オブ・ワン・サウザンド・ファーネス”も、エクスペリメンタルなアトモスフィアを漂わす曲。無国籍な雰囲気はいっそう研ぎ澄まされ、リズムとシンセのメロディの交錯が素晴らしい。トラック中盤から曲調はダイナミックに展開し、いわば世界を一気に駆け巡るような感覚を味わえる。8曲め“フィード・ファイヤー”は再びヴォーカル・トラック。淡いシンセのパッドと具体音の折り重なりが見事だ。シンセによるオーケストレーションも効果的である。9曲め“ザ・サン・イズ・ア・ドラム”はアルバムという物語のクライマックスを彩るドラマチックなトラックだ。ヴォーカルも入るが曲の中の1いち要素として溶け込んでり、天空を駆け巡るようなカタルシスと地上へ落下するようなカタルシスを満喫できる。そして10曲めにしてラスト曲“キャント・テイスト”は、静謐なピアノ主体のヴォーカル曲だ。ときに激しく展開しながらも、しかしアルバム=物語のエンディングに相応しい穏やかな雰囲気で(唐突に?)幕を閉じる。

 このように本作はヴォーカルからインスト、ビート・トラックからアンビエントまで、じつに多彩な曲調を織り交ぜながら展開していくアルバムに仕上がっている。たしかに惑星と人間、さらには(曲名から想像するに)エネルギー問題という壮大なコンセプトがあるのだろうが、アルバムを聴いた印象でいえば、まるで私たちが暮らす一日のサウンド・トラックのようでもあった(まったくタイプのちがう音楽だが、デリック・ホッジ『リブ・トゥディ』に似ているようにも思えた)。宇宙規模の俯瞰の視点から個人の生活や内面に寄り添ったパーソナルな音楽まで一気にズームアップする感覚がある。映画でいえばテレンス・マリックの『ツリー・オブ・ライフ』のように。とはいえ、先に書いたように難解なアルバムではない。不穏さを湛えながらも、とてもポップなアルバムに仕上がっている点は、やはり重要だ。
 その意味で、本作には、まるで毎日のサウンド・トラックとして繰り返し聴ける耐久性がある。ブレンダン・アンジェリードは「全体を通して前作に比べ物語的」と語っているが、本作のサウンド・トラック性を表した言葉といえよう。

 流して聴いてもいい。その緻密なサウンド・メイクに聴き込んでもいい。シンフォニックでシンセ・サウンドには、昨今の人気のシンセ・ウェイヴ的な音との連続性もあるが、サウンドで聴かせるというよりは、きちんと「作曲」された端正な音楽なのである。事実、オーケストラ用に作曲したトラックも本作には入っているという。そんなシンセ・サウンドに加え、見事なビート・プログラミング、ヴォーカル・エディットまでエレクトロニックな技法の限りが尽くされ、どんなシュチュエーションでも、何度聴いても飽きることのないアルバムに仕上がっている。そう、本作『SOL』もまた前作『エスクモ』のように、何年も多くのリスナーに聴き継がれる作品となるのではないか、と思える。

Jesse Ruins - ele-king

 チルウェイヴからインダストリアル/ダークウェイヴへと舵を切ったジェシー・ルインズが、5月20日、リミックス・アルバムを出す。
 リミキサーのメンツには、Black Rai、Taquwami、食品まつり、あらべぇ、sanm、DJ Soybeans、Djwwww、LSTNGT、Nicole Brennan、Schwartz Brotchen、Castration Fear、Ultrafogなどなど、最近の彼の幅広い音楽性と、いろんなジャンルと繫がっていくどん欲ささが反映されていると言えるだろう。
 現在の日本のシーンを知る上でも、注目のリミックス盤だ。

Jesse Ruins
The Other Type of Heartless

2,200Yen + tax /
CAT No: MGNF-1024
限定盤にはオリジナル盤のカセットバージョンが付きます。

Jesse Ruins - Truth of D (Taquwami Remix)
https://soundcloud.com/jesse-ruins/truth-of-d-taquwami-remix

