「Nothing」と一致するもの

King Krule - ele-king

 きっと今年は音楽の風向きが変わる。キング・クルールことアーチー・マーシャルのニュー・アルバムは、おそらくその最初ののろしになるだろう。たとえばアメリカのフランク・オーシャン同様、時代のアイコンとも呼ぶべき存在、じつにイギリスらしいサウンドにのせて独特のことばを吐き出すこの若き才能は、来るべき3枚目(本名名義を含めると4枚目)のアルバム『Man Alive!』でいったいどんな世界を描き出すのか。発売は2月21日。心して待とう。

[2月6日追記]
 まもなくリリースされる新作からのセカンド・シングル、“Alone, Omen 3” のMVが公開された。「君は独りじゃない」というメッセージがこめられているようで、監督はアーチーの友人であるジョセリン・アンクイーテルが担当、脚本はアーチーとジョセリンのふたりが手がけている。チェック。

[2月19日追記]
 いよいよ明後日に発売となる最新アルバム『Man Alive!』より、新曲 “Cellular” が公開された。MVのアニメを制作したのは、過去にアーチーと “Vidual” でコラボしたことのあるジェイミー・ウルフ。リリースまであと2日!

NYクラブ・ミュージックの新たな波動 - ele-king

 ホームNYのみならず、世界中のダンス・ミュージック・フリークから注目を集める野外レイヴ・パーティ「Sustain-Release」の国外初となるサテライト・イベント「S-R Meets Tokyo」がいよいよ今月25日(土)に開催される。「Sustain-Release」を主宰するDJ/プロデューサーの Aurora Halal をはじめ、前編・中編にわたって紹介してきた DJ Python や Beta Librae、Galcher Lustwerk ら“NYサウンドの新世代”が東京・渋谷「Contact」に一堂に会す。これだけは冒頭でちゃんと述べたいが、もし今のクラブ・シーンを見にNYへ行ったとしてもこれほど旬なラインナップのパーティなんてそうそう出合えない。それほど「S-R Meets Tokyo」は、スペシャルなのである。

 2014年にスタートしてから今では1000人限定の“特別なパーティ”となるまでに大成した「Sustain-Release」は、今年で開催7回目。参加者の友人1人まで招待できる完全招待制という崇高なシステムを導入していながらもチケットは毎度たった10分でソールドアウト、オンラインメディア「Resident Advisor」の月間「Top 10 Festivals」において4年連続で1位を獲得するほど、多くの人々がそのドリームチケットを羨むような新時代のレイヴだ。

©Raul Coto-Batres

 そんなビッグ・パーティを成功させた Aurora Halal は、毎週世界のどこかでプレイする人気DJとしてアメリカとヨーロッパで知られているものの日本ではまだまだミステリアスな存在。だからこそ、今のNYのダンス・ミュージック・シーンにおいてキーパーソンである彼女のバックグラウンドを紹介したい。


Aurora Halal のセルフレーベル〈Mutual Dreaming〉のEP「Liquiddity」。
収録された “Eternal Blue” には Wata Igarashi のリミックス・ヴァージョンも

 Aurora Halal がダンス・ミュージックに打ち込むようになったのは、まだ大学生だった2004年ごろのこと。地元ワシントンD.C.を拠点に00年代後半から活動するDJユニット Beautiful Swimmers の Andrew Field-Pickering がペンシルバニアにあるゲティスバークの森で開いていたハウス・パーティがきっかけだった。そこで流れる「Paradise Garage」のようなクラシックなディスコや、当時「Cybernetic Broadcasting System(CBS)」と呼ばれていたオランダの「Intergalactic FM(IFM)」のようなコズミック・ディスコ、 Newworldaquarium こと Jochem Peteri、Arthur Russell などのジャンルにとらわれないギークでおもしろいサウンド、そして何よりそのパーティでの体験が、のちに「Sustain-Release」となる前身のパーティ「Mutual Dreaming」へと発展させることに。
 大学を卒業してからブルックリンへ移り住んだ Aurora Halal は2010年、かつてイーストウィリアムズバーグにあったクラブハウスのような独特な雰囲気のスペース「Shea Stadium」でパーティをスタート。あえてクラブでなく、これまで一度もダンス・パーティが開催されたことのないようなスペースをその時々で選んでは、借りてきたスピーカーを持ち込んで、ブースを設置。さらに当初は、彼女が集めていた70年代のビデオアートがライティングの代わりに投影された。一から十までくまなく手がかけられた「Mutual Dreaming」は、「自分たちと同世代がやりたいことをやれるような場所が当時のNYには少なかった」と話す、Aurora Halal 自身が行きたいと思うパーティのカタチをDIYで組み立てていったのだ。


Mutual Dreaming 2011 Flyer

 そうやって手探りで始めたパーティはトライアンドエラーを繰り返しながらも、新しいスタイルを求めていたオーディエンスをはじめ、パーティに必要不可欠なサウンドシステムやライティングのチーム、Beautiful Swimmers や〈L.I.E.S. Records(以下、L.I.E.S.)〉のファウンダー Ron Morelli、Traxx、Steve Summers、DJ Sotofett を筆頭とするプレイヤーなど、さらなるレベルへと押し上げる多くの人々の協力を得ることでより新鮮で強いエネルギーを放つコミュニティへ成長。それは、ちょうど「Bossa Nova Civic Club」がオープンしたばかりで、〈L.I.E.S.〉や〈White Material〉などのレーベルが軌道に乗り始めたころと同時期だった。NYのファンジン『Love Injection』のインタヴューで当時のことを Aurora Halal はこう語る。「私のコンセプトは、自分が考えていることの可能性を実行し、リアルなパーティを作ることだった。〈L.I.E.S.〉や〈White Material〉などのアーティストは、それまでにあったNYのダンス・ミュージック・シーンの一部ではなかったし、その一部になりたいと望んでもいなかった。だから、ブルックリンに新しいタイプのカルチャーが生まれたの。それがこのシーンの始まりで、そのころの記憶にある強烈な新鮮味と情熱はいまだに忘れられない」。

©Raul Coto-Batres

 それから2年が過ぎた2014年。「森のなかで、もっと大きな『Mutual Dreaming』をやりたかった」と話す彼女は、ついに「Sustain-Release」を実行する。ここでもう一度言うならば、「Sustain-Release」は、いわゆるヨーロッパの花形“フェス”でなく、 Aurora Halal を初心にかえさせるゲティスバーグの森に強くインスパイアされた“レイヴ”だ。「Freerotation」というイギリスのフェスに何年も通っていた初期のチームメイト Zara Wladawsky と初めて会った2013年から一緒に空き地を探し始め、ようやく見つけたロケーションで、500人限定の最初の「Sustain-Release」をローンチ。2016年にはNY市から車で2時間ほどの場所にある現在のキャンプ場「Kennybrook」に開催地を移し、2017年には Zara Wladawsky から Ital や Relaxer などの名義で知られる Daniel Martin-McCormick が共同ディレクターへ。毎年、回を重ねるごとに少しずつマイナーチェンジを行い、9月の週末を大自然に囲まれたアップステートの野外で快適に過ごすことができる現在の環境を作り上げた。

