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special talk : ISSUGI × CRAM

special talk : ISSUGI × CRAM

特別対談:ISSUGI × CRAM

取材・文:二木信    写真:岩沢蘭   Jun 20,2017 UP

ISSUGI & GRADIS NICE
THE REMIX ALBUM "DAY and NITE"

Pヴァイン

Hip Hop

Amazon Tower HMV iTunes


CRAM & ILL SUGI
Below The Radar

Moevius

Hip Hop

Amazon Tower

 ISSUGIとCRAMの対談をお送りする。CRAMとは、ISSUGIがビートメイカー/DJのGRADIS NICEと共作した『DAY and NITE』のリミックス盤『THE REMIX ALBUM "DAY and NITE"』にリミキサーとして参加したビートメイカーである。ISSUGIとKID FRESINOと5LACKの3人がマイクリレーする“TIME”という哀愁漂う曲を、80年代の“ソーラー・サウンド”を彷彿させるファンク・フレイヴァーと強烈なアタックのビートで構成されたダンサンブルなリミックス・ヴァージョンに生まれ変わらせている。が、これはあくまでもCRAMのひとつの表情であり、彼のサンプリングを主体としたビートはより多彩な表情とウネリを持っている。

 この若き才能、CRAMについてもう少し説明しておこう。彼は1991年生まれ、福岡出身のビートメイカーで自主制作で数多くの作品を発表、bandcampではこれまで創作してきたビートが大量に聴ける。ISSUGIが毎月発表した7インチをコンパイルした『7INC TREE』にもビートを提供、昨年末にはラッパー/ビートメイカー、ILLSUGIとの共作ビート集『BELOW THE RADAR』をリリースしている。手前味噌だが、後者の作品は、僕が運営に関わる『WORDS & SOUNDS』というレヴュー・サイトでも取り上げさせてもらった。また、CRAMは6月末に、すでにbandcampとカセットテープで世に出した『THE DEVIL IN ME』という作品をCD-Rという形で発表する。このスピード感も彼の武器だ。

 例えばトラップだけが新しいラップ・ミュージックであり、ブーム・バップは90s懐古趣味のヒップホップであるという認識を持っている方がいるとすれば、それは安直である、とだけ指摘しておこう。そのように、新旧のスタイルを二項対立で理解できるほどこの音楽文化は単純ではない。ISSUGIを聴いてみるといい。彼は、黒い円盤がターンテーブルの上をグルグル回りながら新しい音を鳴らしていくように、自分のスタイルを堅持しながらラップとサウンドを更新し続けている。CRAMは、サウンド、リリース形態、そのスピード感も含め現在の世界的なビート・ミュージックの盛り上がりに共鳴している。そんな2人によるラップとビートと創作を巡る対話である。まず2人はいつ、どこで出会ったのだろうか。

冗談じゃなく、CRAMは天才だと思ってます。これだけは書いといてください。俺こういうことあんまり言わないんで(笑)。 (ISSUGI)

トロントはそれぞれのシーンが小さいからひとつのパーティにヒップホップのビートメイカーだけじゃなくて、エレクトロとかダブステップの人たちもみんな集まるんです。そこでヒップホップだけじゃないノリも吸収できたかなと思います。 (CRAM)

ISSUGI:たしか福岡の〈CLUB BASE〉で会ってCD-RをもらったときにCRAMとはじめて会いましたね。レーベル面の赤い、黒のレコードの形のCD-Rだったと思う。

CRAM:僕は高校のときにMONJUの3人で出場しているMCバトルの映像を観てはじめて知りました。司会がDARTHREIDERさんでした。

ISSUGI:〈3 ON 3 MC BATTLE〉(〈Da.Me.Records〉と池袋のクラブ〈bed〉が主催していたMCバトル)だ。

CRAM:それからMONJUの『Black.de ep』を聴きました。

『Black.de ep』を最初に聴いたときのインパクトはどんなものでしたか?

