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Home >  Interviews > interview with !!! (Nic Offer) - 踊れない時代にダンス・パンク・バンドが出した答え

interview with !!! (Nic Offer)

interview with !!! (Nic Offer)

踊れない時代にダンス・パンク・バンドが出した答え

──チック・チック・チック(ニック・オファー)、インタヴュー

質問・序文:小林拓音    通訳:原口美穂 Photo by Tim Saccenti   Apr 28,2022 UP

自分たちなりのパンクな “Let It Be” って感じかな。パンデミックのことを明確には語らずに、パンデミックについて触れているんだ。「レコードがつくられた2020年に起こった悲劇を、いまは素直に受け入れよう」というのが “Let It Be Blue” なんだよ。

これまであなたがもっとも仰天した陰謀論はなんですか?

NO:ははは(笑)。なんだろうな。月への人類の着陸ってのはけっこうワイルドだと思う(笑)。アイディアもすごいし、その様子を撮影してつくり上げるってすごくない(笑)? あとは、19歳のときにエイリアンが政治に関わってるっていうのを聞いてさ(笑)。そのときはもう興味津々で、それについての本を読んだりもした(笑)。あのときは若かったんだな。本を読んで、そんなの馬鹿げてるとちゃんとわかったからよかったけど(笑)。でも、R.E.M. の時代は、皆もっと無知だった。だから、情報を与えられると皆がそれを信じざるをえなかったと思う。でもいまは、皆ある程度知識がある。いまは、陰謀論をつきつけられても、俺たちはそれを信じるか信じないかの選択肢を持ってるんじゃないかな。10年ごとに、人びとは騙されにくくなっていると思う。アメリカのクリスチャンみたいな宗教やその考え方だって、日に日に解体されてきているし。皆、前よりもなにを信じるかを選ぶ自由を得ていると思うんだ。それってすごく良いことだよね。

現在も、ロシアやウクライナをめぐり真偽が定かでない情報が流れてくることもあります。なにが真実かわからないとき、あなたならどう行動しますか?

NO:俺は、それが真実かどうかを無理やり見極める必要はないと思ってる。SNSで配信されることをそこまで真剣にはとらえていないし、もしなにかをツイッターで見たとしたら、それが本当かどうかは自分でもっとちゃんとしたリサーチをしないと真に受けてはいけないと思ってるしね。まあ、ニュースってどんなニュースももしかしたら真実でない可能性はあると思うし、信じるかは自分次第。俺の場合は、いろいろあるうちのひとつの情報として頭のなかに入れておく程度にしてる。情報が不確かなものが多いから、フォックスニュースやフェイスブックはあまり見ないようにしてるかな。すぐに突き止めようとしなくても、時間をかけてそれが真実かそうでないかを判断してもいいんじゃないかなと俺は思うけどね。

“Let It Be Blue(ブルーなままにしておこう)” というのは、悲しいことやつらいこと、憂鬱なことは無理に忘れようとしないほうがいいということでしょうか?

NO:理由はさまざま。ひとつはビートルズの “Let It Be” の言葉遊び。前にマイケル・ジャクソンの “スリラー” をもじったみたいに。自分たちなりのパンクな “Let It Be” って感じかな。あとは、きみがいったとおり。パンデミックのことを明確には語らずに、パンデミックについて触れているんだ。「レコードがつくられた2020年に起こった悲劇を、いまは素直に受け入れよう」というのが “Let It Be Blue” なんだよ。

ちなみに、わたしは五年ほどまえ東京での取材時にあなたに薦められたのがきっかけで Spotify をはじめたのですが、最近の Spotify についてはどう見ていますか? 利益をアーティストに還元しないという話もよく聞きます。最近はニール・ヤングやジョニ・ミッチェルが曲を引き上げたことも話題になりました。