Jesse Ruins - She is in Photo SNS (あらべぇ Remix)
https://soundcloud.com/jesse-ruins/she-is-in-photo-sns-remix


以下、ジェシー・ルインズ本人がコメントを寄せてくれました。

「Jesse Ruinsが3年前にCaptured Tracksから音源をリリースしていたことなんか、もうみんな忘れたかもしれないし、僕も忘れそうなくらい少しづつ音楽性も変わってきてて、でも3年も経ったら変化していくのも当然かもですね。Cold Nameなどの別名義とかもそうで、そのときそのときの好きな音楽を反映させながら作りたい音楽が変わっていくのは自分的にすごく楽しいです。
 最近始めた新しい名義CVNはこんな感じです(https://soundcloud.com/cvntrack)。
 こちらもこれからリリースが控えてるので、楽しみにしててください。
 最近は聴いてるもの→やっと買えたMarshstepperの12インチなどAscetic Houseの周辺もまだまだ聴きつつ、LoticなどJanusの周りやYoung Echo界隈のFuckPunkのレコードもすごく良くて。あとはAhnnuの新しいカセット楽しみ。
 で、今回のリミックスアルバムの人選なんですが、名前は知ってるけど初めて話す方とか、新しい出会いが最近多く、ライヴやDJなど一緒になって繋がった人などを中心に人選させていただきました。
 先行公開してるTaquwamiくんは去年のリミックス盤でも声をかけてたんですが、タイミング合わず今回ようやくということで。最近の彼らしいビートに元の素材がうまく溶け込んでて突然降ってくる甘いメロディも癖になります。
 他にも食品まつりさん、あらべぇくん、DJ Soybeans/Schwartz Brotchen、Djwwww/Nicole Brennan、sanm、Ultrafog、LSTNGT、Castration Fearさんなど国内勢に加えてBlack Rain、Violence、Orphan Swordsの海外勢もみんなオリジナルの楽曲と言っても違和感ないぐらいに個性が強く出ています。是非買って聴いてください」
Nobuyuki Sakuma (Jesse Ruins / CVN / Cold Name(R.I.P.))

■リリース・パーティ
The Invention of Solitude #8 <Jesse Ruins "The Other Type Of Heartless" Release Party>
日時 5/31 OPEN/START 18:00
場所 KATA [LIQUIDROOM 2F]
出演 Jesse Ruins , 食品まつり aka Foodman , LSTNGT , sanm , Ultrafog , CVN , あらべぇ(DJ) , Naohiro NIshikawa (DJ) , and more.
チケット: DOOR 2,000 / ADV 1,500
問い合わせ先: https://www.kata-gallery.net/

Romare - ele-king

 わかるよ、わかる、10年後にもしハウス・ミュージックのカタログ本が刊行されたら、これはこの時代の名盤として紹介されるだろう。悪いがこれは良いアルバムだ。サンジェルマンの『ブールバール』がそうであるように、ムーディーマンのファースト・アルバムやセオ・パリッシュの『ファースト・フロア』がそうであるように、ハウス界隈のみならず、ときが経てば、クラブ・ジャズ/ヒップホップ界隈からも再発見されるだろう。
 イアン・オブライアンの最良の瞬間がそうであるように、ロメアのファースト・アルバムは、ブラック・アトランティック的ロマンティシズムに満ち満ちている。
 デトロイトのアンドレスとも共通する匂いがある。ヒップホップ的コラージュが彼の手法であり、そこから浮かび上がるのはソウルとグルーヴだ。

 ロメアとは、ロンドン在住のアーチー・フェアハーストなる人物のプロジェクトで、その名前をアフリカン・アートの作家ロメア・ビアーデンから取っている。彼の評判はおよそ2年前、ブリストルの〈ブラック・エイカー〉(いまもっともイケてるレーベルのひとつ)からシングルを発表して、じょじょに広まった。それらの作品は、彼のアフリカ起源の音楽のアーカイヴを紐解きながら、ひとつひとつ検証し、現代のクラブ・ミュージック(フットワークからUKガラージまで)として応用した結果だった。UKのクラブ・ミュージクらしいアプローチである。
 そして、この度、うまいことニンジャ・チューンが引っこ抜いて、本作『プロジェクションズ』をリリースしたというわけだ。