CRAM:スネアの音がめっちゃ小さいのにグルーヴがあるのがかっこよかった。90sのヒップホップってドラムの音にインパクトがあって大きいじゃないですか。ドンッドンッダッーン!って。そういうビートとは違うかっこよさがあって16FLIPが好きになりました。

ISSUGI:うれしいですね(笑)。

CRAMくんが2016年にリリースした『Call me 3324"CD-R"』の紹介にBOSSのSP-303、SP-404といったサンプラーを使っていると書かれていますよね。最初からSPで作り始めた感じなんですか?

CRAM:いちばん最初はMacのGarageBandです。それからマッドリブやMFドゥームを知って、SP404の存在も知ったんです。それで当時は安かったのもあって買いました。その後、マッドリブが使っているのが広く知られるようになって、いまはめっちゃ値段が上がってますね。

SPの好きな点、SPでビートを作る理由は何ですか?

CRAM:MPCだと音があたたかくてディラっぽい音になってそれはそれでかっこいいんですけど、SPはデジタルっぽい音、冷たい感じになるのが好きなんです。みんなと違う音を出せるのもいいなって思ったのもありますね。

ISSUGI:俺はCRAMのビートを聴いて、まず音の鳴りがヤバいって感じましたね。それからグルーヴをナチュラルに理解してるなって感じさせるところと、メロディのかっこよさの3つですね。全部のパーツが生き生きしていて意味のある動きをしているんです。しかもデモ音源で聴いてもありえないぐらい音がデカい。マスタリングをしていないのにバッチリ音が出せているのは耳が良い証拠だと思いますね。いまSoundCloudで公開されてる“Ride Or Die”っていうビートもヤバいっすね。

CRAMくんは独自に、ナズやジェイ・ZやレイクウォンといったUSのラッパーのリミックスもかなりやっていますよね。

CRAM:「俺のビートでジェイ・Zが歌っとうや! バリかっけぇ!」っていう感じで始めたのがきっかけでしたね。

ははは。今回、『THE REMIX ALBUM "DAY and NITE"』では、 ISSUGI、KID FRESINO、5LACKがラップする“TIME”をリミックスしています。ISSUGIくんからのディレクションはあったんですか?

ISSUGI:CRAMにはアカペラを全部送ったんですけど、“TIME”は絶対やってほしいと伝えましたね。CRAMにはリミックスを作るセンスがあると思ってるんで、メロディの入ってくる“TIME”をリミックスしてほしかったんです。

CRAM:日本語のラッパーのリミックスは初めてだったんですよ。ISSUGIさんから依頼されたのもあって、最初は意識しすぎて16FLIPに寄せた音になっちゃったりもしたんです。自分の色を出すために何度も作り直しましたね。時間はかかりました。

ISSUGI:でも俺はCRAMに関しては、マジで100%言うことないと思ってる。冗談じゃなく、CRAMは天才だと思ってます。これだけは書いといてください。俺こういうことあんまり言わないんで(笑)。

CRAM:ありがとうございます。

ISSUGI: REMIXって場合によってはビートよりラップの方が前に“走っちゃう”こともあるんです。俺は自分で作った曲のBPMやピッチを数字でおぼえてないけど、俺がラップしている曲だから、ラップが走ってるって俺が感じたらそれは走ってるんですよ。CRAMはその点でバッチリだった。ラップのタイミングをわかってる。CRAMのオリジナルの曲を聴いていてもそこが絶対間違いないとわかってましたね。

CRAM:MASS-HOLEさんとISSUGIさんで対談してる記事があるじゃないですか。

ISSUGI:『1982S THE REMIX ALBUM』をリリースしたときの対談だ。

CRAM:そこでISSUGIさんが自分のラップの乗せるタイミングについてMASS-HOLEさんにけっこう指摘したというのを読んだから、「うわ、これ、バチッとせなイカンやん」って。

