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What's in My Playlist

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4 今月聴いた音楽と余談

選・文 : 小山田米呂 Apr 16,2021 UP

1. My Bloody Valentine - Loveless

 マイブラが帰ってきた!
〈Domino〉との契約を発表し『Isn't Anything』、『Loveless』、『ep's 1988-1991 and rare tracks』、『 m b v』の再発、ストリーミング解禁。そして『ニューヨークタイムス』の記事でケヴィンが〈Domino〉から2作品のリリースの予定を発表。発売日はまだ未定だが年末までには完成させると言ってるそう。 やったー!
 この際シングルも再発してくれ。なかなか見ないのもあるしとにかく高い。当初の計画では今年に新作のリリースとツアーを予定してたようです。やる気があるならこちらは待ちましょういつまでも。
せっかくなので移動中にSpotifyで聴いていたら、ギターの轟音が電車の走行音と重なっちゃって「あれ? これギター? 電車?」って。そもそも少し音ちっちゃいから全然聞こえなくなってきちゃって。マイブラは都心の移動中に聴くもんじゃないようです。
 『ニューヨークタイムス』がケヴィンの最近の様子を書いてました。最近の趣味は料理と散歩、詠春拳(中国拳法)を習いはじめ、音楽はSpotifyで聴いててお気に入りはフランク・オーシャン。散歩で見つけたらしい鹿の生態をどこかのインタヴューで楽しそうに語っているという。だいぶ穏やかな生活送っているようです。詠春拳してるケヴィン・シールズ……見たい……そういうのが楽しくなってくる年齢なのもわかるけど、「最近好きなのはフランク・オーシャンです(真顔)」なんて言われたらちょっと不安になっちゃうよ……
 マイブラの曲は皆さんもう聴いていると思うのでケヴィンとジェイの謎セッションをどうぞ。

2. The Orielles - La Vita Olistica

 ロンドン、〈Heavenly Recordings〉からThe Oriellesのサード・アルバム!  Stereolabファンなのでこの手のバンドは大好物。ベース・ヴォーカルとドラムの姉妹とギターの3ピース・バンドだけど使う音もアイデアも多彩で聴いてて楽しい!  こういう手数の多さはそれまで触れてきた文化の多様さが出ますね。 本アルバムはセカンド・アルバムのセルフカヴァーの曲も多いのですがガラッと変わったわけではなくアップデートというよりは別解釈。前作も良かったので比べ合わせて聴くと間違い探し的に面白いです。

3. Floating Points, Pharoah Sanders, The London Symphony Orchestra - Promises

 NYCは〈Luaka Bop〉からFloating PointsとPharoah Sandersのコラボ・アルバム! ロンドン交響楽団も参加。版元の〈Luaka Bop〉はDavid Byrneのレーベルなんですね、ということはByrneも一枚噛んでるのか。
 9曲通して1曲に構成されていて、ファラオ・サンダースのサックスもFloating Pointsのシンセももちろんロンドン交響楽団の完璧な演奏もまったく土下座もので素晴らしいんですが、正直、少し地味かなと感じてしまう。高尚すぎて僕にはまだ早いんだな...

ファラオ・サンダースのデケデケデケドォ〜。

アルバムのプロローグの動画で担当楽器やらレコーディングの状況が中々細かく解説されてます。

4. black midi - John L / Despair

 〈Rough Trade〉からblack midiのニュー・シングル。セカンド・アルバムのリリースも決まっているようです
 それにしても〈Rough Trade〉はblack midi、〈Warp〉はSquid、〈Heavenly〉はWorking Men's Club、〈Domino〉はSorry と、ここ数年で頭角を現したポスト・パンク・バンドを老舗レーベルが取得。black midiとSquidは複雑なアンサンブルやシュプレヒゲザング(喋るような歌い方)がとくに似た印象で、どちらもポストロック要素が多い感じ。
 black midiはより禍々しく、曲の緩急がストーリー性を強く感じる。クラウトロックの影響も強そう。おそらくほぼ同世代のshameはツアーも多かったので一足先にアメリカでウケましたが、上記で挙げた様なバンドもコロナがなければもっと大きくなってたかも。


余談

 ここからは音楽関係なく『シン・エヴァンゲリオン』の話をしたいと思います。冒頭の小型潜水艦を改造した月着陸船、ピアノ線で吊られた8号機と戦艦の空中戦から始まり、レイアウト、ボタンの押し方に至るまで、すべてのキャラの一挙一動にオマージュが込められているであろう常軌を逸した作り方。到底追いきれない元ネタの数と特撮の知識。これは『ウルトラマンA』だ! とか『バロム・1』かな、あの漫画かな、この映画かな、などとやってるうちに映画は終盤に差し掛かりで気付いたらマスクは涙でビショビショ。碇ゲンドウは成仏した。綾波もアスカもカヲルも成仏した。シンジとマリは大人になった。あのシンジが。つい2時間前まで鬱で飯も食えなかったシンジが。日本一のオタクからの外に出よという全オタクへのメッセージ。これはTV版でも旧劇でも繰り返し言われてきたことだけど、これまでのエヴァンゲリオンより確実に大人になったキャラクターたちは、庵野秀明は僕らを傷つけて目を覚まさせるのではなく、手を差し伸べ、引っ張っていってくれる。でも僕はとりあえずウルトラマンと仮面ライダーを見直します。
 ひとつ気になって調べたのですが、第3村で綾波(仮)とおばちゃんたちが前進しながら田植えをします。通常手植えでは後進しながら植えますが、一部地域、とくに棚田のある地方は前進しながら田植えするそう。第3村の田んぼは棚田なので前進しながらするのが正解。細かすぎる! 一瞬でも浅知恵で見つけちゃったー! と喜んだのが恥ずかしい。感服です……

Profile

小山田米呂/Milo Oyamada小山田米呂/Milo Oyamada
2000年生まれ。東京在住。文筆、作曲、音楽活動をしている。

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