 僕は、最低でももう1枚、UKからは何年かに1枚の素晴らしいハウスのレコードが出ることを知っている(そして、もしもフローティング・ポインツがアルバムを出すようなら、もう2枚となる)。その作品との比較で言えば、ロメアは、よりディープで、よりスモーキーで、より温かく、そして繰り返すが、アフリカに根ざした音楽からの影響がより濃く滲んでいる。
 ロメアのやり方は、必ずしも新しくはない。しかし、アルバムとしての完成度は高く、ここにはクラブ・ミュージックの滑らかで美しい側面が凝縮されているように思う。感情が揺さぶられ、発展するという、最高にエーモショナルなハウス体験が保証されている。
 今月末に刊行する紙エレキングの「UK特集」をやりながら、あらためて思ったのは、音楽に詳しいことはUKらしさの一要素である、ということだ。そして、いくら時代は変われど、彼らはアメリカのソウル・ミュージックを掘り続けている。思い出し欲しい。オレンジ・ジュースのファースト・アルバムはネオアコの古典だが、同時にそれがブルーアイド・ソウルだったことを。つまり本作『プロジェクションズ』は、ベースメント・ジャックスのアルバムは中古屋に売ってしまったけれど、ムーディーマンは手放せないという人が聴いて間違いないのだ。

FKA TWIGS - ele-king

 出るぞ出るぞとじらされながら、なかなかリリースされないFKAツイッグスのニュー・シングル(ちなみに彼女には、シングルのほうが良い! という評価もあるほどシングルへの期待値は高い)。これだけじらされると、もう快感も萎びしてしまうよと……そう、せっかちなあなたに朗報です。
 今年リリース予定のシングルからの新曲“Glass & Patron”のPVが公開されました! デビュー・アルバム『LP1』以降、初めての新曲です。どうぞご覧下さい。



※FKAツイッグスの貴重なロング・インタヴュー+撮り下ろし写真が掲載のele-king vol.16は来週月曜日(3/30)発売!

ギター・ドローン、極限の音 - ele-king

 アイシス(ISIS)のアーロン・ターナー。この先もずっと頭が上がらないだろうなって思うのは、おそらく彼と出会わなければ、自分の人生は大きく異なっていたであろうから。なんにもない状態でフラフラとLAに訪れたのに、多くの素晴らしい人たちとの出会いのきっかけを与えてくれたのはアーロンに他ならない。そういった意味では個人的に今回のMammifer / Daniel Mencheのツアー・サポートに指名されたことは本当に光栄なことである。

 昨年11月に最新アルバム、『スタトゥ・ナッセンディ(Statu Nascendi)』を発表したマミファー(Mammifer)はアーロン・ターナーと妻であるフェイスによるユニットである。彼らが暮らす、雄大な自然に囲まれたシアトル郊外のヴァショーン島を感じさせるアンビエンス、アーロンによるギター・ドローンとフェイスの美声とピアノ・アンサンブルによる幽玄なサウンドは、本作ではこれまでになく洗練された形で完成されている。

 彼らのクリエイティヴィティはいつだって留まるところを知らない。アーロンが昨年新たに結成したスマック(SUMAC)の『ザ・ディール(The Deal)』もまたヘヴィネスとミニマリズムをアイシスとは異なった形でアップデートさせていると言えるし、彼を含むポストメタル・オールスターズバンドであるオールド・マン・グルームも同タイトルで異なる内容を収録した2枚のアルバム、『ジ・エイプ・オブ・ゴッド(The Ape of God)』を発表したばかりだ。