ISSUGI:「こいつ、厳しいぞ」って(笑)。

ははは。CRAMくんはビートメイカーとしての基礎というか、リズム感やビート・メイキングする際の感覚をどのように手に入れていきましたか。

CRAM:ひとつはトロントですかね。カナダのトロントに一時期住んでいて、そこで感じた海外のノリがめちゃくちゃ新鮮でした。トロントはそれぞれのシーンが小さいからひとつのパーティにヒップホップのビートメイカーだけじゃなくて、エレクトロとかダブステップの人たちもみんな集まるんです。そこでヒップホップだけじゃないノリも吸収できたかなと思います。SoundCloudを通じて知り合った友だちのビートメイカー、CYがたまたまトロントに住んでたんです。一緒にパーティに遊びに行ったんですけど、そこで「『SP持ってきて!』って言えばよかったねー!」って言われて、「いや、実は……」ってバッグに忍ばせていたSPを取り出してライヴしたんですよ。そしたら、「お前、ヤバいから次もライヴして!」ってなって、トロントのシーンに乗り込んでったっすね(笑)。

ISSUGI:いいね、いいね。

ところで、ISSUGIくんは『THE REMIX ALBUM "DAY and NITE"』をどのように作っていったんですか?

ISSUGI:リミックス・アルバムを作ること自体、超久々だったので楽しんで作りましたね。『Thursday』のときに5曲のリミックスを入れた作品(『THURSDAY INSTRUMENTAL & REMIXES』)を出したり、それ以降、曲単位でのリミックスはありましたけど。今回はメロウな感覚がいつもより2割増しぐらいで出ましたね(笑)。それと新曲が何曲かあると聴く人も楽しいと思って新曲も入れてます。

“SPITTA feat. FEBB (Prod. by MASS-HOLE)”と“RHYZMIK & POET (Prod. by FEBB)”の2曲が新曲ですよね。“D N N”はNYのブロンクスのGWOP SULLIVANっていうビートメイカーが作ってますね。

ISSUGI:そうですね。“D N N”は新曲ではなくて、ある曲のタイトルを変えてみましたね。GWOP SULLIVANはO.C.のアルバム(『SAME MOON SAME SUN』)の“Serious”っていうビートを聴いて超ヤバいなと思ったのがきっかけですね。

仙人掌をフィーチャーした“MID NITE MOVE”はGRADIS NICEと16FLIPの2曲のリミックスがありますね。

ISSUGI:同じ曲のリミックスが2曲入っているのがリミックス・アルバムっぽいなって思って入れましたね。だから、自分がリミックス・アルバムと思う要素を詰め込んで作りましたね。このGRADIS(NICE)のリミックスは、俺が(ラップを)乗せたいと思うビートを選んで作ったんですよね。

ISSUGIくんとCRAMくんにはビートの共作のやり方や考え方についても聞きたいですね。ISSUGIくんがいまFRESH!でやっているレギュラー番組の「7INC TREE -TREE & CHAMBR-」ではBUDAMUNKと共作する様子を放送したりしてますし、本作の冒頭曲“BLAZE UP”は JJJがドラムで、プロデュースは16FLIPとクレジットされてますよね。一方、CRAMくんもこれまでAru-2との『MOVIUS ROOPS EP』、ILLSUGIとの『BELOW THE RADAR』といった作品もあります。

CRAM:『BELOW THE RADAR』に入っている曲は、ILLSUGIが「これ、良くね?」とか言ってネタを選んで、僕は「うーん、どうだろう、でもやってみるか!」と思いながらSP404を駆使してかっこよくしていきました。

ISSUGI:はははは。CRAMが組み立てていったの?