©Raul Coto-Batres

 これまでの出演者を振り返ると、ヨーロッパからは DJ Sprinkles、Lena Willikens、Optimo、PLO Man、Helena Hauff、LEGOWELT、DJ Stingray、DVS1、Vladimir Ivkovic など、日本からは DJ Nobu、Wata Igarashi、POWDER など、ホームNYからは Aurora Halal をはじめ、Anthony Naples、Huerco S.、 DJ Python、Galcher Lustwerk、Umfang、Beta Librae、Hank Jackson、DJ Healthy などそうそうたるラインナップだ。こうやって出演者を羅列するとめちゃくちゃ豪華に感じるけれど、各年にフォーカスすると一概に「豪華」というにはかなり語弊がある。なぜなら、彼女が本当におもしろいと思えるプレイヤーを「Sustain-Release」ならではの審美眼で選んだユニークなラインナップだといえるからだ。


Sustain-Release YEAR SIX flyer


©Raul Coto-Batres
The Bossa stage

 過去4年間、キャンプ場にある屋内競技場を利用したメインステージはテクノが中心の巨大なレイヴ・パーティのヴェニューに、「Bossa Nova Civic Club」にちなんだ半屋内の「Bossaステージ」はブルックリンのローカルDJを中心にハウスやトリッピーなダンス・ミュージックがかかるワイルドなフロアに変わる。もちろんここにあるのはダンス・フロアだけじゃなくて、野外の森には、落ち葉とウッドチップが重なり合うフカフカの地面に敷いたマットに寝そべりながらアンビエントやエクスペリメンタル、リスニング・ミュージックを聴けるチルな「The Groveステージ」も。

©Raul Coto-Batres
The Grove stage

 さらに敷地内にはバスケットボールコートとプール、小さな湖があって、開催初日の昼はバスケットボールトーナメント、土曜の昼はプールサイドで1日限りの「Saturday Pool Party」を開催。踊り狂うもよし、プールで泳ぐもよし、カヌーに乗るもよし、疲れたら昼寝するもよし、大自然のなかで人々の声欲(しょうよく)を満たすプログラムが62時間にわたってしっかり組み込まれているのだ。

©Raul Coto-Batres


©Raul Coto-Batres
バスケットボールのコートサイドでプレイする DJ Python

 ロケーションやサウンド、プログラムのほかに、「Sustain-Release」においてライティングも重要なパートのひとつ。森の木々を幻想的に照らし出すブルーやパープル、ピンクなどのカラーライト、ダンス・フロアの天井に張り巡らされた光のライン、時折視界に射し込んでくるレーザーの強い光線。「Sustain-Release」での体験をより印象的なものにするライティングには、電気工学を学び、数々のライブパフォーマンスやイベントデザインを手がけてきた Michael Potvin 率いる団体「NITEMIND」と、彼らが輩出したアーティストの Kip Davis が任されている。

©Raul Coto-Batres Instagram: @rl.ct.btrs
The Main stage

 「NY」とか「新しい世代」とか「レイヴ・パーティ」とか、やっぱり日常的になじみの薄い言葉を字詰めするとただの夢物語に感じさせるかもしれない。そして、できることなら現地の「Sustain-Release」に遊びに行ってもらいたいのだが、東京にいながらこのシーンの一部を体験できるのが「S-R Meets Tokyo」だ。いろいろ考えてみても、文化の水準が違う日本で、アメリカと同じように自由なクラブ・シーンは生まれにくいだろう。だけど、少なくとも東京とNYにいる人たちの交流を通じて文化をシェアしていけたら、これから日本やアメリカで始まる新しい何かにつながるかもしれない。

Sustain-Release presents “S-R Meets Tokyo”

2020年1月25日(土)東京・Contact
OPEN 22:00
出演
Aurora Halal (NY)
Galcher Lustwerk (NY)
Wata Igarashi (Midgar | The Bunker NY)

DJ Python (NY)
Beta Librae (NY)
AKIRAM EN
JR Chaparro

Mari Sakurai
Ultrafog
Kotsu (CYK | UNTITLED)
Romy Mats (解体新書)
Celter (Eclipse)

OFFICIAL GOODS
Boot Boyz Biz (NY)×葵産業

NEON ART
Waku

料金
BEFORE 11PM ¥2500 | UNDER 23 ¥2500 | ADVANCE ¥2500 | GH S MEMBERS ¥3500 | W/F ¥3500 | DOOR ¥4000
詳細:https://www.contacttokyo.com/schedule/sustain-release-presents-s-r-meets-tokyo/

Various Artists - ele-king

 コンピレーション・アルバム『tiny pop - here's that tiny days』は、インターネットから生まれた新しいポップ・ミュージックの始まりを告げる大切な記録だ。本作に収録されているアーティストたちの楽曲を聴いていると、リヴァイヴァルの文脈が海外のシティ・ポップ・リヴァイヴァルとはいささか異なっていることに気が付く。海外のマニアの参照地点からは取りこぼされた音楽からの継承を感じるのだ。
 ここで本作と繋がる重要な二作を挙げよう。1982年にリリースされた大貫妙子『Cliché』と1987年にリリースされたピチカート・ファイヴ『カップルズ』である。この二作に共通するのは「小さな宝石箱のようなポップ・ミュージック」という点だ。フランス音楽とアメリカ音楽の上品な香水のよう音楽性と、日本語と旋律の交錯。それはチャートを席巻するような「大袈裟さ」とは無縁の、小さな美しいメロディとハーモニーによる日本のポップ・ミュージックの理想型であった。そして日本が豊かだった(とは何か?)時代に生まれた珠玉のポップ・ミュージックでもあった。
 この「小ささ」と「豊かさ」こそ「tiny pop」へと継承されるものだと思う。提唱者にしてアルトサックス奏者でもある山田光は「tiny pop」を「インターネット上にあるプライベートな音楽の中でも歌謡曲の記憶を聴く者から引き出すような音楽」「DIY歌謡曲」と定義している。むろん若いアーティストばかりであるので、80年代の音楽の援用はほとんど無意識なのかもしれないが大切なものなのだろう。なぜならポップとは無意識の発見と発露でもあるのだから。
 では「豊かさ」とは何か。「豊かさ」はこの時代にあって反転して継承される。つまり微かなアイロニーを含んだ憧れとして、である。たとえばアルバム冒頭に収録された西浦マリのソロ・ユニット mukuchi の “午前十時の映画祭” などは、私にはまさにピチカートの『カップルズ』の楽曲のように聴こえた(特に “七時のニュース” などの鴨宮諒の楽曲群)が、しかしこの曲は、87年に制作されたピチカートの曲とは異なり、現代のムードを濃厚に捉えているのだ。特に「ツタヤでは100円でレンタルできる名画を映画館に観に行くことの贅沢さ」をいささかのアイロニーと共に歌っている点は重要に思えた。80年代・90年代とは違う「この時代特有の捻じれた不景気さ」(その意味でバブルが崩壊直後の状況を歌っていた第三期ピチカート・ファイヴとの繋がりを考えてしまう)。ちなみに西浦マリ= mukuchi は関西の漁村に在住し、これら珠玉の印派的なDIY歌謡曲を制作したという。
 以降、各収録曲の詳細と解説はCDに付属のライナーに書かれているので、ぜひともCDを購入してそちらを読みこんでほしいので、ここでは簡単な楽曲の紹介にとどめたい。まず関西在住のトラックメーカー SNJO による “Ghost” と SNJOとゆnovation “Days” は、80年代AORと90年代渋谷系と00年代ダフト・パンクを交錯されたタイニー・ファンク・AOR(+ラップ)といった楽曲。
 wai wai music resort の “Blue Fish” は、ミニマルなエレクトロニック編成のハイ・ラマズのような趣の箱庭ポップで、メロディの切なさが胸に迫る。wai wai music resort で作詞・作曲・編曲を務めるエブリデのソロ名義 “牛の記憶” はキリンジ直系の捻じれた叙情が堪らない名曲だ。そして「tiny pop」の提唱者であり、コンピレーションの監修者で、サックス奏者にしてインプロヴァイザーである山田光が「しょぼいポップス」を作ろうと天啓を受けて始めた feather shuttles forever の “ウェルウィッチア” は、「ele-king」の野田努氏のアイデアという「ウッドベースとサックスのサンプルとボサノバ的なギター」から始まった楽曲。「ジャズとポップの融合」だが大げさにならず、慎ましやかで、しかしジャズにもボサノヴァにも「似ていない」洗練された演奏と編曲が耳を潤してくれる。アルバムを締めくくるに相応しい名曲だ。ヴォーカルは mukuchi の西浦マリ。