 フェイスもまた、オークイーター(Oakeater)のアレックス・バーネットとのデュオBarnett + Colocciaで前作『Retrieval(リトライヴァル)』に引き続き〈ブラッケスト・エヴァー・ブラック(Blackest Ever Black)〉からの新作リリースを間近に控えている。〈BEB〉レーベルの現在進行形暗黒電子音楽に新たな歴史を刻む傑作を約束しよう。一足先に拝聴したが、まるで異界への呼び水のようなサウンドだ。

 多忙なスケジュールのなか行なわれる、2年半ぶりとなる今回のマミファーの来日は、シアトルのベテラン・ノイジシャン、ダニエル・メンチェ(Daniel Menche)と同行する。自作楽器やフィールド・レコーディングをサウンド・ソースとしたライヴ・パフォーマンスは、過去の来日公演に訪れたオーディエンスを圧倒させている。マミファーによるレーベル〈シージ(SIGE)〉から発表されている近年の音源ではパイプオルガンやホーンを多用した見事なドローン・アンサンブルを聴かせてくれていたので今回どのようなパフォーマンスをみせてくれるのか、非常に楽しみである。

 ツアー初日となる大阪公演では、各方面から絶賛されるセカンド・アルバム『リズム&サウンド(Rhythm&Sound)』を発売したばかりのGoatの日野氏によるミュージック・コンクレートとテクノを融解させるYPY、〈スーパーデラックス〉での東京公演はボリスのスペシャルなセット、〈スープ〉での最終日にはドイツでの凱旋を終えたばかりのエンドンがパワーアップしたサウンドシステムで競演する。僕は大阪公演ではソロ、東京では普段のデュオ編成で異なるセットをおこなうつもりだ。各公演で繰り広げられる異世界へ足を踏み入れてはいかがであろうか?

■3/26(木)
大阪: 東心斎橋Conpass w/ YPY、DREAMPV$HER (Lonely pushin' set)
open 18:30 / start 19:00
前売 3,500yen / 当日 4,000yen (ドリンク代別)
問い合わせ: Conpass 06-6243-1666

■3/27(金)
東京: 六本木Super Deluxe w/ Boris
open 18:30 / start 19:00
前売 3,500yen / 当日 4,000yen (ドリンク代別)
問い合わせ: Super Deluxe 03-5412-0515

■3/29(日)東京: 落合Soup w/ DREAMPV$HER, ENDON
open 18:00 / start 18:30
前売 3,000yen / 当日 3,500yen (ドリンク代別)
問い合わせ: Soup 03-6909-3000

■チケット
2/7(土)より下記にて発売開始
大阪: ぴあ(P:255-709)、ローソン(L:56291)、e+、会場
東京/六本木: ぴあ(P:255-738)、ローソン(L:70293)、e+、会場
東京/落合: 会場、Daymare

MAMIFFER official site
DANIEL MENCHE official site


 本日17時より! ジェフ・ミルズによる音楽を背景にして、世界初公開となる“音楽に関連するアバンギャルドなオブジェクト”が展示される。「バトル オブ ロスアンジェルス」に端を発したヒステリアを再現した「Investigative Walls」、オリジナルのアナログ・レコードを使用した「Tomorrow + X」、「The Visitor」と「The Visitor」の使用時に着用するオランダ人デザイナー、ユロエン・フォン・トゥイルがデザインしたスーツ「The Stranger」……。

 百聞は一見に如かず。日本科学未来館での館長毛利衛氏とのコラボレーションによって、ある意味ではもっとも「宇宙に近い」場所になった湾岸、そこにたたずむ寺田倉庫にて開催される、一夜かぎりの展示会を見逃すことなかれ!

