ele-king Powerd by DOMMUNE

MOST READ

  1. Helm - Chemical Flowers (review)
  2. Asian Meeting Festival 2019 ──気概に満ちた実験音楽の祭典が3年ぶりに東京で開催 (news)
  3. ロラン・ガルニエ ──ドキュメンタリー映画のプロジェクト立ち上げのお知らせです (news)
  4. Flying Lotus ──衝撃を与えた映画『KUSO』がまさかの再上映決定 (news)
  5. ギーク母さんの21世紀女児カルチャー観察記 ピンクに塗れ!~現代女児のキラデコ事情~ 第4回:馬に恋する女の子たち (columns)
  6. The Caretaker - Everywhere At The End Of Time - Stage 6 (review)
  7. Lena Andersson ──Lakker の片割れ Eomac とベルリン在住の日本人 Kyoka からなるデュオが〈Raster〉よりデビュー (news)
  8. Seven Davis Jr - S.O.S (review)
  9. The Comet Is Coming ──UKジャズのキイパーソン、シャバカ・ハッチングスのザ・コメット・イズ・カミングが新作をリリース (news)
  10. Flying Lotus ──フライング・ロータスの単独来日公演が決定 (news)
  11. WXAXRXP ──今年で30周年を迎える〈Warp〉がオンライン音楽フェスを開催、NTS Radio にて100時間以上にわたる特別番組を放送 (news)
  12. interview with Plaid ヴェテランが紡ぐ、調和と衝突の美しき重合体 (interviews)
  13. Helm - Olympic Mess (review)
  14. NOT WONK - Down the Valley (review)
  15. Moodymann ──ムーディマンの新作がデジタルでリリース (news)
  16. Teen Daze - Bioluminescence (review)
  17. Columns なぜスコット・ウォーカーはリスペクトされているのか (columns)
  18. There are many many alternatives. 道なら腐るほどある 第6回 笑う流浪者、あるいはルッキズムに抗うための破壊 (columns)
  19. Lee "Scratch" Perry - Rainford (review)
  20. Columns 内田裕也さんへ──その功績と悲劇と (columns)

Home >  Reviews >  Sound Patrol > UK Afrobeats & UK Rap- ──「今」のUKラップを彩るプロデューサー3組

UK Afrobeats & UK Rap

UK Afrobeats & UK Rap

──「今」のUKラップを彩るプロデューサー3組

米澤慎太朗   Sep 13,2018 UP
このエントリーをはてなブックマークに追加

 イギリス独特のサウンド文化はこの20年以上でジャングル、ドラムンベース、ガラージ、グライムと進化・深化してきた。こうしたジャンルは常にジャマイカやアメリカの音楽の影響を受け、「ラップ」が挑戦的な音楽に受けて立ち音楽性を拡張してきたといえるだろう。そして、UKのサウンド・カルチャーの新たな1ページに「UKアフロビーツ」や「UKラップ」と呼ばれるラップ・ミュージックがある。UKアフロビーツはユーチューブ等ストリーミング・サービスで広く聴かれ、ポップ・ミュージックとして認知されている。このシーンのアンダーグラウンドな盛り上がりを知りたければ、2017年に〈MOVES Recordings〉からリリースされた『MOVES : The Sound of UK Afrobeats』(Spotify)は最適な1枚だ。

 UKラップは「トラップ」や「ドリル」といったUSのトレンドのラップ・ミュージックの影響を強くうけ、若者に人気のジャンルだ。UKアフロビーツは、BPM 90~110前後のリズム、アフリカの音楽やダンスホール・レゲエを取り入れたビート・パターンを基調としている。今のUKラップ・ミュージックが音楽的に面白いのは、ラップ・ミュージックのプロデューサーがUKサウンド、USヒップホップ、レゲエ、アフリカ音楽と多様な音楽をマッシュアップし、新たなUKサウンドを作り上げていることだ。

 ラッパーに比べるとスポットライトが当たることは少ないが、プロデューサーからお気に入りのサウンドを探すのもなかなか面白い。


■ JAE5 (w/ J Hus, NSG...)

 東ロンドンのプロデューサー、ジェーファイヴ(JAE5)は、2015年に出所したばかりのラッパー J・ハス(J Hus)にビートを提供し、J・ハスのアルバム『Common Sense』(Spotify)をフル・プロデュースしたことで一気に知られるようになった。

J Hus - Did You See

 マリンバやギターなど、生楽器の音の重ね方や差し引きは素晴らしく、J・ハスのギャングスタ・ラップをポップに彩っている。ジェーファイヴは昔からダブステップにのめり込んでいたという。音はどちらかといえばヒップホップやダンスホール寄りだが、彼のビートの精緻な組み方は彼が“昔ハマっていた”というダブステップにもどこか通じている部分がある。

Jae5 - Against The Clock
https://www.youtube.com/watch?v=uNdQYMmeBpg
※ジェーファイヴが10分でビートを作り上げる、英メディアFACTの番組。


■ Nyge (w/ Section Boyz, AJ Tracey, Lancey Foux...)

 セクション・ボーイズのヒット曲“Lock Arff”のプロデュースで一躍知られるようになったナイジ(Nyge)は、エージェー・トレーシー(AJ Tracey)やランシー・フォックス(Lancey Foux)といった気鋭のラッパーのプロデュースで名を馳せてきた。

Section Boyz - Lock Arff

AJ Tracey - Butterflies (ft. Not3s)

 浮遊感のあるパッドとシャープなドラムはナイジのプロダクションの持ち味になっていて、彼がプロデュースした Renz “Flexing”は2017年に〈XL Recordings〉からリリースされた『NEW GEN』(Spotify)にも収録されている。

Nyge : Studio Sessions Ep 1


■ God Colony (w/ Flohio, Kojey Radical...)

 Wikipediaによれば、ゴッド・コロニー(God Colony)はロンドンを拠点に活動する2人組のデュオとのことだが、あまり情報がない。それでも彼らのことが気になるのは、彼らのプロダクションは1曲に色々なアイディアが詰まっていて面白いからだ。UK Funky や Gqom のサウンドを昇華したクラブ・トラックをロンドンのMC・フロヒオ(Flohio)に提供したかと思えば、コージェイ・ラディカル(Kojey Radical)にはエクスペリメンタルなR&Bを提供するなど、作風の幅も広い。

GOD COLONY "SE16" feat. FLOHIO

God Colony - Howling feat Kojey Radical & Ebi Pamere


米澤慎太朗