 ここでとんでもない爆弾級のアーティストをひとつ飛ばしていることにお気づきだろう。そう、日本アンダーグラウンド・フォーク音楽の系譜を継ぐ「ゆめであいましょう」というユニットだ。
 ゆめであいましょうは作詞・作曲・編曲の宮嶋隆輔とヴォーカルの蒲原羽純によるユニット。本コンピレーションには “見えるわ”、“シャンマオムーン”、“誰もが誰かに” の3曲が収録されているが、まるで80年代の未発表歌謡曲のような、もしくは売野雅勇と芹澤廣明コンビの知られざる女性アイドルのデモテープのような、というかそもそも過去も未来も関係なく80年代そのものがあるような、要するにここまで書いてきたことをすべてひっくり返すとんでもない劇薬のようなDIY歌謡曲なのである。これは何か?
 時間と空間をゆがめるような言葉の真の意味でサイケデリックとしか言いようがない感覚。じっさい DX-7 のようなシンセの音色と80年代歌謡曲のような歌唱は、作為や天然を超えて「そのもの」という存在感がある。
 そう、ゆめであいましょうにおいては、シティ・ポップ・リヴァイヴァルも失われた過去もすべて吹き飛んでしまうのだ。「本当の過去」を蘇生する力というべきか。これが現在の曲なのか。という疑問は、しかしこれは現在録音された音楽なのだという事実に否定される。心底、驚いた。ゆめであいましょうの3曲を収録したコンピレーションの監修者は本当に素晴らしい仕事をしたと思う。

 ともあれ全11曲、すべて綺羅星のような現在のポップ・ミュージックである。そしてパーソナルな音楽でもある。コンピューターによる作曲・録音環境と、インターネットによる楽曲の発表と配信が整備された時代だからこそ、生まれ、発表され、聴かれ、そして編まれた貴重な作品たちといえるだろう。このCDには「2020年の夜明けに相応しい新しい音楽シーン」が瑞々しく息づいている。20年代の始まりにぜひとも耳を傾けて頂きたい。

DJ HOLIDAY - ele-king

 大好評だった『ARIWA tunes from my girlfriend’s console stereo』の続編『Still listening to Ariwa's tunes~』が昨年のクリスマスにリリースされていて、こちらも評判を呼んでいる。
 ラヴァーズ・ロックとは80年代のUKで生まれたレゲエのサブジャンルで、もともとはジャマイカ移民の子たちのハートにぐさっと突き刺さる胸きゅんなポップ・レゲエを指している。サッチャー政権のど真ん中のポストパンク以降のヒリヒリとした時代において、移民たちのオアシスのような音楽として機能していたわけだが、聴けばわかるように、音楽的な魅力に溢れるこのスタイルが移民コミュニティの外でも大いに愛されることになったのは必然だった。日本でも昔からコンピが編まれたり、中古で人気だったり、地味にずっと愛され続けているジャンルである。で、2018年にSFPの今里くんがDJ HOLIDAY名義でミックスCDを手掛け、またさらにファンを増やしていると。
 2018年には石井“EC”志津男さんが手掛けた『The ROCKSTEADY BOOK』というジャマイカ音楽のメロウ・サイドを紹介するディスクガイドも評判となっているが、なんか最近、じわじわとレゲエ熱が来ているようだ。クラバーの話では、最近はダブステップのDJもハウスもDJも、レゲエやダブをかけることが多くなったそうで、久しぶりにレゲエが盛り上がってくれるかもしれない。このメロウなミックスCDをSFPの今里くんが手掛けていることも大きいですよね。今回も素晴らしい選曲のたまらくメロウな時間が待っています。アートワークもキュートだし、藪下さんのライナーも親切だし、これはもうぜひチェックしましょう。


V.A.
DJ HOLIDAY A.K.A. 今里 FROM STRUGGLE FOR PRIDE
── Still listening to Ariwa's tunes from my girlfriend's console stereo.

ARIWA/OCTAVE-LAB
Amazon

tiny pop sound cloudガイド - ele-king

 2020年が明けてまもなく、tiny popにフォーカスしたコンピレーションアルバム『Here’s that tiny days』が発売されました。このCDの発売をきっかけに、tiny popというジャンル名がさらに 多くの人に届いたように思われます。
 tiny popとは、インターネット普及以降に音楽を始めた世代を中心にした、あらたなポップス の潮流について何とはなしにつけられた呼称です。それは宅録によるパーソナルな表現でありつ つ、過去の歌謡曲やポップスの構造をどこか継承してもいるという特徴をもっていますが、それ ぞれのアーティストの表現の仕方や、めざす音像などはさまざまで、はっきりした定義があるわ けではありません。
 この記事ではネット上に公開されている、そんなtiny popと呼べるような曲をいくつか紹介し ていきたいと思います。今回は国内にかぎらず国外の曲も選んでいます(今回の選曲はフランス にやや偏ってしまいましたが......)。2020年もたくさんのtinyな出会いがありますように! enjoy !

・九丁目/はんてん
どろうみのメンバーであるセキモトタカフミ氏の曲をカバーしていたことから知ったアーティス ト。自身のルーツが反映されているというこの曲は、60年代前後の歌謡曲を思い浮かべるこっ てり系メロディーと打ち込みサウンドの組み合わせが面白い。

https://soundcloud.com/hantenattayo/ho146dmmmapk

・今日だけじゃなくて/nagahori25
nagahori25は、2012年8月から作曲を始め、主にsoundcloud上で曲を発表している。 どこか浮遊感のあるトラックに、親しみやすいメロディが合わさる不思議な魅力。サンクラ上に は大量の作品がアップロードされており、どの曲も新鮮で聴いていて楽しい。今回紹介したアカ ウント以外にもう一つアカウントがあり、そちらの名曲「全部ゆめ」も必聴。

https://soundcloud.com/nagahori25_part2/kyoudake

・東京無料配布中/フリーダム昼子
フリーダム昼子は東京を拠点に活動しているアーティスト。 東京へのラブソングというこの新曲は、メロディラインはポップでありつつも、曲の展開やト ラックの構成の進行が予想外で面白い。

