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日本にもアンビエントに特化したフェスティヴァルがある。山梨県北杜市のキャンプ場で3日間にわたって開催される〈Off-Tone 2023〉がそれだ。
森のなかでゆったりとアンビエントを満喫するというこのフェスは、コンセプトもロケーションも最高だが、出演者たちの顔ぶれも面白い。ヴィジブル・クロークスとのコラボレーションで、若い世代にもその名が知られた尾島由郎&柴野さつき、あのタージ・マハル旅行団にも参加していた長谷川時夫によるSTONE MUSIC、そして日本のアンビエント史における金字塔イノヤマランドといったリジェンドたちに混じって、スガイケンやKaito、Miki Yui、井上薫、Chee Shimizu、Tomoyoshi Date等々。サイケデリック・ロックの申し子、ヤマジカズヒデの出演も興味深い。主催側が、この音楽をほんとうに好きでやっていることが伝わってくる。じつはこのフェス、10年以上前からずっと続いている。ジャンルを横断しながら横になって聴く楽しみを拡張するという、90年代のレイヴ・スピリッツを継承し、着実にその支持を集めてきているのだ。今回はコロナ禍で3年の中断明けの再開。かつてザ・KLFの『チルアウト』のなかの「アンビエント・ハウス宣言」に記されたように、それは「風を愛し、星々に語るだろう」。ぜひぜひチェックしてください。
アンビエント・ミュージックのレーベル運営・イベント制作を行うOff-Tone(オフトーン)は、2023年10月13日(金)から10月15日(日)の3日間、「べるが 尾白の森キャンプ場(山梨県北杜市白州町)」にて、アンビエントミュージック・環境音楽・サウンドアートにフォーカスした野外イベント「CAMP Off-Tone」を開催します。
日本のアンビエント・ミュージック黎明期より活動を行う伝説的なアーティストの他、さまざまなバックボーンを持った日本を代表する音楽家が集い、山梨県甲斐駒ヶ岳のふもと、日本有数の名水をはぐくむ白州の森の中で、この日この時だけの特別な音楽を奏でます。音楽と森の音を聴き、感じ、考え、ゆっくりと眠る3日間をお楽しみください。
イベントでは各アーティストによるライブやDJパフォーマンス、サウンドインスタレーションの他、キッズワークショップ、イベントのテーマに沿った本を読める移動図書館、地域の食を楽しむフードエリアも出現します。
イベント名称:CAMP Off-Tone 2023
開催期間:2023年10月13日(金)~10月15日(日)
(10/13 15:00 開演、10/15 17:30終演)
開催場所:べるが 尾白の森キャンプ場
イベントホームページ:https://www.offtone.in/camp/
チケット販売サイト(入場券、駐車券、キャンプサイト・オートキャンプ・バンガロー)
直販:https://pucatronictv.official.ec/categories/5299307
ZAIKO:https://zaiko.io/event/357888
出演者:
Atoris, Ayami Suzuki, DJ蟻, Chee Shimizu, 今西紅雪, INOYAMALAND, Kaoru Inoue, KAITO aka Hiroshi Watanabe, KOSS aka Kuniyuki, Miki Yui, MINGUSS, Matsusaka Daisuke, Moshimoss, SUGAI KEN, Sound Furniture, STONE MUSIC(長谷川時夫 / タージ・マハル旅行団), Tomo Takashima, Tomoyoshi Date, ヤマジカズヒデ+NARASAKI, 塩尻寄生, 尾島由郎&柴野さつき, 小久保隆+楯直己
【Webページ】 https://www.offtone.in/camp/
尾島由郎&柴野さつき
イノヤマランド
Miki Yui
ヤマジカズヒデ
新機軸となるステージやビジュアルデザイン
ステージデザインや会場全体の演出に、日本科学未来館やタイのWonderfruit festivalなどを手掛ける建築家の遠藤治郎を迎え、立体音響なども組み込みながら、さまざまな境界を曖昧にする新たな演出で、フェスの常識に新たな挑戦をします。メインビジュアルとなるアートは、生活芸術家の檻之汰鷲による木彫のコラージュ作品。フライヤーなどのグラフィックデザインはAtorisのメンバーで、Kankyo Recordsなど、アンビエントシーンの重要なデザインを手掛ける大澤悠大が担当し、新たなCAMP Off-Toneのイメージを作り出しています。
開催地域への理解を深めてくれる美味しい料理が集結!