NO:ニール・ヤングが曲を引き上げたのは良かったと思う。そういうことをするからこそ、俺はニール・ヤングが好きだしね。それは心からリスペクトする。でも俺は、Spotify はプレイリストを交換するのにも便利だし、悪くはないと思う。俺たちだって、他のミュージシャンたちと同様 Spotify に悩まされてもいるのは確か。やっぱりだれかがなにかを完全にコントロールしてしまうのはよくないことだし、Spotify だけが音楽のアウトレットになってはいけないことはじゅうぶんわかってる。そうなってしまったら、それは恐るべきことだよね。だけど、やっぱり便利な部分もあるんだよな。好きな音楽が気軽に聴けるっていうのは事実だし。

振りまわされるのは悪いことじゃない。自分を楽しませてくれるなにかのファンであること、それに影響を受けることは大切なことだからね。ビートルズもボブ・ディランも、ライヴァルでありながら互いに学び合い、ともに成長してきたんだ。俺もその流れのなかにいたい。

あなたたちはプレイリストなどのトレンドとは無縁に、自身の固有のサウンドを追求しています。“Fast Car” や “Man On The Moon” のカヴァーが原曲とは似ても似つかないのもそうです。振りまわされない秘訣は?

NO:振りまわされるのは悪いことじゃない。自分を楽しませてくれるなにかのファンであること、それに影響を受けることは大切なことだからね。でも同時に大切なのは、自分が好きなもののファンであること、影響を受けている理由が、「それが流行っているから」じゃダメなんだ。自分が興奮できるなにかのファンになることが大事。いま俺は、60年代のアーティスト同士が互いにどう影響し合っていたかという本(『The Act You’ve Known For All These Years』Clinton Heylin)を読んでいるんだけど、ビートルズもボブ・ディランも、ライヴァルでありながら互いに学び合い、ともに成長してきたんだ。俺もその流れのなかにいたい。これからの音楽を、他の音楽と影響し合いながらより良いものにできたらと思うんだ。もちろん、オリジナリティを保ちながらね。

最後の曲では「これはポップ」と連呼されます。あなたにとって「ポップ」とはなんですか? あなたにとって最高のポップ・ソング、またはポップのレコードはなんでしょう?

NO:ポップには悩まされたこともあった。ポップはダサいなんて思ってたときもあったけど、結局は、自分が子どものころにいちばん強いつながりを感じていた音楽がポップなんだ。ラジオから聴こえてくる音楽。それが聴きたくてラジオをつけてヴォリュームをあげてた。でも、ニューウェイヴやパンクが出てくると、そういうちょっとポップとは違うものがクールだと思うようになってさ。でも、ときが経つと、ポップを疑う必要はないことがわかった。自分が好きな音楽なら、なんだって受け入れていいんだ、と。俺にとっては、子どものころに直感でつながりを感じ、俺を魅了してくれたのが俺にとってのポップ・ミュージック。聴いていてそのつながりや魅力を感じられる音楽ができあがると、これはポップ・ミュージックをつくったんだ、と思える。そういう子どものころに感じた音楽の魅力を感じさせてくれる音楽はすべて、俺にとっては最高のポップ・ミュージックだね。

通訳:ひとつ選ぶとしたらどうですか?

NO:最高っていうのは選べないから、最近いいなと思ったのを言うと、ロザリアとニルファー・ヤンヤかな。2022年のなかでは、いまのところ彼女たちの作品がいちばんのポップ・ミュージックだと思う。すごく良い音楽だから、チェックしてみて。超ポップで言えば、テイラー・スウィフトも好きだし、ドジャー・キャットが賞をとったのも嬉しかった。ブルーノ・マーズとアンダーソン・パークも好きだしね。自分たちが好きな音楽をつくってるなと思う。あの70年代のソウルの感じが、すごくつくられた感もあるんだけど、それはあえてで、なんか聴いていてすごく楽しいんだよね。どうやってあの魅力がつくりだせているのかは俺にはわからない。でも、彼らの音楽のいくつかはすごくいいと思う。

通訳:ありがとうございました!

NO:こちらこそありがとう! またね。

キャリア25年を超え今もなお最狂!!!
最新アルバム『Let It Be Blue』遂にリリース!!!
LOCAL GREEN FESTIVAL’22出演発表に続き、単独東京公演も決定!!!
グルーヴの旅路の、さらにその先へ導く最狂のライブ・バンド=チック・チック・チックによる、魅せて聴かせる最新ライヴ!!!
主催者先行スタート!!!