https://soundcloud.com/fdhk_you/take_tokyo_for_free

・北京の水夫/ナントカズ
ナントカズは長野県を拠点に活動するアーティスト。 歌謡曲というより民謡風のメロディと最小限の楽器(テノリオン・カオシレーターなど電子楽器 とギターや鉄琴などの生楽器を使用しているらしい)で構成された伴奏から、そこはかとないサ ウダージを感じる。いくつかアップされているライブ音源もいい。

https://soundcloud.com/nantokas/9yszkmkgrzhy

・アマリリス/dodo
dodoはうちだあやこと不知火庵による2人バンド。このライブ音源は、uccelli、ごとうはるかの 2名がサポートに加わった4人体制のもの。 この曲は2019年8月の大阪ライブで聴いて衝撃を受けました(特にサビの手前「時の流れは激し いもので」の箇所の流れは何度もくりかえし聴きたくなる)。アマリリスは不知火氏が作曲した もの。うちだ氏作曲の「なにもかも」もおすすめ。「水泳」も名曲です。

https://soundcloud.com/dododododododododo/amaryllis-live-at-nanahari-on-20190331

・最後の约会/馬渕モモ
馬淵モモは京都のポップデュオHi, how are you?のメンバー。 アップロードされている曲の日付はどれも今年のものばかり。強風に吹き飛ばされてしまいそう なほどに控えめでチャーミングなボーカルによって歌われる歌謡曲。70~80年代アイドルソン グ風の一曲「メロウ・サマー」も一押し。

https://soundcloud.com/user-57665187/htsufkjp3tce

・恋はパキパキ(架空アイドル)/kumaki & yuki
yukifurukawaはポーコスなどのバンドで活動するアーティスト。この曲はyukifurukawaの別名義 (?)のkumaki & yukiのものと思われる。 シップスクラークか!シップスクラークか!という箇所は一度聴くと病みつきに。この一曲は他 にアップされているものとは異なるポップなサウンドとなっている。ポーコスの音源も素晴らしい。

https://soundcloud.com/ykfrkw/ezrz8qsg6ccm

・誰かが捨てた夢/pikonosuke
pikonosukeは東京で活動するアーティスト。 #Latinというタグのとおり、サンバ風のチャカポコサウンドが魅力的な一曲。展開に大きな高低 差のないことが、かえってメロディーの良さを引き立てている。

https://soundcloud.com/pikonosuke/album-version

・秘密の扉/素敵な回路
素敵な回路はいしいともや氏による1人ユニット。 なんど聴いてもその慎ましさに感じ入ってしまうこの曲は、suppa micro pamchoppプロデュー スのアルバム『回路』に収録されているもの。水滴のようにも聞こえる電子音が気になるが、ど んな機材を使っているのだろうか。

https://soundcloud.com/sutekinakairo/qho8s1rbi2qv

・Combien de mondes/Gajeb
フランスのアーティスト。1人ユニットなのかと思い込んでいたが4人グループらしい。 電子楽器をベースとしたトラックに、あまりエフェクトのかかっていない、独り言のようなボー カルがいい。
この曲が収録されているアルバム『Gajeb et ses ami.e.s reprennent des chansons de Jean-Luc le Ténia』はGajeb以外にも複数のアーティストが参加しているようだが、フランスのtiny popコ ンピレーションアルバムなのかというくらいどれも素晴らしい。

https://soundcloud.com/gajeb/combien-de-mondes

・bandcamping/maison carton
フランスのアーティスト。 子供の声のような気がするが、詳細不明(bandcampのアーティスト写真も2人の子供の写真が 使われている)。キーボードがメインかと思って聴いていると突然いかついギターソロが入って くる曲もあり驚いた。フランスではライブもしているらしいが、どんなライブなのだろうか...... 。この曲につけられた#loose musicというタグには納得させられた。

https://soundcloud.com/maisoncarton/bandcamping

・port-royal/Laura Madeleine Juliette
フランスのアーティスト。アップされている中でもメロディがはっきりとしたものを選んだが、そのほかにもラップ調のも の、インストなど色々ある。とくにこの曲はtiny pop好きのセンサーが反応してしまう一曲なの ではないかと思い選んだ。
ベルギーの“Musique Muscle”というレーベルから出ているコンピに一曲参加しており( https://soundcloud.com/user-597893369/13-laura-madeleine-juliette )こちらのコンピも全曲tiny popでおすすめ。

https://soundcloud.com/laura-mad-ju-818895703/port-royal

・Ya me voy a mi Lanalhue/dadalu
チリのアーティスト。最近はラップの曲が多いようだが、この曲のようなメロディアス系tiny popも複数ある。間奏の センチメンタルなシンセのメロディが良い。Chica king kong (https://soundcloud.com/chicakingkong)というグループのメンバーでもあるらしいが、こちら もキュートなナンバーが揃っておりおすすめ。

https://soundcloud.com/dadalu/ya-me-voy-a-mi-lanalhue

gummyboy - ele-king

 Mall Boyz として発表した “Higher” が大きなヒットを飛ばし、Tohji とともに一躍2019年を代表する存在となったラッパーの gummyboy。昨秋は Mall Boyz の全国ツアーも開催し、まさにいまノりにノっている彼が、本日、新曲 “f***in' boy” をリリース。同時にMVも公開されている。今年はさらなる飛躍を遂げるだろうこの新星、まだ知らない人はしっかり注目しておいたほうがいいですよ。

Tohji と共に Mall Boyz を率いる gummyboy がニュー・シングル「f***in' boy」をMVと共にリリース。

2019年を象徴する楽曲となった “Higher” のリリースや、観客を圧倒する数多くのショーケースで、いまジャンルを超えて東京で最も注目されている存在の Mall Boyz。Tohji と共にクルーを率い、ソロ活動での飛躍も期待される gummyboy の新作が待望のリリースとなる。

本作「f***in' boy」は2020年2月リリース予定の新作ミックステープからの先行シングル第一弾。 内省的でエモーショナルな楽曲の印象が強い gummyboy だが、“f***in' boy” はアッパーなトラックの上に、新しいフローが乗った印象的な楽曲となった。

ミュージック・ビデオのディレクターは、同年代ラッパーのビジュアルやビデオを多く手がけ、アナログテープやカメラを多用した作風で注目を集める lilsom を起用。これまで見ることのできなかった gummyboy の新しい側面が、独特の質感でアグレッシブに表現されている。

全国ツアーの開催、O-East や LIQUIDROOM といった大きなステージでのパフォーマンスなど、飛躍の年となった2019年を経た gummyboy の第二章がこのシングルから始まる。

「f***in' boy」MV
https://www.youtube.com/watch?v=rkYBpGM9tnc

リリース情報
アーティスト:gummyboy
タイトル:f***in' boy
リリース日:2020年1月10日

gummyboy bio

guumyboy / アーティスト

2018年末、1st EP「Ultimate Nerd Gang」をリリース。直後 Tohji と共に Mall Boyz として「Mall Tape」を発表。収録された “Higher” が大ヒットとなり、2019年のヒップホップを代表する曲となる。Tohji と共に超満員の O-East や LIQUIDROOM、また Ultra Korea への出演を果たし、その人気を確固たるものとした。