CRAM:あの曲に関してはそうですね。ILLSUGIが上ネタのシーケンスを組んで、僕がドラムを打ちました。それでかっこよかったらアルバムに入れようって感じでした。『MOVIUS ROOPS EP』の場合は、まずAru-2がピロ~ッてシンセを弾いただけの、ビートもない、BPMもあってないような音を送ってきたんです。そういう、「これをどう使うの?」みたいな素材をチョップしたりフリップしたりして組み立てていきました。そうやって頭を捻って考えて作るのが好きなんですよね。

ISSUGI:俺は人が打ったドラムに自分がネタを入れるのが好きですね。“BLAZE UP”も最初にJ(JJJ)がドラム・ループだけ送ってきたんですよ。「何かを入れて返してください」という感じで。元々は今回のリミックス・アルバム用ではなかったんですけど、そのドラムが気に入ったから上ネタだけ入れて返すタイミングで、「リミックス・アルバムで使わせてもらえないか?」と頼んでOKしてもらいました。そこからベースとかを足してビートとして完成させましたね。すごく気に入っています。

RAPも含めてドラムからどのパートも前に行っちゃダメだっていうのはありますね。 (ISSUGI)

鼻唄で「フンフン~♪」って歌えるのが僕は良い曲だと思います。音楽やっていない人もつかめるのも大事だと思いますし、そこは意識していますね。 (CRAM)

「7INC TREE -TREE & CHAMBR-」の第2回目の放送でBUDAMUNKのビートにISSUGIくんが上ネタを足していくシーンがあるじゃないですか。ビートをループさせて、あるフレーズをいろんなタイミングで鍵盤で弾いて被せたりしていましたよね。

ISSUGI:これまでに曲を作りまくってきてるんで、ここで終わりだっていうタイミングが自分のなかにあってそこに入れていくんです。そこに入れられたら完成でストップしますね。

CRAM:僕もそこを見つけたらそれ以上は深く考えないで終わりにしますね。それ以上やるとドツボにハマっちゃうんで。ピッて止めますね。

ISSUGIくんはラップのレコーディングにもそんなに時間をかけない印象があるんですけど、ラップに関してはどうですか? 一発OKが多いですか?

ISSUGI:1回で録れるときもあるけど、ハマるときはもちろんありますよ。10回とか15回とか録り直すときもある。

CRAM:ハマったときはどうするんですか?

ISSUGI:くり返し録り直しているときは、リリックやフロウというよりも、ビートにラップを乗せるタイミングを調整しているね。速過ぎてもダメだし、遅過ぎてもダメだから。1小節めから16小節めまですべてが自分の頭のなかにあるリズムで置けたときにひとつのヴァースが完成じゃないですか。それと気持ちですね。その2つです。

さきほどISSUGIくんが、ラップがビートよりも先に“走っちゃう”とダメだという話をしていましたよね。その感覚はとても面白いと思いました。

ISSUGI:いまの時代はいろんな音のバランスでグルーヴを作ることができるので、グルーヴに関してもいろんな考え方があると思うんです。記憶が曖昧なので違ってたら申し訳ないんですけど確かマイルス・デイヴィスがどの楽器の演奏もドラムより絶対先に走っちゃいけないと語っていたんです。それを知ったとき、間違いないなと思いました。自分のなかの基本もそれなんですよね。RAPも含めてドラムからどのパートも前に行っちゃダメだっていうのはありますね。

なるほど。

ISSUGI:俺が好きで聴いているUSのラッパーとかミュージシャンの多くが当たり前に持っている感覚だと思うんです。黒人のラッパーでラップが走ってるヤツとか余り聴いた事ないので。多分HIPHOPの前にJAZZとかSOULとかがあったからだと思うんですけど、日本の音楽は走ってるなと思うときもありますね。ちょっと前にJJJが面白いことを言ってたんです。Jが福岡のクラブのイベントに行った時、フロアでずーっとビートを裏でノッてるヤツがいたらしいんですけど、Jは「こいつだけ裏でノッテルな」と思ってたらしくて、その日ビートのショウケースを観たらそいつが出てきてそれがCRAMだったんですよね。ビートを聴いたら「やっぱりヤバかった」って言ってて。CRAMはリズムキープの感じもやばいと思いますね。とぎれず円を描くようなループの感じ。

CRAMくんは、創作における鉄則というか、曲作りやビート・メイキングに関して意識していることはありますか?