史上最狂のディスコ・パンク・バンド、チック・チック・チックによる待望の最新アルバム『Let it Be Blue』がいよいよ日本先行リリース!!! そんな中、さらに嬉しいニュースが到着!!!

昨年、一昨年とGreenroom Festival出演が決定していたにも関わらず、新型コロナの水際対策の影響で来日を果たせなかった我らがチック・チック・チック。しかし遂に先日LOCAL GREEN FESTIVAL’22への出演が発表され、最新アルバム『Let It Be Blue』と共に3年振りに来日しリベンジを果たすことが明らかになった。そしてその発表の熱が冷めやらぬまま、何と単独東京公演が決定! 最新アルバムでは、今までよりミニマルなアプローチを取り入れながらも、ファンク、ディスコ、アシッド・ハウスからレゲトンまで、パーティ・ミュージックをゴッタ煮にしたカオティックでエネルギッシュな音楽性はそのままに、さらにはメランコリック且つほの明るい希望的なフィーリングを同時に持ち合わせ、まさに人々を解放へ導くダンス・ミュージックを展開しさらに磨きがかかった万全の状態だ。最も感染対策が難しいと思わる最狂のライブ・バンドによる、魅せて聴かせる免疫増強ライヴ!? 開催決定!

[公演概要]
!!! (Chk Chk Chk) チック・チック・チック来日公演

公演日:2022年9月5日(月)
会場:O-EAST
開場/開演:OPEN 18:00 / START 19:00

前売:¥6,800(税込) ※別途1ドリンク代
※オールスタンディング ※未就学児童入場不可

先行発売:
4/28 (thu) 12:00~ BEATINK主催者WEB先行(※限定数…Eチケットのみ)
https://beatink.zaiko.io/e/chkchkchk2022
4/29 (fri) 12:00~5/5 (thu) 23:59 イープラス最速先行(抽選)
https://eplus.jp/chkchkchk/
5/7 (sat) 12:00~5/9 (mon) 18:00 イープラス プレオーダー
https://eplus.jp/chkchkchk/

一般発売:
5月14日(土)~
イープラス
https://eplus.jp/chkchkchk/
ローソンチケット(Lコード:74982)
https://l-tike.com/search/?lcd=74982
Zaiko
https://beatink.zaiko.io/e/chkchkchk2022

チック・チック・チック待望の最新アルバム『Let it Be Blue』は、CDとLPが4月29日に日本先行で発売され、5月6日にデジタル/ストリーミング配信でリリースされる。国内盤CDにはボーナストラック “Fuck It, I'm Done” が収録され、歌詞対訳・解説が封入される。LPはブラック・ヴァイナルの通常盤と、日本語帯・解説書付の限定盤(ブルー・ヴァイナル)で発売される。また国内盤CDと日本語帯付限定盤LPは、オリジナルTシャツ付セットも発売される。

label: Warp Records / Beat Records
artist: !!! (Chk Chk Chk)
title: Let it Be Blue

release: 2022.04.29 FRI ON SALE
2022.05.06 (Digital)

国内盤CD BRC697 ¥2,200+税
解説+歌詞対訳冊子/ボーナストラック追加収録

国内盤CD+Tシャツセット BRC697T ¥6,000+税

帯付限定輸入盤1LP(ブルー・ヴァイナル)
WARPLP339BR
帯付限定輸入盤1LP(ブルー・ヴァイナル)+Tシャツセット
WARPLP339BRT

BEATINK.COM:
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=12382

TRACK LIST
01. Normal People
02. A Little Bit (More)
03. Storm Around The World (feat. Maria Uzor)
04. Un Puente (feat. Angelica Garcia)
05. Here's What I Need To Know
06. Panama Canal (feat. Meah Pace)
07. Man On The Moon (feat. Meah Pace)
08. Let It Be Blue
09. It's Grey, It's Grey (It's Grey)
10. Crazy Talk
11. This Is Pop 2
12. Fuck It, I'm Done *Bonus Track

質問・序文:小林拓音(2022年4月28日)

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