2nd EP「pearl drop」では、gummyboy の魅力である叙情的なリリックとキャッチーなメロディが遺憾無く発揮され、典型的なヒップホップとは一線を画すそのアーティスト像がより洗練された。2020年2月には自身初のミックステープのリリースを控えており、いまもっとも勢いに乗るラッパーの一人。

lilsom bio

1995年生まれ。ディレクター、フォトグラファー。

2017年、jinmenusagi “BEAUTiFULL” のMVでディレクターとしてデビュー。その後ヒップホップを中心に、Tohji、TRASH ODE、ACE COOL など同世代アーティストのMVやアーティスト写真を撮影している新進気鋭の作家。

映像、写真共にアナログテープやフィルムによる実験的なアプローチを好み、独特の質感で印象的な作品を残し続けている。

またこれまでのキャリアを生かし、スタイリングやヘアーのディレクションも行うことが多く、全体的なクリエイティブ・ディレクションを得意とする。

TERAO SAHO - ele-king

 清らかにして芯のある歌で多くの人びとに勇気を与えてきたシンガーソングライター、寺尾紗穂が3月4日にニュー・アルバムをリリースする。前作『たよりないもののために』(17)の後は、盟友・あだち麗三郎、伊賀航とのバンド=冬にわかれての一員としても活躍し、他方で文筆業にも精力的に取り組むなど、充実した創作をつづけてきた彼女だけれど、今度の新作『北へ向かう』はなんとキャリア最高傑作との触れ込みである。これは期待せずにはいられない。詳しくは下記をチェック!

現代に於いて最も真摯に「歌」の姿を追い求めて来たシンガー・ソングライター、寺尾紗穂によるキャリア最高傑作『北へ向かう』、3月4日リリース

今こそ、本当の「歌」が輝きを放つとき──。
現代に於いて最も真摯に「歌」の姿を追い求めて来たシンガー・ソングライター、寺尾紗穂によるキャリア最高傑作『北へ向かう』がここに完成。ともに「今」を歩みつづける音楽家たちと作り上げた、11の輝きと、それぞれの物語。

2007年のデビュー以来、真の「歌」の姿を紡ぐように、数々の名作の発表やコンサート活動を続けてきた、シンガー・ソングライター、寺尾紗穂。常に時代の先端にありながらこの世界の様々な人びとや物事に慈しみを注いできた彼女の活動は、今や老若男女の全世代から、そして国境を超えた数多くのリスナーからも厚い支持を受けるに至っている。その美声とともに全国各地をめぐる音楽家としての真摯な活躍の傍ら、多くの単著を持つ文筆家としても活動する彼女。その可憐にして凜とした存在感は、今まさに多くの人へ安らぎと勇気を与えていると言えよう。

近年では、自作曲の発表とあわせて各地のわらべうた/子守唄を発掘し、清廉なアレンジを施した上で現代に提示する、稀代の「ソング・キャッチャー」としても活躍するなど、その活動のフィールドをますます広げている。また、ソロ活動と並行して、盟友・あだち麗三郎、伊賀航とのトリオ・バンド「冬にわかれて」を結成。ライブ出演はもちろん、アルバムのリリースも敢行するなど、その創作の充実はとどまるところをしらない。

そんな中、2017年の前作『たよりないもののために』以来約3年ぶりとなるオリジナル・ソロ・アルバム『北へ向かう』を発表することとなった。まさに待望と言うべき本作は、これまでの寺尾紗穂の活動を集大成する傑作だと断言すべきであるとともに、2020年代における「歌」の姿とそのゆくえを鮮やかに提示するものだ。

ゲスト・ミュージシャンにはともに「今」を歩み続ける多彩な面々が集結し、寺尾紗穂の流麗な歌声とピアノ演奏に、華やぎと豊かな感情を注いでいる。寺尾の実父・寺尾次郎の逝去に際し書き上げた “北へ向かう” は、キセルによるふくよかな編曲と演奏を伴い、キャリアに燦然と輝く名曲の誕生を予感させる。また、あだち麗三郎と伊賀航という気の置けない二人を交えた、“心のままに”、“選択” の温かでいて鮮烈なグルーヴ。蓮沼執太による編曲の元、歌とオーケストレーションの新たなスタンダードを作り上げた “やくらい行き”。マヒトゥ・ザ・ピーポーのエモーショナルかつ繊細なギターが彩る “白虹”、“夕まぐれ”。U-zhaan によるメロディックなタブラが寄り添う “記憶”……。収められた全ての楽曲が、「今歌われるべき」という細やかな萌芽に満ちた、決定的アルバム作品がここに完成した。

「歌」は、聴くものによってその物語を紡ぎ出す。すべての人の胸に、このうつくしい歌がとどきますように。

《商品情報》
アーティスト:寺尾紗穂
タイトル:北へ向かう
レーベル:Pヴァイン
商品番号:PCD-27044
フォーマット:CD
価格:定価:¥2,700+税
発売日:2020年3月4日(水)

収録曲
01. 白虹
02. 北へ向かう
03. 一羽が二羽に
04. やくらい行き
05. 安里屋ユンタ
06. 君は私の友達
07. 選択
08. そらとうみ
09. 記憶
10. 心のままに
11. 夕まぐれ エレクトリックギターバージョン

参加ミュージシャン:あだち麗三郎(ドラム、パーカッション)、伊賀航(ベース)、池田若菜(フルート)、歌島昌智(民族楽器)、キセル(編曲、ギター、ベース、コーラス)、北山ゆうこ(ドラム、コーラス)、ゴンドウトモヒコ(ユーフォニアム、フリューゲルホルン)、千葉広樹(バイオリン)、蓮沼執太(編曲)、マヒトゥ・ザ・ピーポー(ギター)、U-zhaan(タブラ)

寺尾紗穂
1981年11月7日生まれ。東京出身。
大学時代に結成したバンド Thousands Birdies' Legs でボーカル、作詞作曲を務める傍ら、弾き語りの活動を始める。2007年ピアノ弾き語りによるメジャーデビューアルバム『御身』が各方面で話題になり,坂本龍一や大貫妙子らから賛辞が寄せられる。大林宣彦監督作品「転校生 さよならあなた」、安藤桃子監督作品「0.5ミリ」(安藤サクラ主演)の主題歌を担当した他、 CM、エッセイの分野でも活躍中。2009年よりビッグイシューサポートライブ「りんりんふぇす」を主催。2017年6月にアルバム『たよりないもののために』を発表、来る2020年3月、待望されていた最新作『北へ向かう』をリリースする。
坂口恭平バンドやあだち麗三郎、伊賀航と組んだ3ピースバンド冬にわかれてでも活動中。

著書に『評伝 川島芳子』(文春新書)『愛し、日々』(天然文庫)『原発労働者』(講談社現代文庫)『南洋と私』(リトルモア)『あのころのパラオをさがして 日本統治下の南洋を生きた人々』(集英社)『彗星の孤独』(スタンドブックス)があり、新聞、ウェブ、雑誌などでの連載を多数持つ。

2006年3月 1stミニアルバム『愛し、日々』発表。
2007年4月 メジャー第一弾となる2ndアルバム『御身onmi』発表。
2007年6月 1stシングル『さよならの歌』発表
2008年5月 3rdアルバム『風はびゅうびゅう』発表。
2009年4月 4thアルバム『愛の秘密』発表。
2010年6月 5thアルバム『残照』、2ndシングル『「放送禁止歌」』発表。
2012年6月 6thアルバム『青い夜のさよなら』発表。
2015年3月 7thアルバム『楕円の夢』発表。
2016年8月 『私の好きなわらべうた』発表。
2017年6月 8thアルバム『たよりないもののために』発表。
2020年3月 9thアルバム『北へ向かう』発表。

www.sahoterao.com

1980年代バブル期の日本を駆け抜けた伝説のバンド、じゃがたら。

研ぎ澄まされたアフロ・ファンク・パンクな音楽性はいまだ古びることなく
オーディエンスを鼓舞しながら体制を批判し続けたその言葉は、いまもってリアル

2020年、江戸アケミの死後30年の沈黙を破ってじゃがたらは新曲を発表する
いま振り返り、いま前に進むための「じゃがたら特集号」!