フードエリアでは、会場のある北杜市や山梨県を中心とした店舗が出店します。 一方、地域外のお店も地元食材を使用したメニューがラインナップされ、イベント参加者は自然の中で音楽を楽しみながら開催地域の美味しさも感じることができます。Off-Toneは、美味しく食べる中で地域理解にも興味を持つことができる、食と音による地域との連携を実施します。
00年代後半以降の日本のアンビエントを代表するアーティストのひとり、畠山地平が新作を発表する。題して『Hachirogata Lake』、秋田の八郎潟がテーマだ。リリース元の〈Field〉はオランダのレーベルで、水をめぐる人類の歴史を扱うシリーズを展開しており、以前は SUGAI KEN の『Tone River(利根川)』を出してもいる。今回畠山はどのようなアプローチを試みているのか──じっさいに八郎潟周辺でフィールド・レコーディングをおこなったそうで、楽しみです。
日本を代表するサウンドアーティストChihei Hatakeyama(畠山地平)が秋田の「八郎潟」を題材にしたニューアルバムをオランダのField Recordsよりリリース。
[商品情報]
発売日 : 2023年9月1日
アーティスト: Chihei Hatakeyama
タイトル : Hachirogata Lake(八郎潟)
フォーマット : LP / デジタル配信
品番 : FIELD33
レーベル : Field Records(オランダ)
https://fieldrec.bandcamp.com/
[トラックリスト](全9曲)
1. 池のほとり / By The Pond
2. 水に鳥 / Water And Birds
3. 湖畔 / Lakeside
4. 遠景 / Distant View
5. 桟橋 / Pier 02:30
6. 夕暮れ / Twilight 05:48
7. 川の魚 / Fish Flying In The River
8. 風と水 / Lake Swaying In The Wind
9. 夜の虫 / Insects Chirping At Night
https://chiheihatakeyama.bandcamp.com/album/hachir-gata-lake
[アルバム紹介]
オランダの電子音楽レーベルField Recordsによる、日本とオランダが共同で行った水管理の歴史を探求するシリーズより、SUGAI KENの『Tone River(利根川)』(2020)に続き、畠山地平が秋田県の八郎潟を題材にしたアルバム『Hachirogata Lake(八郎潟)』をリリースする。
かつては日本で2番目に大きな湖であった八郎潟は、第二次世界大戦後、オランダ人技師Pieter JansenとAdriaan Volkerの協力を得て、政府が大規模な干拓工事を行い、1977年の工事完了後、干拓地が八郎潟の面積の80%を占めるようになった。その結果、周辺地域から植物が繁殖し、鳥類をはじめとする野生生物の種類も増え、新たな生態系が確立された。
畠山は、このユニークな題材にアプローチするため、八郎潟周辺の排水路、大潟橋、草原保護区などでフィールドレコーディングを行った。サンプリングした素材の繊細さから、ドローンのような響きの合成音や物憂げなギターの壮大な広がりに至るまで、八郎潟周辺の環境を反映すると同時に、リスナーの心の目に様々な想像の情景を映し出すサウンドスケープを作り出している。
Kranky、Room40、White Paddy Mountainなどのレーベルから数々のソロ作品をリリースしてきた畠山の熟練したサウンドに水という題材が自然と溶け込んでいる。
協力 : 駐日オランダ王国大使館
[Chihei Hatakeyama プロフィール]
1978年生まれ、神奈川県出身、東京在住の電子音楽家。2006 年にKranky より1st ソロ・アルバム『Minima Moralia』を発表。以降、デジタル&アナログ機材を駆使したサウンドで構築するアンビエント・ドローン作品を世界中のレーベルからリリース。そのサウンドはリスナー個々人の記憶を呼び覚まし、それぞれの内的なストーリーを喚起させる。2013年より音楽レーベル『White Paddy Mountain』を主宰。2023 年には音楽を担当した映画『ライフ・イズ・クライミング!』が公開。近年は海外ツアーにも力を入れており、2022 年には全米15箇所に及ぶUS Tourを敢行した。また、マスタリングエンジニアとしても活躍中。