 エレクトロニック・ミュージックのパイオニアとして知られるジェフ・ミルズ(1963年アメリカ、デトロイト出身)は常にエレクトロニック・ミュージックを芸術として捉え、音楽とその進化に対するユートピア的思想を広めるべく活動を続けてきました。

 近年では、各国オーケストラとの共演。日本科学未来館館長/宇宙飛行士 毛利衛氏とコラボレイトした音楽作品『Where Light Ends』の発表。ジャクリーヌ・コー監督、ジェフ・ミルズ主演のアート・ドキュメンタリー・フィルム『MAN FROM TOMORROW』の公開など、その活動はもはや音楽という枠組みにはとどまりません。

 今回、世界に先駆け日本で初公開されるミルズの最新アート作品は、1942年にロスアンジェルスで起きたUFO目撃事件「バトル オブ ロスアンジェルス」という出来事にインスパイアされプロダクトデザイナー、スズキユウリ氏の協力のもとに制作された、かつてないデザインの音楽機材「The Visitor」です。

 今回3月23日(月)に天王洲アイル 寺田倉庫で開催される展示会「WEAPONS:—音楽に関連するアバンギャルドなオブジェクトの小さなしかし強力なエキシビション」では、50年代のフィルム・ノワールを基調にしたセッティング、ミルズによる音楽を背景に「バトル オブ ロスアンジェルス」に端を発したヒステリアを再現した「Investigative Walls」、オリジナルのアナログレコードを使用した「Tomorrow + X」、「The Visitor」と「The Visitor」の使用時に着用するオランダ人デザイナー、ユロエン・フォン・トゥイルがデザインしたスーツ「The Stranger」を世界初公開展示します。

 ジェフ・ミルズの来日に合わせた一日限りのエキシビション。当日はジェフ・ミルズ本人による各オブジェクトの解説やトークショーも企画しております。

■JEFF MILLS presents
WEAPONS
– a small but potent collection of music affiliated avant-garde objects
「WEAPONS:—音楽に関連するアバンギャルドなオブジェクトの小さなしかし
強力なエキシビション」


開催日時:2015年3月23日(月)19:00 – 22:00
会場:天王洲アイル 寺田倉庫 G1号5F 特設会場
   〒140-0002 東京都品川区東品川2-6-10
チケット:1500円
販売: Peatix : https://weapons.peatix.com
発売日:3月9日(月)17:00より開始

主催:Axis Records
制作:UMAA Inc/ TodaysArt.JP
協力:寺田倉庫株式会社、Gibson Guitar Corporation Japan
展示内容

1.The Visitor
1942年ロサンジェルスで起きたUFO目撃事件「バトル・オブ・ロサンジェルス」にインパイアされデザインされた、スズキユウリ氏とのコラボレーションによる全く新しい形のドラムマシーン。世界初公開。

2.The Stranger
Jeff MillsがThe Visitor 使用時に着用するためにオランダ人デザイナー、ユロエン・フォン・トゥイルがデザインしたスーツ。世界初公開。

3. Battle of Los Angeles
1942年ロサンジェルスで起きたUFO目撃事件「バトル・オブ・ロサンジェルス」に関するオブジェクト。世界初公開。

4.Tomorrow + X
Jeff Mills が制作した白いアナログ盤(すべて違う内容の音楽が刻まれており、世界に2枚づつしか存在しない)を使用したインスタレーション。

5. Investigative Walls
「バトル・オブ・ロサンジェルス」に関わるヒステリアと1940年代のイメージを表現したインスタレーション。世界初公開。


[人間性は好奇心と探究心によって進化してきた。思考と想像が実現する方法を見つけ出したときに不可能は可能になる。つまり夢見ることによって何事も可能になるという理論が私たちの想像力をよりたくましくしてきたと言える。間接的にでも我々に未来の姿を想像させてくれるサイエンス・フィクションはこれからますます評価されることになるのではないだろうか。