※本書内容に一部、誤りがございました。
 お客様および関係者の皆様にご迷惑をおかけしましたこと、お詫び申し上げます。
 訂正箇所につきましてはこちらをご確認ください。

interview
南流石 ──私のなかでじゃがたらが止まったことはいちどもない
EBBY ──「本当のじゃがたら」は86年以降だと思っているから
OTO ──「ナンのこっちゃいな世界」において、さまざまなジャガタラーが必要
中村ていゆう ──グルーヴ感をどうやって出すかということをいつも考えていた
ヤギヤスオ ──アケミの詞はすべてロマンだったと思うよ
こだま和文 ──「そらみたことか、俺は再三言ってきただろ」
大平ソウリ ──じゃがたらは運動体だってアケミは言ったんだよ

江戸アケミ interview
1983年夏 by 地引雄一
1989年1月 (未発表) by 地引雄一
1989年春 by 荏開津広

column
江戸アケミからの電話 (高橋慎一)
西暦2020年の大掃除 (志田歩)
「ハルマゲドンをぶっとばせ」から考える “ラップの時代” のはじまり (二木信)
拝啓 江戸アケミ様 (陣野俊史)
不在の教会と汚辱のエコロジー (荏開津広)
JAGATARA と1980年代 (磯部涼)
『それから』のそれから (古川日出男)
寄る辺ない夜を踊る (高島鈴)
友を呼ぶサックス 篠田昌已 (平井玄)
アンダーグラウンドとの接点 (松村正人)
日本ポップ史におけるじゃがたらの意味 (野田努)
じゃがたらと介護 (こだまたけひろ)

生き続ける音楽とことば (栗原康 × 二木信)
加藤典洋「じゃがたら」 (再録)
Dsics and Books 1981 - 2020
じゃがたら年表
写真: 松原研二

Nick Cave and The Bad Seeds - ele-king

 イギリスを代表する戯曲家・詩人シェイクスピア。その生涯はおろか作品歴にも諸説ある謎多き人物とはいえ、妻アン・ハザウェイとの間に男児と女児の双子がいたとの記録は残っている。彼の唯一の息子である男児ハムネットは1596年に11歳で亡くなった。その数年後にシェイクスピア悲劇の名作のひとつでありもっとも長い戯曲『ハムレット』が書かれたとされる。いにしえの北欧伝説に想を得た作品ではあるが、亡き子の名前にとてもよく似た名の王子が主役なのは奇遇なのか、それとも。

 ニック・ケイヴ・アンド・ザ・バッド・シーズの17作目のスタジオ・アルバム『Ghosteen』は、ニック・ケイヴの息子アーサー(双子のもうひとりに男児アールがいる)が2015年夏に15歳でブライトンの崖から転落し命を落とした悲劇を経て書き下ろした楽曲を収めた作品だ(2016年発表の前作『Skelton Tree』も結果的に一種の追悼作になったが、収録曲そのものは彼の死以前に書かれていた)。
 2018年に世を去った元バッド・シーズのコンウェイ・サヴェージに捧げられているとはいえ、この2枚組の大作アルバムにアーサーのスピリット(霊)は大きく影を落としている。タイトルの「een」は古いアイルランド語の接尾辞「in(イーン)」の英語化で、主に「小さな」を意味する。「小さな幽霊」と訳せそうだが、字面からストレートに想像される「Ghost+Teen」=10代のゴーストというニュアンスも、もちろん作家としてのケイヴの巧みな狙いだろう。

 アルバムはパート1、パート2に分かれている。収録曲①〜⑧が第1部、残る3曲が第2部に当たり、第2部の2曲はそれぞれ12分、14分台のスポークン・ワードを主体とするトーン・ポエムというかなり変則的な作りだ。それだけでも「敷居が高そう」と感じるリスナーがいて当然だと思うし、子供を失った親という本作のバックストーリー自体が実に重い。
 子を亡くした親の悲しみは子を持たない筆者には到底理解できない。軽々しく想像したくもない。だがその悲嘆(grief)は、人間の悲しみの中で恐らくもっとも深い、己の身をちぎられるほど辛いものではないかと思っている。若くして世を去ったとなれば、共に過ごした時間の短さ、その子の「これから」が青い樹の段階で摘み取られたやるせなさもあって尚更だろう。

 しかし漆黒のタブローに旧式なコンピュータ画面文字が浮かぶ『Skelton Tree』のミニマリズムとは対照的に、本作のジャケットは花咲く森に動物が憩う、ワトーやフラゴナールを連想させるロココ調の童話めいた世界観を提示する。1曲目“Spinning Song”の歌詞にエルヴィス・プレスリーと彼が地上に建てた夢の地:グレイスランドが登場するように、ここではないどこか=ユートピアあるいはパラダイスへの希求は何度か現れる。優れたストーリー・テラーであるケイヴにしては抽象的な、イメージの連なりから聴き手の想像力に行間を埋めさせるタイプの歌詞が多いが、車旅、列車、船、太陽、樹、鳥、蝶、蛍といった単語は移動や上昇、飛翔の象徴だ。『Skelton Tree』は静かな怒り・フラストレーションを内に抱えたダークで重い作品だったが、本作の情動は抑制されていながらも大地に縛られてはいない。亡き子が楽園にいることを信じつつ、自らも悲しみからの救済を求めているのだろう。
 行間を埋めると言えば、音楽的にも多くの空間が残されている。ケイヴと共同プロデュースに当たった右腕ウォーレン・エリスの繊細なエレクトロニック・ループやドローンの数々がアンビエントな波を静かに淡く流していく中にピアノ、ストリングス、コーラスが墨滴のように落とされ、語りと歌唱の中間にある歌が立ち現れては消える。長い尺の中で曲が変化し推移していく構成が見事な“Ghosteen”と“Hollywood”はさながら耳で聴くドラマだ。ギターはもちろんリズム楽器は無いに等しく、『Skelton Tree』でのストイシズムを更に突き詰めている。名義こそ「〜アンド・ザ・バッド・シーズ」ながら、本作はむしろケイヴ&エリスが過去10余年に渡って続けてきた映画やテレビ番組向けサントラ仕事の成果に多くを負っている。

