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special talk : Unknown Mortal Orchestra × Tempalay

special talk : Unknown Mortal Orchestra × Tempalay

特別対談:アンノウン・モータル・オーケストラ×テンパレイ

構成・文:小林拓音    通訳:Shin Fukuzumi 写真:Masahiro Saito   Mar 15,2017 UP

Unknown Mortal Orchestra
Multi-Love
Jagjaguwar / ホステス

Indie Rock

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Tempalay
5曲
Pヴァイン

Indie Rock

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 去る2月27日。US屈指のサイケデリック・ポップ・バンド、アンノウン・モータル・オーケストラの来日公演が開催されました。当日フロント・アクトを務めた若き日本のバンド、Tempalay(テンパレイ)は、まさにそのUMOに刺戟されてバンドをスタートさせたという経緯があります。となれば、これはもう対面していただくしかないでしょう! というわけで急遽、渋谷 duo MUSIC EXCHANGE の楽屋にて特別対談を敢行しました。以下がその記録です。夢の邂逅をどうぞお楽しみください。

僕たちはUMOを知ってから、3人でもこういうサイケみたいな音楽ができるってことに気がついて、やってみたいと思ったんです。 (竹内)

ルーバン・ニールソン(Ruban Nielson、以下RN):今回のイベンターが「Tempalayも前座に入れていい?」って連絡してきた時に、前座のバンド全部を聴いてみたけど、Tempalayがいちばん良かったよ。

Tempalay:うわー!!!

小原綾斗(ギター。以下、小原):センキュー! あははは(笑)。

RN:他のバンドとは明らかに違ったからね。

竹内祐也(ベース。以下、竹内):僕らはアンノウン・モータル・オーケストラ(以下、UMO)が好きでTempalayというバンドをはじめたんですけど、最初に作った曲(“Band The Flower”)を聴いてもらってもいいですか?

RN:オーケイ、もちろんいいよ。

小原:“FFunny FFrends”をパクってます。(と言いながらスマホで曲をかける)

RN:(流れた曲を聴きながら)うわあ! 2年前に俺の友だちが「日本人のバンドで“FFunny FFrends”みたいな曲を書いたヤツらがいるよ」と言って送ってきた曲を聴いていて、その時はTempalayの曲だってことを知らなかったけど、今初めて気づいたよ(笑)。

竹内:ウソだ(笑)! なんでなんで?

(一同笑)

小原:スゲえ……

RN:ニュージーランドの友だちはどうやって見つけたのかはわからないけど送ってきてくれて、すごくカッコいいと話していたんだ。教えてくれてありがとう(笑)。ドラムの音が素晴らしいね。これは2年前に作ったの?

竹内:そうそう。たぶん2年前ですね。

RN:いいね。クールだよ。これからまたアメリカに来る予定はある?

竹内:去年は行ったんですけど、これから先に行く予定は決まってないので、連れて行ってください(笑)。

RN:オーケイ、もちろん。本当にカッコいいよ。

竹内:僕たちはUMOを知ってから、3人でもこういうサイケみたいな音楽ができるってことに気がついて、やってみたいと思ったんです。ミント・チックス(The Mint Chicks)からUMOになった時に、3人でそういう音楽をやろうと思った理由はあるんですか?

RN:今のバンドはすごく長い期間をかけてどんどん形になっているような感じなんだ。これはよく知られていることかもしれないけど、最初は俺しか曲を書いていなくて、それをネットに上げたらいろんなブログが載せてくれたんだ。それで、当時は『ピッチフォーク』が「いろんなブログを見て、新しい音楽を見つけよう」という感じで、たまたま取り上げてくれたんだよね。そしたら一気にいろんな人たちやレーベルから連絡が来たんだ。その頃はジェイク(・ポートレイト)と俺の弟と一緒に仕事をしていたんだけど、パソコンで「『ピッチフォーク』に載っているこれ、俺なんだけど」って見せたら、「お前バンドやってるなんて言わなかったじゃん!」って言われて。「誰にも言ってないんだよ」と言ったら、「お前のバンドはあるの? ないなら組む?」という話になって、それがジェイクとバンドを組むきっかけだったんだ。そこからレーベルとも契約して、ライヴ・ツアーにたくさん行ったらどうなるか見てみようと思ってUMOを始めたんだよ。ジェイクはいまだに一緒にやっているけど、これだけツアーをやっているとドラマーがみんな疲れて辞めていっちゃうんだよね(笑)。アンバー(・ベイカー)という新しく加わったメンバーが5人目のメンバーかな。

藤本夏樹(ドラム。以下、藤本):えっ、あの女性の方ですか?

通訳:女性の方ですね。

Tempalay:へえー!

RN:今はキーボードのクインシー(・マクラリー)が加わって4人組なんだ。

藤本:ホイットニー(Whitney)のドラマーは?

通訳:ホイットニーのジュリアン(・エーリック)は(UMOの)最初のドラマーですね。

RN:できれば今の4人組が最終形態になればいいと思っているよ。ただ自分のバンドにいろいろな人が加わって、それぞれが別のバンドを組むというのも面白いと思うんだ。いま話したジュリアンがやっているホイットニーとは一緒にツアーを回ったし、前のドラマーのライリー(・ギア)はもう新しいバンドを始めているし、そういう流れも面白いと思うよ。

小原:“FFunny FFrends”が、最初に作ってSoundCloudに上げた曲ですか?