—ジェフ・ミルズ

■ジェフ・ミルズ
1963年デトロイト市生まれ。
高校卒業後、ザ・ウィザードという名称でラジオDJとなりヒップホップとディスコとニューウェイヴを中心にミックスするスタイルは当時のデトロイトの若者 に大きな影響を与える。1989年にはマイク・バンクスとともにアンダーグラウンド・レジスタンス(UR)を結成。1992年にURを脱退し、NYの有名 なクラブ「ライムライト」のレジデントDJとしてしばらく活動。その後シカゴへと拠点を移すと、彼自身のレーベル「アクシス」を立ち上げる。1996年に は、「パーパス・メイカー」、1999年には第3のレーベル「トゥモロー」を設立。現在もこの3レーベルを中心に精力的に創作活動を行っている。
Jeff Millsのアーチストとしての活動は音楽にとどまらない。シネマやビジュアルなどこの10年間、近代アートとのコラボレーションを積極的に行ってきている。2000年、フリッツ・ラングの傑作映画「メトロポリス」に新しいサウンドトラックをつけてパリ、ポンピドゥーセンターで初公開した。翌年にはスタンリー・キューブリック監督の「2001年宇宙の旅」にインスパイアされた「MONO」というインスタレーションを制作。2004年には自ら制作したDVD「Exhibitionist」を発表。このDVDはHMV渋谷店で洋楽DVDチャート一位を獲得するなどテクノ、ダンスミュージックの枠を超えたヒットとなった。2007年、フランス政府より日本の文化勲章にあたるChavalier des Arts et des Lettresを授与
2012年には主催AXIS RECORDSの20周年記念として300ページにおよぶブック「SEQUENCE」を出版。2013年には日本独自企画として宇宙飛行士、現日本未来館館長毛利衛氏とのコラボレーションアルバム「Where Light Ends」をリリース。同時に未来館の新しい館内音楽も手がけた。
2014年、Jeff Mills初の出演、プロデュース映像作品「Man From Tomorrow」が音楽学者でもあるジャクリーヌ・コーの監督のもとに完成。パリ、ルーブル美術館でのプレミアを皮切りにニューヨーク、ロンドンの美術館などでの上映が積極的に行われており、DVDとしても発売。
2015年前半はルーブル美術館オーデトリアムでのレジデンシーイベントで毎回違うアーチストのコラボレーションを行い 映像、音楽、コンテンポラリーダンスを駆使し今までにないパフォーマンスを披露している。

■スズキユウリ プロフィール
1980年東京生まれ。ロンドン在住。明和電機で5年間のアシスタントを経て、2006年、文化庁新進芸術家海外留学制度により、ロンドンのロイヤル・カレッジ・オブ・アートに入学し、「音楽とテクノロジー」をテーマに作品制作を行い、現在はサウンドアーティスト、プロダクトデザイナーとして活躍している。近年のプロジェクトに「Juke Box meets Tate Britain」(Tate Britain、ロンドン、2013-14)、「Garden of Russolo」(Victoria and Albert Museum、ロンドン、2013)、「Ishin-Den-Shin for Disney Research」(2013)などがある。「color chaser」「Ototo」MoMA collection認定(2014)


Rinbjö - ele-king

 菊地成孔が菊地凜子のアルバムをプロデュースすると聞いたとき、漠然とヴォーカル・ジャズのようなものを想像していたが、実際に発表されたRinbjö『戒厳令』は、かなりエグいヒップホップのアルバムだった。SIMI LABの面々やI.C.I、トラックにSHIRO TANAKAが参加するなど、JAZZ DOMMUNISTERS『BIRTH OF DOMMUNIST(ドミュニストの誕生)』の延長としても聴ける。とはいえ、もちろんそれだけにとどまらず、DJ TECHNORCHによるハードなガバのトラックがあったり、サウンドは多彩だ。