 ケイヴにはいくつかの顔がある。聖と俗の垣根を破り反転させるダーティなブルーズ・マン、マニックに雄叫ぶゴシックな伝道師、ピアノ・バラードでしっとり酔わせるクルーナー等々、複数のペルソナがあのスーツ姿の下に隠されている。だが本作で彼が用いたペルソナはそのどれとも異なるもので、『No More Shall We Part』(2001)以来とも言える、誇張ではなく等身大、シニシズムを脱ぎ捨てた生身なフラジャイルさには心打たれる。メロディを抑えたストイックなプロダクションで、生の重みに黒ずみ疲れた声に焦点を据えたレナード・コーエンの最期のアルバム『Thanks for the Dance』もだぶる。
 その新たなペルソナが切り開いたのはファルセット歌唱だ。ケイヴといえば男性的な低音ヴォーカルで知られるので実に新鮮だし、本作の随所で彼が時にさりげなく、時に引き絞る高音もまた、リーチできない領域や悲しみを越えたところにある高みに手を伸ばそうとする人間の姿とその業を感じさせる。“Hollywood”で彼が響かせる和紙のように薄く透ける痛切な「It’s a long way to find/ peace of mind(心が安らぎを得られるまで/道のりは長い)」のフレーズ、“Bright Horses”の冒頭や“Sun Forest”を始めとするウォーレン・エリスのサイレンを思わせる美しい歌声、そしてコロス的なコーラスはスピリチュアルな祈りとして響く。

 祈りは亡くなった我が子の魂に捧げられているだけではなく、ケイヴ自身を含む「遺された者たち」にも向けられている。本作のエモーショナルなハイライトのひとつ“Ghosteen Speaks”は「I am beside you/Look for me(あなたのそばにいるから/私を見つけて)」「I am within you, you are within me(私はあなたの中に、あなたは私の中にいる)」という歌詞を軸とするシンプルなリフレインから成る曲だ。「ゴースティーンは語る」というタイトルからして亡き子からの呼びかけと解釈するのが妥当だろう。だが聴くほどに、悲嘆のせいで心が虚ろになり遠ざかってしまった妻(母)への慰め/励ましとも、あるいは悲しみの闇の中に取り残された者たちに小さな光をもたらす霊魂(それを「神」と呼ぶ者もいるだろう)のささやきのようにも聞こえる。
 だが悲しみがそうたやすく癒えるものではなく、悲嘆のプロセスは長いことも本作は示唆している。ケイヴは昨年メディアに対し、長年暮らしてきたブライトンには子供の思い出が多過ぎて辛く、家族と共にロサンジェルスに移住したいとの意向を明かしていた。本作に差し込む光の瞬間のひとつである“Galleon Ship”で歌われる船出の思いは、過去を慈しみつつも生き続けるしかない人間の胸のたけだ。しかし最終曲でカリフォルニアにいるナレーターは、陽光とビーチを前に「And I'm just waiting now, for my time to come/for peace to come(そして今はとにかく、自分にその時がやって来るのを待つだけ/心の安らぎが訪れる時を)」のつぶやきを潮風に寂しく散らす。

 独特なサウンドスケープで1枚に完結した世界観を作り上げたこの傑作アルバムは、ケイヴにとってひとつのアーティスティックな達成であると同時に開始地点でもある。今夏予定されているツアーで、彼とバッド・シーズはロンドンではなんと初めてO2アリーナ(キャパ2万)の大舞台を踏む。BBCのヒット・ドラマ『Peaky Blinders』の主題歌に“Red Right Hand”が使用され、これまで以上に広い層の耳に彼の音楽が届いた追い風効果もあっただろう(何せティーンエイジャーもあの曲を知っている)。一貫して劇的でロマンティックな歌詞と歌声で人間の生(性)を赤裸々にポエティックに描き出し、ミック・ハーヴェイやウォーレン・エリスをはじめとする優れたミュージシャンたちとのコラボを絶え間なく重ねつつ音楽性を深め続けてきたケイヴは、アーティスティック/コマーシャルの両面で今こそ最高潮に達しているのだ。
 野性と知性が同居するこの唯一無二のカリスマを育んだ彼に、近年のボビー・ギレスピー、ジャーヴィス・コッカーやアークティック・モンキーズのアレックス・ターナー等が憧れるのも無理はない──ケイヴの妻スージー・ビックは「The Vampire’s Wife」というファッション・ブランドを経営しているが、女は寝たがり、男はそのパワーに惹かれるドラキュラは、ある意味最初のロック・スターだったのだから。「アクセスしやすさ」「親しみやすさ」が人気のキーとされる昨今、ベージュ色でヴァニラ味の無難な普通人がスターになる風潮は強まっている。しかしボウイやジョン・ライドンを生んだ国でこうしてケイヴ熱がまた上昇し、ビリー・アイリッシュのようなアクトがブレイクしている状況にはまた、異端児/マイノリティに対するイギリスの根強い愛情・共感の巻き返しを感じて嬉しくなる。

 本作のデリケートなサウンドをライヴでどう再現するのかは興味深いが、パーソナルを悲劇から始まり普遍へと突き抜けるケイヴの歌は、2万人の観衆をひとつにするはずだ。前述したように、ケイヴが父として経た悲しみは筆者には到底理解できない。しかし“Hollywood”には、死んだ我が子を生き返らせて欲しいと釈迦に訴える母キサー・ゴータミーの物語が挿入されている。キサーに対し釈迦は「死者を出したことのない家からカラシの種を一粒もらい持って来ればあなたの望みをかなえよう」と答え、彼女は何軒もの家を回る。だが家族や親類を亡くしたことのない家などない、探索は無為に終わる。
 死とは人間に不可避な自然のサイクルの一部であることを悟り、彼女はようやく息子の遺体を埋葬し弔うわけだが、ケイヴが個人としてくぐった悲嘆とソウル・サーチングもまた、親を、子を、恋人を、友人を、あるいは愛する対象や信じる何かを失ったことのある者なら誰でも共感できる普遍になり得るだろう──それはもしかしたら、グレンフェル高層住宅火災で、戦地で、デモで、ストリートで命を落とした者とその家族の悲しみ、ブレクジットで民主主義やヨーロッパとの絆を失った者の、溶けて消えた氷や自然を悼む者の思いとシンクロするかもしれない。死せる魂と生きる魂とが共存し語り合い、その見えない繫がりを受け入れ祝福しようとする本作。加速する一方の世界の中でついおざなりになりがちな、トラウマと向き合うことを促してくれる素晴らしい1枚だと思う。

Squarepusher - ele-king

 あけましておめで……たくないニュースばかりで新年早々うんざりな毎日ですけれども、これはストレートにめでたいニュースです。スクエアプッシャーの来日が決定しました。4月1日から4月3日まで、名古屋・大阪・東京の3都市を巡回します。昨秋も《WXAXRXP DJS》に出演しアツいDJセットを披露してくれたトム・ジェンキンソンですが、今度は待望のライヴ・セット!! 映像の演出もヤバそうっすね。単独来日公演としてはじつに5年ぶりとのことで、期待で胸がはちきれそうです。
 さ・ら・に! 今月末に発売されるニュー・アルバム『Be Up A Hello』から新曲 “Nervelevers” が解禁されました。あ~、このアシッディでドラムンなテイスト、90年代を彷彿させます。まさしくスクエアプッシャーです。まずは3週間後に迫った新作のリリースにそなえましょう。

[1月14日追記]
 本日より、来日公演チケットの主催者先行発売がスタートしました。また、全国に貼り出されるツアー・ポスターには、ボーナストラックがダウンロードできるQRコードが記載されているとのこと。詳しくは下記をご確認ください。

[1月29日追記]
 来日公演も決定し大きな盛り上がりを見せているスクエアプッシャーですが、急遽、新作『Be Up A Hello』のリリース前夜祭が決行されることになりました。明日30日、渋谷のタワレコにて、同新作(隠しトラックがダウンロードできるポスター付き)が1日はやく販売されるほか、真鍋大度、mito、たなしんの出演するトーク&ライヴ・イヴェントも開催されます。詳細は下記をチェック。

緊急決定!
SQUAREPUSHER『BE UP A HELLO』
リリース前夜祭!!
1月30日(木) タワーレコード渋谷店6Fにて
アルバム世界最速販売!!
店頭にて真鍋大度 (Rhizomatiks) × mito (clammbon) × たなしん (グッドモーニングアメリカ/タナブロ)によるトークライブも開催決定!!

