ele-king Powerd by DOMMUNE

MOST READ

  1. Ehiorobo - Joltjacket (review)
  2. King Krule - You Heat Me Up, You Cool Me Down (review)
  3. Columns 断片化された生活のための音楽 ——UKインディーズ考 (columns)
  4. dj honda × ill-bosstino - KINGS CROSS (review)
  5. 年明けのダンス・ミュージック5枚 - (review)
  6. History of Fishmans ——久しぶりのフィッシュマンズのライヴ情報 (news)
  7. interview wuth Geoff Travis and Jeannette Lee 〈ラフ・トレード〉が語る、UKインディ・ロックの現在 (interviews)
  8. Makaya McCraven - Deciphering The Message (review)
  9. どんぐりず ──マッチョなシーンに風穴を開ける!? エレキング注目のラップ・ユニットが東京と大阪でライヴ (news)
  10. ELECTRONIC KUMOKO cloudchild ──サム・プレコップやカルロス・ニーニョらも参加するコンピがリリース (news)
  11. Parris - Soaked In Indigo Moonlight (review)
  12. Billy Wooten ──70年代ジャズ・ファンクの至宝、ビリー・ウッテンのTシャツ&7インチ・セットが発売 (news)
  13. Luke Wyatt & Dani Aphrodite ──ファッション・ブランドの〈C.E〉が2022年春夏コレクションに先駆けヴィデオを公開 (news)
  14. クリスチャン・マークレー - トランスレーティング[翻訳する] (review)
  15. Kaoliang Brothers - Kaoliang Brothers (review)
  16. There are many many alternatives. 道なら腐るほどある 第3回 映画『金子文子と朴烈』が描かなかったこと (columns)
  17. interview with Jun Miyake ジャズ、ブラジル音楽、クラシックが交錯する時間の迷宮 (interviews)
  18. Cleo Sol - Mother (review)
  19. Ian Wellman - On The Darkest Day, You took My Hand and Swore It Will Be Okay (review)
  20. You'll Never Get To Heaven - Wave Your Moonlight Hat for the Snowfall Train (review)

Home >  Interviews > interview with Seiichi Yamamoto - 半径500メートルの永遠のうた

interview with Seiichi Yamamoto

interview with Seiichi Yamamoto

半径500メートルの永遠のうた

――山本精一へのインタヴュー

松村正人    Jul 14,2010 UP

山本精一 / Playground
P-Vine

Amazon

 Dommuneで6月10日に放送したPhewの「45回転であいましょう」の司会をした私はゲスト出演した山本精一の歌を隣で歌詞カードに記した特徴のある文字を目で追いつつ聴きながら、彼の歌をまぢかで体感できる至福を感じた。そのときはまだこのアルバムを聴いていなかったが、あれから何度も『Playground』を繰り返し聴き、なぜこれはこう何度も聴いてしまうのか考えるうちに、考えるよりも聴くのがおもしろくなった。
 山本精一の『Playground』はサイケデリックでありながらアシッドであり、ソフト・ロックの音色のイメージも抱かせるが、身辺雑誌のように親密な気持ちにもさせる。つまりこの50分弱にはきわめてシンプルにみえても多くのものが入っている。ここしばらくPARAのようにコンセプトを濃縮したグループや、企画作品、あるいは羅針盤や想い出波止場の再発などであいかわらずその名をみなかった時期はなかった山本精一の精髄は私はやはりソロにあり、その極点と思った『なぞなぞ』から7年、Phewとのダブル・ネーム『幸福のすみか』からすでに12年、「歌もの」という音楽のあり方を決定づけた羅針盤が終わりを告げてもう6年も経つ。山本精一は『Playground』を粗く、やりたいように、まちがってもいいと思いながら作ったといった。「遊び場=Playground」にいたように。しかしそう思ったとき、このひとは本領を発揮する。

このアルバムでは自分の部屋のなかと、半径500メートルくらいまでの範囲を表しています。そこでは基本的になにも起こらないんですよ。なんにも起こらないところでどうやって歌ができていくのか、それを試したかった。

『Playground』は資料では「6年ぶりの歌ものアルバム」となっていますが、どこから数えて6年目なんですか?

山本:羅針盤です。最後のアルバム『むすび』を録っていたのが04年なので、6年というよりは5年ぶりかな。

曲は書きためていたんですか?

山本:ライヴでやっている曲ばかりですよ。

いちばん古い曲は?

山本:みんな同じくらい。"飛ぶひと"だけはPhewとの98年の『幸福のすみか』のときですね。

なぜ"飛ぶひと"を再演しようと思ったんですか?

山本:ライヴで演奏しているからです。なんの狙いもなく、最近のライヴを作品化しただけですよ。

作品としては作りこんだ面もあると思いますが。

山本:作りこんではないですよ。足したところはありますけど、ほとんどワンテイク。

曲のヴァリエーションの面の工夫を感じましたが。

山本:それはたんに曲がそういった感じなだけでしょう。

今回千住(宗臣)さんが参加していますが、彼を起用したのは?

山本:いつもいっしょにやっているからです。

ご自分でドラムを叩いてもよかったかもしれないですね。

山本:そうやね。まあでも叩けないし、1曲目"Days"はロックっぽいからああいうタイコは僕にはむずかしいし、あれはやっぱり千住でしょ。

そうですね。私が山本さんがドラムを叩いた方がいいと思ったのは、『Playground』に非常に私的な印象を受けたからです。同じ歌でも羅針盤はバンドの音楽でありソロとはちがうと思いました。

山本:このアルバムでは自分の部屋のなかと、半径500メートルくらいまでの範囲を表しています。ブックレットに使っている写真も家のなかとか周辺とかそんなものばかりですもん。全部そう。

500メートル半径というはご自分の生活がみえる範囲ということですね。

山本:そうです。そこから離れて生活してないし、最近ずっと歌ってるのも身の回りのことばかりですからね。そこでは基本的になにも起こらないんですよ、ほとんど動かないから。なんにも起こらないところでどうやって歌ができていくのか、それを試したかった。

ある種のアンチロマンですね。たとえばいまのフォークであたらしいひとたち、前野健太さんや七尾旅人さんの歌をどう思います? 私は世代論はわかりませんが。

山本:世代論は僕はまったく関係ない。上の世代という感覚はないんですよ。21世紀に生きている人間のジェネレーションなんて全員いっしょですよ。だから世代は関係ないです。おもしろいかおもしろくないか。彼らの音楽は僕はいいと思いますよ、おもしろいと思います。

ご自分と比較して?

山本:すべてちがいます。比べることはないし、どっちにもいいところがあって悪いところがある。僕は他人のことはわからない。自分のことで精一杯です。子どものころはフォークを聴いていたりすると、いろんなひとがいたし好きなミュージシャンもいましたが、積極的にいまも他者の音楽を聴くかというとそんなことはない。

文 : 松村正人(2010年7月14日)

123

INTERVIEWS