CRAM:鼻唄で「フンフン~♪」って歌えるのが僕は良い曲だと思います。音楽やっていない人もつかめるのも大事だと思いますし、そこは意識していますね。だから、メロディアスなビートが僕は好きですね。

あと、「7INC TREE -TREE & CHAMBR-」でISSUGIくんがBUDAMUNKに「ファンクとは何か?」と訊くシーンがあって、これまでISSUGIくんがファンクという言葉を使っているのをあまり聞いたことがなかったのもあって興味深かったです。

ISSUGI:そうなんすよ。俺、最近ファンクが超気になっちゃってるんです。fitz(fitz ambro$e/ビートメイカー)っていうヤツが、〈Weeken'〉で俺がDJ終わったあとに、「超DJヤバかったよ。ファンクを感じたね」って言ってくれたことがあったんです。TRASMUNDOのハマさんにも「ISSUGIくんはファンキーだよね」って言われて、「俺ってファンキーなのかな?」ってここ最近考えることがあって。

CRAM:はははは。

ISSUGI:俺はBUDAくんからファンクを感じてきたんです。それは、ジェームズ・ブラウンのファンクというよりも、例えばエリック・サーモンやDJクイックに感じるファンクのことなんです。それでBUDAくんにああいう質問をしたんです。

そのときにBUDAMUNKが「動きが滑らかで流れてる感じ」というような表現をしていましたね。

ISSUGI:そうですね。言葉で説明するのは難しいけどノれる感じとかも言ってくれたときがあった気がしますね。それが動きがあるって事なのかなと思って。クールな感じのベースラインにも感じるし両方ありますよね。
 話変わるんですけどCRAMとILLSUGIのビートライヴ見た事ない人は出てるパーティに遊びにいってみて欲しいですね。ノリ方を目撃すると、「こいつらマジで音にノってんな」って伝わってくる。ビートライヴをやり出したらハンパじゃないなと思わせるものがあるんですよね。それがやっぱり音楽じゃないですか。CRAMがクラブでよくかける自分で作ったジェイ・Zのブレンドとかもハンパないです。

CRAM:あと、僕はいまのリル・ヨッティとかも好きなんですよ。それはチャラくてもノれるし、ラップが120点で上手いと思う。ジェイ・Zにもチャラい曲があったりするけど、確実にノリがあるんですよ。僕もそういう音楽が好きですね。

ISSUGIくんはリミックス・アルバムを出したばかりで、「7INC TREE -TREE & CHAMBR-」も進行中ですけど、2人は近い未来はどんな風に活動していく感じですか?

ISSUGI:〈Dogear〉からCRAMの作品を今年出したいと思ってます。CRAMは自分的に絶対にヤバいですから。「7INC TREE -TREE & CHAMBR-」では7インチをリリースする以外にもCRAMもそうだし、自分の周りのかっこいいやつを紹介できればと思ってます。あと例えばレコードをプレスしたり、スニーカーを探しに行くとか、あとはTOURの映像とかヒップホップが好きなヤツだったら楽しめる番組にしていければと思ってますね。

CRAMくんのアルバム、楽しみにしてます!

CRAM:ありがとうございます!

取材・文:二木信(2017年6月20日)

Profile

二木 信二木 信/Shin Futatsugi
1981年生まれ。音楽ライター。共編著に『素人の乱』、共著に『ゼロ年代の音楽』(共に河出書房新社)など。2013年、ゼロ年代以降の日本のヒップホップ/ラップをドキュメントした単行本『しくじるなよ、ルーディ』を刊行。漢 a.k.a. GAMI著『ヒップホップ・ドリーム』(河出書房新社/2015年)の企画・構成を担当。

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