RN:そうだよ。

竹内:そうかー。じゃあ今の4人だったら、ルーバンがやりたいと思っていることが実現可能なのでしょうか?

RN:そうだね。多分実現できると思っているし、彼らと一緒にバンドをできていることは本当に恵まれていると思っているよ。俺は自分の曲をただ演奏してくれるだけのバック・バンドは嫌で、メンバーそれぞれが自分のアイデアを持ち込んだり、特にライヴの時に自分の特徴を出してくれたりするような人が欲しかったんだ。(今のメンバーは)それぞれそういうことをやってくれるし、普通のバンドよりメンバー間で音の交流をいつもやっているから、本当に恵まれていると思う。

小原:(ルーバンが着ているシャツを見て)ちなみに『ストレンジャー・シングス』(ネットフリックスで公開されているテレビドラマ)が好きなんですか?

RN:ああ、そうだね(笑)。自分を気持ちよくさせてくれるようなTシャツを着たいと思っているんだけど、『ストレンジャー・シングス』を観た後に興奮して、eBayで買ったよ(笑)。(小原の着ているTシャツを見て)君が着ているのはコミックの方の『キリング・ジョーク』のジャケットに似ているよね。

小原:『キリング・ジョーク』大好きです、はい(笑)。ところで、今まで聴いて育った音楽とか、影響された音楽についてお訊きしたいですね。

RN:俺の父親がジャズのミュージシャンだったから、小さい頃からジャズやラテンの音楽を聴いていたね。その父親の影響でマイルス・デイヴィスやスティーヴィー・ワンダーとかを聴くようになったんだ。若い頃はよく東海岸のヒップホップが好きで聴いていて、特にウータン・クランはすごく好きだったね。UMOはビートルズから影響を受けていると思われることが多いんだけど、19、20歳くらいまで(ビートルズを)聴いたことがなかったんだ。だから、どちらかと言うと(ビートルズは)自分としては「新しいバンド」という感覚で聴いているんだよね。あとは昔のパンクものでバズコックスとか、ポストパンクのワイヤー、ギャング・オブ・フォー、PiL、ラモーンズとか、あの辺りはぜんぶ聴いていたね。このバンドを始める時はその要素をごちゃまぜにしたような感覚でやっていたよ。

小原:逆に最近聴いている音楽はなんですか?

RN:最近はサンダーキャットが好きだね。

竹内:ああ、最高。サンダーキャットはヤバいですよね。

小原:“Tokyo”って曲があるじゃないですか。

RN:あるね! その新しい曲の歌詞のなかに、歯医者へ行ったら悟空の人形のおもちゃがあって、その悟空のせいで人生が狂った、みたいなことが書いてあったね(笑)。

小原:サンダーキャットさんとは繋がりがあるんですか?

RN:LAのケンドリック(・ラマー)とも繋がりがあるようなジャズ・ミュージシャンは好きなんだ。カマシ・ワシントンとサンダーキャットは、自分たちが出たフェスで俺らの演奏が終わった後に楽屋に来てくれて、そこにはフライング・ロータスもいて、それまで彼らとは会ったことがなかったけど彼らの音楽は大好きだったから、思わず興奮してしまったね(笑)。そこで一緒にハッパを吸って楽しんだんだけど(笑)、そこから仲良くなったんだ。もしかしたら俺たちがこれから作るアルバムで、サンダーキャットに1曲参加してもらえないか提案するかもしれないんだよね。

竹内:特ダネじゃないですか。

RN:俺は10代の頃から音楽オタク並みにいろんな音楽を追っていたんだけど、今は自分が音楽を作る側になったのと、常に音楽に囲まれた生活になっていることもあって、あえて新しい音楽を無視することもよくあるんだ。ひとりの人間が「新しい」と呼ばれているものを発見するまでって時間がかかると思うんだよね。だから自然と友だちのバンドの音楽を聴くことが多くなっている。テーム・インパラ、マック・デマルコ、コナン・モカシンといった自分と繋がっている人たちの音楽を聴くことのほうが多いかな。ただLAのサイケ・シーンとかヴァイナル・ウィリアムス、モーガン・デルト、あとはダーティ・プロジェクターズなんかも好きなんだけどね。発見するまで時間がかかるようになったね。

小原:モーガン・デルト大好きです。

RN:そうなんだ。年越し(ライヴ)を一緒にやったよ。

竹内:インディペンデント(サン・フランシスコのライヴ・ハウス)でですか?

RN:そうだね。

竹内:去年SXSWでTempalayのライヴをした時に、インディペンデントへ行きましたよ。

RN:本当? いいね。昔KING BROTHERSと一緒にツアーをしたときに「すげえ」って言葉を教えてもらったり、ギターウルフと4、5回一緒にやったりしたね(笑)。

小原:ところで、レコーディングはハッパを吸いながらやるという記事を読んだことがあるんですが……

RN:いや、食べるほうが多いね。そのほうがゆっくりキマるし。

(一同笑)

構成・文:小林拓音(2017年3月15日)

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Profile

小林拓音/Takune Kobayashi
1984年生まれ、東京在住。ライター、編集見習い。これからいろいろやっていく予定です。

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