ele-king Powerd by DOMMUNE

MOST READ

  1. Jazzanova - Strata Records (The Sound Of Detroit Reimagined By Jazzanova) (review)
  2. Funkadelic - Maggot Brain (review)
  3. コーネリアス - (review)
  4. Raw Poetic - Laminated Skies (review)
  5. Ron Trent ──シカゴ・ディープ・ハウスの重要人物、ロン・トレントが11年ぶりに新作をリリース (news)
  6. Aldous Harding - Warm Chris (review)
  7. R.I.P. Klaus Schulze 追悼:クラウス・シュルツ (news)
  8. interview with Wool & The Pants 東京の底から (interviews)
  9. The Smile ──トム・ヨーク、ジョニー・グリーンウッド、トム・スキナーからなる新バンドがついにアルバムを発売 (news)
  10. Undefined ──日本発、気鋭のダブ・ユニットが初のアルバムをリリース (news)
  11. black midi ──ブラック・ミディの新作『Hellfire』がリリース、来日公演も再決定 (news)
  12. Syd - Broken Hearts Club (review)
  13. interview with Mamas Gun (Andy Platts) 70年代ソウルをアップデイトするUKのバンド (interviews)
  14. Thundercat ──サンダーキャット振替公演の日程が決定 (news)
  15. interview with !!! (Nic Offer) 踊れない時代にダンス・パンク・バンドが出した答え (interviews)
  16. Anteloper ──ジェフ・パーカー・プロデュースの新作が話題のユニット、日本限定盤が登場 (news)
  17. interview with Ravi Coltrane 母アリス・コルトレーンの思い出 (interviews)
  18. Hello Skinny - Watermelon Sun (review)
  19. RAINBOW DISCO CLUB 2022 ──日本が誇る野外フェスが3年ぶりに東伊豆へカムバック、ムーディマンも出演 (news)
  20. interview with Seiji Rokkaku 俳優・六角精児、70年代日本の埋もれた名曲を歌う (interviews)

Home >  News > Bob Dylan's Songs - 重苦しい時代に、しかし重苦しさだけに目を奪われないためにも──萩原健太『ボブ・ディランは何を歌ってきたのか』

Bob Dylan's Songs

Bob Dylan's Songs

重苦しい時代に、しかし重苦しさだけに目を奪われないためにも──萩原健太『ボブ・ディランは何を歌ってきたのか』

Amazon

Aug 04,2014 UP

 なぜ、なぜボブ・ディランなのか。
 ジェイク・バグが登場したとき、彼は「公営団地のボブ・ディラン」という言葉で賞賛された。UKのメディアにとって、「ボブ・ディラン」とは最高の褒め言葉だ。ジョン・レノンでもエルヴィス・プレスリーでもなくボブ・ディラン……あるいは、ときにサンプリング・ネタを「revisited」という言葉で表すのも、“追憶のハイウェイ61”の原題から来ているのだろうし……
 僕は、UKの音楽に関する本を読んでいた。ラフトレードを創設したジェフ・トラヴィスのエピソードが描かれていた。彼は高校時代、クラスメートが夢中になっているのはせいぜいドノヴァンで、自分のように『ジョン・ウェズリー・ハーディング』を聴いているような人は他にいなかったと言う。なかば自慢げな回想だ。
 そして、思春期に『ジョン・ウェズリー・ハーディング』に夢中になった感性が、やがてザ・スミスというバンドを見いだすわけだから、ブレイディみかこがモリッシーの新作を聴いて「ボブ・ディラン」という言葉を用いるのは的を得ている。
 
 2012年には『テンペスト』があり、昨年は湯浅学の『ボブ・ディラン――ロックの精霊』があった。ルー・リードは「ボブ・ディランに次いでロック文化に歌詞マニアを生んだ人」と言われている。松村正人はボブ・ディランの来日ライヴに行った。木津毅は、こともあろうかOPNの来日ライヴ中にコーエン兄弟の新作について大声で話してきた。誰かが振り向いて話に加わった。
 そもそも、ボブ・ディランは何が偉いのか? ボブ・ディランとは何なのか? ボブ・ディランは何を歌ってきたのか? つまり、ボブ・ディランとの長年の格闘の末に萩原健太が見たモノとは何なのか? 以上の設問のひとつにでも興味のある人は、8月6日発売の『ボブ・ディランは何を歌ってきたのか』のページをめくること。重苦しい時代に、しかし、重苦しさだけに目を奪われないためにも。
 
 予定のページ数よりも大幅に増えてしまった。本書の「メイキング〜」に関しては、場所をあらためて三田格が話すかもしれない。とにかく、『ボブ・ディランは何を歌ってきたのか』は、萩原健太、渾身の力作だ。ボブ・ディランを聴く人のガイドラインであり、また、「アメリカ音楽」が日本でどのように享受されてきたのか、どのように愛されてきたのかという物語でもある。そして、僕としては、ディラン的な「自由」をいまいちど噛みしめたい。ちなみに、表紙のイラストは、カタコトのドラゴン。(野田)

萩原健太
1956年2月10日生まれ。音楽評論家。1978年3月 早稲田大学法学部卒業。同年4月 早川書房入社。1981年6月 早川書房退社。その後フリーとして活躍。 執筆活動、TV出演などを通じて音楽評論を行なう。 他、音楽プロデュースも手がける。著作に『はっぴいえんど伝説』(シンコー・ミュージック)、『ポップス・イン・ジャパン』(新潮社)等がある。

ボブ・ディランは何を歌ってきたのか
978-4-907276-18-8
四六判 384ページ
本体1,800円+税

Amazon

■8月はボブ・ディラン月間!
 8月27日にはソニーミュージックジャパンインターナショナルより、ボブ・ディランの全43作品をリニューアル復刻していくプロジェクト“ディラン究極の「神」ジャケ復刻プロジェクト”の第3弾として80 年代に発表された9タイトルがリリース!

詳細はこちら
http://www.sonymusic.co.jp/Music/International/
Special/bobdylan/140326/sono2/