来日決定も超話題! スクエアプッシャー5年ぶり待望の最新作『BE UP A HELLO』リリース前夜祭が、発売前日である1月30日(木)、タワーレコード渋谷店6Fにて行われることが緊急決定!!!

タワーレコード渋谷店限定で国内盤CD、TシャツセットやLP含む全フォーマットの世界最速販売、そして店頭にて真鍋大度 (Rhizomatiks) & mito (clammbon) & たなしん(グッドモーニングアメリカ/タナブロ)によるスペシャルトークライブの開催が決定!

また当日の世界最速販売期間のみ、限定特典として既にファンの間で話題となっている隠しトラックがDLできるQRコード付きの来日ポスターを購入者にプレゼント。

同フロアにて観覧無料で開催となるトークライブには、過去にMV制作やライブのサポートDJなど親交のある真鍋大度(Rhizomatiks)、かねてよりスクエアプッシャーの大ファンであることを公言している mito (clammbon)、司会進行にたなしん(グッドモーニングアメリカ/タナブロ)をむかえ、1時間では足りないほど濃い内容となることは間違いなし。同時に、その様子がタワレコTVよりネット生放送となる。詳細は以下。

【世界最速販売】
開催日:1月30日(木曜日)20:30〜23:00
場所:タワーレコード渋谷店 6F
先行販売商品:スクエアプッシャー『BE UP A HELLO』(日本盤CD、輸入盤CD/LP含む全形態)

★先行販売限定特典:
シークレットトラックDLコード付来日ポスター

★日本盤CD購入特典:
四角缶バッヂ(タワーレコードオリジナル特典)

【トークライブ】
開催日:1月30日(木曜日)
場所:タワーレコード渋谷店 6Fフロア
21:00〜22:00 観覧無料
出演:真鍋大度 (Rhizomatiks) × mito (clammbon) × たなしん(グッドモーニングアメリカ/タナブロ)

※ スクエアプッシャーの出演はありません
※ なお、番組内容は予告なく変更になる場合があります。予め、ご了承ください。

タワーレコード渋谷店イベントページ
https://towershibuya.jp/2020/01/28/143379

★トークライブの様子はこちらでネット生配信!
FRESH LIVE!: https://freshlive.tv/towerrecordstv/275981

スクエアプッシャー来日公演
チケット主催者先行スタート!!!
ツアーポスターはシークレット・トラックがDLできるQRコード付!
待望の最新作『BE UP A HELLO』1月31日(金)発売!

2020年4月1日 (水) 名古屋 CLUB QUATTRO
2020年4月2日 (木) 梅田 CLUB QUATTRO
2020年4月3日 (金) 新木場 STUDIO COAST

TICKETS : ADV. ¥7,000+1D
OPEN 18:00 / START 19:00

※未就学児童入場不可

ただいま1月14日(火)正午より東京/名古屋公演の主催者先行がスタート! 大阪公演は今週1月17日(金)より SMASH FRENDS 先行が開始となる。

また、全国各所に貼り出される本公演のポスターにはQRコードが掲載されており、アクセスするとボーナストラックがDLできるようになっている。CDショップやライブ会場等、お出かけの際はぜひ探してみてほしい。

チケット情報

【先行発売】

4/1 (水) 名古屋 CLUB QUATTRO

4/2 (木) 梅田 CLUB QUATTRO

4/3(金) 新木場 STUDIO COAST

【一般発売】

スクエアプッシャー来日決定!!!
1月31日(金)リリースの最新作『BE UP A HELLO』より
新曲 “NERVELEVERS” をドロップ!

5年ぶりとなる超待望の単独来日公演が大決定!!

2020年4月1日(水) 名古屋 CLUB QUATTRO
2020年4月2日(木) 梅田 CLUB QUATTRO
2020年4月3日(金) 新木場 STUDIO COAST

チケット等詳細は来週1月14日(火)に発表を予定。

毎回驚異のライヴ・パフォーマンスで観客を圧倒してきた鬼才スクエアプッシャー。常に新しい響きと新たな試みを求め、リスナーに驚きと衝撃を与え続けている唯一無二のアーティストであり、初期の楽曲をバンド生演奏で再現するショバリーダー・ワンの衝撃的感動的ライヴ・パフォーマンスや、〈WARP〉30周年イベントではフロアを満場の熱狂へと導いた初披露のDJセットも記憶に新しい彼が、最新作『Be Up A Hello』の楽曲と共に、度肝を抜く圧巻の照明&映像演出を含む最新ライヴ・セットで来日! 完売必至、まさに必見の公演!!

そして、いよいよ発売が3週間後に迫った待望の最新作『Be Up A Hello』より、多くのファンから愛される彼のキャリア形成期の楽曲群を彷彿とさせる猛烈なブレイクビーツ、アシッドなベースラインが際立つ新曲 “Nervelevers” が解禁!

Squarepusher – Nervelevers (Official Audio)
https://youtu.be/qtSJA_U4W1U

今作『Be Up A Hello』は、エレクトロニック・ミュージックに目覚めた当時の思いや記憶を綴った日記のようでもありつつ、直感と初期衝動に従って一気に完成させ、強烈で、スピーディで、目まぐるしくて、刺激的で、先の予測のつかない、これぞスクエアプッシャーと言える内容となった最新アルバム。いよいよ今月、1月31日(金)発売! 国内盤にはボーナストラックが追加収録され、解説書が封入される。また数量限定でオリジナルTシャツ付セットも発売決定!

Tシャツセットに付属されるダウンロードカードからは、CDに収録された音源とは異なるボーナストラックがダウンロードでき、90年代のアナログ機材が多用されたという最新アルバム『Be Up A Hello』の制作中、様々なアイデアを試み、様々な形でファンに届けようとするトム・ジェンキンソンの積極的な姿勢が垣間見られる。

各CDショップでの購入特典もチェック!

 Tower Records:四角缶バッヂ

 disk union:丸缶バッヂ

 Amazon:マグネット

 その他CDショップ:ステッカー

Vortrack (Original Mix)
https://youtu.be/s3kWYsLYuHc

Vortrack (Fracture Remix)
https://youtu.be/59ke5hp-p3E

label: Warp Records / Beat Records
artist: Squarepusher
title: Be Up A Hello
release date: 2020.01.31 FRI ON SALE

国内盤CD BRC-624 ¥2,200+税
国内盤CD+Tシャツ BRC-624T ¥5,500+税

国内盤特典:ボーナストラック追加収録/解説書封入/ボーナスDLカード封入
(Tシャツセットには限定ボーナストラックDLカードも封入)

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