 菊地凜子が菊地成孔にプロデュースを頼んだとき、「エロくてエグいものを」という要望があったらしい。たしかに、一聴して「エグい」と、次いで「エロい」と思った。アルバム全編を貫く、頽廃的でセクシーなリリックのことではない。アルバム冒頭、“戒厳令 ft.菊地一谷”のトラックがエグいと思った。尖ったシンセがうねっていると思うと、ヴォーカルとベースが入ってくる。ヴォーカルはシンプルだが、なんだか全体的に不安定。同時に鳴らされるタメの効いた変則的なクラップ音が気持ち良くて、いい感じに体が痙攣してくる頃に、ブレイクで強いビートが来て、安心して頭が振れる。しかし、その背後にはシンセが飛び交っているので、どこか分裂的。菊地一谷(QN)のラップは、当然のことながら、アクセントの置きかたにエグさがある。これは、デフォルトだ。そして、その好き勝手に振る舞っているサウンドと、ヴォーカル&ラップが妙に溶け合っている感じが、とてもエロティックである。
 同じくSHIRO TANAKAがトラックメイクをしている“反駁 ft. Paloalt”は、“戒厳令”ほど複雑なリズムではないが、やはり音の数が多くて、シリアスながら楽しい。韓国人ラッパーのPaloalt(Hi-Lite Records)のラップは、後半に3連で盛り上がってくるところでテンションがあがる(3連で押していく感じに、同じ韓国のMC Snyperを思い出した)。エレキギターも新鮮に響いて良い。その他にも、SHIRO TANAKAのトラックを筆頭に、QN(“sTALKERs ft. N/K”“アニー・スプリンクル”)やHi-Spec(“MORNING ft. N/K, I.C.I”)、三輪裕也(“さよなら ft. OMSB”)など、本作のヒップホップのトラックは、音色もゆたかだし、音の配置のされかたも微妙なズラしが効いているし、展開もあるし、総じてエグさとエロさがある。エロさはともかく、このエグいビートの感覚がないと、もうしんどいと思うようになった。ヒップホップのトラックの基準は、ここまで来ている。サウンド解析については(サウンド解析以外についても)、TABOOのウェブサイトの自己インタヴューが詳しいので参照のこと。

 それで、エグさとエロさなのだが、これはなにかと言えば、やはりズレの感覚なのだと思う。ビートを聴きながら、そのビートに対して少しだけズレてみせる感覚。イクと見せかけてイカない素振り。まわりからすると、思わせぶりで勝手気ままな態度。かと思えば、周囲をドン引かせるくらいの変態性――要するに、マイナーな振る舞いである。そしてその意味において、なるほど菊地凜子という人は、正しくマイナーな存在である。  そもそも、Rinbjö(リンビョー)という名前の由来となった、地元でのあだ名が淋病だった、という嘘か本当かわからないエピソード(TBSラジオ「菊地成孔の粋な夜電波」より)が、まず周囲をドン引きさせるに十分だ。国際的な女優になり染谷将太と結婚してもなお日本に馴染んでいないような存在は、エグくてエロいトラックと相性が良くないわけがないのだ。一方、SIMI LABもSIMI LABで、マイナーな存在として社会を生きている。OMSBやDyy PRIDEは以前、ダブルでありながら日本語しか話せないことに対する劣等感を語っていたことがあった。まさに「普通ってなに? 常識ってなに?」(SIMI LAB “Uncommon”)という感覚が、彼らには貫かれている。ラップは、必ずしもマイノリティの表現であるべきだとは思わないが、マイナーな言葉であるべきだとは思う。これまで歌われてこなかったような言葉をあっけなく音楽として成立させてしまうのがラップという表現に他ならない(だからこそ、「だよねー」「だよねー」というオウム返しも歌詞として成立した)。そして、そういう言葉使いを突きつけられたとき、リスナーは「エグいなあ」と思うのだ。マイナーな存在としてのSIMI LABのラップとトラックは、そういうエグさに満ち満ちていた。
 だとすれば、本作のハイライトのひとつは間違いなく、3 bitchesによるマイクリレー“3b ft. MARIA, I.C.I”だろう。男性中心主義的なヒップホップにおいて、フィメール・ラッパーはつねにマイナーな存在でありつづけたが、この曲はさらに段階が進んで、日本語と英語を操る/操りきれないバイリンガルのbitchesの言葉が乱れ飛んでいる。しかも、途中にはジャパングリッシュで交わされる会話が延々と繰り広げられている。これにはアメリカ文学/ポピュラー音楽研究者の大和田俊之も関わっているみたいだが、これが素晴らしい。そういえば僕も、10年くらい前に渋谷のマクドナルドでこういう女子の会話を聞いたことがある。インターナショナル・スクールの仲間か、会話のなかでナチュラルに英語が混ざってくる感じが、とてもオシャレに響いた。マクドナルドの深夜バイトに、アジア系とアフリカ系が多くなってきた頃である。この、目を凝らせばどこにでもあるような特異な言葉が、音楽の言葉として成立したことは個人的にはけっこう感慨深い。まあ、いま考えれば、SIMI LABでほぼ達成されていたわけではあるが。あと、トリリンガルのTAKUMA THE GREATとか。
 このようなマイナーな言葉が――ここではとくに異言語のミックスされた言葉が――なにを撃つかと言えば、やはりドメスティックなカルチャーだろう。“空間虐殺 ft. オダトモミ”は、「地球の終わりなんて救うわけねえだろ、バーカ!」と(ややステレオタイプではあるが)セカイ系的なものを批判しつつ、「キモオタ撲滅するエージェンシー」を遂行する。DJ TECHNORCHのトラックはオタク文化にも親和性が高いハードコアなテクノだが(実際、DJ TECHNORCHには、オタク文化とハードコア・テクノの関係を論じた著作がある)、ここでは、その「強シンクロ」(菊地成孔・大谷能生『アフロ・ディズニー』)的なビートが攻撃性に転じているように聴こえるからおもしろい。ドメスティックなカルチャーは、内側と外側から攻撃されている。クールジャパンの悪口を言う気はあまりないが、どちらにエグさとエロさを感じるかと言えば、もちろんマイナーなズレの振る舞いであり、個人的にはそちらを好む。

 ちなみに言えば、べつにオタク文化が悪いわけではなくて、どんな文化であろうがガラパゴスがいけないのだと思う。自己インタヴューでの菊地成孔の言葉を借りれば、「マッチョな狭い世界での腕比べ。頭の固いファンの結束と消費。ジャズミュージシャンから分離した者として言わせてもらうならば、それは音楽の死を意味する」ということか。とりわけ、曲中で「切り裂けクールジャパン」と言われているように、異国とのミックスが乏しいカルチャーは寂しい。だから、ここで攻撃されているのは、成熟を避けてガラパゴス化したカルチャー全般のことなのだと思う。したがって、メッセージは「黙って割礼の列にお並びくださーい!」ということになる。
 盆踊りからオタ芸まで、ズレのないビートに合わせて、ズレのない振付をするのは、もう飽きた。マイナーな存在たちとともに、周囲とのズレに満ちたマイナーなステップで踊るほうがいい。そこには、エグさとエロさがある。クールなジャパンよ、戒厳令の夜が来たぞ。

tickles - ele-king

 湘南ベルマーレの曺貴裁監督って良い監督ですよね。今年は、平塚競技場(BMW スタジアム平塚)に行けるのが嬉しいです。自分があのあたりに住んでいたら、間違いなく通い続けるだろうと思います。とくに天気が良いと……天気が良いときは、あまりにも心地良くて、サッカーどころではなくなってしまうのですが。
 さて、湘南のドリーミーなチルアウト野郎ことticklesを覚えていますか? 4月4日、彼が5曲入りの新しい作品「4.5」を出します(https://soundcloud.com/tickles-yukikamata)。
 ticklesらしいロマンティックで、繊細な音作りの、優しく温かいエレクトロニカです。生楽器と電子音のメロディアスな融合です。聴いていると、自分がどこにいるのかわからなくなるでしょう。しかし安心してください。連れて行かれたとしても、決して悪い場所ではありませんから。とにかく、ドリーミーなチルアウト作品、バレアリックなダウンテンポが好きな人は、チェックしましょう。

tickles
4.5

madagascar

2015/4/4にNEW EP『4.5』を1年半ぶりにリリース!
https://soundcloud.com/tickles-yukikamata

■ライヴ・スケジュール
4月4日(土曜日)渋谷7th floor
open/start/18:00/18:30
door/1000+1d
LIVE
・CHUB DU
・tickles
・pepe california
DJ
・蟻(moph records)
・TSUTCHIE(SHAKKAZOMBIE)
・KENKOU

https://www.mad-agascar.com/news/701.html


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